このすばのカズマさんがウィッチャーになって俺TUEEするみたいです   作:蒲鉾と竹輪

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頭のなかだけで物語を書くとこうなるという悪い見本みたいな内容。


主人公(笑)

 その男は、ウィッチャーとしては珍しく鼻あて付きの鋼の兜かぶっている。鼻あて付の兜と言っても顔を覆うようなものではなく、鉄メットに鼻あてがついただけの物で音を聞き分けられるように耳は保護をしていない。真面目にあご紐をしっかりと絞め、深くかぶっている。髭と髪の色は灰色だがノミやシラミがつくのが嫌で北方人にしては珍しく剃りあげている。その男のみたくれは、まさに筋肉の塊といった風貌であり、腕も足も丸太の如く太く不自然に血管が浮かび上がっており、顔にも体にも傷がある。その風貌にふさわしく、装備品も鎖帷子の上に板金板の帯鎧(バンデットアーマ)という重装備なのだが万事華美を良しとした中世的な価値観の世界にあって、野盗が装備するにしても飾り気のない実用一辺倒の品であった。武装は、刃渡り1mほどの両刃の銀の剣に同じく両刃の鋼の剣、腰には2本投斧をたずさえ、幾つか爆薬も持っている。伝統的なウィッチャーの装備だ。石弓(クロスボウ)はもっていない。

 

 (ゲームだと石弓は弱いが現実的に考えて、石弓兵が20人もいれば野戦ならウィッチャーは、適当に引き撃ちされるだけで封殺されるだろう。カズマが強いのも同じ理由。攻撃半径500m以上あり、しかも一撃必殺の上、連射してくるので手も足も出ない。ただし、ウィッチャーに5m以内に近寄られると普通に負ける)

 

 彼の名はグリフィス、通称『うろつき熊のグリフ』という熊流派のウィッチャーだ。ウィッチャーには養成所があり各流派ごとにスタイルが異なる。たとえば、バランスの狼、軽装備の猫、(サイン)のグリフィン、毒の蛇そして重装備の熊と言った具合だ。

 

 ウィッチャーは、魔法で人工的に作られた変異体であり、怪物退治を生業とする職業柄から人の不幸に漬け込むという偏見が生まれ必然的に人々の恨みを買い憎悪の対象になっていた。歴史上、怒り狂った民衆がウィッチャーの養成所を襲ったことすらある。そして今では世界中にわずかな数のウィッチャーしかいない。

 そんな彼らも現在では公然と敵意を向けられることはなくなり中立的な立場で怪物退治を行っている。

 

 グリフは現在、警戒すべき相手と対峙している。男は、若干細身の中背、黒髪にエキゾチックな異国の風貌で男娼になればその珍しさから人気になることは間違いないであろう(男娼のあいては男)意匠はずいぶんと違うがスコイア・テルが着るような緑色の服を着ている。しかし、見た目からエルフではありえないだろう。男の見た目は若者だが自身と同様見た目の通りの年齢とは限らない。

 男はどこからともなく現れ、未知の道具でつがいのグリフィンを瞬殺しグリフを助けた。一般常識的に人間がウィッチャーを助ける事自体信じられない。ましてやつがいのグリフィンにウィッチャーがいるとはいえ一人で加勢するなんてどんなバカでもやらないだろう。故に<アクスィ>の印をかけて未知の道具、そしてなぜ助けたのか聞き出そうとしたが軽率だった。

 グリフは、戦闘の焦りで<アクスィ>も効かない人間には効かないし、効かない時は、効かないと言うことを失念し、安易に印に頼ってしまった。基本的に<アクスィ>は、武装した相手や知識のある上流階級の人間には使うべきではない。失敗しようが、成功しようが精神操作されて気持ちのいい人間などはいない。気づかれれば敵対関係に陥る可能性が大きい。故に彼は<アクスィ>の多様はしてこなかった。

 もっともカズマに効かないのは、彼に魔法的な抵抗力があるわけでも精神力が高いわけでもない。単に石ころに<アクスィ>をかけているのと同じだからだ。テスラコイルに精神操作の魔法が効くわけ無い。(魂や生命を操作する魔法なら別、故に死霊術は効く)だから、カズマも魔法にかけられたことに気づいていなかったのに、経験上、<アクスィ>の失敗は、敵対行動と見放されると思い防御行動をとってしまった。幸いにも相手は好戦的ではなく、酒というだけで霊薬を飲み干し、マイペースにそこのグリフィンを捌いて一緒に食べようとかのたまった。どうやら友好関係を築きたいらしいがそう言う訳にはいかない。なぜなら、男は、ウィッチャー用の霊薬を飲んでもなんともないからだ。

