ポケットモンスター 僕、ちょっと旅に出ます(仮)   作:蝶々

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 お待たせいたしました、ようやく2話が書き上がりました。

 色々と加筆修正したけど結局はここが私の物書きの限界だったのだろうか。地の文がだいぶ減ってしまったし、バトルの終わらせ方も無理矢理な形となってしまいました。初めての感想を貰って焦ってしまったか私!? だからと言って感想が嫌な訳ではなく、寧ろ嬉しいです。



 ※今回から他作品のキャラが登場します。タグに他作品キャラを追加します。

  《居る》→《いる》に変更。後にプロローグ1にも修正を加えます。






プロローグ2

 「バトルのルールは一対一、互いの最強だと思うポケモン同士で決着をつけましょう。さっきも言ったけど、私が勝ったら貴方には旅には出ないでもらう。それで良いかしら?」

 

 

 家を出た二人は、カンナギタウンから少し離れた周りに何も無い広野に場所を移した。というのも、普通のトレーナーと違って彼らのポケモンは総じてレベルが高い。技のひとつひとつが地形を変化させかねないので町中で行えば周囲に迷惑がかかってしまう。かといって被害を抑えようとすればそれは本気のバトルではなくなってしまう。

 

 

 「構わないよ。僕も言葉だけじゃ伝わらないと思っていたから。でもどうしてかな…自分の人生がかかってるというのに不思議と楽しみで気分が高揚してるんだ。今思えば僕とシロナってこうして本気のバトルをするのは久し振りな気がする」

 

 「ええ…本気のバトルなんてあのシンオウリーグの決勝戦以来ね。私も貴方も、立場に縛られてバトルする機会なんて無くなってしまったもの……」

 

 

 アルスはチャンピオン、シロナは考古学者としての立場から時間が取れず、直接会うのは現在では年に片手で数えられる程度しかない。そしてお互いに有名過ぎるため、人が集まる様な場所ではバトルどころではなくなってしまう。なので地形の変化を気にせず、人がやって来ないこの場所へとやって来た。

 

 

 「私だって考古学者になってからも強さを研かなかったことは無かった。いつか再び貴方と戦い、勝利することを夢見てポケモン達と頑張ってきた…その結果を魅せてあげる! 

 お願いガブリアス!」

 

 

 

 アルスは同じ様に手持ちの中で最強だと自負するポケモンを喚び出そうと、腰に付いたモンスターボールの1つに手を伸ばそうとした。しかしーーーー

 

 

     ーー“バシュゥッ”。

 

 

 

 「ーーーーえっ……?」

 

 

 モンスターボールの内の1つが何故か勝手に開いた。

 

 

 「フォオオゥ♪」

 

 出てきたのはアルスが喚び出そうとしたポケモンではなく、別のポケモンーーアゲハントだった。

 

 

 

 「・・・・・・・」

 

 あっシロナがジト目で見てきてる。何となく言いたいことが伝わってくる。

 

 “今までのシリアスを返しなさいよこのバカ!”と。

 

 

 いや、それを僕に言われても困るんだけど……

 

 

 シロナから視線をはずすと、相変わらず僕の頭の上に乗っかっているアゲハントに声をかける。

 

 

 

 

 「ねぇアゲハント、気持ちは分かるけど今回はきみじゃないんだ。わかってくれる?」

 

 しかし納得できないのか“イヤイヤ”と頭を横に振るアゲハント。

 

 「でも今回のバトルだけはきみじゃなくて“あいつ”じゃなきゃ駄目なんだ。お願いだよアゲハント……」

 

 

 「フォーゥ……フォー、フォウフォオウ?」

 

 悲しそうに頭を下げるも納得したのか、ならせめてこのまま頭の上に居て良い…?と聞いてくるアゲハントにいいよと答えると、少し前の悲しそうな感情が嘘のみたいに、身体を振り子の様に動かして喜びを表現している。

 

 

 「待たせてごめん。ーーさぁ出番だボスゴドラ、久し振りの大勝負だ」

 

 

 

 

 「グオォォォォォォアアアアァッッ!!!!!」

 

 

 その咆哮を聴いたシロナは、改めて彼のボスゴドラがどれ程強いかを実感した。あの頃と変わらないーーいや、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 自分達はそれこそ血反吐を吐く思いで特訓した。目標とする彼に…何時の日か、勝利する日の為に。だから怖じ気付いたりなんかしない。私達の全力をもって、彼と彼の最強を打ち破る!

