落花生だった先輩
下北沢の一角にたたずむ、ひときわ大きな家、ガン掘リア宮殿。その一室で、バットマンは黒いソファーに座る田所に話しかけた。
「じゃあまず、年齢を教えてくれるかな」
「えっと、24歳です」
「24歳?もう働いてるのじゃ?」
「落花生です」
「かっらせ、あ……ふーん」
そういえばそうだった、彼は落花生だった。彼の仕事はカラを割られ、身を食べられること。その仕事で一生を終えるのだ。
小さな落花生が置かれているソファーは、いつも以上に大きく感じる。というよりも、この小さな落花生一つにソファーがでかすぎた。
バットマンは仕切りなおして訊く。
「え、身長、体重はどれぐらいあるの?」
「えー、身長が3センチで」
「うん」
「体重が2グラムです」
落花生はどこかうなずいた気がするが、気のせいだろう。落花生がうなずけるはずがない。
「2グラム、今なんか、やってるのスポーツ。すごいがっちりしてるよね」
「いや、これはカラなんで」
「ああ、そっか、カラか」
「もともとこんな感じで」
「そうだよね」
「はい」
「だよね、ごめんごめん……風俗とかはいくの?」
「いったことありますよ」
「いけるんだ」
「まあ、落花生料金で」
「落花生料金?何それは」
「まあ、カラがあると長くなっちゃうんで」
「へえ、そうなんだ。え、落花生がイク時ってどんな感じなの」
「ちょっとイクかイかないかを、やり続けるみたいな」
「それで最後はどんな感じでイクの」
「いやイけないんです、イキすぎると死ぬんで」
「し、死ぬんだ」
「はい、中がはじけて」
「はじける!?」
「はい」
「へー……浣腸っていうのしたことある」
「できないです」
「で、あ……できない?」
「落花生なんで」
「あー、だよね」
「はい、穴が無――」
バットマンはハンマーで落花生を思いっきり叩いた。カラがばらばらにわれて、中からピーナッツが二粒、顔を出す。
それを食すと、バットマンは小さくつぶやいた。
「まず」
Virgin teacher
「おんまこ!おんまこ!」
るりまのおんまこのタイムリミットは刻一刻と0に近づいていた。
必死でおんまこをかき回するりまを、課長は見守るしかなかった。
課長はるりまを心配していう。
「おんまこ壊れる~、はあ、おんまこが壊れるわ」
「おんまこ!」
るりまの目は真剣だった。
たとえおんまこがたとえ壊れてしまうとしても、このおんまこを解除すると決心していた。
「foo!!」
課長は叫んだ、無力な自分への嘆きと、るりまへの鼓舞が込められた叫びだった。
「シコシコシコシコ、どっぴゅん」
何も事情を知らぬ人間から見れば、彼女はただの痴女だろう。
事実、痴女ではあるのだが、その行為は全人類を救うための自分を捨てた行動だった。
誰も彼女を笑うことなどできないと、課長は思った。
「お兄さん許して、お兄さん許して、お兄さん許しておんまこ壊れる」
一見、課長は意味のない言葉を連呼しているように見える。
だが、たぶんこれはるりまにおんまこをつけた男をお兄さんと勝手に呼び、許しをこうているのだ。
そうじゃないのなら、狂言だ。つけたのは男かどうかもわからん。そもそもおんまこつけるって何だ。
「こんなもの!こんな、手作りチョコなんて!」
るまりは、おんまこをかき回すさなか、十数年前にバレンタインチョコを作ったが結局渡せず、地面に叩きつけて粉々になったのをあげるはずだった人間が食べだした恐怖のトラウマを思い出していた。
中学生時代の黒歴史を不意に思い出して、頭が痛くなるあれだろう。
いや、違うか。
というか、るまりってだれだ。
「にゃぁー、にゃぁー、にゃぁー、にゃぁー」
この言動に関しては各自で考えろ。
色々あってタイムリミットは10秒前になっていた。
るりまはただひたすらに手を動かし、課長はもう冷めたため、意味不明な現状が非常にばからしく見え、眉毛をかきながら無表情でるりまを見ていた。
9、中略、1。
「いくいくいくいくいくいく!あーーー!」
るりまはイった。地球は滅んだ。