お気に入りが850を超えた→ファ!?
幻術に陥ったのかと思いました……。
コンゴトモヨロシクオネガイシマス……。
「で、波の国から侵攻してくる敵を撃退すればいいんですね?」
「ああ、敵の中に相当な実力者がいるみたいだ。それもお前とさほど変わらないみたいだぞ」
波の国を霧隠れに取られてしまった木ノ葉は撤退を余儀なくされ、現在は木ノ葉の国境付近まで敵の進軍を許している。
京之介は由良とともに警備を担当している。
「それでだ。火影様から新しい指示がきた」
由良は京之介に巻物を渡す。
『研磨京之介。お主を強襲部隊隊長に任命する。人選は任せる』
「……これだけですか?」
「のようだな」
「いやいやいや、なんで俺なんですか!?」
「お前がやってた策を俺が火影様に報告したからかもな」
「ぬぅ……拒否したいところですけど、それだとあとが怖いし……やるしかないか」
諦めたように、はぁ……。とため息をこぼした京之介は由良を見る。
「隊長はどうするんですか?」
「俺は別のやつらと班を組んで行動する。お前が俺を部隊に呼ばない限りは、お前とはここまでだな」
「そうですね。隊長はどちらかというと防御面が突出していますから、班に入れにくいですしね」
「正直に言うな……」
苦笑いをみせる由良だったが、否定はしない。実際に前回の策ではさほど攻撃には積極的に加わっていない。
他の者たちが攻撃しやすいようにサポートに回っていた。
今回もサポート役は必要だろうが、自分は守備に専念したほうがいいと由良自身が自覚していた。
「班員はどうするんだ?」
「うーん前回いた人たちに声をかけたいのと、俺の同期に出来るやつらがいるんで、そっちにも声をかけようかなと」
「なるほど。だが、あまり時間をかけるなよ?」
「ええ、承知しています。では、俺はこれで」
「ああ」
京之介は由良に一礼してから、すばやくその場から消えた。
「期待しているぞ」
「さて、集まってくれてありがとな」
京之介は集まった同期のメンバーに感謝した。
そこにいるのは、長く共に修行した5人だった。
「気にしないで京之介君。それと隊長就任おめでとう」
「ありがとう矢鶴。頼りにしてるぞ」
「私もがんばるよ!」
「ああ、お前の幻術が結構頼りになるかもしれない。頼むぞ藍歌」
「わ、わたしに出来るかな? 力もないよ?」
「いやあるだろ赤絵。てか、前衛で頼りにしてるんだからな?」
「まさか、兄さんも呼ばれるなんてね」
「ああ、父上は反対していたがな。宗家の跡取りがいなくなったらどうするつもりだとな」
「そこに関しては悪いと思ってるけどさ。今回は藍歌もいるし、守りの面も必要なんだよ。それでヒアシとヒザシの2人になったわけ」
「まぁ、いい。私たちだけではないんだろ?」
「当然。十代前半だけの部隊っていうのもありだけど、傍から見たら自殺部隊だろ? ちゃんと先輩方でも信頼できて、頼りになる人たちを呼んであるさ」
京之介が5人を案内した天幕には、油女シタン、犬塚キョウ、秋道カレイの前回共に戦ったメンバーと加藤ダンがいた。
「みなさん。集まっていただきあ「そういうのはいいんだよ隊長」……え」
犬塚キョウが京之介が礼を言う前にさえぎる。
「俺たちはすでにこの部隊の一員だ。隊長が年上だからって気を遣うことはない」
油女シタンが落ち着いた口調でフォローする。
「それよりも、早いところ作戦の確認といこうじゃないか」
「どういう作戦で行くんだい隊長?」
笑顔の秋道カレイとダン。
「はは、ちょっと気負いすぎたかな……じゃ、まずは地図を見てください」
「作戦自体は以前やったことに近いですけど、とりあえず藍歌の音の幻術を仕掛けた後、赤絵に特攻してもらう」
「え、わわ、わたし!?」
「そうだ。お前の雷を纏った速さはこの中じゃトップクラスだ。敵陣をかく乱してくれればいい。同時に矢鶴、赤絵の後方で援護だ」
「わかった」
「ねね、京之介くん。幻術はどの程度の?」
「赤絵の認識を鈍らせる程度でいい。その後は隠れながら水遁で援護してくれ」
「りょーかい!」
「俺たちはどうすればいいんだい?」
ダンが挙手して質問してくる。それに続くかのようにシタンもたずねてくる。
「それに、俺の蟲たちを使わないのか? 前回は蟲たちをやけに使っていたが」
「今回蟲を使うのは、敵が襲撃を受けたと認識した後でいいです。赤絵に危害が及ばないようにしていただければ。なので矢鶴と同じで後方支援していただく形です」
