「はぁ……はぁ……」
死ぬ。死んでしまう……。
「どうした。もう終わりか京之介」
無理を言わないで欲しい。いくらあなたが影分身でも、経験値の差はどうしようもないでしょうに……これだから卑劣様は……。
俺がこうして扉間様と向かい合っているのは、泥遁を習得したことに原因が……いや、正確には、「習得しそうになっている」だ。
というのも、あの後、何度か術を使ってみたけど、うまくいったというのがなく、影分身で、こっそり見ていた扉間様に呆れられたというのがある。
あの日の翌日から、またもや朝早く迎えに来た扉間様に連れられ、泥遁を完璧に使いこなせるようになるよう見てくれている。
でもって、前から習っていた多重影分身を使った修行を始めたんだけど、俺、この術にトラウマが……と言ったのだけれど、残念ながら聞いてもらえなかった。
以前俺が火遁の修行を多重影分身で行っていた時に、周囲の木々を燃やして怒られたことがあるんだよね。他ならぬ扉間様に。それ以来あまり使いたくなかったんだけど、仕方がないということで、使っている。
この修行を始めてすでに六日が経っている。アカデミーに行く前に少し修行。終わった後にも修行。という流れをここ最近行っている。
ちなみにヒアシたちとはアカデミーでしか会っていない。最近は家での稽古が厳しいみたいだ。
「……休日だからといって、厳しい気がするんですが……」
「それだけ期待しているということだ」
嬉しいような嬉しくないような。
「ではしばらく休憩だ。後に実戦形式の戦いをする」
「使っていい術は……」
「当然泥遁のみとする」
「はい……」
きついなぁ。サポート的な要素は良いんだけど、オンリーで闘うとなると、どうすれば良いかな……。
「ではな」
分身体の扉間様は煙と共に消えた。
さて、今のうちに考えないと……。
一時間後。
「では始めるとしよう。オレは分身体だ。遠慮なく攻撃するが良い」
「はい! いきます!!」
先手は譲ってくれるみたいだ。やってやる!!
俺はすばやく印を結ぶ。
(ふむ、多少は早くなったか)
『泥遁・沼地生成』
地面に手をつき、演習場全体を沼地に変える。
すばやく反応した扉間様は空中へと逃げた。
「足場を変えただけではオレには勝てんぞ!」
『水遁・水龍弾の術』
マジの攻撃じゃん! くそっ!!
着弾するよりも早くに、俺は地面に潜る。危ねぇ……。
だったら、これでどうだ!!
『泥遁・
泥で作られた槍が天に届かんとばかりに伸びる。
これで扉間様に当たれば良いんだけど、まぁ、そんなわけもなく、普通に回避されてしまった。けど、まだなんだよな!! 爆!
槍に仕込んであった起爆札を爆発させる。
感知の訓練も扉間様に仕込まれたから、全く当たっていないことくらいすぐにわかる。てか飛雷針使って近くの木の上に避難してやがる。卑劣な……。
分身で遅いとはいえ、俺からすれば十分に早い。ならばこれだ!
『泥遁・
沼地から泥の球体が浮かび上がり、空中で破裂、地上に降ってくる。そこからの~。
『泥遁・
泥を硬めて、一気に降らせる。広範囲に攻撃できるし、土遁性質も含まれているから、水系統で守るのは無理……て、雷遁で防いできたか、まあ、当然だけど。
「くそ、上手くいかねぇな」
「いや、なかなか工夫されている」
「え?」
ええええええええええ!? いつの間に地面の中に!?
「そら!!」
「ぐっ!」
ぎりぎり防いだけど、地面からは出ざるを得なかった。
「なかなか良い攻めであったが、オレがすでに別の分身を作っていたことを感知すべきだったな」
「うぐ……」
「さて、もう終わりか?」
「まだまだ!」
『泥遁・沼喰い』
泥が扉間様をすばやく囲む。そしてそのまま地面へと引きずり込む。
それには起爆札が貼ってあるんだ。分身体とはいえこれで! 爆!!
ボガアアアアアアアアアン!!!
大爆発を起こした。さっきの槍の時には一本につき2、3枚程度だったけど、今度のは100枚使った。これなら……。
「甘いぞ」
え?
ガン!
俺はその後、気を失った。
「…………あれ? なんで寝て……」
「起きたか」
「扉間様」
「お前、分身を新しく作ったと言っただろう。だとすれば、元々居た方を警戒せんでどうする」
「あ、しまった……」
「まだまだ詰めが甘いぞ」
「はい、精進します」
くそぉ……悔しいぃぃぃ!!
「だが、泥遁の使い方は悪くない」
「え?」
「もっと磨いていけ。良いな?」
「はい!!」
しゃあああああ! 褒められた!! よぉぉぉぉし! がんばるぞ!!