 

 

 

 「ガブリアス、りゅうせいぐん!」

 

 ガブリアスの口から放たれた高密度のエネルギーが空中で弾け、ボスゴドラめがけて襲いかかる。

 

 

 「ボスゴドラ、ストーンエッジで迎撃」

 

 対してボスゴドラは降り注ぐりゅうせいぐんを撃ち落とすべくストーンエッジで対抗する。お互いの技が空中でぶつかり合い爆発する。

 

 

 「ガブリアス! 接近して炎の牙、続けて瓦割り!」

 

 もともと当たるとは端から考えなかったシロナは、反撃されることを覚悟のうえでガブリアスに指示を出す。

 ガブリアスも主の指示に慌てる素振りも見せず行動に移すべく、ボスゴドラに向かって接近すると炎を纏わせた牙を相手の身体に突き立て返す勢いで瓦割りを叩き込む。

 

 普通の相手なら終わる。そうでなくとも大きなダメージは避けられない。防御技を使うどころか受け身を取る隙も与えないくらいのスピードで近づいて技を当てたのだから。

 

 だがシロナは身をもって知っている。この程度で倒れる様な相手ではないと。

 

 

 

 

 

 「ーーっガブリアス、ガードよ!」

 

 直後、横を風が薙ぐ。慌てて後ろ振り向くと、両腕を交差させたガブリアスが土煙をあげながら立っていた。

 

 

 

 ボスゴドラの右手が発光したのを見たシロナは、しかし避ける隙も無いと判断してなんとか受け身だけでもと指示を出したがうまくいったようだ。ガブリアスも前回の対戦時の一撃を経験しているためか、ただガードするだけではなく少しでも威力を抑えようと、技の接触と同時に後ろに跳ぶことで衝撃を逃がしたのだ。

 

 (流石私のガブリアスね……)

 

 

 

 

 

ボスゴドラは技を立て続けに2回も無防備で、その内の1つは相性の悪い技を受けたというのに、その身にダメージらしきものは見当たらない。ボスゴドラ自身もたいして堪えた様子は見受けられない。

 

 

 (…ほんと、相変わらず化け物級の堅さね。仮にも岩タイプと鋼タイプ両方の苦手な格闘タイプの技を受けてぴんぴんしてるとか、同じポケモンなのか疑わしくなってくるじゃない)

 

 

 

 「でもだからって負けるつもりなんて無いのよ!

 ガブリアス火炎放射!」

 

 「ボスゴドラ、ロックカット。穴を掘る」

 

 「地中に逃げようとしたって無駄よ、ガブリアス地震。ボスゴドラを引きずり出すのよ!」

 

 

 

 火炎放射を地面の下に潜って避けたボスゴドラを自由にさせまいと地震による衝撃が周囲を、そして地中に居るボスゴドラを引きずり出すべく襲いかかる。

 

 

 

 「甘い! そのままアイアンヘッドでガブリアスを吹き飛ばすんだ!」

 

 「こっちだってそう簡単には食らわないわよ! 瓦割り!」

 

 

 地震によるダメージをもろともせずに地中からガブリアスに接近しアイアンヘッドを発動したボスゴドラがガブリアスの足下から飛び出してきた。迎い撃つ様にガブリアスが瓦割りをアイアンヘッドのエネルギーが集まる頭部へと叩きつける。

 

 ぶつかり合う技と技。接触面からは紫電が走る。

 

パワーは互角、いや僅かにガブリアスの方が上なのか、ボスゴドラが押されている。下から上に向かって技を発動したボスゴドラに対してガブリアスは上に軽く跳び上がってから真下に叩きつける様にして技を発動したため、ガブリアスの方が上回った。

 

 

 

 

 

 

 

 「以前に比べると見間違える様に強くなったね。あの時は慎重さが売りだったシロナがここまで攻めのバトルをするなんて思わなかった」

 

 

 「私だっていつまでも受け身のままじゃいけないと思い知らされたのよ。アルス、貴方とのバトルでね」

 

 

 

 「ならこっちも油断してられないね。ボスゴドラ、アイアンヘッド!」

 

 ロックカットによって素早さが上がったボスゴドラの動きはアイアンヘッドの突撃と合わさって、とても見た目からは想像すらできない速さでガブリアスに肉薄する。けれどその速さにシロナは驚くわけでもなく、冷静に避けるように指示を出す。

 

 

 

 

 

 ーー甘いよシロナ。

 

 

 

 

 

 「えっ?」

 

 

 

 「ボスゴドラ、アイアンヘッドから諸刃の頭突き」

 

 左に避けた筈のガブリアスが次の瞬間には大きく吹き飛ばされ、地面を砕く様にして叩きつけられていた。

 

 

 

 

 「シロナならきっと避けようと考える。そしてシロナのガブリアスならそれが可能だ。僕のボスゴドラは一撃一撃が必殺だと自負している。でも、それなりに実力と経験がある相手だと避けられてしまうことが多くなってくる。

