346のプロデューサー達の女難な日常   作:黒いファラオ

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ままゆ取れました。やったぜ。

久々にこんな時間の投稿になってしまった。昨日は大変だったから許してくれ。(Twitter参照)

今週のラブライブ!サンシャイン!!
ダイヤさんがガチライバーであることが発覚。ポンコツバレるの早くねぇ!?

0:00に改稿して再投稿しました。1回見た人も違いを見つけてみてください。


アイドルコミュ『????』

 1つの……しかし、とてつもなく大きく抗いようのない欲求が活字の海に沈んでいた俺の意識を急激に浮上させた。

 

「腹減った」

 

 そう、腹が減った。レッスンだからと言って拓海に起こされたのが7時過ぎ。現在時刻は11時半を数分超えたところ。既に飯を食ってから4時間ほど経っている。だから、腹が減ってしまうのは仕方がないことなんだ。

 

「んー、ラーメン食いたい。ラーメン、ラーメンかぁ……。高校の時は武蔵とよく食いに行ってたな」

 

 そういえば、ラーメンと言えばあいつは元気にしてるんだろうか。いや、いろいろとエンジョイしてるのは知ってるが。最後に直接会ったのはいつ頃だっただろうか。最近は忙しいし、ラーメンとか食ってないんかな。いや、あいつ結構ラーメン食ってた気がする。仕事で。

 

「いや、今はそんなことはいい。とりあえず俺は腹が減ったんだ。ゴローちゃんにも匹敵するレベルだ」

 

 財布を持っていざゆかん。ランチタイムの街へ!

 

 

 

 

 

 街中で本来見かけることのない、見覚えのある奴を発見してしまった。

 

「お、お姫様じゃん」

「おや、きa」

 

 とんでもないことを街中で口走ろうとしていたのでとっさに口を人差し指で止める

 

「おっと、ここら辺でその名前を口にしちゃダメだ。めんどくさいことになる」

「承知しました。では改めて、お久しぶりですね。彰殿」

「お前、事務所のアイドル全員くっそ忙しいのに、よくここにいれるな。休みか何かなのか?」

「ええ。それにしても、あの貴方様が今では私と同じアイドルという業界にいる……なんとも面妖なこともあるものですね。一体いかなる心境の変化でしょうか?」

「色々とあってな。俺だってここまでプロデューサー業が自分に合ってるだなんて思わなかったよ」

 

 彼女は四条貴音。ご存知765プロダクションのトップアイドルであり、昔なじみだ。

 

「二十歳になったんだっけか? てか、デビュー当時に成人してないとか嘘だろ。あの色っぽさで?」

「21ですよ。褒められるのは嬉しいのですが、色っぽいというのは……」

 

 ……ずっと気になってたんだけど。

 

「その口調さ、疲れないか?」

「最初の頃は苦戦も疲れもしたけれど、慣れてしまえばそうでもないわよ?

 そ・れ・に、この口調を私に提案したのはそっちでしょ、貴方様?」

「そりゃそうだけど、まさかそのキャラのままでトップアイドルに登りつめるだなんて思いもしねぇだろうよ。この本性を知ってるのは俺らぐらいだし、そこの所苦労してないのかと思ってな」

 

 そう訊くと、普段メディアでは見る妖艶な笑みではなく、晴々とした笑顔で

 

「いいのよ。この姿はある意味変装みたいになってるし。素顔が作られたキャラの隠し蓑になってるだなんてすごいわよね」

「同じプロダクションのアイドルには?」

「第一印象がこの姿の私でしたので……ミステリアスで古風な銀髪美女。そっちの方がアイドルとしても売り出しやすいでしょ?」

「そりゃそうだけど」

 

 ってことは……

 

「赤羽根さんも知らないのか?」

「ええ。だってその方が面白いじゃない」

「お前はそういう奴だったな……。そうしたら、俺の初めてのプロデュースはお前のそれになるのか」

「あら、彰の初めての相手が私だなんて嬉しいわね」

「おい、誤解を受けるような言い回しをするんじゃァない」

 

 これが四条貴音の本来の姿だ。今のメディアに出ている(自称)ミステリアスで古風な銀髪美女の姿は、俺が当時彼女に勧めたキャラだった。自称だったそれは、最早そのイメージが世間に浸透して自他共に認めるモノとなった。

 本性はこんなのなんだけどな。ミステリアス(笑)、古風? これが? 銀髪美女、これは否定出来ない。

 

「こんな所にいるってことは、どうせいつも通りラーメンでも食いに来たんだろ。だったら、もう少し努力して変装しろよ。例えば、普段の『四条貴音』がしないことをするとか……ポニテとかどうだ?」

 

 貴音は自分の長く綺麗な銀髪を一房手に取った。

 

「ポニテか……確かにしたことなかったわね。してみようかしら」

「おお、マジか。やったぜ」

「そっちが提案したんでしょ。ところで、ポニテが好きなの?」

「バレたか。実は俺、ポニーテール萌えなんだ」

「へー、いいこと聞いた」

 

 こう……長い髪の子が髪を纏めて上げて、普段は見えない首元が見えるってのがいいんだ。イメージが変わるんだよな。

 

「ねえ、ピン持ってない?

