346のプロデューサー達の女難な日常   作:黒いファラオ

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ハーメルンよ、私は帰ってきた!(テストからの開放)

あ、酒呑童子可愛いっす(単発呼符5回でお迎え)


何が始まるんです?

 ウイスキーボンボンというお菓子がある。ウイスキーの名の通り、ウイスキーが使用されているチョコレートだ。しかし、度数は低いものが多いので酒にあまり強くない人や大きな声では言えないが未成年でも気軽に美味しくアルコールを楽しめる。

 

 今回はそのウイスキーボンボンが発端だ。

 

 

 

 

 

「おはよう……千川何食ってんの?」

 

 朝出勤してプロジェクトルームに入ると、千川が幸せそうなホクホク顔をして何かをパクついていた。

 

「あ、浅葱くん。おはようございます。これはですね、礼子さんからのお土産で貰ったチョコレートです。大人用と子供用と分けてあるらしいですよ?」

「あー、河合と確かロケだったな」

 

 で、あの人のお土産で大人用に分けてあるってことは……と、ある程度の予想をたてながら俺も一つ口に入れて噛めばアルコールの香りが口に拡がった。

 

「やっぱりアルコール入り……ウイスキーボンボンか」

「はい。いかにもあの人らしいお土産ですよね〜」

「ああ。でも、残念だな」

「何がですか? ……あ、そういうことですか」

 

 とりあえず、まだ年齢の低いみりあや莉嘉たちが間違って食べてしまわないように注意書きを書いておく。

 

【こっちは大人用のアルコールが入っているチョコレートなので間違えて食べないように。興味がある奴は俺に一声かけること 浅葱】

 

 近くの普通のチョコレートを置いてこちらにも書き置きをする。

 

【こっちは普通のチョコレート。好きなだけ食べるといい。ただ独り占めと食べすぎには注意するように。……太るぞ(直球) 浅葱】

 

「うわぁ、容赦ないですねぇ……。私の心にもグッサリ刺さりましたよ?」

「お前、前に太らない体質って言ってなかったか? ちなみに俺はそうなんだけど」

「浅葱くん、それ女の子の大半を敵に回しますよ?」

「あー、はいはい。千川は恋する乙女だもんな〜」

 

 おっと、俺を見る視線が冷たくなった。これくらいで勘弁しておいてやろう。

 

「で、違ったのか?」

「ええ。私は生憎とそんな素敵な体質じゃありませんよ。ただ、どれだけ食べても太らないような工夫をしているだけです」

「そっかそっか。教えてくれてありがとう。ただ、俺が言うのもどうかと思うんだが、そういうのは場所を考えるべきだったな」

「え?」

 

 千川の肩にかかる2人の手。

 

「ちひろさん、今の話本当?」

 

 左肩に手を置いているのは、武内Pの犬、クンカーマスター、蒼の使い手など様々なアイドルとは無関係の厨二な異名を持つアイドル、渋谷凛。

 

「ちひろちゃん、その方法、私たちにも教えてくれるわよね?」

 

 右肩に手を置いているのは、25歳児、ただの酒呑み、「私、モデルしかやったことがないのでアイドルなんて上手くいくでしょうか……」なんて言っていた最初の頃のしおらしい態度は一体何処に酒と一緒に吐いてきたんだ、等と悪名高い高垣楓。

 最後のは流石に俺だけが思っていることだが、他の2つはファンの中でも既に広まっている。なんとも悲しくなる話だ。

 

「あはは……逃げちゃダメですか?」

「あっちでO☆HA☆NA☆SHIしようか(しましょうか)」

「うぅ……」

 

 憐れ千川。別の世界線でモバコインの亡者となって全国のプロデューサーに課金を迫っているのが悪いんだ……。

 等とつらつらと考えながら両手を合わせていると視界が少し暗くなる。

 

「お?」

「おはようございます、遼哉さん」

「доброе утро、おはようございます」

「お、おはよう」

 

 す、すげぇ気だ……。オラのじゅうべぇはありそうだ……。てか、普通に怖いんですが。何なの、この凄みは。

 

「遼哉さん、さっきちひろさんと話してたことって……本当ですか?」

「Дa 本当に太らない、ですか?」

「あ、ああ」

 

 言った後に気づいた。

 

『あっ、これは返答間違えましたね。お疲れ様でした』

 

「ついてきてくれますよね」

「私たちも、история……お話、しましょう」

「……武内にメモ残してからでもいいっすかね?」

 

 流石の2人も許してくれた。

 

 

 

 

 

「うあぁ〜……疲れたぁ……ウボァァァァ……」

 

 結局2人が時間を忘れて話している所に、マスタートレーナーこと麗さんが夜叉の顔をしてレッスンに連行していった。どうやらレッスンの時間をとっくに過ぎていたらしい。今日のレッスンは特別メニューへと変更になったようだ。2人の無事を祈っておく。いや、美波の方は変な気が起こらない位に疲れさせておいてくれ。お願い、シンデレ……トレーナー!

