346のプロデューサー達の女難な日常   作:黒いファラオ

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先週はすみませんでした。スマホが没収されちゃっててね……書けなかったんだ。

では、拙いですがどうぞ


アイドルコミュ『鷺沢文香』『橘ありす』

 ピンポーンと何処かデジャブを思わせるインターホンの音が鳴った。もちろん、デジャブを感じたのはこのシチュエーションに対してで、音に関してではない。分かっているとは思うが。

 

「はい」

『遼哉さん、私です』

「文香か。今開けるよ」

 

 昨日の加蓮に代わって今日来たのは文香のようだ。ドアを開けると、

 

「え?」

「おはようございます、遼哉さん」

「お、おう。おはよう文香。えっと、なんで?」

 

 文香の隣にいるもう1人を指差す。

 

「指を差さないでください」

「おお、すまん」

「着いていきたいと言われたので……ご迷惑だったでしょうか?」

「いや、予想外の珍客に驚いただけだから。よく来たな、ありす」

 

 しゃがんで視線を合わせてから頭をグシャグシャと撫でる。

 

「頭を撫でないでください! もう子供じゃないんですから! それと、橘です!」

「はいはい、クール・タチバナ、クール・タチバナ」

「もう!」

「ははは! 改めていらっしゃい」

「……お邪魔します、プロデューサーさん」

「別に名前で呼んでくれていいんだけどな~」

 

 本日のお客様はこちら、俺の元カノである、鷺沢文香さんです。さらにスペシャルゲストとして橘ありすさん。このお2人をお迎えしました。一体今日はこの3人でどのような時間を過ごすのでしょうか。

 今日と明日の間のマジックアワー。ちょっとの間(15時間くらい)だけど、楽しい時間が過ごせたらいいな。

 

 

 

 

 

「家に来るなんて何時振りだ?」

「確か……2人で話し合った時ぐらいなので……」

「3年振りだな」

「ですね」

 

 2人で今後をどうするのかを話し合ったのだ。その話し合いの末に俺達は別れることにした。別に不仲になったという訳ではないのであしからず。……この説明何処かでもしたような気がする。

 

「文香さん、来たことあったんですか?」

「あれ、ありすは俺達の関係についてのこと知らなかったっけか?」

「橘です。まあ、いいですけど。噂だけなら耳にしたことがあります。曰く、『浅葱プロデューサーと鷺沢文香は昔付き合っていた』と。これって本当のことだったんですか?」

「本当ですよ。私と先輩……遼哉さんは昔付き合っていました」

 

 文香のその言葉にありすは驚いた顔をする。文香に関しての噂だったし、しかもその噂が文香が男性……俺と付き合っていたなんてこと信じられなかったのだろう。

 

「驚きました……本当だったんですね。その、お2人は気まずくはないんですか?」

「ええ、全く。先輩のことが嫌いになって別れたというわけではありませんでしたから」

「今も好きかどうかと訊かれれば、大好きだと即答出来るな」

「勿論、私だって出来ますよ」

 

 俺たちのやり取りにありすは顔を真っ赤にする。流石に恋もしてないお子様には早いか。

 

「あれ、でも冬フェスで文香が倒れた時に言ったんだけど……聴いてないのか?」

「ご迷惑をおかけしました……」

「いや、気にしてないからいいよ」

「あの時、浅葱さんが何の脈絡もなく突然文香さんにキスをしたと思ってパニックで頭が真っ白になってしまってその時間のこと何も覚えてないんです。浅葱さんが何か言っていたような気はするんですけど。もしかして、その時ですか?」

 

 あぁ……道理であの時、ありすがヤケに静かだと思ったんだ。

 

「そうそう。胃痛に加えて過呼吸が出ちゃってて、咄嗟に人工呼吸したんだ。で、呼吸も正常になって文香が正気に戻ったと思ったら文香が流れるようにキスをしてきたんだ。全く正気に戻ってなかった」

「その間なんとなく意識がボーッとしていたもので……人工呼吸を久々に遼哉がキスをしてくれたんだと勘違いしてしまったようなんです。それで周りも見えずにそのまま……恥ずかしいです……」

「周りには奏を筆頭に多くのクローネのメンバーが。まあ当然だよな。なんてったって、そこはクローネの楽屋なんだからな。質問攻めにされたよ」

 

