人間不信も異世界から来るそうですよ?   作:茶々猫

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どうも、見切り発車です。茶々猫です。
原作は途中までしか読んでいない上にプロットも固まっていません。

なので後に改変する余地があると確信していますので、容赦なく、遠慮無用に、できればマナーの範囲内で指摘して頂ければ幸いです。 では☆



【YES! ウサギが呼びました!】
【プロローグ】『悩み多し異才を持つ少年少女に告げ(ry』


 

 「……」

 とある街のとある一軒家。

 窓は開いてるが何故か閉められたカーテンの所為で部屋は薄暗く、光源は時折靡くカーテンからの日光と排気音を響かせながら起動しているパソコンのみ。

 

 その画面を眺めている人物は興味なさげに向かいのベッドに胡座をかいて座っていた。何をするでもなく一定の間隔で両手の指を時折叩く動作や指文字の様に動かすのみ。

 その人物は子供だ。まだ高校にも通っていない頃だろう。彼の小さな身体はその幼さを感じさせるには充分だったが、画面を眺めるその顔はそんな子供っぽさの欠片もなく、貼り付けた様な口元の笑みに細められた瞼の奥にはドロリとした濁った碧い双眸が覗いている。

 彼の名前をこの街の人間は知らない。それどころかその姿、存在さえ把握している者は恐らくいないだろう。

 それもそのはず、この街とその周囲の山や川の自然さえ彼にとって目と耳の届く巣の中なのだから──。

 

 「…」

 彼の名前を知る者はこの街にはいない。

 この一軒家も本来ならば空き家となっているが、電気も、水道も、ガスも通っており、取り壊される予定も立ちはしない。

 

 彼が学校に通う必要もなく、一日中家でパソコンの画面を眺めながら手を動かし続けるのみで、部屋の出入りもない。一応、食べてはいるようだが彼がそこから動くことはない。

 彼がそこで過ごすことでこの街は回り、そして過ぎていく。

 誰も彼を知らないし認知できない。彼に会えた人物はいなければ、彼と会話した者もいない。

 それでも何故か彼はこの街の全てを知っている。

 

 パソコンによる情報収集?いや、違う。それだけではこの街の東口にある駅で痴漢が何件あったかなんてわからないし、北側のホテルで中学生の少女が売春しているのを知る術はないし、南で山から帰ってきた猟師が何を狩って来たのか見当もつかない。

 それにもかかわらず、彼は全てを把握していた。日常的な友人や夫婦、主婦仲間の井戸端な会話も、非日常の薄暗い路地裏での密売やさっきあげた少女の体験に町長が必死で隠している選挙時の不正の真実も。

 彼はこの街の全てを知って、何も言わず感じることもなく、淡々と作業をこなしていく。

 

 この全てが彼の手の中で、実物大のジオラマといっても過言ではない街と周りの自然は生き、動き、時が流れ、そして全ての生き物は何者かに操られた(・・・・・・・・)かのように毎日毎日同じ時間に同じ動作、同じ会話をして違う時間を生きている。

 それは勿論、彼の手によって作られた街の一部に過ぎず、飽きれば何ヶ所か変更して変化を楽しむ。

 その神のような所業は誰にも認知されずに突如終わりを迎えた。

 

 「ん?」

 声を出していなかった期間が長かった為か、思ったより掠れた喉で短く、そう零した。

 先程も言った通り、この一軒家は既に周りから空き家として扱われているものの、不動産も絶対に此処だけは紹介しない、そうなるようにしたのは彼自身だ。

 

 だが、何故か今日は空っぽだったフォルダに一封のメールが受信されていた。

 悪戯か?と不審がるがそんな人間はいなかったし、いたらすぐに把握できるはずだ。と頭の中で否定しつつ手を止め、近くに置いてあった水で喉を潤してからマウスを操作し、ワンクリック。

 「んんっ。あー、喉いてぇな…」

 

 御丁寧に此方の宛先まで書いてあったが、間違いなく彼自身の名前、零崎姓(・・・)ではない本来の親から授かった名前を。それにより、同姓同名の偶然という奇跡ラッキーは消え去った。何せその名前はこの新しい身体の名前ではないからだ。

 フォルダの中からたった一件の新着メールを開く。

 いつもの彼ならば、そんな不審なメールの中の内容など気にも止めずに削除していただろう。だが、彼はそうしなかった。単純に興味が湧いたのだ。何もかも己の手によって作り上げられた街の風景や日常に一種の喪失感もあったのかもしれない。

 それらが複雑に絡み合い、そして一つの奇跡となった。

 

 ──『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。その才能(ギフト)を試すことを望むのならば、己の家族を、友人を、財産を世界の全てを捨て、我らの“箱庭”に来られたし』──

 

 画面に浮かび上がる文字を目に収めた瞬間から内容が頭の中に直接叩き込まれるような感覚を覚え、思わず目を閉じる。

 すると次の瞬間瞼越しにすらわかる強烈な光と共に突然の浮遊感と、暴風とも呼べる下からの突き上げるような風に襲われる。

 彼はこんな状況をあるアニメに当て嵌めて思う。

 

 

 ──あ、これ。デジ◯ンじゃね?と。

 

 

 「わっ!?」「きゃっ?!」「えっ!?」「にゃっ?!」「なっ!?」

 少しばかりの悲鳴が木霊する。彼ら四人と一匹の目の前に広がっていたのは、何処までも続きそうな蒼穹に浮かぶ完全無欠な異世界だった。

 

 

 

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