この世界で生き残る   作:鴉星

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 今年最後の投稿になります。投稿数が少なくて申し訳ないです。


準備期間
第32話 次なる戦いへ向けて


 大戦は終わったと一般人や下忍であればそのように認識するであろうが、火影を始めとした上忍たちからすれば未だに水面下での攻防が続くことは容易に想像できた。

 

 研磨京之介も師である扉間から言われるまでもなく、次の計画として、周辺の小国とその忍の里に対して協力体制をとることで、主に岩と雲に睨みを利かせたい考えがあった。

 無を殺め、穢土転生にて利用していることを考えると、岩と仲良くなることはあり得ないであろう。それを自身が招いてしまったことを自覚している。加えて雲の雷影とはいずれ戦うことになることも分かっていた。

 

 更に京之介には今や消えかかっている前世の記憶を駆使してうちはマダラを見つけ、処理したい考えがある。今のうちに始末をつければ原作一話までにかかる負担が減るからである。ついでに大蛇丸のことも処理したい考えである。

 

 が、そうはいかないのが政務というもの。

 

 若いとか実はまだ下忍だとかは理由にならず、一つの組織の長である京之介には仕事が待ち受けている。

 

「…………京之介君、また入隊希望の書類が……」

 

 申し訳なさそうに(ひとや)に用意された執務室に書類とともに入室してくる赤絵。その手には大量の紙束があった。

 

「またかよ……勘弁しろよ……」

 

 疲れた表情で書類に目を通していた京之介の顔がさらに悪くなったようである。

 

「大方この部隊に所属さえできれば後は穢土転生どもに戦いを任せて自分たちは後方にいることができると思っている連中だろう。そうではないと何度も言っているが、噂はなかなか変えられんな」

 

 作業を手伝っていたヒアシも疲れた表情を見せる。

 

 執務室は京之介の要望によってやたらと広くなっており、火影の執務室の10倍はある。

 それほどの広さを求めたのは常に己を磨けるように屋内訓練施設も兼ねているためである。長としても命令でヒアシを始めとした部下たちは任務がない場合、毎日一時間以上はここで体を動かさなければならない。

 いつでも戦闘を行えるようにという姿勢を持たせるためと、書類仕事ばかりでは体が鈍りそうだとの京之介自身の考えでこの形に落ち着いた。

 当然穢土転生に頼ることを極力しないと部下たちも理解しているため鍛錬に余念がない。

 

「ま、仕方がないさ。いきなりあれだけ大きな仕事をやり遂げたならばな」

 

「カガミさん。訓練は終わりですか?」

 

「ああ、これから書類仕事の手伝いだな」

 

 うちはから唯一獄に加わったカガミはまさか年下の上司ができると思ってもいなかったが、京之介が扉間最後の弟子であることと、実力の高さを知っていることから特に気にすることはなかった。

 うちは内では京之介の実力を疑う者もいる中でカガミは率先して参加した。その心中ではやはりうちはの印象を少しでも良いものにしたいという気持ちがあるからだ。

 

「んじゃ、これとかお願いできますか? うちは出身であるカガミさんのほうが詳しいと思いますし」

 

「どれどれ……これは!」

 

「各地に存在する血継限界のリストです。カガミさんに担当してもらいたいのは――――」

 

「血之池一族か……」

 

「はい」

 

「話だけは聞いているが…………厳しいな……というよりも滅亡したとは考えないのか?」

 

「おそらくはまだ滅亡していないと思います。ただの勘みたいなものですが」

 

「……分かった。うちはの者から情報を集めよう」

 

「ありがとうございます。無理に動く必要はありませんので、情報が集まり次第組織として動きます」

 

「分かった。じゃ、さっそく行ってくるか」

 

「お願いします」

 

 カガミは書類を手に部屋を出る。

 

「……しかし、血継限界を集めてどうするんだ? 他国から兵力を得ようとしていると思われるぞ」

 

「ま、そう思うなら思っていればいいさ」

 

 出来上がった書類を束ねて完了と書かれた箱に入れる。

 

「……俺自身いろんな術が使えるとさ、どうしても本家の力の持ち主たちはまともな環境にいるか? とかしっかりとした保護がされているのかとか気になってさ。それに俺の術は研磨流だからさ、本来の術を知っておきたいんだよね」

 

「利用しようとは思わんのか?」

 

「それは本人次第でしょ。強制するつもりはないね」

 

「仕事が増えそうだな……」

 

 溜息をついたヒアシも書類を纏め、椅子から立ち上がる。

 

「少し体を動かしたい京之介手伝え」

 

「上司に言うセリフかよ」

 

「知らん」

 

「今日はボコボコにしてやろう」

 

「フン。返り討ちだ」

 

 数時間後。屋内訓練施設を半壊させた二人は扉間に拳骨を食らい、仲良く修繕作業をさせられた。

 

「入隊希望の奴、俺がスカウトする奴だけでいいかな」

 

「今言うことではないだろう。手を動かせ」

 

「うるせ、お前のせいだろうが」

 

「貴様の術が原因だろう」

 

「お前がクルクル回って流したのが原因だ」

 

『…………っ!』

 

 互いに睨みあうが、また拳骨を落とされるのは御免だと作業を始める。

 

 

 

 大きな戦いが終わり、少しばかり落ち着いた日々が続くと多くの人は思っているだろう。

 

 だが、結局のところ。それは次までの準備期間でしかない。ましてや京之介たちからすれば、休みなど無いに等しいのだ。

 

 修繕作業を開始してから二日。京之介たちのもとに霧隠れへの派遣命令が下された。

 

 

 

 内容は三尾の人柱力捕獲依頼であった。

 

 

 

 




 いくつかオリジナルをやってからマダラとかをどうするのか書く予定です。
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