ポケットモンスター 僕、ちょっと旅に出ます(仮)   作:蝶々

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 アニメ1話丸々は長いので、これからは前編と後編に別けて投稿します。先に前編ができたので投稿します。


 一部、オダマキ博士のハルカの呼称がハルカ君になっていたのでハルカちゃんに修正、改正しました。


 (追記)
 活動報告にアンケートを掲載しました。よろしければご参加下さいm(__)m




ホウエン地方 始まりの章
第1話 新たなる大地! 新たなる冒険! 前編


 

 カントー地方、そしてジョウト地方を旅した僕達は次の旅の目的地であるホウエン地方へと向かう為、ミシロタウン行きの船に乗船していた。

 

 

 

 『この船はまもなくミシロタウンの港に到着致します』

 

 船に乗って数日、ようやくミシロタウンの到着を知らせるアナウンスが流れる。

 

 

 

 「ふぅ…だいぶ長い船旅にだったねアゲハント。きみは大丈夫? 疲れたりとかしてない?」

 

 

 

 「フォーウ♪」

 

 大丈夫~♪と羽を羽ばたかせて元気をアピールする。

 

 

 

 「良かった。それじゃあそろそろ降りる準備をしようか。まずは近場のポケモンセンターに行って、リーグ参加登録をしなくちゃね」

 

 新しい地方へとやって来た場合、まず最初にしなければいけないことはその地方のポケモンセンターでのリーグ参加登録だ。リーグ登録をしないと、その地方のポケモンリーグにはたとえバッジを手に入れたとしても参加することはできない。

 アルス自身は既にカントー地方、ジョウト地方でリーグ参加登録をした経験があるので慣れたものである。

 

 

 

 

 

 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

 

 

     “キキィィィイッ!”

 

 

 

 

 「ーーん?」

 

 

 

 

 この町にはポケモンセンターが無いことを知った僕はポケモンセンターがある街を訊ねようともう一度男性に話しかけようとして、休憩所の前に一台のジープが勢いよく止まったのに気付いた。

 

 

 ジープには軽装をした男性が乗っていて、帽子を被った少年を乗せようとしている所だった。二人の会話は聞き取れないが、雰囲気からしてどうやらただ事ではない様子。それに少年は明らかに苦しそうな状態のポケモンを抱き抱えている。

 

 

 

 

 少年を乗せたジープは猛スピードで何処かへと走り去っていった。

 

 

 

 「何やらただ事ではない雰囲気だね。アゲハントは僕に掴まって。チルタリス出てきて!」

 

 

 

 これは善くないと感じた僕は、アゲハントにしっかり掴まるように言って、アゲハントが頷くのを確認してから腰に付いているボールの内、チルタリスのボールを掴んだ。

 

 

 

 

 

      サトシside

 

 

 

 

 オレはサトシ! ポケモンマスターになるためにポケモン達と旅をしてるんだ。

 

 ジョウト地方シロガネ大会でハヅキさんに負けちゃったオレはハヅキさんからホウエン地方のことを聞いて、新しい地方に対する興奮を抑えられなくてこうしてホウエン地方までやって来たんだけど……。

 

 腕には苦しそうに鳴き声を出すピカチュウ。

 

 

 

 「しっかりしろピカチュウ…港に着いたら直ぐにポケモンセンターに連れていってやるからな…!」

 

 

 

 

 

 

 「ええっ!? ポケモンセンターが無い!?」

 

 

 「ここは港町だからね、だからポケモンセンターはここには無いんだよ」

 

 

 

 「そ、そんなぁ……」

 

 

 ミシロタウンの港に着いたサトシは急いで船を降りて近くに居た人にポケモンセンターの場所を訊ねたが、なんとこの町にはポケモンセンターが無いという。

 

 

 

 「早くピカチュウを治療しないといけないのに…! そうだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「そちらはオダマキ博士の研究所ですか!? オレ、マサラタウンのサトシって言います! 今オダマキ博士はいらっしゃいますか?」

 

 

 港場の連絡所からオダマキ博士の研究所に電話をかけたサトシは、電話に出た人にピカチュウの体調が悪く、しかしポケモンセンターが町に無いため治療が受けられないことを説明した。

 

 

 

 『それは大変だ。しかし今博士はフィールドワークで不在です。なんとか連絡をとってみるのでサトシ君はそこを動かないで下さい』

 

 

 「わかりました。お願いします」

 

 

 

 ベンチに座って待つこと暫く、サトシの前に一台のジープが停車した。

 

 

 

 

 

 「待たせてすまない! 君がサトシ君かい?」

 

 

 「はい! もしかして貴方がオダマキ博士ですか?」

 

