挨拶をした途端、教室のいたるところで笑い声が上がる。本来の球磨川君なら、『笑うな』と言いつつ全員に螺子を螺子込むのだろう。
僕?
転校初日から問題を起こすつもりはないよ?
『おいおい』『人の精一杯の冗談を笑わないでくれよ』
『てかさー?』『扉の向こうにもう一人居るの気づいてる?』『早く呼んであげなよ、先生』
「(忘れてた…)じ、じゃあもう一人の子も入ってください」
ほむほむが入ってくる。僕を睨みながら。なんか嫌われることしたっけなー?あ、まどかちゃんを見つめてる。
「それでは自己紹介をお願いします」
「暁美ほむらよ。よろしく」
髪の毛を掻き上げながら彼女はそう言った。……え?終わり?もうちょっとないの?
☆★
彼を見つけたとき、少し気持ち悪く感じた。それと同時に、残念でもあった。イレギュラーは、男子だったのだから。これで、自分の力で解決するしか無くなった。彼を睨みつつ、何となく質問をする。
「あなた、転校生かしら?」
『そうだと言ったら?』
「いえ、何でもないわ(期待外れ、ね)」
『ん?何か言った?』
「独り言よ」
やっぱり、此奴がイレギュラーらしい。紫に近い黒髪に、同じ色の目。髪や目と同じ色をした学ランを着てへらへら笑っている。邪魔だけは、しないで欲しい。
「それでは、転校生を紹介します」
『じゃあこの後また会おうぜ』『暁美ほむらちゃん?』
「ッ!?ち、ちょっと待って」
何で彼が私の名前を知っているの!?
『待たない』
ガラッと、扉を開けて彼は中に入る。黒板に名前を書いたけれど……【球磨川禊】……【くまがわみそぎ】でいいのかしら。
?今、まどかに(ついでに美樹さやかと志筑仁美にも)目を向けてた?気のせいかしら。
『初めまして!』
自己紹介が始まったみたいね。何もなければいいけど……
『週刊少年ジャンプから引っ越してきました』『球磨川禊です!』『よろしく!』
……は?ふざけてるの?あ、私も入らないと。
「じ、じゃあもう一人の子も入ってください」
丁度呼ばれたけれど、早乙女先生は何を焦っているのかしらね。球磨川禊を睨み、教室に入る。
見つけた、まどか。貴女は私が守る。
「それでは、自己紹介をお願いします」
いつも通りの自己紹介をする。せめて、球磨川禊の二の舞にならないように。
「暁美ほむらよ。よろしく」
これまで通り、髪を掻き上げながら、私はそう言った。
★
〈ねぇ、マミ〉
〈あら、何かしらキュゥべえ?〉
〈放浪の魔法少女って、知ってるかい?〉
〈噂だけは知ってるわね。特定の縄張りを持たず、日本各地を転々としている、だったかしら〉
〈正解だよ、マミ〉
〈けど、何でこんな話を?〉
〈彼女が見滝原に来てるからさ。彼女の名はーーー〉
次回悩み中。感想お願いします。