 いやぁ……あの時の楽屋の空気は凄まじかったな。空気が凍ったなんてちゃちなモンじゃなかった。専務があの時あの場に居合わせていなくてよかったと心底思う。

 

「そこでやむなく、俺と文香が昔付き合ってたってことをバラしたんだよ。何も無ければそのまま隠し通すつもりだったんだが」

「何を言われるか分かりませんでしたからね。アイドルとプロデューサーが昔、交際していたなんて。武内さんとかは流石に知ってましたけどね」

「週刊誌のパパラッチ共からしたらアイドルのゴシップなんて格好のエサだからな」

「そんなことを言ったら、今のこの状況も大概だと思いますよ」

「ははっ、確かにな」

 

 てか、来たのはそっちじゃね? と至極真っ当な疑問をぶつけて見れば、仲良く2人揃って目を逸らす。自覚あったのかよ。

 

「お前ら朝は食ってきただろ? 飲み物だけでいいか」

「それなんですが……」

「あれ、食ってないの?」

「いえ、私は食べましたよ。でもありすちゃんが……」

「少し寝坊してしまって……」

「どうしたんだ? ありすが寝坊するなんて珍しいな」

 

 ありすはそういう所はきちっとしたいタイプなので、ほとんど時間に遅れるということはない。自分のタブレットでもスケジュール管理をしてるからな。

 

「最近やけに練習がキツくなっている気がして……」

「私もありすちゃんも昨日はヘトヘトになってしまって。私は朝も大丈夫だったんですけどありすちゃんは……」

「普段なら『子供扱いしないでください、私はもう大人なんですから!』と言いたい所なんですけど、流石に今回は自分の身体はまだまだ子供なんだということを自覚せざるを得ませんでした。身体が重くて……なかなか起きられなかったんです」

「遼哉さん、何か知りませんか?

 というよりもプロデューサーなんですし、普通何か知ってますよね」

「そりゃ知ってるかどうかと訊かれれば知ってるけども」

 

 しかして、これはもうアイドルに教えてしまってもいいものなんだろうか。ほとんど確定事項ではあるとはいえ、サプライズ的な所もあるからなぁ……

 

「まあ、近いうちに発表する予定だったからそこまで大人しく待ってろ。アイドル集めて伝えるから」

「……それなら仕方ないですね」

「で、何飲むよ?

 昨日買い物に行ったおかげで大抵のものは揃ってるぞ」

「昨日は加蓮ちゃんが来てたんですよね。その時に買いに行ったんですか?」

「そうそう」

 

 立ち上がって、台所の冷蔵庫の中を確認する。昨日の買い物での加蓮のアドバイス的なサムシングにより、飲み物を大量購入したのだ。

 

「私はカフェオレにします」

「私は……ミルクティーってありますか?」

「あるよ」

「じゃあ、ミルクティーでお願いします」

「はいな。んじゃ、朝を食べてないありすのために何か軽く食べられるものでも用意するよ」

「そんあ、私は大丈夫ですよ」

「いいからいいから」

 

 なんとなく、朝飯を食っていないという状況は個人的に気に入らないんだ。

 

「あー……そういえば昔もそんなことを言ってましたね」

「よく覚えてたな。さーて、何作ろうか……」

 

 俺が零したその言葉に文香が「え?」と驚く。

 

「遼哉が作るんですか?」

「俺が作るけど? どうせ文香も食べたいんだろ?」

「はい!」

「限定の腹ペコちゃんめ……」

「遼哉の作るものが全部美味しいからいけないんです。私は悪くありません」

「ひどい責任転嫁を見た」

 

 んー、冷蔵庫の中から……いや、下手に腹に溜まってもなぁ……あっ。

 

「ありす~、ホットケーキでいい?」

「いいと思います!」

「文香には訊いてない。イチゴジャムもあるけど」

「じゃあ、ホットケーキでお願いします」

「任された」

 

 ~遼哉クッキング(パパ)中~

 

「2人とも、出来たぞ」

「「おおっ!」」

「ありす、ほらイチゴジャム」

「あ、ありがとうございます」

「文香は何がいい? バターとかチョコとかもあるけど」

「バターでいいですか」

「はい」

 