 前髪も軽くアレンジしたいから」

「ヘアピンか?

 えーっと……あったあった。ほら」

「ありがと。訊いといてなんだけどさ、なんでヘアピンなんて持ってるの?」

「俺も飯でラーメン食いに来たからだよ。いっつも食うときは髪纏めてただろ?」

「そうだったそうだった。よし、じゃあ行きましょうか」

 

 にっこりといい笑顔でこちらを見る。

 

「そうじゃないかなと思ってたけど、やっぱり一緒に行くんだな」

「せっかく久しぶりに会えたんだから、一緒にいたいじゃない」

「お前がそれでいいんならいいけどさ。じゃあ行くとしようか、お姫様」

「お姫様も嫌いじゃないけど、あの時みたいにはもう呼んでくれないのかしら?」

「……分かったよ。行こうか、キオ」

「ちゃんとエスコートしてよね、キアラ」

 

 だから、その名前を出すなっつってんのに。ほら、知ってる奴だったのかビックリした顔でこっち見てるじゃん。

 

「で、キオは何食うつもりなんだ?」

「んーっとね、まずは(・・・)醤油食べたいかな」

「まずはね」

「そう、まずは」

 

 まあ、お前が1杯で終わるとは思っちゃいねーよ。

 

「俺が行こうとしてたのも醤油だからちょうどいいや」

「じゃ、そこ行きましょうか」

 

 

 

 

 

「美味しいわね」

「だろ?」

 

 食ってるのは同じ醤油ラーメン。迷ったらココに来ている。

 

「スープが美味しいわよね」

「そう! そうなんだよ!」

 

 ラーメンはスープだと思うんだ。いや、俺個人としての見解だから色んな意見があってもいい。で、その中でも俺はスープだというだけで。

 

「このスープに惚れ込んじゃってさ。どうよ?」

「なんでキアラが自慢げに言ってるのよ。でも、私もこのスープ好きね」

「やっぱりな。昔から味覚は一緒だったからそうじゃないかと思ってたんだよ」

 

 ズルズルと麺をすする。麺もスープと絡むように細めの卵ちぢれ麺だ。

 

「そういえばキアラ、あの子とはどうなのよ」

「あの子?」

「ほら、えーっと……拓海ちゃん!」

「拓海か。どうって?」

 

 抽象的すぎて伝わらんですよ。

 

「……モグモグ、ゴクン」

「口で言わんでも」

「気になるじゃない。もう私が入る余地ない位に親密な関係になっちゃてるのかさ」

 

 あー、そういうことね。

 

「そこまでじゃねーよ。半同棲状態になってるぐらいだ」

「ぐらいって……それは相当進んでるわよ」

「やっぱり?」

「やっぱりよ」

 

 薄々気づいてたけどさ。

 

「それで、貴方様」

「突然のお姫様かよ」

「もう拓海殿とは致されたのですか?」

「何を」

 

 話が見えてこない。スープを飲みながら次の言葉を待つ。

 

「もちろんナニをです」

「んごほっ!?」

 

 むせた。

 

「お姫様モードでなんつーこと言ってんだ!」

「面白いと思って」

「てめぇ……」

 

 威力がすごいぞ……

 

「それで? ヤったの?」

「黙秘権を行使する」

「それは自白してるようなモノでしょうに。ヤったのね」

「決して最初は俺から手を出した訳ではないということをご理解いただきたい」

 

 俺から手を出したんじゃない。そう……

 

「どっかの誰かさんみたいに襲われたんだよ。手口も似てたしな」

「私と同じか。やっぱり拓海ちゃんとは気が合うみたいね。あの方法ってやりやすいのよ」

「みたいだな。別の人間が同じ手法を使う辺り。一応拓海とはまだ面識ないんだろ?」

「ないわよ。会う機会がないもの」

「ま、近いうちに嫌でも会うだろ」

「それもそうね」

 

 会話はそこで途切れ、後はズルズルゴクゴクとラーメンを食べる音が聞こえるのみだった。

 

「「ごちそうさま」」

「よし、先出ててくれ」

「いや、お金」

「いいからいいから」

「そうだった……キアラったら昔から私にお金払わせてくれたことなかったわよね」

 