 

「俺は…助けられたことには感謝しているが名乗る前に、先ずは俺の質問に答えてくれ」

 

「なんでだ?」

 

「お前が、魔術師なら名前だけで俺を呪えるような手練かもしれないからな」

 

「俺は、今のところ魔法は使えない。使っては見たいと思っているけど」

 

 グリフは疑問に思う。なぜ魔術師でもないのにグリフィンを倒せるのかと。たとえばウィッチャーを倒すのには完全武装の軍隊、2個小隊もあれば十分なのだが、怪物、まして飛行する連携の取れたつがいのグリフォンとなると中隊でも足りないかもしれない。つまり目の前の男はそれ以上の怪物という認識を持っていた。

 

「では、なぜグリフィンを倒せた?その道具はなんだ?」

 

 そういってグリフはカズマの腰のガンベルトを顎でしゃくる。カズマは少し考えてから銃が存在しない世界であることを考慮し、相手に分かるように答える。

 

「コレは銃だ。筒の中にあんたが腰にぶら下げているのと同じ爆薬と金属片を一緒に詰め込んで、火薬を爆発させて金属片を飛ばす武器だ。銃がなけりゃ怪物なんかと戦おうなんて思わないよ」

 

「爆薬?にしては嗅いだことのない匂いだが…それに火縄や魔法なしでどうやって点火しているんだ?」

 

「くわしい仕組みは俺も知らない。作ったのは俺じゃないからな」

 

「そんな物を持っているだなんてお前は何者でどこから来た」

 

「俺は、サトウカズマ職業は…傭兵だ。なんとか神に飛ばされてここに来た」

 

「そんなことを聞きたいわけじゃないが。おそらく、聴いても仕方ないみたいだな。嘘をついていないならばお前にも状況がよくわかっていないようだ…さて、本題に入ろう。霊薬を飲んでなぜなんともない?」

 

「え?あれってなんかあるのか?もしかして毒とか?」

 

「普通の人間には毒だ。そろそろ、効果が出てきてもいい頃なんだが…」

 

 カズマは、異世界で過ごしたことにより、通常の人間よりは、毒や疫病に対して耐性があるがそれは物理的な耐性であり魔法的な耐性ではないので霊薬は普通に毒なのだ。それでも普通の人間よりも効きづらいのか今までなんともなかったのだが意識をするととたんに効いてくる。視界がぼやけふらふらしてくる。カズマの意識はそこで途絶えた。

 

 

 ここは、北方諸国の大国4ヶ国の国境が交わる付近にある寒村。寒村と言ってもそれは現代人の感覚であり、50戸近くの家があり、(モット)で囲まれ領主館(マナーハウス)があり、集会場件簡易な教会、酒場が存在する周辺地域を束ねる大きな村だ。

 グリフは、怪物対峙の報酬をもらうべくグリフィンの頭を討伐の証として、領主館の代理人と酒場であっていた。領主に会えないのは、別の場所にいるので当然なのだが。領主館にさえ上がらせてもらえないのがウィッチャーという身分を表している。永遠の炎教会所属の騎士やハンターならば、たとえ領主に煙たがられていたとしても、領主館にあがり、領主の代理人に儀礼的に酒くらいは振る舞われる。

 村の酒場では、領主の代理人、そして依頼者である村長がもめていた。グリフは仕事をこなし討伐の証をもって来たのだが土壇場になって金の支払いで依頼者と領主の代理人が揉めているのだ。二人が揉めているのは、まさかウィッチャーがつがいのグリフィンを一人で退治できるとは思っていなかったのだ。二人の計画は、村にたまたまやってきたウィッチャーに前金で端金を渡し、ウィッチャーの信用を立てにひとりで怪物退治に向かわせ(断れば風聞が悪くなると脅して)そして、領主の傭兵、だめなら永遠の炎教団のハンターがやってくるまでの時間稼ぎになって野垂れ死にしてもらう予定だったのだ。

 二人は、金をどちらが出すかでもめているが、ウィッチャーを相手取る度胸はなく、ここで彼を始末しようという気は起らなかった。グリフは、グリフィンの頭を酒場の客に見せびらかすようにテーブルの上に置いている。彼は普段はここまではやらないが、依頼人から直接請け負わずに領主館にいって、仕事の受領を領主の代理人の立会のもとで契約を交わして(ピンハネされるが)、報酬の受け取りに酒場を指定した。酒場の客は、味方ではありえないが、この状況でやらずぶったくられることはないだろう。いくら口止めをしても噂というものは風より速く伝わるもので、それがグリフの安全、報酬を約束しているのだ。彼は、両腕を組んで押し黙って二人が結論を出すのを待っている。

