アンケートを受けてプロットを作っていたところ、なんども悩んでしまい。途中でゲームなどに逃げるなどを繰り返していたところ、ここまで引きずっていました。
最終的には友人たちから、自分の書きたいように書きつつアンケートを反映させていけばいいじゃん。と言われたので、その言葉を励みにこの26話完成させました。
ただし、アンケートの反映は次回以降となります。ご了承ください。
「はっ!」
「ぐあああああっ!!」
咬牙蒼連の射程距離内にいた岩隠れの忍たちが、次々と斬られていく。
あたりは暗く月の光だけが周囲を照らしている。その中で蒼い刀は、その身を紅く染めていく。空気に触れた血はだんだんと黒へと変色し、周辺の大地を塗り替えていく。
二代目土影以外にも手練れの忍が当然ながら存在する。しかしながら、自分たちが優位な立場で攻撃を仕掛けていたにも関わらず、突然反撃する木ノ葉の忍などいないと慢心していた。そこを分身とともに京之介が強襲したのだ。手練れの忍といえど、命を奪われる。今はそういう時代だ。
「調子に乗るなよ! くらえ!!」
1人の岩隠れの忍が京之介に向かって持っていた成人男性ほどあろうかという巨大手裏剣に風遁チャクラを流し投擲した。
「さらに、これだ!!」
大量の手裏剣を雷遁を纏わせ、広範囲に投げた。
敵の狙いは巨大な手裏剣に当たればそれでよし、回避するならば、周囲に投げた手裏剣に命中するかのいずれかで手傷を負うというものだ。
加えて、地中や素早く攻撃が当たらない範囲に逃げ出すことを考えて、仲間に用意もさせている。岩隠れの忍からすればこれで敵である京之介を殺すことができたと思っていた。
「チィッ!」
京之介は咬牙蒼連に火遁のチャクラを流し込み、刀で巨大手裏剣を包み込むように抑え込んだ。
「なに!?」
「はあああああっ!!」
『土遁剣術・蛇襲咬』
手裏剣を弾き飛ばし、刀を地面に突き刺すと、扉間に鍛えられた探知能力で周辺にいる敵を探し出し、チャクラを流し込むことで、射程距離、刀身の数を増やし、目の前にいる敵を含めた数名の命を悲鳴を上げさせることなく一瞬で奪い取った。
「なるほど、三代目雷影と戦ったという噂は本当のようだな研磨京之介」
ふわりと、空から1人の男が、京之介の傍に降り立った。
「……貴方に俺の名前を知っていただいているとは、光栄です。二代目土影無殿」
降りてきた男を京之介は知らないなどと言えない。前世の記憶と合わせて、よく知ってた顔だった。
「ふん、それだけお前と雷影の戦いは知れ渡ったということだ。なにも恥じることはないだろう?」
「そうでしょうか? 少なくても突如として襲撃してくるような輩にまで知られているのは少々屈辱的ではありますね。無名のほうが油断してもらえますし」
「ふ、それはあきらめることだな。俺の里ではお前は警戒対象として上位に位置しているからな。……部下は気が付かず死んだようだがな」
「気が付かなかったおかげで、俺は貴方の部下を始末できたんですがね」
「……これ以上被害を出すわけにはいかんな……どうだ。ここは大人しく殺されないか? お前ほどの実力者を殺せれば我々としてはありがたい。なに、その代わり木ノ葉には今後攻撃を控えると約束しよう。砂隠れからの攻撃も凌がねばならんからな」
「……だったら貴方が殺されたほうがいいのでは? そうすれば木ノ葉は貴方というすばらしい忍を失ったことを悲しみ、攻撃を自粛するかもしれませんよ?」
2人の周辺から殺気があふれていく。
「ふ」
「はは……」
「「はっはっはっはっはっ!!」」
突然2人は笑いはじめ、
「「殺す!!」」
同時に殺意をぶつけて術を放つ。奇しくも火遁の術をぶつける形となり、それが二人の戦いにおける開戦の合図となった。
「土影様!」
「下がっていろ、こいつは俺が仕留める。お前たちは残りの木の葉の忍を始末しろ」
「させると思ってんのか?」
『嵐遁・刃雨の術』
素早く印を結んだ京之助は、嵐遁を広範囲へと飛ばした。刃の形を模したその術は岩忍たち切り刻んだ。
「うわあああああっ!」
「う、腕があああっ!」
「ち、貴様……」
「うん? 貴方がすべての攻撃を受ければよかったのでは? そんな怒った顔を見せられても困りますよ土影殿」
「なるほど、貴様は最優先で殺さねばならんようだな」
「最優先で殺されるの間違いでは?」
「ほざけ!」
『塵遁・原界剥離の術』
「っ! それはヤバいっ!」
京之助は素早く回避を行う。事前に飛雷神マーキングを数か所に行っていたため、命中することはなかったのだが、いまだ完璧とは言えない速度だったため、本人には不満が残る。
