次の日、僕は一人で行動していた。風見野との境目辺りに魔女の結界を見つけたからね。巴さんたちを呼ぶよりも、自分で倒した方が早いし。
結界内は不思議な絵や彫刻で一杯だった。ご丁寧に題名まである。【赤い服の女】に、【無個性】ねぇ。前世でそんな名前の美術品が出てくるフリーゲームがあったなぁ。あ、題名が無いのもある。
あのゲームだとこいつらが襲って来たけどまさか……
ガシャンッ
やっぱり。
『こいつらが使い魔か。さしずめ【美術館の魔女】ってとこかな?』
ほぼ全ての美術品が一斉に襲って来た。けど、数が多いだけで
『元々が美術品だから脆いんだよね』
簡単に壊せた。螺子で斬り裂き、磔にし、串刺しにする。壁から出てきた黒い手は、僕に届く前に床に縫い留めた。
『ようやく最奥か。長かった』
【深海の世】
そう名付けられた、床に描かれた絵画の中へ入る。
辿り着いた先には大量の青い人形。出入り口の絵は【絵空事の世界】。壁には【忘れられた肖像】と言う絵画もある。その他、合計で6つの絵画。
『なるほど。絵画はエンディング。存在しないのが、ここの魔女が選んだエンディングか。さて、ここの魔女はっと』
そこにいたのは黄色い薔薇を醜悪に変化させた様な魔女。両手と思われる場所には赤い薔薇を持つ女の子の人形と、青い薔薇を持つ青年の人形が存在した。床には魔女の名前と思われる不思議な文字群と共に、これまであった作品通りに、僕らでも読める文字で題名があった。
【ようこそゲルテナの世界へ】
元となったフリーゲームのEDの中で唯一、この部屋に飾られていなかったもの。
『さあ、物語はここでおしまい。君は静かに眠っときな』
魔女と僕が同時に動く。襲いかかってくる青い人形を壊し、魔女の石薔薇を砕く。そして魔女に螺子を螺子込み、自分の固有魔法を発動させる。
『“
球磨川禊の始まりの
『じゃあね。おやすみ』
そう言って止めをさそうとした時、背後から飛来した槍が魔女を貫いた。魔女は消える。そういえば、魔女は両手の人形を攻撃に使わなかった。最後まで、一切傷付けず、守りきった。残った二つの人形も消える。そして、結界は崩壊し、元の風景に戻る。
『あーあ。ほんと、他の魔法少女が居ると止めを持っていかれるんだよなぁ』
「あいつをあそこまで追い詰めたのはアンタだろ。グリーフシードはやるよ」
僕は振り向く。
「食うかい?」
予想通りに、赤い魔法少女がお菓子を差し出してた。
【美術館の魔女】Mary(メアリー)
性質は友情。可能性として、憧れや、嫉妬などもあった。普通の文字が結界内に存在する珍しい魔女。その全てが美術品の題名。
魔女の結界に巻き込まれて、魔法少女になった。親友二人、計三人で出かけた所、Maryとは別の【美術館の魔女】の結界に、全員で迷い込んだ。願いは、“全員で元の世界へ戻ること”。
魔法少女になった後も、二人との友情は続いた。
初代【美術館の魔女】はGuertena(ゲルテナ)。つまり、Maryの結界はGuertenaの結界のコピー。
元ネタは、フリーゲームの“ib”。オリジナルの魔女が思い浮かばなかったんです。
魔女の部屋にある6つの絵画はibのED。部屋自体を一つのEDと見るので合計7つ。