さあ修行だ!! なんて張り切っていた時が俺にもあったよ……。
いやね、致命的なことがあったんだよ。うん。間抜けにもほどがあるだろ。って思われても仕方がないくらいに間抜けだ。
俺、忍術の印知らないんだよね…………。
その時のヒアシとヒザシのかわいそうな奴を見る目が辛かったよ。
そんな訳で内容を変更してチャクラコントロールの特訓に切り替えた。つくづく思うけど、三歳児がやることじゃないよね……。
世界が違うと価値観はここまで変わるんだな。うん、慣れよう。
で、普通にやっても面白くなかったから、時間無制限木ノ葉の里鬼ごっこをやったわけだよ。ヒアシは最初渋っていたけど、ヒザシが「たまにはいいんじゃないかな」という一言で首を縦に振った。
けど、三人でやってもつまらないし、そこらで遊んでいた子供たちも巻き込んで走り回ったんだ。演習場だけだとつまらなかったから、里全体にしたんだけど……。
「で? 申し開きはあるか?」
現在俺は床に正座させられています。
「ええっと……鬼から逃げるには仕方がなかったんです!」
「正当性がどこにも見当たらんが?」
「う……」
めちゃくちゃ怖えええ! やっぱ怖いよこの人!!
「扉間よ、まだ幼いではないか、そう目くじらを立てるな」
「兄者は少し黙っていろ。良いか、おぬしのような幼子がはしゃぐのは良い。じゃが、場所を考えよ」
「はい……。申し訳ありません。扉間様。それと火影様、政務の邪魔をしてしまい申し訳ありません」
「良い良い、仕事ばかりで飽きていたところぞ」
「兄者よ、もう少し警戒しろ。これが敵だったらどうする」
「そうは言うが扉間よ、オレがそう簡単に負けると思うか?」
「万が一ということもあるだろう」
さ、流石にこの空間は辛い。まぁ、気づくと思うけど、俺は卑劣こと後の二代目火影である千手扉間様にお説教されているのだ。
事の発端は、俺が鬼であるヒアシから逃亡する際に、火影様の部屋に突っ込んだことが原因だ。
ちなみにヒアシは逃亡した。おのれぇ……弟を助けてやらんぞ、まったく。
「聞いておるのか、研磨京之介」
「は! も、申し訳ありません」
「はぁ、まあ良い。被害もそこまで大きいわけでもないのだ。これくらいで勘弁してやろう」
「あ、ありがとうございます」
「……ところで、お主は忍になるか?」
「? はい、父からそう言われました」
「お主自身はどうなのだ?」
「えっと、俺は父上や兄上のような職人にはなれないと思うのです」
「ふむ。何故そう思う?」
「えっと、父上や兄上からは鉄の呼吸というか、何かを感じ取っているようなものが見えるんです」
「ほう……」
「……」
なんか柱間様がすごい興味深そうに見てくるんだけど、後、黙って見つめないでくれませんか卑劣様。怖いです。
いや、マジな話。兄上が槌を振りかざしている時とか、無駄がないんだよね。鉄を見た時から何を作ればいいかわかっているみたいにさ。
兄上に聞いたら、無心で作っていたらそうなるらしい。全くわからんけど。
けど、俺には全くないんだよ。こっそり槌を握ってみたりしたけど、何も感じなかった。
「なので、俺にできることをするために、忍になりたいんです」
本当はいやだけどさ、やらなきゃいけないこととかあるじゃん。
ヒザシ助けたいし、よくよく考えたら助けたいキャラすげぇいるしさ。
まぁ、助けたらどういう展開になるかわからないキャラとかもいるんだよね……。そういうキャラはどうすればいいのかわからないんだよなぁ。
「京之介」
「は、はい」
突然卑劣様から名前で呼ばれた。すごく緊張すんだけど。
「明日は暇か?」
「え? ええっと、はい」
「そうかならば明日の朝迎えに行く。今日はもう帰れ」
「?????」
意味がわかんないんだけど、まぁ、これ以上居ても邪魔か。
「えっと、失礼します」
「うむ」
「気をつけて帰るのだぞ」
二人に一礼してから俺は窓から出て行った。
「……普通に帰らんのか、あの小僧」
「はっはっはっ! 元気があって良いではないか」
翌日
「用意はいいか?」
いや、朝の五時に迎えってどうなん?
「眠いです」
「なら問題ないな。行くぞ」
扉間様はそのまま歩き出してしまう。おのれ卑劣な……。というか、父上あたりは止めてくれないんだろうか。……無理か、後の二代目様だし。
「どこにでしょうか?」
「演習場に決まっているだろう」
いや、なんでさ。
「演習場で何をするのですか?」
「それはおいおい話す。まずは、ほれ」
扉間様は握り飯と水筒の入ったかごを渡してくれた。
「少し腹に入れておけ」
「あ、はい」
演習場に向かいながら、俺は握り飯を食べる。うまいなこのおにぎり。
そんなこんなで演習場。当然だけどまだ誰もいない。
「よし、ではお前を呼んだ理由から話そう」
扉間様が真面目な顔つきになった。これはしっかりと聞かないと。
「お前は研磨家の力を理解しているか?」
「? 職人としての力ですか?」
「いや違う。それもあるが、研磨家にはもうひとつの特色があるのだ」
「ええっと、どのような?」
「研磨家は他人を成長させる体質を持っているのだ」
「成長させる力……」
なにその見えない要素。てか何でそれを知ってんだろう。
「この力は人以外にも影響する。お主が兄から見たものはその一端であろう」
「つまり、兄は鉄の塊を武器に製作もとい成長させたということでしょうか?」
「まぁ、その解釈で構わん。お主の場合は今のところ人に限られているように思えるがな」
確かに、俺にも兄上たちのような素質があってもおかしくないしな。一族でもまちまちな素質なんだろうなきっと。
「扉間様がこのことを知っているのは、以前忍になったと言われている……」
「うむ、
「そう言って頂けて光栄です」
「ともかくだ。お主を呼んだのはワシの術をさらに高めるために、新しい角度からの発想が欲しいのだ」
「ええっと俺でよろしいのですか?」
まだ三歳だよ? わかってんの?
「お主の父には話を通してある。それに年の割にはしっかりしているようだしな」
そりゃ、精神年齢二十以上だし……。
「何、タダとは言わん。オレで教えられる術は教え「マジですか!?」ぬ?」
え、マジで!? 卑劣様もとい二代目様から教えてもらえるとか超最高じゃん! これはぜひともご教授願いたい!!
「よろしくお願いします! 扉間様!!」
「うむ、では始めるぞ」
「はい!!」
よし、がんばるぞ!!!!!
できたところまで出しておこうかなと思います。