 

 「ああそうだ。話はジョシュウから聞いている。さぁ急いで乗ってくれ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「状態を診るに、それはおそらく帯電症状だろう」

 

 

 「帯電症状?」

 

 

 聞いたこともない症状に、オダマキ博士に訊ねるサトシ。

 

 

 

 

 「帯電症状とは、身体の中に溜まった電気を放出できなくなって、断続的にスパークを起こす。時々電気タイプに見かける症状だ。…最近、強い磁力を浴びたことはないかい?」

 

 

 訊かれて頭に過ったのはホウエン地方に来る前、ロケット団のメカ。

 

 

 

 「あります。悪い奴らが電磁石を使ったメカでピカチュウを奪おうとして」

 

 

 「そのせいかもしれないな……」

 

 

 

 オダマキ博士と話している最中、ピカチュウがスパークを発しながら苦しそうに身を捩る。

 

 

 

 「熱で混乱しているんだ」

 

 ピカチュウの様子を横目で見ながらそう話した直後、先ほどより大きなスパークが発生する。それに驚くサトシ。

 

 

 

 「まずいな…一刻も早く治療しなくては。しっかり掴まっていてくれ!」

 

 

 言うが否や、ハンドルを思いきり右に回し、明らかに車が通る場所ではない所を走行するジープ。

 

 

 

 「は、博士ぇ!?」

 

 

 「我慢してくれ、これが一番近道なんだ!」

 

 

 林を抜け、砂の坂を下りながらジープを走らせなんとか研究所にたどり着いた。研究所の外にはサトシが電話で話していた男性が、サトシ達の到着を待っていた。

 

 

 

 「オダマキ博士、既に治療の準備は全て整っています」

 

 「助かる。さぁサトシ君こっちへ」

 

 

 案内された部屋は診察台と何かの装置が設置されている。

 

 

 アームがピカチュウの両頬を抑える様にして設置される。

 

 

 

 「ーーこれは?」

 

 

 「体内に溜まった電気を吸収する装置だ。ジョシュウ、スイッチを」

 

 

 「はい」

 

 

 レバーを下げ、スイッチを起動する。

 

 

 装置が起動、体内の電気を吸収しようとするが、ピカチュウの体内電気が多すぎるのか数秒ともたずに、装置が吸収できる限界値まで上昇。警告音が鳴り響く。

 

 

 「だ、駄目です!もう持ちません!」

 

 

 ピカチュウから放出される電気を抑えられず頬にセットしていたアームが壊れ、本体も負荷に耐えきれずに“カッ”と光ると爆発、衝撃が室内を襲う。

 

 

 「ピ…ピィカ!」

 

 

 爆発の衝撃と熱による混乱で、ピカチュウは爆発で壊れた窓から飛び出してしまった。

 

 

 「ピカチュウ!」

 

 

 それを追ってサトシも飛び出す。

 

 

 「サトシ君、電気に強いポケモンは持っているのかい!?」

 

 

 「今、他のポケモンは持ってません!」

 

 

 

 

 「くっ仕方ない。なら私のポケモンを!」

 

 

 手持ちがいないと危険と感じ、机に置いてある三つのモンスターボールを鞄に入れるとオダマキ博士もあとに続く。

 

 

 「オダマキ博士!? それはもうすぐやって来るハルカさんの為に用意した初心者用ポケモンですよ!?」

 

 

 

 

 「この際仕方ない。ハルカちゃんには待ってもらうように言っておいてくれ!」

 

 そう言い残してオダマキ博士はサトシを追って行ってしまった。

 

 そして予定通りやって来たハルカも、オダマキ博士がいないことを知ると「待つのとか苦手なんで私探してきます!」と言って自転車で走り去ってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   ハルカside

 

 

 「さぁて、オダマキ博士は何処に行ったんだろ?」

 

 

 トレーナーとして旅立つ際に貰える初心者用ポケモンを受け取る為にオダマキ博士の研究所にやって来た私は、その本人がいないということで待つように言われたのだが。

 正直なところ待つのとか苦手だったりするので自分で探してくると言ってこうして自転車を漕ぎながら探している。

 

 いくら探しても見つからないので試しに名前でも呼ぼうとするとーー

 

 

 

 「う、うわぁー! 誰か助けてくれ~!」

 

 

 聞いたことのある声が近くから聴こえきた。

 

 

 

 「ーーオダマキ博士?」

 

 

 

 「おお? その声はハルカちゃん! お母さんに似て美人になってーーいやいやそれどころじゃない!調度良いところに来てくれた。ハルカちゃん、そこに落ちている鞄からどれでも良いからモンスターボールを選んで出してくれ!」

