ザビ子のサーヴァントが巌窟王になる夢を見たので書いてみた。

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登場人物紹介
【岸波白野】メアリクラリッサ並の鋼の精神を持つ女傑。この話ではそれに加えて反骨心も+されて、より強化されている。

【巌窟王】らっきょイベで少しだけ登場し、監獄塔イベで輝きまくった鉄の意思と鋼の強さを持つアヴェンジャー。この話ではテンションが高め。


【超短編】ザビ子は鋼鉄の決意を持つようです

「そろそろ刻限だ。君を最後の候補とし、その落選を持って今回の予選を終了しよう。」

 

体から力が抜けていく。映る視界には死んだ...と思われる人。私もあの人の様になるんだろう...

 

「----さらばだ。安らかに消滅したまえ。」

 

声はそう言い放つ。

 

確かに、私には否定する力も、体を動かす力もない。

 

このままだとあの人と同じ運命を辿るのは明白だ。

 

だが、まだ死んでいない。死んでいなければ、生きる可能性はあるハズだ。

 

そう、そうであるハズなのにさも『あなたは死にました。』とでも言うような宣告をされたのは

 

 

 

----とても、許せなかった。

 

 

 

 

突如、視界には塊がいくつも浮かび上がる。

 

それは、月海原学園の生徒であると、今の私でも判断できた。

 

このままだと、私も同じようになる。という事もだ。

 

----このまま目を閉じる?論外だ。死んでしまう。

 

やれることはやった?それがどうした。なにかやれる事は残ってるはずだ。

 

こんな所で私は終われない。諦められない。

 

----こんな所で死んでたまるか...!

 

歯を食いしばれ、目を開き続けろ。

 

腕を動かし、体を上げろ。

 

脚を上げて、立ち上がれ!

 

薄れていく体の感覚を必死に繋ぎとめながら、そう行動しようとする。

 

例えこの感覚が地獄の拷問だとしても、そんな事は問題ではなかった。

 

それは自分でも若干理解を超えた衝動だった。

 

生きたくて、死ぬのが怖くて諦められない。それもあるだろう。だが、それだけでここまでやれるのもおかしい気がした。

 

数多の問いかけ。数多の試練。それを受けたのはいい。

 

だが、それをなぜ受けるのか?何の為に?

 

そもそも、なぜ自分はこんな事をしているのだろうか?

 

答えは、知らない。だ。あれもこれも全部。

 

そう。分からないのだ。

 

なら----分からない。で済ませてはいけない。

 

答えを聞き、そしてこんな苦しみを味合わせた奴に、一発ぶん殴らないと気が済まない----!!

 

そうだ。だから私は----

 

「いいぞ...いいぞ...そうだ!!それでこそ俺のマスターだ!」

 

男の声が聞こえる。それはまるで、漫画に興奮する少年の様だ。

 

何かが砕ける。そして光が部屋に灯った。

 

体が軽くなり、力が入るようになる。

 

体を起こし、痛みを我慢して、周りを眺める。

 

そうすると、部屋の中央に、黒煙が浮かび上がった。

 

その姿はだんだん人の形を模していき----

 

「ようやく顔を合わせる事となったな。マスター!!」

 

黒衣を纏う--------人となった。

 

「ふむ...今更だが、念のため確認しておくか。なに、お約束というやつだ。」

 

----お前が、俺のマスターか?----

 

顔を縦に振る。そうだ。と私は思った。

 

「そうか、それは良かった!!お前がマスターか!お前のその憤怒は正しき怒りだ。理不尽に立ち向かう、正当な復讐心だ!それでこそ人間だ!」

 

彼はそう私の心を評する。そこまで褒められる様な事でもないが、褒められるのは悪くない。

 

が、その感情はすぐに消える事になる。

 

手が発熱し、鈍い痛みがそれに続いて襲いかかった。

 

そこには、紋章の様な、奇妙な印が焼き付けられていた。

 

黒衣の男のテンションとこれのダブルパンチで、あっけにとられる。

 

訳が分からなかった。まあ、今更と言えばそうだが。

 

「フム。混乱してるなマスターよ。だが、説明してる暇はない。----後ろに下がれ。」

 

背後の物音を聞き、即座にそれに従う。

 

先程戦った人形。まだコイツがいたのだ。

 

前は負けたが今回は彼がいる。勝ち目はある。

 

彼は戦い慣れしているのだろう。そういう雰囲気を醸し出していた。

 

「さて、マスター。もう一仕事だ。なに、気負うな。まだ戦いに関しては素人だろう。そこに期待はしない。」

 

「ただ、先程の様に、そう。虎よ!虎のように吠えろ----!」

 

------------

 

彼が人形を粉々に破壊した。

 

ここまで壊せば、もう動かないだろう。

 

「----赤点ギリギリといった所か。戦闘に関しては今後に期待だな。才能はやはりあると見た。今はそれで良い。...待て、しかして希望せよ。とはよく言ったものだな。」

 

彼が何やら言っているが、疲れすぎて耳に入ってこない。だが、その顔からして見捨てられる事はないようだ。

 

印の発熱は留まる事を知らず、今となっては我慢出来ないほどの激痛とまでなっていた。

 

さすがに限界だ----

 

体を彼の方に倒し、目を瞑る。ちゃんと受け止めてくれる辺り、彼は良い人なのだろう。

 

そしてだんだんと聞こえなくなる中、誰かが言葉を紡いでいく

 

「手に刻まれたのは令呪。サーヴァントの主人たる証であり、3回使える絶対命令権であり、この聖杯戦争の参加証だ。全て失えば君は死ぬ。気をつけたまえ。」

 

大事な説明に思えたので、必死に聴覚を機能させる。我ながら良く出来るものだ。

 

「おめでとう。ここがゴールだ。主の名の元に休息を与えよう。随分と未熟な行軍だったが、だからこそ見ごたえ溢れるものだった。とても素晴らしかった。」

 

「誇りたまえ。君は臆病だが、蛮勇でもあった。」

 

アレとは別人であるのは分かるが、癪に障る。

 

言い返したいが、さすがに口はもう動かせない。

 

それを分かっていて言っているのだろう。趣味が悪い。

 

「フム...これ以上の説明は次の機会にするとしよう。ようこそ聖杯戦争へ。君が生き残れる事を、願っている。」

 

彼も私の限界を察したのか、説明を切り上げた。

 

そうして、完全に意識が切れる。

 

最後に、穏やかな笑い声が、聞こえた気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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