 フォークとナイフを渡してやると文香は目をキラキラさせている。楽しみなのは分かったからちょっと待ってろって。

 

「ほら、カフェオレとミルクティー。よし、食っていいよ」

「「いただきます」」

「どうぞ」

「美味しい……すごくふわふわです」

「なんでこんなふわふわなんですか?」

 

 簡単な裏ワザみたいなモノなんだが……と、前置きする。

 

「一つは焼く前の生地の段階で少しマヨネーズを混ぜるんだよ」

「マヨネーズですか」

「そう、マヨネーズ。ホットケーキミックス200gに対して大さじ二杯ぐらいだな」

「マヨネーズの味しませんよ」

「そりゃ、しない程度の分量が今言ったのだからな。んで、焼く時には予めフライパンを高温で熱しておくんだ」

 

 このフライパンが結構大事。

 

「生地を高温状態のフライパンに入れると、ベーキングパウダーが反応して炭酸ガスが大量に発生する」

「なるほど、その大量に発生した炭酸ガスが生地を持ち上げて膨らませた結果、こんなふわふわになるんですね」

「文香、その通り」

「偉そうに言ってるが前調べたものの受け売りだよ。気になったらありすも調べてみな」

 

 唐突に「ふわふわのホットケーキが作りたい」と思った時があった。いや、なんでそんなことを考えたのか今の俺には理解出来ないが。

 

「はい。ところで遼哉さん、このジャムって」

「おう。手作りだな」

「とっても美味しいです!」

「お気に召したようで何よりだよ。まだあるから持ってくか?」

「はい!」

 

 やっぱり大好物のイチゴのことになると食いつきがいいな。素直になる。確かにイチゴは俺も好きだけど。だがイチゴパスタ、テメーはダメだ。

 

「文香さんや、会話の合間合間で食ってるにも関わらずなんでお前の分に用意してた3枚がもう無くなってるの?」

「美味しいから大丈夫です」

「いや、問題だ。てかなんでかな子なんだよ」

「なんとなくです」

 

 ほんと……普段は少食なのに……なんでそんなに入るんだよ。

 

「昼も俺が作ってやるから。ありすの分まで狙おうとするのはやめなさい」

「分かりました」

「文香さんが壊れました……」

「俺がなんか作ると毎回こんな感じだからなぁ……」

 

 一体何が文香をそう駆り立てているのか。何、俺の料理は別腹です的な? 物理的に胃の容量が増えでもするわけ? 疑問だ……当時から。それから15分経ったぐらいにありすが食べ終わった。

 

「「ごちそうさまでした」」

「はい、お粗末さまでした」

「さて、ありすの朝ごはん(仮)も終わったし昼まで時間もある。どうしようか?」

「そ、それじゃあお2人のお話を聴きたいです!」

「俺らの?」

 

 そんな面白い話があるわけでもないのだが。

 

「はい!」

「俺はいいけど……」

 

 ちらりと文香の方を見る。

 

「私も大丈夫ですよ」

「OK、じゃあ何から話そうか……」

 

 目を輝かせているありすに話を聴かせる。嬉々として答えづらい質問をしてくるありすに苦笑しながら解答を模索したり、顔を真っ赤にしたありすを2人で撫で回したり。そんな時間が楽しくて。何よりも、文香とこうして昔のことを誰かに……それもありすに話すことがあるなんて思わなかったから……それがなんだかやけにくすぐったかった。




0:00にもう1話更新する予定です。それは次のシリーズに繋げるための話が一つ。もう一つはお知らせです。お楽しみに。

なので次回予告は無し!

久々にふみふみ書いた。ふみふみふみふみ。食いしん坊ふみふみ。ふみふみ。ありすの可愛い感じをちゃんと俺は出せたかな?
ところで三船さん聴きました?なんだよあれ……最高じゃないか……そこで決意した。三船さん出さなきゃ(使命感)って。新シリーズで出ると思うよ。

で、サンシャインの4話だよ。4話。なんだよほんと、泣かせにかかってるじゃねーか!ええ、泣きましたけど何か!?
にしてもEDといい諸々と3年生の百合成分濃すぎません?みんな過剰摂取で死んじゃうよ?
そして5話は遂にヨハネ!よしりこの波動を俺は感じているのでもう死にそう。
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