 

「色々とお疲れ様です。浅葱さん」

「よお、武内。メモの内容はちゃんと伝わってくれたみたいで良かったよ」

「はい、ありがとうございました。そちらの方は……災難でしたね」

 

 プロジェクトルームに戻ってみると、武内がデスクで仕事をしていた。メモは見事に仕事を果たしてくれたようだ。

 

「ま、今回は俺の失言が原因だしな。仕方が無いっちゃ仕方が無い」

「そうですね。それに関してはフォローのしようがないですし。ところで、その新田さんとアナスタシアさんの姿が見当たりませんが……」

「レッスンの時間を忘れて話し続けた結果、麗さんに強制連行された。今日のはスペシャルメニューだってよ」

「あぁ……」

 

 武内が気の毒そうな顔をする。その顔を見て俺は逆に笑ってしまった。武内のその反応は、さっき麗さんに2人がスペシャルメニューを宣告された時の俺の反応とまったく同じだった。ちなみに2人は絶望の淵に立たされたかのような顔をしていた。

 

 その時、コンコンとノックの音が聞こえた。

 

「どーぞ」

「失礼します」

 

 入ってきたのは千川と

 

「プロデューサーお疲れ様!」

「Pくんお疲れ!」

 

 シンデレラプロジェクトの元気コンビ、みりあと莉嘉だ。

 

「おう、千川。お前生きてたか」

「ええ、なんとか。レッスンの時間になりそう所で気づいて開放されましたから」

 

 凛と楓は普通にレッスンに行ったらしい。まぁ、当然と言えば当然のことなんだが。

 

「それで千川さん、このお2人と一緒だったのは……」

「偶然ですよ。私は専務からの書類をお2人に渡しに来たんです。その途中でこの2人と合流したんですよ」

「なるほどな」

 

 千川から経緯を聴きながら、その専務からの書類を受け取り目を通す。

 ……ほうほう、そこはそうするつもりなのか。ってことはだ、ここの予定がこうなる訳だな?それによって、あれがそういう風になると。

 流石専務だな。如何せんそういう発想が俺らには無いからな。これでいいよな?と、武内に目を向ければ、しっかりと頷いた。どうやら武内もこの計画で異存はないらしい。

 

「千川、専務に伝えてくれ。『了解した。今回のイベントは貴女の計画を基にして実施する。』ってな。間違ってもこの言葉のままで伝えるなよ?」

「もちろん。分かってますよ」

 

 さて、そろそろ大人しく待っていたちみっこたちの相手をしてやらねば。

 

「で、お前らはどうしたんだ?」

「あのねあのね! みりあたちね! 礼子さんにお礼言えたんだよ!」

「レッスンが終わった後にちょうど会ったんだ!」

「それでね、プロデューサーたちも疲れてるだろうと思って、これ持ってきたの!」

 

 みりあたちの手にはチョコレート。仕事はしていないとはいえ確かに疲れてはいるので、糖分補給が出来るのはすごくありがたい。

 

「ありがとう2人とも」

 

 礼を言いながら、チョコを口に入れる。チョコの甘さとアルコールの香りがマッチしていて美味しい。さっきも思ったが流石礼子さんの酒に関する目はすごいな。……んん?

 ハッとしてグッ……じゃなくてハッと武内の方を見てみると、俺のと同じチョコを莉嘉から受け取って口に入れてしまっていた。

 

「おい待て、それはダメだ!」

 

 俺の突然の大声にみんながビクッとなる。最悪なことに、その衝撃で武内はチョコを飲み込んでしまった……

 

「やっちまった……」

「浅葱くん、どうしたんですか?」

「千川いや、ちひろ……落ち着いて聴いてくれ。みりあと莉嘉が俺たちにくれたのはチョコレートだ」

「? そうですね」

俺たちがさっきまで食べてた(・・・・・・・・・・・・・)な」

 

 その言葉に目を見開くちひろ。横ではみりあと莉嘉が何の話か分からずに小さな頭を傾げている。

 

「そんな……こんなことって……」

「ボーッとしてんな! 彰にエマージェンシーだ! 被害が拡大する前になんとしても!」

「は、はい!」

 

 走って彰の元に助けを求めに行ったちひろを見ながら、ようやみりあが質問をぶつけてきた。

 

