短いですが、楽しんでください(*^^*)
くーさんこと露草です。
短編なので、暫定的にこの挨拶を使います(笑)
知ってる方もいるかもですが、前回サークルの活動で『ブラットロード』という小説を書いたというか、現在進行形で書いているのですがその第2弾です。
今回は「蛍光灯」というのがテーマで、ついでに露草初の短編となります(≧ω≦)
僕の別作品である「紅茶のおかわりはいかがですか?」や「勉強タイムはゆるっといきましょう!」も1話完結ものですが、完全な短編は初だったりします。
とはいえ、めっちゃ短いんですけどね(笑)
では、どうぞ!(*^^*)
「ねえ切れてるよ。」
彼女の声で僕は顔を上げた。
目の前のパソコンはまだ書きかけのレポートを表示している。
テーマは少子化だったはずだが、なぜか僕のレポートは人類誕生について語りだしている。
書いた自分ですら何だこれと思ってしまう。
「無視すんなー!にゃー!」
「猫かお前は……。」
ポコポコと僕の肩を叩いてくる。
さすがにこれ以上無視すると人間をやめそうなので、椅子を回転させる。
「わわっ!?急に回さないでよ!」
驚いた彼女が慌てて後ずさる。
ちょっとだけすっきりした。
そこにいたのは、やはりというか幼なじみの望だった。
「お前な、勝手に部屋に入るなって……。」
「あっ、このマンガ新刊出たんだ!」
僕の言葉など完全に無視で本棚を漁る望。
そして大学の帰りに買ったばかりのマンガを勝手に読んでしまう。
理不尽だ。
「で、何が切れているって?」
「え?あ、ほらアレ」
彼女が指さした先、そこにあるのは蛍光灯だ。
白の傘を被った何の変哲もない蛍光灯のはずだが。
「ああ、なるほど。」
ようやくわかった。
部屋の照明の真ん中部分が暗くなっていた。
恐らく2本あるうちの内側の方が切れたのだろう。
教えてもらうまでまったく気が付かなかった。
「よく気付いたなお前。」
「へへーん!なっちゃんの部屋のレオナルドは覚えてるからねー!」
「レイアウトな。無理して英語使うなよ。」
せっかく見直したのに英語のミスで評価はプラマイゼロだ。
ゴロゴロとマンガを読む残念な彼女にため息をつく。
「蛍光灯買い置きあるかな。」
母親に聞いてみようと立ち上がる。
すると、望もマンガから顔を上げた。
「下行くの?じゃあ、お菓子とお茶お願いー!」
「ふざけんなバカ。」
「なっちゃん冷たい!悪魔!」とかほざいてる彼女を無視し、階下に降りる。
そして3分後。
蛍光灯の箱の上にお盆を置き、部屋のドアを開ける僕の姿があった。
「さっすが、なっちゃん!優しいね!」
コップとお菓子を奪い取る望。
別に僕が用意したわけではない。
望が来たためすでに準備していた母親から受け取ってきただけだ。
「せんべいこぼすなよ。」
「ふぁい~。」
聞いているのかいないのかもぐもぐしながら答える彼女。
またため息をつきながら、椅子を蛍光灯の下に持ってくる。
「ん?なっちゃん何してんの?」
「見ればわかるだろ。蛍光灯取り替えるんだよ。」
「あっ、じゃあ私も手伝ってあげる。」
そう言って椅子を抑える望。
それ自体は素直にありがたいのだが。
「お前いたずらとかする気じゃないよな……?」
「し、しししししししないよ!?」
あからさまに動揺している彼女にまたため息。
これで3回目。
これでもいつもよりは少ない方だ。
「ちゃんと抑えるから!ほら早く!」
いまいち信用できないが、仕方なく蛍光灯を外す作業を始める。
特に苦労もせず外し、望に渡す。
「ねぇねぇ、なっちゃん!」
「ん?」
不意に望に呼ばれ振り向く。
望は蛍光灯を頭の方にやっていた。
「ほら、天使さん!」
「アホ」
感想は一言2文字。
こいつに付き合っていると日が変わってしまう。
「アホって何!?かわいいでしょ!」
ぐらんぐらん椅子を揺らしてくる望。
マジで危ないからやめてほしい。
「見た目だけはな。」
仕方なくちゃんとした感想をする。
すると急に揺らすのが止まり、逆にバランスを崩してしまった。
危うく落ちそうになる。
「バカお前……!?」
文句を言おうとした瞬間、目の前に顔を真っ赤にさせた望が見えた。
なぜかものすごく焦っている。
「かわいいって……。なっちゃんが可愛いって言ってくれた……!」
「ちょっと待て!?かわいいとは言ってないぞ!」
さっきの言葉を思い出し、なぜか僕も顔が赤くなってくる。
だが、オーバーヒートした彼女はまったく聞いてないようだった。
彼女の手から滑り落ちた蛍光灯がカーペットに当たり鈍い音を立てる。
「なっちゃんが……!わ、私帰るね!」
「ちょ……!?」
制止もむなしく、望は部屋を出て行ってしまった。
階段を駆け下りる音と玄関をバタンと閉める音が聞こえ、そして静かになった。
部屋には読みっぱなしのマンガ、飲みかけのお茶と半分のクッキー、そして放置された蛍光灯。
「明日めんどくさそうだな……」
そう呟きながら僕は、蛍光灯の笠をつけ作業を終わらせた。
という話でした(*^^*)
テーマの割には蛍光灯がほとんど登場しないという(笑)
こういうザ・ほのぼのもたまにはいいですよね~。
もしかしたら続くかも?(^ω^)