「マジでミナトの速さが羨ましいわ……っと、そんなことを考えている場合じゃないか」
身を隠して隙を伺うが、相手は無であることを考えると、隠れていても見つかる可能性を考え、攻勢を保つしかないと結論に至る。
『氷遁・氷龍大連弾』
百発の氷の龍が無へと襲い掛かる。
「無駄だ」
『塵遁・原界剥離の術』
両手から放たれた術は百の龍をあっさりと退けた。
「ならこうだ!」
『沸遁・蒸気結界』
一瞬にして周囲が蒸気に包まれた。
「これは……あの小僧一体いくつ血継限界を……」
「貴方がそれを知ることはないでしょうね」
「っ!!!」
後ろからの声に無はとっさに、素早く使える風遁を使い、自分もろとも攻撃した。
「残念。はずれです」
「!!!!!」
しかし、それは影分身。本体はもともと正面におり、分身を身代わりにして、潜んでいた。
ここで京之助は確実に無を仕留められると確信していた。
「っ!?」
だが、残念なことに、彼らは1対1で戦っているわけではない。
当然だが、無とともに仕掛けていた忍たちが、無に言われたからとて、何もしないで見ているわけがない。
京之助の過ちは先ほどの嵐遁で全員仕留めたと思い込んでしまっていたことだ。京之助からすれば、周りの連中は早々に始末し、無を相手にしなければならないという内心あった焦りから、周囲の感知を怠ったていたことがすべての原因である。
「土影様!!」
「よくやった」
「はっ!」
「くそっ、情けない」
自分を責める京之助だったが、いつまでもそうはしていられない。
「土影様、直に待機していた仲間が合流いたします」
「そうか、ならばそれまでにこやつを始末し、木の葉侵攻を再開するぞ」
「はい!」
(まずい……さすがに出し惜しみはできないな)
「勝つためなら手段は選べないな……」
京之助は無のそばに立つ岩忍へと飛雷神マーキングがついたクナイを投擲し、接近。首を掴み、そのまま事前にマーキングしてあった場所へと飛雷神で移動した。
「なにを……」
無は周囲を探る。一方で、京之助はマーキングした中で一番遠い場所までやってきた。
「ぐっ、貴様! 放せ!!」
「悪いが、あんたにはやってもらうことがある」
「な、んだと……」
「はっ!」
「う…………」
簡単な幻術で意識を混濁させ、その場に立たせる。
「本当はもっと別な時に使いたかったんだけどな……」
京之助は常に持っていた巻物からまた別の巻物を取り出す。
「使わせていただきますよ……。扉間様」
『口寄せ・穢土転生』
「う、うああああああああああっ!」
岩忍の体が白い紙のようなものに包まれていく。次第に声は小さくなり、完全に聞こえなくなったときにはすでに岩忍の顔ではなく、京之助の見知った顔の人物がそこにはいた。
「……背が伸びたか?」
「まだ若いつもりですので」
京之助は片膝を地につけ、頭を下げる。
「ここは?」
「雨との国境に近い場所です。現在二代目土影率いる奇襲部隊により、拠点は壊滅状態に陥っております。土影との交戦の際に貴方様からいただいた穢土転生を用いた次第です。お力をお貸しください扉間様」
「お主でも無の相手は厳しいか?」
「いまだ未熟ゆえ、塵遁攻略に手を焼いております」
「ふむ、ワシとて簡単にできるわけではないが……この体になったからにはやりようはあるか……。いいだろう。京之助よ」
「はっ!」
「ワシをうまく使えよ。いくぞ」
「御意」
京之助は扉間の肩に手を置き、素早く飛雷神で移動した。
「来たか……むっ、貴様はっ!!」
空中に浮きながら待ち構えていた無は驚愕した。目の前に死んだはずの男がいれば当然のことである。
「まだまだ甘いなもっと精進せんか」
「申し訳ありません」
そんなことには興味のない京之助と扉間は飛雷神のダメ出しをしていた。
「二代目火影、千手扉間! なぜ貴様が生きている!!」
「なぜかといえば、この不肖の弟子がワシをあの世から呼び戻したからだ」
「あんたの部下を生贄にさせてもらったがな」
「貴様らぁ……」
「さて、あまり悠長に喋るつもりもないのでな。終わらせてもらうぞ」
(このままではこちらが不利。部下を減らすわけにもいかん。撤退し、期をうかがうほかあるまい)
無は水遁の術を使って京之介と扉間の注意を引き付けると、すかさず己の体を無色透明にして姿を消した。
「ほう……チャクラの感知もできんとはこれはやられたな」
「その割には随分と余裕ですね」
「お主もな」