「プロデューサー、どうしたの?」

「みりあたちが持ってきたあの大人用のチョコにはアルコールが入ってるって書いてあっただろ?」

「だからあたしたち食べてないよ?」

「そら良かった。でも現状は全く良くない。俊輔……武内Pは酒に対しては笊レベル、簡単に言うとすごい強いんだが、こういうウイスキーボンボンみたいなお菓子に混ぜられたアルコールには何故か滅法弱い。どれくらい弱いかというと、1個食べるだけでああなる」

 

 改めて俊輔の方を見てみる。見た目には変わっているようには見えない。そのままジーッと見つめていると……

 

「どうしたんだよ、3人して無言で俺を見つめてきて」

「え?」

「うっそ……」

 

 みりあと莉嘉は信じられないといった様子。そりゃそうだよな。前にあんだけ言っても結局抜けなかった敬語がアッサリと抜けて、まるで最初からそう呼んでくるんだから。

 

「みりあと莉嘉はお前のその状況に驚いてるんだよ」

「そうなのか? 別に変なところはないと思うんだけどなぁ……みりあと莉嘉、なんか変か?」

「変だよ!」

「そうかぁ?」

 

 そうだよ(便乗)。この状態の俊輔は色々とめんどくさいから、この部屋から出さないように誰にも会わないように対処すれば大丈夫のはず!

 

「プロデューサーここにいるよね、入るよ?」

「ガッデムしぶりん!」

「うぇ!? な、何?」

「おま、なんてタイミングの悪い……」

 

 まさかのしぶりんカットイン。なんでこういう時に忠犬スキルを発動させるかね……

 ほーら、俊輔が凛を視界に捉えちゃったじゃん。

 

「お、凛か。俺に何か用か?」

「え゛?」

 

 固まった。ギギギと音が鳴りそうなぎこちない動きで俺を見て、俊輔を指さす。

 

「本当に、プロデューサーなの?」

「残念ながら」

「おいおい、そんな怖い顔すんなよ。可愛い顔が勿体ないぞ?」

「うん、プロデューサーだね。大丈夫、最初から私は分かってたよ」

「しぶりぃぃぃぃぃぃいいいいいいん!」

 

 なんということだ。しぶりんが堕ちてしまった。いや、ちひろと同じでとっくにオちてたこうなったのか。

 

「よし、プロジェクトルームに行くか」

「そうだね」

 

 俺が考えごとをしている内に、和やかにプロジェクトルームに行ってしまった。大変なことになる!

 ……前言撤回。もう大変なことになってた。

 俊輔の言動に訳が分からずポカーンとした顔をしている杏ときらり。ケーキを食べるフォークが止まって……いないかな子。相変わらずかよ。あ、驚いた顔ちゃんとしてるわ。驚きと混乱でパニックになって熊本弁が抜けている蘭子と、一緒にパニックになっている智絵里。それを元来の優等生っぷりで抑えようとするみく。ナイスだみく、めっちゃ助かる。

 その混乱の中で凛はいそいそと何かを取り出した。てか婚姻届じゃねぇか! そのネタは諦めろよ!

 

「押して?」

「ったく、まだ諦めてなかったのかよ。前にもまだ結婚出来る歳じゃないって言ったろ?」

「でも!」

「その代わりに……」

 

 そう言いながら顔を近づけたかと思えば、凛の額に優しくキスをした。

 

「今はこれで我慢な?」

「え……あ、あ……」

 

 これには流石の凛もオーバーヒート。瞬く間に顔が真っ赤になったかと思えば、煙を出して意識を失った。というか、意外と初心なんだな。

 そういえば卯月はどうしたんだって? ああ……あいつなら名前で呼ばれたことに驚きすぎて立ったまま気絶したよ。邪魔になるから端っこの方に飾っといた。

 

「Pくんってばだいたーん!」

「それほどでもないだろ」

「いやいやいや、普段のみく達が知ってるPちゃんとは大違いすぎて頭がついていかないにゃ」

 

 そう。これがこの酔ってる状態の俊輔のめんどくさい所だ。普段の俊輔がやたらとポエミーなのは周知のことだろうが────専務も同じ位にポエミーであることには触れてはいけないお約束だ────酔った状態ではポエミーを拗らせ過ぎたのか、絵に描いたかのようなイケメンになる。

 まったく、あんなのがサラッと出来るなんて凄いわ。え? お前の『ふみふみ』も人のこと言えねえから? ……マジか。

 

 ドタドタと走ってくる音がする。ようやく彰が来たか! ガチャッと扉を開ける。

 

「彰、よく来t「酔っ払ったアルティメットイケメン兄さんがいると聞いてきました!」お前は帰れ!」

 

 そこに来たるは美城プロダクションが誇る最終決戦妹、武内絢香。これ以上この場を混沌の坩堝に落とし込まないでくれよ……?

