このすばのカズマさんがウィッチャーになって俺TUEEするみたいです   作:蒲鉾と竹輪

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コミカルな前作と打って変わって趣味全開なんでご容赦下さい。


メンタル的な意味でハード

 流れの商人風の男が、役者のように大げさに表情筋を動かしながら、カズマとウィッチャーに声をかける。

 

「陰気な村の酒場でだれも相手してくれない。相手をしてくれないか」

 

グリフは相手を一瞥し、カズマの方を少し見ると、頭を立てにふった。カズマはと言うともう少し愛想よく返事をする。

 

「あんたもよそ者なのか?相席したいなら構わないよ」

 

「助かるよ。俺の名は、ゴウンター・オーディム。流れ者で昔は鏡の帝王とか鏡の達人とか言われていた」

 

グリフは、ウォトカをコップに移さずに瓶ごと煽り無視する。

 

「辛気臭いウィッチャーだ。まあ、この酒場の連中よりマシだがな」

 

カズマは返答に困り、はにかみながら話題を変える。

 

「昔は鏡職人だったのか?」

 

オーディムは大げさなジェスチャーをしながら、答える。

 

「いや、商人だ。なんでも売っているぞ。()()()()な。そこの二匹のグリフィンのお頭はあんたらが狩ったんだろう?」

 

「ああ。しかし、この村の連中は、目の前にグリフィンのお頭があるというのに酒の話題にさえしやしない」

 

「アレだけ大物なんだ。懐も暖かいだろう。一杯おごってもらっても?」

 

「あんたそれが狙いか。まあ1杯だけならいいぜ。エールでいいか?」

 

「いや、シードルのほうがいい」

 

オーディムは手で店主を呼びシードルを注文する。なぜかカズマと違って断られない。

 

「本来なら吟遊詩人の英雄談になるはずだった二人に」

 

カズマとオーディムはジョッキを傾けシードルを煽る

 

「平たい顔のあんた。他の奴らとは違うな」

 

「そりゃそうだろ。外国人だからな」

 

「商売敵が何をやっているのか偵察に来たが…あんたのことは気に入った。もっとしゃべりたいがそろそろ店じまいみたいだから先に行かせて貰おう」

 

オーディムは、席を立ち店を出て行く。

 

「流れ者どおし助け合わないとな。おごってもらったんだ、今度、会ったら何か助けよう」

 

カズマは、グリフの方を見て話す

 

「社交的なヤツもちゃんといるじゃないか。代わりに、奢らされたけど」

 

グリフはカズマの質問には答えずに、気難しい表情をしたままウォトカを煽る。

 

「あんたも社交的じゃないんだな。俺より社交的じゃないなんてそれはそれで問題あるんじゃないのか?」

 

グリフは、珍しく答える

 

「口は災いのもとだ。特にこんな田舎の酒場じゃな」

 

カズマと同じ年くらい男の酒場の奉公人が酒場の店主に耳打ちすると酒場の店主はこちらによってきて言う。

 

「荷物と荷物運びのロバを一匹くれてやるからとっとと村の柵の外に出てくれ。二人共だ」

 

グリフは、席を立つと

 

「目録だけくれればすぐに村を出て行く」

 

といい。店主は、押し付けるように伝票を渡す

 

「出て行ってくれ」

 

 

 モットを出て2,3時間歩いているがまだまだ夜の帳は明けそうになく、月明かりだけが夜道を照らしている。隊列はグリフが最初から持ってきているポニーが一匹と村で手に入れたロバが一匹どちらも大荷物を背中に抱えている。時折遠くで聞こえる狼もしくは野犬の遠吠えのせいで普段夜は柵の中にいるロバの方は怯えているため首筋を撫でてやりながら街道を歩いている。街道と言っても石畳などということはなく、人や、荷馬車が通った跡があるだけで、側溝さえないが、今のところ水たまりには遭遇していない。季節は、すでに秋、夜風はすでに冬の訪れを感じさせ、楓の木が色鮮やかに染ろうとしている。

