最強の無敵艦隊と称賛され調子に乗ってやって来たとある海域……
「くっ!提督よ、このままでは全滅だっっ!何故撤退しなかった!?」
普段から冷静で余裕溢れる態度を崩さず、その挑発的なボディを惜し気もなく晒している武蔵が今は見る影もなく怯えきってしまっている。
「もう……だめにゃ、おしまいにゃ……うふふ……ヒヒヒ……」
轟沈寸前の多摩は初めて体験する絶望的状況に精神が崩壊してしまったのだろう、涙と涎で顔面をグシャグシャにしながら不気味に微笑んでいる。
「提督……提督だけでも……прочь(逃げて)」
「響……」
響の消え去りそうな声を噛み締める。
我が艦隊の二枚駆逐艦だった相棒の大潮は開戦直後に轟沈した。
最後のロシア語はなんて言っているかわからないが、恐らく好きでした的な意味なのだろう。
「すまない……俺には大鯨がいるのだ……」
「……умереть」
わかってくれて何よりだ。
「提督あなたは最低の提督だったけれど、日本の……いや、人類最後の砦なのだから、むざむざと死なせるわけにはいかない」
流石は我が艦隊の精神的主柱加賀さんだ、今まであれだけのセクハラをしてきたと言うのに、いざって時は頼りになるぜ。
心の何処かで迷っていたが、今の言葉でようやく決心がついた。
やはり愛する我が艦隊娘達を一隻足りとも死なせはしない!!
「提督!もう……弾薬が底を尽きました……」
涙声のロリロリスク水が最後通告をする。
俺はスク水の中に腕を突っ込みごそごそとまさぐる。
いつもならその柔らかな感触を心行くまで堪能したあと魚雷で折檻されるところだが、そんな日常にはどうやら戻れそうもない……か。
「Кудзу ублюдок」
辺りが黄色い悲鳴と熱い視線で騒がしい、しかし今は緊急時だ背に腹は代えられんのだ。
許せ……。
「弾薬なら……」
俺はスク水から取り出したアレに乗り込む
「まだ此処にあるぜ……」
艦娘達が俺に気を使っているのか笑顔で手を振っている。
恐らく心の中では号泣しているであろうことは、想像するに容易かった。
「うおぉおおぉぉおおっっっ!!!」
流れる血潮を熱くたぎらせ!迸るパッションが自然と雄叫びをあげさせる。
俺は目前に迫る恐怖と緊張を打ち払うかの様に、自らの意思とは関係無く反り勃った【マイサン】を力一杯握り締めていた。
その後、この男を見たものはいない…………
この戦いは後にミットモネー海戦と呼ばれ、後世に語り継がれる事になる……
ご愛読有り難う御座いました!!
片栗虎の次回作に御期待下さい!!!
艦(完)
もしかしたら続編あるかも!?