 

「お、絢香じゃないか。よく来たな。ほら、おいで」

「兄さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああん!!!!」

 

 俊輔に呼ばれた絢香は、全力疾走からのまさかのルパンダイブ(流石に服は着たまま)。女性とはいえ飛んできた絢香をしっかりと受け止める俊輔。プロデューサーたるもの、いやそれ以前に兄としてアイドルや妹をいかなる時でも受け止める(物理)ことが出来なければならない。

 そのまま口にズギューンッ!しようとする絢香の口を人差し指で抑えて耳元で囁く。

 

「そ・れ・は……まだ、後のお楽しみに取っておこうな?」

「に、兄さん……そそそ、それって……」

 

 絢香の質問に答えず、はむっと耳を甘噛み→頬に口づけ→微笑みながら頭をくしゃくしゃ撫でるの三連コンボ。これには流石のUMRさんもビックリ。

 そのコンボを喰らった張本人はというと、

 

「きゅぅ〜……」

 

 見事にノックダウンしていた。この絢香という少女、俊輔に対してアプローチをして困らせるのが大好きで続けているが俊輔は鋼の精神で相手にしなかった。その結果、いざこんな風に相手にされて反撃を喰らうと恥ずかしくて耐えられないというこれまた面しrゴホン、難儀な弱点を持っている。

 

「その行動を分かってやってるんだから尚更タチが悪い」

「そういうなよ遼哉」

 

 俺の言葉にニヤリと笑う。

 

「肉親に対してマウストゥーマウスはまずいしな」

「そういうことだ」

「悪い、遅れた!」

 

 ガチャッと扉を開けて入ってきたのは、今度こそようやく彰(withまゆ)だ。ちひろに、何故か奏まで一緒にいる。

 

「今度は彰か。今日はやけに客が多いな」

「俊輔がまさか……ここ2、3年は無かったよな。俊輔が自分から食べるなんてことはないだろうし……何があったんだ?」

「俺らは知ってて気をつけてても、プロジェクトのメンバーはそんなこと知る由もないからな。つまりはそういうこった」

 

 彰の反応はまさしく(ノ∀`)アチャーという感じ。その彰の後ろで俊輔をまじまじと見つめる4つの眼。

 

「で、なんでお前らが着いてきてるわけ? あっ、まゆの方は簡単に察しがつくので答えなくても結構でーす」

「そのあしらいは酷くないですか!?」

 

 誰が他人の惚気なんぞ好んで聴かねばならんのか。どうせ彰が行くならまゆも行きます的な感じだろ?

 

「まあ……そうですけど」

「ほらみろ」

「あら、ならその質問は私に訊いているということよね」

「お前とまゆ以外に誰かが着いてきていない限りはそうだな」

 

 小梅案件はやめて欲しい。割と切実に

 

「彼がやけに急いでいる様子でちひろさんに事情を訊いてみたら、あの時のプロデューサー絡みって。これは面白そうだと思って」

「お前、案外こういうドタバタ騒ぎ好きだったりする?」

「ええ。大好きよ」

 

 Cuの問題児2人(志希とフレデリカ)の手綱を握っていられるんだから、嫌いなわけがないか……

 あ、俊輔がこっち見た。これだと俊輔がまるで動物園のパンダみたいだ。武内PのPはパンダのPだった!?

 

「君はあの時の……」

「ええ、お久しぶり。覚えていてくれたのね?」

 

 奏はこっちを向いて一言。

 

「あの時結局最後まで頑なに敬語だった彼を一度見ているだけあって、違和感がすごいわね……」

「プライベートで俺たちと呑む時は大体こんな感じでタメだぞ。まあ、酔ってないし性格は似ても似つかないんだけどな」

 

「あの時はありがとう、助かったよ。何かお礼がしたかったんだが、なかなか会う機会も無くてな……。いいタイミングだ。何か出来ることないか?」

「そうね……この前つれなくされたキス……なんてどう?」

「「あっ……」」

 

 2人の声が重なった。もちろん俺と彰の2人だ。奏は何時もの様にからかい交じりで言ったんだろうが……

 

「え、そんなのでいいのか? それじゃあ」

「んむっ!?」

「え!?」

 

 酔っ払った時の俊輔はお前以上にキスをすることに抵抗が無いんだよ。

 