翌日
泥遁に及第点をもらえた俺は、次の血継限界に挑むため、またもやヒアシとヒザシを演習場に連れてきた。
「で、今日は何をするんだ?」
「んとだな、水遁と火遁にしようかなと思ってる」
確か沸遁だっけ? 五代目水影とか五尾の人とか使ってたはず。
「ん? ちょっと待て」
「どうしたヒアシってヒザシまで警戒してどうした?」
二人そろって白眼使って一点を凝視しなくても……。
「そこにいるやつ。出て来い」
「誰かいるのか?」
「ええ、我々と同い年くらいの者が3人ほど」
「ふ~ん。でも、なんでそんなに警戒してんの?」
「子供に変化している敵だったらどうする」
ヒザシ、ちょっと警戒しすぎじゃね?
「さあ、出て来い! 出てこなければ――――」
「ま、待って!」
木の裏から俺たちと同い年くらいの男の子1人と女の子2が出てきた。ん? あれは。
「同じクラスの
「えっと、その……」
何か言いたそうな色松。他の2人も言って良いのか迷っている感じだな。
「言いたいことがあるならはっきり言え」
「兄さん、そんなに高圧的にならなくても……」
「そうそう、お前が脅すからビビってんじゃん」
「う……」
「あ、気にしないで! えっと、それで……僕たちも一緒に修行させてもらえないかな?」
遠慮がちに言ってきた狩人。てか……。
「え? そんなこと?」
「あ、ダメだった「良いけど?」ら……え、良いの?」
「うん。別に特別な資格とかないし。な」
「ええ、歓迎しますよ」
「好きにすれば良い」
ヒザシは優しいのに、なんでヒアシは無愛想なんだ。全く。
「ありがとう! 前から研磨くんの修行が気になってたんだ!」
小波が手を握ってくる。そういえば、女の子に手を握られるのは初めてだな。あ、母上と姉上はノーカンで。
「そういえば同じクラスと言っていたが……」
「お前、クラスの仲間くらい覚えろよ」
「さほど重要だと思っていなかったからな」
やれやれ、ここまで無愛想だと心配になる。
「んじゃ、俺が説明するとだな。まずこっちの男が狩人
「よ、よろしくお願いします!」
「で、こっちの女子二人が、小波
「よろしく日向君!」
「よ、よろしく……」
「ああ」
「よろしく、三人とも」
「まぁ、仲間が増えればやれることも多くなるし、学べることも多くなるから、俺としては嬉しいかな?」
ヒアシとヒザシだけじゃ内容に偏りが出るからな。
「んじゃ、さっそくやってみるか!!」
水と火のチャクラを混ぜて……。
「おい、待て京之介! そのままだと――」
ヒアシの言葉よりも早く、両手を合わせる。チャクラのコントロールは上手くいったみたいだけど、どうやら今度は張り切りすぎたせいで、両手に集めたチャクラの量が問題だったみたいで――――。
ボシュウウウウウウ!!!
俺の手から蒸気が発生した。
そのせいで、俺は思いっきり蒸気を浴びることになった。
幸いだったのが、勢いが強いだけの蒸気だけだったため、みんな吹っ飛んだだけですんだことだ。
「はぁ、また失敗か……」
こりゃ、また一からやり直しだな。
「貴様は何度失敗すれば気が済む!」
さーせんヒアシ様。
「……まったく、あやつは一度失敗しないと何もできんのか……」
「まあ、そう言うでない。あの子もがんばっておるではないか。今は見守ってやろうぞ。それにアカデミーに残し、仲間と共に切磋琢磨するように仕向けたお主の考えは成功しつつあるな」
「まだ少ないがな。研磨の一族であれば、今後はもっと多くの者たちと接していかねばならん。そのためにも奴には強くなってもらわねば」
「平和な世はまだまだ遠いの……」
「ああ……そうだな」
オリジナル登場人物は大体漢字ばかりのキャラになる予定です。
この三人の詳細は次ぎあたりでかければと思います。
オリジナル忍術
『泥遁・沼地生成』
沼地を作る忍術。チャクラの量で範囲が変動。
『泥遁・泥槍陣』(でいそうじん)
沼から槍を生やす術。チャクラで固めてあるため、強度はある。チャクラの量で高く伸びる。
『泥遁・泥雨の術』(でいう)
泥の球体を上空へと飛ばし、空中で散布。そのまま降り注ぐ。これだけだとただの泥の雨であるため、意味はない。
『泥遁・泥硬刺死』(でいこうしし)
空中の泥を硬めることで、太めの千本を降らせることができる。重さもあるため、当たり所が悪いと命にかかわる。
『泥遁・沼喰い』(ぬまくい)
泥の檻で敵を閉じ込め、地面の中に引きずり込む。そのまま圧縮させて圧死させることもできるが、今回は起爆札と併用した。