 ならどうするか…避けられても追撃ができるようにボスゴドラの巨体でも瞬時に方向転換できる特訓をしたのさ。

 

 おかげでこの通り、巨体ゆえの鈍重さを逆手に取った戦法の出来上がりって訳」

 

 

 

 

 「相変わらず発想の方向性が変というか、やっぱり無茶苦茶よねアルスは。けどどうやらまだ決着は着いていない様よ?」

 

 

 

 

 

 その声に応える様に立ち上がるガブリアス。その目には未だ闘志は燃え尽きていない。負け続けるのが嫌なのはシロナだけではなくガブリアスも同じ。かつて一方的な敗北を喫したことが主に申し訳なく、自分自身を許せないが故に。

 

 

 

 

 「ガブリアスも負けたくないって諦めないで立ち上がった。自分のポケモンが諦めてないのにトレーナーの私が諦める訳にはいかないもの!」

 

 

 

 「ドラゴンタイブ!」

 

 高く飛び上がったガブリアスは、蒼く輝くオーラを身に纏い、ボスゴドラに向かって急降下する。そのスピードは正しく、図鑑の説明にあるジェット機の様な速さであった。

 

 

 

 

 

 「鉄壁。受け止めるんだボスゴドラ!」

 

 

 防御力を上げて、向かってくるガブリアスを受け止めようと手を翳すボスゴドラ。

 

 

 「構わず全力でぶち当たりなさい!」

 

 

 そしてオーラを纏ったガブリアスはボスゴドラと激突する。

 

 

 

 

 押し勝とうとするガブリアス、それを阻止するべく受け止めようとするボスゴドラとで再びパワーとパワーのぶつかり合いが起こる。

 

 

 

 

 

 「頑張ってガブリアス! 貴女ならやれる。貴女なら勝てる。      

 

 

 

 

         ーーだから負けないで!!」

 

 

 

 

 叫びともとれるその声を聴いたガブリアスは、この一撃に全てを籠める。

 

 

 

 徐々に、徐々に押されはじめるボスゴドラ。

 

 

 「…グゥゥ……ゴアァァァァッ!!!」

 

 

 ボスゴドラも、ガブリアスのこの一撃が最後であると感じたのか、なんとしてでも受け止めようと脚に力を込めて踏ん張る。

 

 

 

 

 力の衝突が、2体を覆い隠す様にして爆風を起こす。

 

 

 

 

 

 

 爆風が晴れた時、果たしてどちらが立っているのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 やがて爆風が晴れると距離を離した2体はどちらも立ったまま睨み合う様子が確認されーーいや、

 

 「グゥ……ァァァ…………」

 

 

 

    “ドサッ”。

 

 

 

 

 「ーーッ! ガブリアス!?」

 

 

 

 

 

 先に倒れたのは、ガブリアスだった。

 

 

 

 

 

 

 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

 

 「負けちゃったのね…私」

 

 

 「グルル…………」

 

 

 「いいのよガブリアス。私達は全力を出して戦った。だから悔いは無いわ。貴女は本当によく頑張ってくれたわ…ありがとう」

 

 

 瞳を伏せて身体を起こすガブリアスを、首を振りながら手で制するシロナは落ち込むガブリアスの頭を撫でる。撫でられて気持ち良さそうに目を細めるガブリアスは何かを感じ取ったのか顔を上げて別の方向を見る。シロナも同じ方向を見ると二人のもとにボスゴドラを伴ってアルスがやって来るのが見えた。

 

 

 

 

 「強いわよねアルスも、アルスのボスゴドラも。やっぱり私じゃ、アルスには勝てないのかな?」

 

 

 「そんなことない、シロナは強いよ。シロナだけじゃない……ガブリアスも。だってここまでボスゴドラが追い詰められたのは過去、そして現在に至るまで一度も無かったんだから。よく見てみるとあちこちに傷があるだろう? この傷が思ったより響いたらしくてね…あと少しでも多くダメージを食らっていたら或いは、倒れていたのはボスゴドラの方だった」

 

 

 

 「そう……それを聞けただけでもバトルした甲斐があったのかも。それよりもアルスは、旅に出る気持ちに変わりは無いの?」

 

 

 「…これだけは変えるつもりは無いよ。もともとそういう決め事だったでしょう?」

 

 

 「……わかったわ。でも旅に出ると言っても何処に行くつもりなの?」

 

 

 「う~ん」と少しばかり悩んでから答えが出たのか顔を上げる。

 

 

