魔法少女みそぎ☆マギカ   作:零崎妖識

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お久しぶりです。もう一つの作品やらオリ魔女やらが思いついてしまって中々書けませんでした。


第十五敗『僕は悪くない』

劇場の魔女との闘いの次の日、僕は、美樹ちゃんに呼び出されていた。

 

『で、屋上まで来て何の用?』

 

「……ねえ、禊。あんたの魔法……“大嘘憑き(オールフィクション)”だっけ?ありとあらゆるモノを無かった事に出来るってヤツ……」

 

『?』『それがどうかしたの?』

 

「それ、昔の怪我でも治せるの?」

 

『治せない』『ま、治すんじゃ無く無かった事にするんだから』『治すとは言わないね』『無かった事には出来るけど』

 

「……お願い。怪我を、無かった事にして欲しい人が居るの」

 

 

 

 

『ふーん、上条恭介、ねぇ』

 

「うん。恭介の左手は治る見込みは無いって……。だから、魔法に頼るしか無いんだ。お願い!」

 

『一つだけ』『上条君は怪我について如何思ってるの?』

 

「もう、諦めちゃってる……。自暴自棄になりかけてるの」

 

『じゃあ、僕は“大嘘憑き”は使わない』『上条君の怪我を無かった事にはしないよ』

 

「っ!?どうして!?何か、対価でも必要なの!?」

 

『いや』『必要無いよ』

 

「じゃあ何で?何で救ってくれないの?」

 

何で?そんなの決まってる。

 

『上条君が諦めちゃってるから』

 

『確かに僕は弱い者の味方だ』『けどね』『上条君が怪我を治す事を諦めたなら』『それは逃げだ』

 

『僕が味方になるのは』『どんなに欠点だらけでも』『欠点すら武器として』『正常(プラス)に勝負を挑む様な』『僕ら過負荷(マイナス)の様に』『自分の欠点を受け入れて』『その上で足掻く様な者だけだ』

 

『だから上条君の味方にはならないし』『上条君の怪我も無かった事にはしない』

 

『わかった?』『君は頼みに来た時点で詰んでいたんだよ』

 

「……もう良い。あんたに頼もうとしたあたしが馬鹿だった」

 

『へぇ』『如何するの?』

 

「魔法少女になれば、願いを一つ叶えて貰える。もう、それに縋るしか無いの」

 

『させると思う?』

 

ズガッ!

 

美樹ちゃんにマイナス螺子を螺子込む。

 

『“却本作り(ブックメーカー)”』『美樹ちゃんの因果』『つまりは魔法少女になる為の元を』『封印させて貰った』『これで美樹ちゃんは魔法少女にはなれないね!』

 

清々しい笑みを浮かべて美樹ちゃんに言う。完全に悪役の諸行だけど、今回ばかりはこれが正しい方法だ。

 

『安心して?』『螺子は僕と美樹ちゃんにしか見えない様にしておいたから』『一般人に心配される事は無いよ!』『やったね!』

 

「ひっ、ちっ、近寄らないで!」

 

僕が近づくと、後退りする美樹ちゃん。あはは?

 

『何で?』『僕達は友達でしょ?』『その螺子は』『ただ友達が心配して螺子込んだだけだよ?』『だから』

 

『僕は悪くない』

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