 

 一方カズマは、酒場の酒が染みこんだ小汚いテーブルに肘をかけ、頬を方杖して、ぼーっとしていた。別にまだちょっとふらふらするが霊薬の毒の影響のためほーっとしているわけではなく単にやることがないからだ。

 店の中では、酒焼けしたおっさん、おばはん共が、ダイスポーカーというチンチロリンのようなゲームに勤しんでいたり、グウェントと呼ばれるカードゲームで賭け事をしている。

 なぜカズマがそれらの賭け事に参加していないのかと問われるとそれは種銭がないからではない。カズマはグリフから歪んだ金貨を数枚貰っている。金貨なのだが薄汚れていてあまり綺麗ではないし、歪んでいて形も不揃いである。価値の方は、分からない。相手にされないからだ。

 北方人は排他的で特にこのような田舎の酒場で、よそ者、しかも明らかに北方人ではないものが…少なくともこの酒場では受け入れられることはなかった。賭け事に参加しようと挨拶して、無視されるのはまだいいほうで、公然と唾を吐きつけられることさえあった。

 仕方ないので、一人で酒でも飲もうと店主に声をかけるも『おまえには売れない』といわれ『金ならある。足りないのか』とコインを出しても『それで十分だがやはり売れない』とにべもなく断られた。酒場を追い出されないのはウィッチャーと一緒に来たからにすぎない。(店主としてはウィッチャーと一緒に追い払いたいだろうが)

 

 グリフは、口論している二人に辟易したのか口を開く

 

「そうやって、ハンターや領主の軍勢が来るまで待っているつもりか?ここまでまって来ないということはもう来ないってことなんじゃないのか」

 

 口論している二人は、痛いところを突かれたように押し黙る。もっとも彼らはそこまで考えていたわけではなくただ単に領主が金をだすか村が金を出すかで揉めているのだ。依頼人の方が、『人の不幸に漬け込んで、法外な金額を受け取ろうというのか!』とまくし立てるので、グリフは、反論する。

 

「グリフィン2匹なら妥当な金額だ。永遠の炎教団がみかけじゃいくら無償で怪物退治してくれるといってもグリフィン2匹なら領主はこの金額以上のお布施を司教にしなければいけないだろうな」

 

領主の代理人が口を開く

 

「しかし…」

 

間髪入れずにグリフは口を挟む

 

「まけてやるから領主と村で割り勘しろ。足りない分は物資をくれればそれでいい。布や食料はあるんだろう?」

 

領主の代理人と目を合わせる。それに合わせて、グリフは二人に右手を差し出すと二人は握手に答えようとはせずに嫌そうな顔でそれぞれ手形を切り酒場の店主に渡す。

 

「まかないきれない分は店主と相談してくれ」「…」

 

そう言って二人は背筋を曲げながらそそくさと店を出て行く。酒場の店主は、ウィッチャーのコインを数えチップを抜き取り硬貨袋に入れて渡す。

 

「足りない分は、干し肉に、黒パン、小麦粉、反物、蒸留酒で貰おう。内訳は任せる。もし足りなかったら…」

 

酒場の店主は、無表情でグリフに尋ねる。

 

「なぁウィッチャー?なんでウィッチャーをやっている?」

 

グリフは答える。

 

「ウィッチャーになるようなヤツが商会に丁稚奉公させてもらえるのか?」

 

 飲んでる連中からどっと笑いが起こる。『そりゃそうだ』『それもそうか』と。

 グリフは、店主からウォトカの入った瓶とピエロギ(ポーランドの餃子のような物)の乗った皿をぶんどるとカズマが座ってるテーブルの上に皿と瓶を置くと話しかけてくる。

 

「荷物を馬に括りつけたら夜明けを待たずに出発しよう」

 

カズマも甚だ同感であった。




手形ってあるんでしょうか?あったとしてこんな田舎の領主代理と依頼主の村長に切れるもんでしょうか?まぁ、村長クラスで切れないとかなり不便なんで切れるということにしま
す。常に現金でやり取りできるわけないでしょうし。あ、手形といっても約束手形でも小切手でもなくて売掛みたいな感じなやつです。単なるツケ払いの覚書です。たぶん、複式会計はありません。

しかし、書いているとどんどんウィッチャーの世界感に引っ張られるな。しかも3じゃなくて1寄りに。鬱だ。

作者のゲラルドさんのイメージは若い時にやったこともあって1で固定されちゃっててかっこいいことやっても説得力がさっぱりなかったりします。3でも、養女ほかっておいて宝探ししたり、カードゲームしてたり。まぁ私が悪いんですが。
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