不老不死の暴君【凍結中】   作:kuraisu

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第三十九話 ミリアム遺跡

キルティア教会直轄領ミリアム遺跡にて。

僧兵団団長以下数名にセア達はミリアム遺跡に案内された。

パラミナ大峡谷の南に位置するミリアム遺跡は元々キルティア教で剣と力を司る神ミリアムを奉っている神殿である。

この神殿は約1700年前にキルティア教会に政治的権力を与えた大国が建造したと教会の記録ではなっている。

だが、約1500年前にその大国も滅び神殿も教会から放置されて遺跡になった。

これがミリアム遺跡に関するキルティア教会の表向きの記録である。

だが実際には約700年前にイヴァリース統一を成し遂げたレイスウォールが当時の大僧正に【覇王の剣】を託し、大僧正がこの遺跡に封じた。

このことは歴代の大僧正及び僧兵団団長とミリアム遺跡の管理を行っている教徒達だけが知っている秘密である。

何故当時の大僧正がミリアム遺跡に【覇王の剣】を封じたのかは不明だがレイスウォールの血族の殆どがミリアムを信仰しているキルティア教の宗派だったからではないかと秘密を知るもの達からは推測されている。

 

「アーシェ殿下」

「なんでしょうか?」

「代々僧兵団では団長に就任するとき、先代団長からある伝承を受け継ぎます。大僧正に導かれ、ミリアム遺跡に挑む者が現れたときにその伝承を伝えよと言われております」

「その伝承とはなんでしょうか?」

「【覇王の剣は血を流すための刃ではない】」

 

僧兵団団長の言葉にセア達は黙り込んだ。

バッシュが団長に問いかける。

 

「どういう意味だ?」

「さぁ、私も先代に伝承の意味が理解できず尋ねたのですが先代は【我々が理解する必要はない】と仰っておりました」

「・・・【覇王の剣】を扱う者が理解できればいいというわけか」

「もしそうなら一刻も早く【覇王の剣】を手に入れる必要があるわね」

 

アーシェはそう言って遺跡の入り口の方に顔を向けた。

もしバッシュ言う通りなら【覇王の剣】は手に入れたらすぐ使えるというような都合のいいものじゃないのかもしれない。

 

「王女様」

 

セアの声が聞こえた方向にアーシェは振り向いた。

するとなにか小難しい顔をしているセアがいた。

 

「ダラン爺から聞いた伝説を覚えいますか?」

「確か【かつてレイスウォールは神に認められ、剣を授かり、己に与えられた試練を耐え、破魔石によって乱世を平らげた】でしたか」

「ああ、その伝説で登場している【剣】って【覇王の剣】のことじゃないか?」

「なるほどな。じゃあ大僧正が【神】の代わりかよ。まぁ伝説ってのは誇張が激しいからありえない話じゃないかもな」

「しかしバルフレアの言うとおりだとすると順番が滅茶苦茶だな」

「あ?」

「まず俺達は役立たずとはいえ【暁の断片】をもっている。伝説の中じゃ一番最後に出てくるのにな。そのことを無視するにしても【神】に仕える偉大な大僧正に認められたとはいえ【試練】というのがミリアム遺跡の仕掛けのことを指しているなら【覇王の剣】を手に入れるよりまえに俺達は【試練】をうけることになる」

「それはあくまでレイスウォールの時の話だろ?順番は別にどうでもいいんじゃねぇか?」

「・・・なら【神】が大僧正のことを指すとは考えにくい」

「なんでだ?」

「覇王は元を辿ればバレンディア大陸に存在した小国の貴族だ。その頃はまだ飛空挺もなかった筈だし位置的にキルティア教会と覇王になる前に接触を持つのは無理があるだろう」

「なるほどな」

 

実際にはレイスウォールはバレンディアの小国の貴族だが、十代の頃は遊歴をしていた為バレンディア大陸に居なかったというのは今の時代の人間は知らない。

尤も二十代前半で反乱を起こし国のトップに立ったレイスウォールが遊歴をしていたなど考えられなかったので当時ですら遊歴中のレイスウォールに会ったことのある人間を除き知らないのだが。

 

「とりあえずこの遺跡にある【覇王の剣】を手に入れるのが先だろ。後のことはそれからでいいじゃん」

 

ヴァンはそう言うとパンネロの手を取って遺跡の入り口の方に走っていった。

その様子を見てアーシェはため息をついた。

 

「まぁ馬鹿弟子の言うことも一理あるか。道すがら僧兵団団長に聞いた話では遺跡内部は700年前から手付かずらしいから罠が盛りだくさんだろうな」

「レイスウォール王墓みたいってわけか。ったくめんどうだな」

「でも宝がある可能性もあるぞ?」

「覇王の財宝みたいなオチなら何も無いほうがいいがな」

「まったくだ」

 

そう言って他の4人も遺跡に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・」

 

セアは遺跡の一室で10体の動く石像に囲まれていた。

石像の大きさは目測10Mくらいで右手に変な形の武器を持っている。

セアは石像の攻撃を避けながらここにくるまでの状況を思い出していた。

ミリアム遺跡に入ると王墓でも見たことのある古代装置が設置されていた。

特に何も考えずにヴァンはその古代装置に触れようとした。

だがそのときに

だがその古代装置にこう記されていたのだ。

【余と新たなる契約を望む者は、これに触れよ。

 証をたずさえているならば、道を示さん

             レイスウォール ここに記す】

証・・・考えるまでもなく王家の証のことだろう。

そして装置に触れようとしているヴァンは【暁の断片】を持っていない。

そこまで考えが及ぶとセアはヴァンを蹴飛ばして古代装置を中心に描かれている魔方陣から出した。

だがすでにヴァンは古代装置に触れていたみたいで魔方陣が浮かび上がりセアは飛ばされた。

そして今の状況に至る。

 

「とりあえず今回の一件が終わったらあの馬鹿弟子を半殺しにしよう。そしてヴァンが飛空挺を買うために帝国兵相手のスリで貯めてた金も没収してやろう。うん、そうだ。それがいい」

 

セアは早口にそう言うと一番近くにいた石像の足の部分を斬った。

その石像はバランスを崩してよろめき、その隙に{エアロラ}を唱え、その石像にぶつける。

するとその石像は吹き飛んで周りいた3体石像を巻き込みながら粉砕した。

そして石像が吹き飛んだほうに走りながら{ウォタジャ}を唱えた。

するとセアを中心に魔方陣が形成され、残っていた6体の石像は水の激流に飲み込まれ壁にぶつかって壊れた。

セアは壊れた石像を一瞥するとあたりを警戒しながら遺跡の奥へ進んでいった




ミリアム遺跡内部の描写がゲームとかなり違うものになってますw
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