 

 カズマは、戦闘服の上に毛皮のコートを着たはいいものの運動するとすぐに暑くなるため結局のところ脱いだりしながら。ブツブツと小言で文句を言っていた。

 

「なんだよ。俺TUEEできるのはいいけど、ああいう場面なら普通こんな筋肉ダルマのおっさんじゃじゃなくて、ビキニアーマの女ウィッチャーを助けてラブロマンスなのが定番じゃないのか」

 

「しかも、グリフィン2匹倒しても村人は全然讚えてくれない。勝利を祝して乾杯ぐらいしてくれてもいいのに?」

 

「これが王道ファンタジーの異世界?前から思っていたけどあいつ詐欺なんじゃないか」

 

 この違いは、日本人であるカズマと洋ゲーファンタジーの世界ばかり管理しているハヴォック神の認識の差から来ている。いや、ラノベやJRPGでも、古いやつはこんな感じのものも多いのだが、今やっても売れないし、作者のように細かいことを気にする人がうざっ…声が大きいのであえて最近はガチ設定なのはみんなやっていないんだと思う。それに、設定したはいいものの細かいことを気にしていると矛盾が気になって何も書けなくなるし、内容以上にコンスタントに世に出てこないと埋もれる。批判するわけではなく別に作者はそれはそれでいいと思っている。図書館までいかずにただで物を気楽に読めるいい時代だ。ただし、クソ翻訳の洋書はなんとかしてほしい。結局英語版買う羽目になる。Kindleやgoogle先生あるから英語でもなんとかなるけど疲れる。

 

 まあ、余談は置いておいて、村社会なんて現代日本でもこんなものだ。モットを出るとき放浪者なら消えても問題ないだろうと熊手で刺されない分運がいいのだが。カズマの期待値が大きすぎたため齟齬が発生しているのだ。前方遠くに焚き木か篝火の火が見える。

 

「なぁグリフィス。あっちの方に篝火が見える。そこで夜明けまで休まないか?」

 

「なぜだ。疲れたのか?」

 

「俺はいいけどロバのほうがダメだ。怯えている。夜の間はもっと人気のあるところにいさせてやったほうがいいんじゃないか」

 

「うまい考えとはいえないな。野盗や山賊かもしれない。俺もこの辺の地理には詳しくない」

 

 中世的世界観において人口は、耕作面積に制限される。百姓の3男や4男などはうまく、奉公人や小作人、芸術家になったり開拓村に入り込めたりすれば万々歳で軍人や傭兵、船乗り、炭鉱夫、荷揚げ等になるのが一般的でそれすらあぶれる人間も少なくない。つまりはそういうことだ。柵の外の敵は、狼や怪物ばかりが敵ではなかった。

 

「その時はこいつで返り討ちにしてやるさ」

 

 カズマは、胸のガンベルトからサイレンサー付きの10㎜ピストルを取り出す。.44と比べれば弱いが、それでも自動車のドアを貫通する威力がある。たとえ相手が鎧、兜をしていても、盾を持っていようとも人間が着用できる鉄板の暑さで防ぐのは到底不可能な上、連射が効きしかも静かだ。

 

「そいつもそのうち慣れると思うが…お前の言にも一理あるか」

 

「先ずは泊めて貰えるかどうか交渉しよう。戦闘は最後の手段だ」

 

 結局のところ、相手は山賊のたぐいであり、こちらが商会に所属していない。地元のものでもない流れ物と見るや問答無用で襲撃してきた。もちろんカズマとグリフの敵ではまったくなく、たちどころに瞬殺された。それでも連中の士気が高いのか、それとも無鉄砲さ故かはたまた単なる自殺か、最後の一人まで抵抗した。

 グリフは彼らが根城にしている廃村の中央に死体を集め油をかけてまとめて火葬している。なんでも、ちゃんと葬らないと幽鬼になるかもしれず危険なのだそうだ。彼は、専門家でその辺のことはぬかりなく行う。余裕があればだが。

 