「ま、何とかしますよ!!」
印を結んだ京之介は地面に手をつける。
『泥遁・泥雨の術』
地面の泥が天へと昇り、そこから泥の雨となり周囲に降り注がれた。
「……っ! 2時の方角!!」
「分かった!」
泥雨が不自然な動きを示した場所を扉間に指示する。姿が見えなくとも、質量を持つゆえの弱点でもある。
「木々の間を逃げようとも、俺の泥雨からは逃げられないぜ」
矢鶴とかで練習したからなと一人つぶやく。
扉間の水遁による連続攻撃は無を捉えたが、相手は土影。すぐさま空中へと飛び上がる。
「甘いんだよ。扉間様! マーキングをあなたの方へと書き換えます!!」
「分かった!」
「ただし、無殿の細胞はとってくださいよ!!」
「分かっておるわ!」
さきほどの泥雨で、京之介は無の体に飛雷神マーキングをしてあり、それを扉間のマーキングと入れ替える。マーキング交換の術である。
それを利用し、扉間は素早く空中にいた無に接近、避ける時間を与えず。クナイで左腕を切り裂く。が、伊達に二代目土影をしているわけではなく。何とか手首から先を斬られるだけで済んだが、印を結べない状態にされ、一気に不利な状況に立たされた。
「ぐっ……」
さすがの無も地上へと落下。するとそこへ待機していた岩忍たちが合流してきた。
「土影様!!」
「ちっ、敵が増えたか……」
「扉間様!」
「む?」
京之助は扉間に一枚の札を渡した。
「これは……」
「改良型の連続起爆札です。ただし、爆破地点と起爆役は別々ですが」
「なるほど、ワシを中心に爆破されればいいのだな?」
「はい」
「分かった」
扉間は負傷した無を威力の弱い水龍弾で流し込み、自身も岩忍たちの中へと突入する。
扉間を中心に素早く起爆札が岩忍と無を包み込む。周囲をしっかりと感知しつつ、敵が逃げ出さないように、土遁で拘束し、全員をせん滅できると判断した扉間は、
「やれ、京之助!!」
京之助に指示を飛ばす。
『爆』
次の瞬間。周辺の木々を消し飛ばし、敵の姿を微塵も残さんとばかりの連続した爆発が五分間発生した。
(調整、ミスったな……)
五分間爆音を聞いたのち、煙の中から扉間がゆっくり歩いてやってきた。
「悪くない威力だな。しかし、爆破役が別とは不便だな」
「穢土転生前提で作ったわけではないので、致し方ないかと」
「ふむ、まだ改良の余地がありそうだな」
「先生ー!」
「ん?」
「ああ、縄樹か。なんで戻ってきた?」
「だ、だって、先生が心配だったし……そ、それに途中で木の葉の人たちに会えたから……ってそんなことはどうでもいいって! さっきの爆発は何だったの!? それになんで大叔父様が!?」
「ふむ、兄者の孫か……性格は似ていなさそうだな。それに、先生? お前がか?」
「成り行きでなぜか……」
「ふむ、縁というのは面白いものだな」
「おーい! 大丈夫か!!」
「援軍が来たようだな」
扉間は木の葉の援軍たちの方へと歩いて行った。
「に、二代目様!?」
「な、なぜここに!?」
「ワシのことはあとでもよい。急いで生存者の治療をせい」
「は、はい!」
忙しなく動き出す援軍たちを見ながらふと縄樹は京之助を見た。
「で、あの土影は?」
「ああ、これしか残ってないな」
京之助は縄樹に無の手首を渡す。
「ぎゃあああああっ!?」
「ま、扉間様のおかげで始末出来たってことだけわかりゃいいんだよ。ほれ、手首を返せ、それはこれからしっかり使っていかなきゃいけないし」
「う、うん……」
巻物の中に手首を収めた京之助は、縄樹の頭に手を置く。
「無事でよかったよ」
「な、何だよ先生、恥ずかしいじゃん」
「いいんだよ。俺は先生だからな」
笑顔で縄樹の頭をなでる。
「なんだよそれ……」
ふてくされる縄樹をよそに、京之助は真面目な顔に切り替わる。
「縄樹、今日起きたことは忘れるなよ。これが戦争なんだってことを」
「……はい!」
真剣なまなざしの縄樹を見た京之助は笑顔になる。
「さて、帰ろうか」
「うん! 帰ったら、また忍術教えてくれよな」
「その前に、俺は説教が待ってるだろうけどな」
二人は木の葉の援軍たちに指示を飛ばしている扉間の方へと歩いて行った。
二代目土影 無 左手首を残し消滅。後に死亡とされ、岩隠れの里を悲しませた。
研磨京之助 二代目土影を穢土転生させた千手扉間とともに撃破。
しかし、無断で里を飛び出したことが問題とされ、
療養期間に謹慎期間が加わる。
ついでに教えを乞う下忍たちが増えた模様。
千手扉間 穢土転生により復活。ヒルゼンらをビビらせる。