「ふむ、了解だ」
「で、ヒアシとヒザシ、それにダンさん、キョウさん、カレイさんは俺と一緒に地面からの強襲を行います」
「お、前と同じか」
「はい、ですが、前と違うのはタイミングです」
「というと?」
「赤絵は強襲して一分で撤退。矢鶴も赤絵が撤退後は一時攻撃を中止。その後シタンさんの蟲が敵の動揺を誘導しつつ、藍歌の音の幻術をかけてもらう。
その後地中の俺たちが攻撃を開始、矢鶴も攻撃を再開。藍歌と赤絵は忍術で後方支援を頼む。敵がそちらに向かうようなら、シタンさんと矢鶴がカバーしてください。
攻撃時間は五分。それを過ぎたら撤退してください」
「……」
「ダンさん?」
「いや、なかなかの策だなって思ってね。しかし、波の国で部隊を壊滅まで追い込んだと言われている女への対処はどうするんだい?」
「その相手は俺がします。その間に他の方々で攻撃をしてください」
「1人で平気か?」
ダンは心配そうに京之介を見つめる。
「むしろ1人のほうが被害が少なくてすむでしょう? 危ないと思ったら逃げますから心配しないでください。ああ、皆さんも危険だと思ったらすぐに撤退してください。ここで死なれても困りますし」
「へ、言うじゃねぇか」
「オン!」
「さ、行きましょう」
京之介たちは天幕から出た後、霧隠れの陣営へと向かった。
リーン、リーン。
霧隠れの陣営に奇妙な音が響き渡る。
音を聞いた忍たちは虚ろな目をしたまま立ち尽くしている。そして、音がぷつりと切れる。
そこへ、赤い稲妻を纏った赤絵が駆け抜けていく。
「やあああああああああっ!!」
「ひぎゃ!」
「ぐあっ!」
幻術にかかった敵は何も出来ぬまま息絶える。
「はっ、て、てぐあっ!」
「敵だああああ! 敵が攻撃を仕掛けてきたぞ!」
「はああああああっ!!」
「くそっ、これで、うっ!」
赤絵に気を取られると矢鶴の矢の餌食になる。そして、周囲からは蟲たちが這い出てくる。
「う、うわあああああっ!? な、なんだこの蟲は――ぎゃあああああ!」
蟲を追い払おうとすれば、赤絵かチャクラの矢、もしくは水遁が飛来してくる。
(一分が経った。撤退しないと)
赤絵は指示通りに退却。蟲たちが撤退を補助しつつ周囲をかく乱。加えて蟲たちの羽音をキーに音の幻術を藍歌が再びかける。
二度目となるとさすがに幻術だと理解するものが出てくるが、蟲が邪魔をする。
そして――。
ボコン!
「攻撃開始!」
地中から京之介たちが強襲した。
京之介を除く者たちがそれぞれの得意とする攻撃を展開。
矢鶴たちの支援もあってか、効率よく攻撃できた。
だが――。
ピシャアアアアアアアアン!!!
突如霧隠れ本陣上空から雷が降り注いだ。
雷は蟲たちを焼き払い周辺全域に被害をもたらした。
発生の元凶は1人の少女が握る双刀にあった。
その刀は霧隠れで生まれた至高の一品。抜群の切れ味と雷を帯びており、いかなる敵をも死体に変える。
雷刀・牙。それが刀の名である。
「あら、全然被害がないわね」
少女は残念そうな声色であるのに、表情はうれしそうだ。
彼女は波の国奪還作戦で大いに暴れた。しかし、歯ごたえのない木ノ葉の忍を切ったところで、なにも楽しくはなかった。
だが、今の攻撃を防いだであろう自分より幼い少年には興味を持った。
「風遁で今の攻撃を防ぐなんてね。おかげであなたの仲間は全員無事みたいね。なかなかやってくれるじゃない。やっぱり戦いはこうでなくちゃねぇ」
性質の相性も関係しているが、彼女からすればそんなことはどうでもいい。風遁を使う敵でも弱ければ死ぬのだから。
「……貴女の相手は俺です」
「いいわぁ、相手になってあげる!!」
すばやく接近し、京之介に切りかかる。
キン!
両手に持ったクナイでそれを防ぐ。自身の肉体を雷で素早くした状態で、後退する。
「いいわぁ、ますます楽しくなりそう。名前を聞かせてくれる?」
「……木ノ葉強襲部隊隊長、研磨京之介」
「霧隠れ忍刀七人衆が1人、雷刀・牙の使い手、林檎雨由利。楽しませてよね? そしたらお礼にじっくり殺してあげるからぁ!!」
「遠慮します!」
2つの雷が激突した。
作戦終了時間まで3分――。
ヒロインもとい嫁候補の一人、林檎さんです。
どうやったら木ノ葉にきてくれるかなぁと前から考えています。
無理っぽかったら、オリジナルのキャラと結婚させますけどね。
次回は林檎雨由利戦となります。