 カズマはと言うとポニーとロバを馬屋に停めた後、廃村の壊れかけた家を物色件クリアリングしていた。そのうちの1軒から一人の少女を発見する。彼女は、ボロ布を纏、両手を柱に繋がれ、猿轡をはめられている。彼女は人間ではなく尖った耳をしている。エルフだ。よく見ると体中があざだらけだ。カズマは、ベタなシチュでのヒロイン発見に高揚しつつ最大限格好をつけ話しかける。

 

「お嬢さん、つらい目にあっただろう。族はもういない。今、開放する」

 

カズマは山刃で、彼女を拘束している縄を切り落とす。少女は、怯えた表情のままだ。

 

「なにもしない。怖がらなくていい」

 

 そう言って。彼女の手を引き、家の外に出ると、リカーブボウを手に持った男のエルフがグリフに悪態をついていた。なんでも一昨日、山賊に娘を攫われたらしい。カズマと少女を見るや否や『人間!娘から手を離せ!』と大声で叫ぶ。少女の怯えの色がより強くなるが緊急事態なのでカズマは気がつかない。

 

「娘を助けてやったのに、弓をこちらにむけるのか?心配しなくてもちゃんと自由にしてやる」

 

 そう言ってカズマは、紳士に、少女をつないでいた手を離すとエルフの父親は、弓をしまい、ナイフを取り出しカズマへの警戒を緩めないまま。怯え、動けない少女を力ずくで引き寄せる。カズマはこの状況にゲンナリしていた。テンプレならこのまま逃避行なのにあっさり親父が出てきてはどこが王道なのかと小一時間ほど問い詰めたくなる。これでは、ロマンスどころではない。

 

「人間、どう言う風の吹き回しか知らないが、ウィッチャーはともかくお前には死んでもらう」

 

グリフが間髪入れずに助け舟をだす。

 

「こいつは俺の従者だ。此処にいた山賊共は俺たち二人でやった。お前に倒せるのか?」

 

「一人だと思っているなら大間違いだ」

 

 藪の中から4,5人エルフが飛び出てくる。彼らは、腰にリスの尻尾をぶら下げている。彼らは、スコイア・テルといい人間に森へ追いやられたエルフのゲリラだ。ゲリラと言っても高尚なものではなくただのテロリストと言ってしまっていいだろう。一触即発の状況を打開すべくグリフが口を開く。戦闘を行えばカズマ抜きでも全滅するのは彼らの方なのだが避けられる戦闘は避けるべきだ。

 

「全員出てくるとは…今度やるときは一人くらいは伏せて置くんだな。それに山賊すら攻めあぐねていたのに俺たちを相手にできると思っているのか?見ていたんだろう?エルフはもっと賢いと思っていたんだがな」

 

 実際のところグリフはエルフが人間よりも賢いなどとは思っていないが。エルフが持っている人間への優越感を刺激する。逆効果かもしれないが今回はそのようなことはなかった。エルフは弓を引いたまま退いていく。しばらく立ち、安全と判断したカズマはグリフに話しかける。

 

「グリフ、助けてやったのになんであいつらあんなに敵対的なんだ?」

 

「俺からすれば人間とエルフがよろしくやっていけるわけないというのが常識なんだが…それにあの娘が助かったとは言い切れないかもしれない」

 

「なんで?父親が引き取ってめでたしめでたしなんじゃないのか?」

 

「一昨日攫われたと言っていたろう。彼女の傷はむしろそれより前の物の方が多いように見える。身内と山賊どっちの方がマシなんだろうな」

 

カズマは、はっと表情を変え藪の方を見る。

 

「助けようなんて思うなよ。コレが最善という場合だってある」

 

その冬、グリフィンから救った村はスコイア・テルに襲撃され、何も残らなかった。山賊は、単なる山賊ではなかったのだ。それは、また別の話である。




おさらいのためにウィッチャー1やり直しているけど、ほかはまあいいとして(良くないけど)そこらの農民に適当な指輪渡してカードにしたりとかとんでもないな。
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