 俺個人のポリシーとして、『基本的に女性に金を払わせない』ってのがある。女性はなんだかんだで金の使い道も多いからそういうのに使えるようにって思ってだ。男なんて金の使い道なんざ限られてくるし、プロデューサー業(こんな仕事)してたら金を使う暇もないしな。もちろん、男としてのプライド的な意味もある。

 

「そういうこと。だから、大人しく外で待ってろ」

「分かったわよ」

 

 渋々といった体でキオが店から出たのを確認してから、財布を取り出して席を立つ。

 

「醤油ラーメン2つで1,500円で大丈夫だよな?」

「はい。ところで、キアラってもしかして……センパイですか?」

「なんだようやく気づいたのかよ。夢、叶えられてよかったな」

「はい! あの時センパイが喝を入れてくれなかったら俺……この夢諦めてたと思います! だから、ありがとうございました!」

「俺はただのきっかけだよ。簡単にテメーの夢を諦めようとしてたのが気に入らなかっただけだ。お前のやる気があったからこそ、今こうして成功してるんだ。もっと胸を張れよ」

「はは……全然変わってないんですね。最初は分からなかったですけど、あの時のセンパイのままだ」

「人間、そうそう根っこの部分を変えられはしねーんだよ。それじゃ、また来るぜ店長(・・)。次もよろしくな」

「はい! ありがとうございました!」

 

 金を払って店から出ると、若干ジト目でキオが見てきた。

 

「知り合いだったのね」

「いつ気づくかと思ってたんだけどな。お前のキアラで思い出したみたいだ。後輩の店だったんだよ」

「キアラが食べ物に関して身内贔屓をするとは思えないし、ホントに偶然入った店が」

「後輩のだったってわけ。俺はすぐに気づいたんだけどな。あの時のまんまだったし」

「キアラは昔とは全然違うものね」

「まーな」

 

 人って髪型を弄るだけで別人に見えるからな。

 

「にしても半同棲ね……私もお邪魔しようかしら」

「大丈夫かよ。うちの会社は恋愛推奨とかになってるからバレたらバレたで……ってなるけど、そっちは違うだろ」

「そうなのよねぇ……え、恋愛推奨って何」

「うちのアイドル事業部の専務が、『恋愛禁止などと言ったことはない』とか言い出してな。おかげで俺たちは大変なことになってる」

「へぇ~……おもしr苦労してるのね」

「お前ふざけんなよ」

 

 誤魔化せてないからな!それは誤魔化せてないから!

 

「拓海ちゃん以外にも色んな子に好かれてるみたいだし……私も狙っちゃおうかしら」

「だから765はというか、基本的にアイドル事務所は恋愛禁止だろうが。スクープとかどうすんだよ……」

「その時はキアラに責任を取ってもらうしかないわね」

「うっわ、その流れ遼哉から聞いたことあるわ」

 

 世間体的にはバッドエンドなんだが、こんな可愛くて綺麗な嫁を貰えるという点では確実にハッピーエンドなのが何とも言えない所だ。

 

「私は本気ですので。覚悟しておいてくださいね、貴方様?」

「……そういう告白の時とかにお姫様モードになるのはズルいだろ。無条件でドキドキする」

「武器を与えたのはキアラでしょ。それに、今の私じゃ……ドキドキしないの?」

「バーカ」

「あいた!」

 

 こちらを振り向いて後ろ手で拗ねてむくれているキオの頭を小突く。

 耳元で小さな声で反論する。

 

「お前みたいに可愛くて綺麗な女の子に告白されて、ドキドキしない男がいるわけないだろ」

「えっ、それって……」

「ほら、次行くぞ~」

 

 言い終えてからすぐに離れて次の店に向かう。

 

「待って! もう1回! もう1回今の言って!」

「恥ずかしいから嫌ですぅ~」

「もう1回言ってってばキアラ~!」




てことで、四条貴音さんでした。キオは『貴音』の読み方を弄っただけです。多分彰がキアラだということはみんな気づいてたと思う。

次回予告
「文香さん、明日はお休みなんですよね」
「はい。なので、遼yプロデューサーさんの所にお邪魔しようと」
「プロデューサーさんの所に……?」
「はい」
「……私もついていっていいですか?」
「一緒にですか?……いいですよ。行きましょうか」
「ありがとうございます!」

次に繋がります。お楽しみに。

話変わるんですけど、シャドウバース楽しい。
一応、活動報告にフレコ貼っときますね。よかったら対戦とかしましょ。

では、来週も更新出来るように頑張るよ!

P.S.感想とか……くれてもいいのよ?
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