 「とりあえず最初はカントー地方で、そのあとはジョウト、ホウエンかな。まだまだ僕達が知らないポケモンがいるかもしれない。シンオウ地方にはいなかった強いトレーナーがきっといるはず。そう思ったらわくわくが止まらないよ」

 

 

 話すアルスの表情は活き活きしており、その姿と表情はかつて共に旅をしていた頃と重なって見えた。

 

 

 

 「貴方らしい……本当に変わらない、あの頃のまま」

 

 (だから、そんな貴方だからこそ私は好きになったのかも……)

 

 

 「なら私はもっと強くなる。強くなってアルスがまたシンオウに戻ってきた時にびっくりさせてやるんだからっ」

 

 

 

 「楽しみにしてるよ。じゃあ……」

 

 

 「えぇ……」

 

 

 

 「また会おう!」 「また会いましょう!」

 

 

 

 

 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

 

 

 「姉さんにしてはえらく呆気ない見送りでしたね? もっとごねるかと思いましたが」

 

 

 

 「クロエ…貴女何時からいたの?」

 

 

 振り向いた先にはシロナと同じ金髪、黒のアクセサリを付けた少女がたい焼きの入った袋を大事そうに抱えながら歩いてくるところだった。

 

 

 「私が勝ったら私の傍にずっといてもらう…でしたか?聴こえ方によっては告白の様にも捉えられますね」

 

 コテンと首を傾げて訊いてくるクロエという少女。

 

 

 

 「ちょ、ほぼ最初からじゃない!いたなら声くらいかけなさいよね!」

 

 

 「いえ。姉の一生一代(いっしょういちだい)の大勝負を邪魔するのも野暮と思い妹として空気は読んだつもりですが、お気に召しませんでしたか?」

 

 「お気に召す訳ないでしょうがこのバカ妹!」

 

 

 

 

 

 

 お互いの会話とシロナに似た容姿をしていることからわかる通り、クロエと呼ばれた少女はシロナの妹である。

 

 

 

 「…ムッ。バカとはなんですかバカとは。姉さんにだけは言われたくない言葉です。家事のひとつもまともにできない姉さんにだけは」

 

 

 「なっ!?それは関係ないでしょ!?」

 

 

 「大有りです姉さん。どうやったら料理をつくろうとして木炭をつくる人間が居るのです。同じ女性として不思議に思わずにはいられません。そんな姉さんだから、妹である私がいつも後片づけをしなければいけないんです」

 

 

 「そこまで言わなくたっていいじゃない……」

 

 あまりの言われっぷりに堪らず膝をついたシロナはいじけてのの字を書き始めた。

 

 

 「……別に家事ができなくても良いじゃない。私ができなくても誰か他の人ができれば問題ないでしょう?というかアルスは家事できるから問題無いわそうよアルスが居るんだから私ができなくても何も問題無いじゃない……ブツブツ」

 

 

 愚痴を溢すシロナに溜め息をつくクロエ。

 

 

 「ハァ…これは姉さんもですがアルス兄さんも大変ですね。

 

  ーー主に後始末という意味で」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「で、アルス兄さんが旅立ってしまった今、姉さんはどうするつもりなんですか?」

 

 

 「そうね…。まずはポケモンリーグにもう一度挑戦して、今度こそ優勝して…そして次のチャンピオンになる」

 

 

 

 

 

 「……そうですか…。でもそれは難しいですよ?」

 

 

 

 「…? なんでよ?」

 

 

 

 「何故なら今年は私もポケモンリーグに挑戦するからです」

 

 

 

 「へぇ…でも私は妹に負けるつもりなんて無いわよ?」

 

 

 「それはどうでしょうね。まあ妹に勝る(まさ)姉なんて居ないということを証明してみましょう」

 

 

 

 「言ってなさい。その時はコテンパンに叩きのめしてあげるから、期待して待っているといいわよ」

 

 

 

 「ふふっ…えぇ楽しみにしています」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あぁそれと。もし私が勝ったあかつきには、アルス兄さんは私の物です」

 

 

 「はっ?えっ?ちょっ…!どういうことよそれ!? 勝手に決めないでよ! ねぇちょっと!聴いてるのクロエ!?

 

 

 

 

       クロエーーーーーーッ!!」

 

 

 

 




 どうでしたか? 楽しめて読んで貰えたら嬉しいですが、ちょっと心配です。

何の作品のキャラが出たのかは地の文を読めば大体分かると思います。


それと次回はいきなりホウエン地方編、つまりAG編に跳びます。できればカントー編から書きたかったのですが
資料となるアニメがホウエン地方からしか入手できなかっただめです。もしかしたらダイジェストか映画編だけでも書くかもしれません。あくまで可能性の話です。
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