相変わらず短いですが……。
「弟子……だと?」
突如現れた千手縄樹に京之介は戸惑いを隠せなかった。
「そうだ! 俺を弟子にしてほしいんだ!!」
「……なぜ俺に師事しようと思った?」
「俺は火影になりたいんだ!」
「で? それが俺とどうつながるんだ?」
「あんたに鍛えてもらえれば俺は火影に近づくと思うんだ!」
「……」
「だから! 俺を鍛えてくれ!」
「……帰れ」
「え?」
「帰れと言っているんだ」
「な、なんでだよ!?」
「お前は火影はもとより、戦いを分かっていない」
京之介はそれだけ言って家へと帰った。
翌日
「てやっ!」
「……」
演習場で訓練を行っていた京之介を縄樹が襲撃してきた。無論、京之介は気が付いていたために放っておいた。
「何の真似だ?」
縄樹の体術
「へへ、教えてもらえるまで付きまとってやろうと思ってさ」
「……感知能力を使わなくてもお前が来るのはわかっていた。気配があったからな」
「え、そうなの?」
「今のままじゃ、火影なんて夢のまた夢だな」
「うぐぐ、俺は諦めないからな!」
それだけ言って縄樹は演習場から去っていった。
「……明日も来そうだな」
それから一週間。縄樹は諦めずに京之介に接触し続けた。
何度も何度も攻撃をしては返り討ちにあう。その繰り返しだった。
初めのころは京之介は追い返すだけだったのだが、そのうちに「チャクラで分かりやすい」「攻撃の瞬間に闘志だとか殺気を漏らすな」などなど教える気などなかったのだが、ついつい言ってしまうのだった。
ある日、京之介は縄樹に尋ねた。なぜ火影になりたいのかと。
「火影は俺の夢なんだ!! この里を作ったじいちゃんが俺の憧れなんだ! 俺もみんなを守れる忍になって火影になるんだ!!」
「……お前、命を奪う覚悟はあるのか?」
「え?」
「敵を殺す覚悟だ」
「そ、それは……」
「今は戦争中だ。敵味方問わずに死んでいく。お前のような夢を持つやつだって敵の中にはいるかもしれない。そういうやつを殺していく覚悟がお前にはあるのか?」
「…………」
「忍は仲良しこよしでできるもんじゃねぇ、ましてや火影が背負うのはこの里とそこに住む者たちだ。それを守るためにならほかの里を滅ぼさなきゃいけなくなるかもしれない」
「っ!」
「夢だと語るのはお前の自由だ。だが、このご時世にそれをかなえられる奴はどれだけ少ないかお前はよく考えろ」
「……先生は、夢があるのか?」
「長生きすることだな。それ以上は望まねぇ。てか、なんだ先生って」
「俺、まだ実戦経験とかないし、先生のいうことにはっきりと返すことはできない。でも! それでも俺は火影になる!! 争いをやめて五大国やそれ以外の小国が手を取り合えって、幸せな世界を作りたい!」
「それは、とてつもなく厳しい道のりだぞ」
「分かってる。俺一人じゃできない。だから、先生からは強さを学びたいんだ。んで、政治とかそういうのはそういうことが得意な人に教わって……ええっと、姉ちゃんからは医療忍術とかを教わって「いいだろう」え?」
「少しだけだが、お前に稽古をつけてやるよ」
「ほ、本当か!?」
「ああ、だが、お前がまだ戦いというのを理解できていないうちに小難しいことは教えるつもりもない。今は、基礎を中心にやる」
「え~、術を教えてくれよ」
「ここ一週間バレバレな隠密をし続けるバカに忍術は安くないんだよ」
「ちぇ」
「ふてくされるなら俺は何もおし「やるやる! さあ、がんばるぞぉ!!」はぁ」
そこから研磨京之介と千手縄樹の師弟関係が始まった。
それから京之介は縄樹に忍術の基礎を教え、それ以外にも戦いにおいての動き方なども教えた。
時には男が逃げるなんていやだ! と反発もした縄樹だったが、
「罵倒されようが生きていれば何とかなる。死んだらなにもできねぇよ」
と言われ、少しずつ戦いの厳しさを知っていくことになる。
ある日のこと。縄樹が任務に向かった。
内容自体はそこまで難しいものでもなく、国境付近に物資を届けに行く任務だった。
上忍も同行しているために、下忍たちの中には安心しきっている者たちもいたが、縄樹は京之介からの教えを守り、いかなる時でも警戒していた。
『いいか縄樹。任務中で一番難しいのは自分の命を守り、仲間も守り、任務を遂行させることだ。これらを成し遂げるためなら逃げることを恥だと思うな』
『敵が親切に真正面から攻撃してくれると思うな』
『安心している奴から死ぬぞ』
などの言葉も送っている。
「先生の言っていることが正しいとなると一番最初に死ぬのはあいつらだよな」
縄樹は任務に同行している同じ下忍たちを見る。
「けど、ヤバかったら助けないとな。それが俺の火影になるための一歩だ」
決意を新たに任務を行う縄樹。案の定というべきか、敵は現れた。
数の上では互角。しかし下忍が数人いる木ノ葉側が不利だった。
縄樹を除いた下忍は敵が現れると恐怖に支配されたかのように動きが悪くなってしまった。
縄樹は仲間を守るために京之介から教わっていた忍術を使う。
『水遁・水龍弾の術』
京之介が縄樹にこの術を教えたのは、水遁の素質があったことと、京之介本人に思いれがあったこともある。
「その年齢でこれほどの水遁を!?」
「なんてやつだ」
仲間からも驚かれる縄樹の水遁は幼少期の京之介が放った水龍弾よりも巨大だった。
敵側も子供だと油断していたのが仇となり、対処に遅れた者まで現れる。対応した数人は回避行動をとるので精一杯だった為、隙を突いた木ノ葉の上忍によって始末されてしまった。
「……これが、戦いなんだな」
敵の遺体を見て縄樹はつぶやく。
「夢とかあったのかな……」
『お前のような夢をもつ者もいるかもしれない』
「……俺は火影になる。こんな争いが起きないように……」
縄樹は自分の手をきつく握る。手からは血が流れていようと構わなかった。死んだ者には二度とない痛みだと理解しているから。
短くて申し訳ないです。
月に一回ぐらいかもしれませんが、がんばって更新していきます。
今後ともよろしくお願いします。