「そっか、ちひろは知らなかったのか。同期だと割と有名な話なんだけど、俊輔のキスはすごいぞ」

「なんでそんなこと知ってるのにゃ。まさか……」

「おい前川ァ!」

 

 ヤメロォ!(建前)ヤメロォ!(本音)申し訳ないがそっち方面へのこじつけはNG。ホモと腐女子は帰って、どうぞ。

 

「みく、さくらんぼのヘタを……って話知ってるだろ?」

「もちろん。有名な話だよね」

「どうゆう話?」

「さくらんぼのヘタを口の中で結べると、キスが上手いって話があるんだよ」

「で、それがどうしたのにゃ? Pちゃんはそれがすぐに出来たとか?」

「いやまあ、確かに早いんだが……」

「あいつがな、それを試したら5秒後に口からキスをしてる人の像みたいなのが出てきたんだ」

『……は?』

 

 わかるわ。すごくわかるわ。何言ってるのか分からないよな。

 

「いや本当に。どういう仕組みなのかは分からないが、ヘタが像になってたんだよ。中世ヨーロッパのダビデ像みたいな感じの……」

「実物を見たあの時の衝撃は凄まじかったな……立体的なんだぜ?っと、忘れる所だった」

 

 奏はそのキスを受けるんだった。ってうおぉ!? ちょっと目を離していた隙に全年齢では見せられないレベルで奏が蕩けている!? ……エロい。これ以上状況を伝えようとするなら、文香の力を借りて官能小説を出版しなければならなくなる。紳士諸君に少しサービスするとするなら、股間に悪い。これぐらいしか教えることが出来ない……。

 みくも彰もナイスだ。流石にお子様たち(みりあと莉嘉)にはこの光景は見せられないからな。

 

「はーっ……はーっ……んんっ、んはぁ……」

「あー、悪い。なんか夢中になっちまった。ごめん……な」

 

 へたり込んだ奏の頭を撫でながら俊輔の意識は途切れた。よかった……割と早い時間で眠ってくれた。

 

「奏、大丈夫か?」

「大丈夫に……見えるかし……んんっ、ら?」

「いいや、全く。で、凄かったろ?」

「すごいなんてモノじゃなかったわ。口の中から身体を彼で染められているよな感覚……。もう忘れられそうにないわ」

 

 さっきのキスの名残だけではない何かの理由で顔を紅潮させたまま唇を指でなぞり、指についた何かを舐めとる。

 あー……これは厄介なライバル出現って感じかな。ちひろを見やれば、ライバルの出現を感じ取ったのか何やら燃えていた。

 まあ、頑張れ。他人の恋愛に軽々しく口を出せるほど楽な恋愛状況に俺も彰もいないんだ。自分のことで結構手一杯なんだよ。相談くらいはいくらでも乗ってやるけどな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ちなみに。俊輔は酔った時の記憶がガッツリ残るタイプだ。

 

 つまり?

 

「うおぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ!!!!」

「あんだけ華麗に酔っ払ってフリーダムにハッチャケてる記憶が残ってりゃそら黒歴史だわなwww今回のは特にwww」

「まあ、今日は思う存分呑めよ! つっても、お前は普通に呑んだんじゃ全く潰れないんだけどなwww」

「くそ、今だけは自分のアルコール耐性が恨めしい!

 つか、お前ら俺に追い討ちして愉しいか!?」

「「もちろん!」」

「っの野郎共……無駄にイイ笑顔しやがって……」

「『可愛い顔が勿体ないぞ?』」

「うぐっ」

「『まだ、後のお楽しみな?』」

「ごはっ!?」

「ブッハwww俺が来る前にそんなに面白い名言(迷言)生まれてたのかよwwwもっと早く向かうんだった!」

「くっそ、忘れてやる!」

「呑め呑め! 今日ぐらいは俺がおごってやらぁ!」

「遼哉ってこういう所で何故か謎の優しさを見せるよな」

「俺も思った」

「おう、お前ら唐突なマジトーンやめーや」




いかがでした?え、無理矢理感がする?……知ってた←
定期テスト→休み→校外模試とかふざけんな!俺に執筆の時間を寄越せ!
次回予告

「あの方とは上手くやれていますか?」
「うん。プロデューサーのおかげでね」
「いえ、私はお手伝いしただけです。重要だったのは貴女自身の気持ちでしたから」
「うん。それでもプロデューサーのおかげで私は踏み出せたから」
「……そうですか」

こうなれたらいいなって!ネタが尽きないように頑張ってるよ!(つまり尽きかけ)
あ、卯月第5代シンデレラガールおめでとう!急遽出番を入れたよ!(しゃべるとは言っていない)

それでは、次の話で
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