この世界で生き残る   作:鴉星

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短いですけど投稿です。


第34話 三尾捕獲とその後

 結果から述べるのであれば、三尾を捕獲することに成功した。

 

 以前から油女一族などが研究していた尾獣のチャクラ解析の成果が扉間に認められ今回の捕獲作戦にて使用されたのが見事に効いたらしい。扉間的には実際に尾獣相手にどこまで通用するか、というテスト感覚だったようだが。

 

 まず京之介らは霧隠れの忍らと三尾の周囲を完全包囲。そこで彼らと連携している様に装いながら、油女一族を三尾の人柱力と接触させ素早くチャクラを吸収、人柱力は自身に宿した尾獣を取り除かれると、死んでしまう。そこで京之介らは少しずつ人柱力を弱めていき、確実に三尾だけ取り除くことに成功。人柱力の男はあっさりとその生涯を終えた。霧隠れには人柱力と三尾が共に死亡したと報告。激闘だったと装うためにあえて激しい忍術を使ったこともあってまんまと騙し通すことに成功した。

 

 その後、里に戻って来た京之介は里近くに土遁と水遁が使える者たちを集め、地下に湖を作成、そこに捕獲してきた三尾を解放した。

 

「突然のことばかりで申し訳ないね三尾殿」

 

「キミは……」

 

「研磨京之介という。しがない忍だ。ま、俺のことはいい。単刀直入に言う。俺たちのやりたい事業? に協力してほしい」

 

「事業?」

 

 京之介は三尾の水遁の力などを農業や水質改善のために使いたいと話す。協力してもらえない場合でも、ここから出ない限りはこちらからは何もしない。ただ、水遁を使う里の者がやってくるかもしれないから死なない程度に相手をしてやってほしいと話す。

 

 三尾もその提案を疑いはした。しかしこれ以上彼らと争う理由は特にない。また、目の前の男が年齢の割には相当な実力者であることも分かっていた。加えて狭苦しい人間の中に入れられ、無理やり力を使われることなく生活できるのは三尾にとってもありがたいことであった為、京之介の提案に承諾することにした。最後に自分を宿した男に関しても特に思い入れがあるわけではない。次期水影候補の男から才能があると踊らされた男だからだ。

 

「そうか、ありがとう。とりあえず…………里を中心に水質を改善したい。それに内陸に面している場所で魚類の収穫を増やしたいから養殖業を展開して……土質も改善できれば農業にも発展が……」

 

 ブツブツと話す京之介に、三尾はちょっと引いた。

 

 

 霧隠れ側はというと、表向きは三尾を殺されてしまったことになっており、少々他国に対して慎重になってしまっていた。

 当然水影は殺されたなど嘘であり、木ノ葉が隠しもっているだろうと思っているが、その証拠が見つからない。探そうにも送り込んだ忍たちは全員帰ってこないときた。

 

 それに加えて忍刀を少しずつ返却する約束だったのが、霧隠れの忍が里の情報を盗もうとしていたという理由を盾に刀の返却を先延ばしにされてしまっていた。言い訳しようにも穢土転生を利用されて言い逃れができないため、霧隠れは弱い立場に立たされざるを得ない。加えて扉間のせいではあるが、三代目候補だった男が失脚してしまったことで霧隠れの存続そのものが不安視されている。一部の一般市民は木ノ葉へと移住を考えているほどである(これも扉間が一般の人たちに噂話のように情報を流したのが原因)。

 

 霧隠れは近いうちに無法地帯になる恐れがあり危険である。木ノ葉なら移民を受け入れる用意があると、世間話のように広める役目を扉間は京之介たちに与えていた。

 

 霧隠れの住人になりすまし、少しずつ噂話を広めていった。

 

「なんで俺たちがその移住工作をしなきゃならんのですかねぇ」

 

「文句を言うな京之介。二代目からの勅命だぞ」

 

 手伝っていたヒアシの言葉に、ヘイヘイという京之介だったが、楽に三尾を得てから無駄に忙しいので少々疲れているのだ。 

 

「ま、これで霧隠れはデカい態度はとれないだろう。別部隊は砂にいるんだっけ?」

 

「ああ、霧隠れの連中に仲間が襲われたという偽情報を仕向けている最中だろう」

 

「うし、これで霧と砂はかってに消耗してくれるだろうから、俺たちは善意で食糧の供給をしないとな。もちろん対価はもらうけど」

 

 ニタリと笑う京之介にヒアシはやれやれとため息をつく。やはり扉間様の弟子だなと思うのであった。

 

「隊長。お話中失礼します」

 

「ああ、かまわないよ。どうかした」

 

「はっ、二代目様から今回の仕事と同様のことを雲と岩にも行えとのことです。詳しくはこちらに」

 

 部下は巻物を取り出す。

 

「はぁ……」

 

 中身を確認した京之介は、

 

「悪いヒアシ。休暇は先延ばしだ」

 

 ヒアシに謝罪とともに巻物の中身を見せる。

 

「……これも仕事だろう。でいつ動く?」

 

「ここはもういいだろう。あとはこの里の人たちが勝手に広めてくれるさ」

 

 京之介たちはその場から一瞬で姿を消す。まるで初めからいなかったように。

 

 

 これらの出来事を境に雲と岩は水面下で抗争が激しくなる。互いに相手が悪いと言わんばかりに殺し合いを始めるのであった。元凶たちはそれを高みの見物をしていた。

 

 

 

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