 

 

 「え? ええと…そんなこと言われても……。

 う~ん…………。……あの~オダマキ博士、どのモンスターボールを選べば…?」

 

 

 「何でも良いから早くだしてくれぇ!!」

 

 

 木の枝にしがみつきながら必死に叫ぶオダマキ博士。

 

 さすがにゆっくり選んでいる暇は無いと感じたのか、とりあえずこれだと思ったモンスターボールを手に取り「えいっ」とその場に投げる。投げたボールから出てきたのは水色の身体に、頬っぺたに橙色の刺が付いたポケモン。

 

 

 「おおっ、ミズゴロウか」

 

 

 「…それで、このあとはどうすればいいの?」

 

 困った表情で訊ねるハルカ。

 

 

 「技を使うんだ」

 

 「ーー技…ですか?」

 

 技と答えられても、ハルカはポケモンの知識など皆無。

 

 

 「水鉄砲と叫んでくれ」

 

 何も知らないハルカは言われるがまま、ミズゴロウを指差して水鉄砲と口にする。

 

 

 

 「ゴリョ~~!」

 

 ミズゴロウは言われた通り水鉄砲を出した……ハルカに向かって。

 

 

 「何よこれぇ……」

 

 

 

 その光景を思わず呆れた表情で見てしまうオダマキ博士。が、追われていたポチエナ達から逃れる為にしがみついていた木の枝が“ボキッ”と音をたてて折れる。

 「ああ~」と声をあげながら落下し再びポチエナ達に追われる。

 

 

 「ミズゴロウ! こっち、こっちに来てくれ!」

 

 逃げ続けては埒があかないと判断したオダマキ博士はミズゴロウを自分のところに呼ぶ。

 

 

 「ミズゴロウ、ポチエナに向かって水鉄砲だ!」

 

 先ほどとは違い、明確な指示を受けたミズゴロウは、ポチエナに向かって勢いよく水鉄砲を発射する。

 水鉄砲は狙い通りポチエナ達に当たり、驚いたポチエナ達は慌てて逃げていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「戻れミズゴロウ。

 世話をかけたね、ハルカちゃん」

 

 

 「いえ……ところでオダマキ博士、ここで何をしていたんですか?」

 

 「しまった! こんなことをしている場合じゃなかった。早くしないとピカチュウがーー」

 

 

 

 

 

 

 

 遠くで空に向かってうち上がる橙色の電撃と微かに聴こえる悲鳴。

 

 

 「あれは…?」

 

 

 「ピカチュウの体内電気が限界に近づいているんだ。このままだと爆発するかもしれない!」

 

 

 「ーーえぇっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「離れろサトシ君! ピカチュウはいつ爆発しても不思議じゃない!」

 

 

 オダマキ博士に付いていった先には、何やら辛そうに倒れている黄色いポケモンとそれに近づく男の子がいて、オダマキ博士は黄色いポケモンに近づこうとする男の子を止めていた。

 

 

 

 「でも!」

 

 しかしオダマキ博士の言葉に納得できないのか、視線をポケモンからオダマキ博士の方に向けた男の子。

 

 その一瞬をついて、黄色いポケモンが逃げてしまう。逃げた先は崖で、黄色いポケモンは崖の向こう側に落ちていってしまうが、いち早く気づいた男の子が崖を飛び降りてポケモンを腕に抱くと、崖途中に生えている木の枝に掴まる。

 

 

 

 「サトシ君掴まるんだ!」

 

 そこへオダマキ博士がロープを投げ込み男の子を引き上げようとする。自分も男の子を助けようとロープを引っ張る。

 

 

 

 

 

 

 だがロープを引っ張っている最中、スパークがロープに当たってしまったのか重さに耐えきれず切れてしまう。

 

 

 

 「チルタリス、あの少年とピカチュウを助けるんだ!」

 

 

 何処からか声が聞こえてくる。落ちていく中、ピカチュウを必死に胸に抱くサトシは声のする方に目を凝らす。

 視線を向けた先には落下するサトシ達に向かって、綿毛の様な羽根を持ったポケモンが飛んできて、その身体でサトシ達を受け止めた。

 

 

 

 「君、大丈夫かい?」

 

 

 

 「は、はい。なんとか……それより貴方は…?」

 

 

 

 「その質問はとりあえず安全な場所に降りてからにしよう」

 

 

 そう言って二人と一匹を乗せたチルタリスは安心した表情を浮かべるオダマキ博士とハルカのもとに下りていった。

 

 

 

 

 




 後編は毎度お馴染みのあのトリオの登場です。なるべく早く投稿できるようにしますね。
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