劇場の魔女との闘いの次の日、僕は、美樹ちゃんに呼び出されていた。
『で、屋上まで来て何の用?』
「……ねえ、禊。あんたの魔法……“
『?』『それがどうかしたの?』
「それ、昔の怪我でも治せるの?」
『治せない』『ま、治すんじゃ無く無かった事にするんだから』『治すとは言わないね』『無かった事には出来るけど』
「……お願い。怪我を、無かった事にして欲しい人が居るの」
☆
『ふーん、上条恭介、ねぇ』
「うん。恭介の左手は治る見込みは無いって……。だから、魔法に頼るしか無いんだ。お願い!」
『一つだけ』『上条君は怪我について如何思ってるの?』
「もう、諦めちゃってる……。自暴自棄になりかけてるの」
『じゃあ、僕は“大嘘憑き”は使わない』『上条君の怪我を無かった事にはしないよ』
「っ!?どうして!?何か、対価でも必要なの!?」
『いや』『必要無いよ』
「じゃあ何で?何で救ってくれないの?」
何で?そんなの決まってる。
『上条君が諦めちゃってるから』
『確かに僕は弱い者の味方だ』『けどね』『上条君が怪我を治す事を諦めたなら』『それは逃げだ』
『僕が味方になるのは』『どんなに欠点だらけでも』『欠点すら武器として』『
『だから上条君の味方にはならないし』『上条君の怪我も無かった事にはしない』
『わかった?』『君は頼みに来た時点で詰んでいたんだよ』
「……もう良い。あんたに頼もうとしたあたしが馬鹿だった」
『へぇ』『如何するの?』
「魔法少女になれば、願いを一つ叶えて貰える。もう、それに縋るしか無いの」
『させると思う?』
ズガッ!
美樹ちゃんにマイナス螺子を螺子込む。
『“
清々しい笑みを浮かべて美樹ちゃんに言う。完全に悪役の諸行だけど、今回ばかりはこれが正しい方法だ。
『安心して?』『螺子は僕と美樹ちゃんにしか見えない様にしておいたから』『一般人に心配される事は無いよ!』『やったね!』
「ひっ、ちっ、近寄らないで!」
僕が近づくと、後退りする美樹ちゃん。あはは?
『何で?』『僕達は友達でしょ?』『その螺子は』『ただ友達が心配して螺子込んだだけだよ?』『だから』
『僕は悪くない』