トラウマの原因が覆されたら、その世界はどうなるか。 作:袖野 霧亜
由比ヶ浜結衣の誕生日は、つつがなく終わった。
パーティーに使われたカラオケルームには定員いっぱいにまで人が集まっており、大いに盛り上がりを示していた。
まぁ、それだけの人が集まったんだ。由比ヶ浜に贈られたプレゼントは両手に抱えきれないもの、それこそ由比ヶ浜の家まで俺と折本、それに三木姉弟の自転車のかごに載せて送り届けたくらいだ。俺は俺が渡したものしか持てなかったけどな。
ちなみに俺が渡したのは、両手で軽く抱えられる程度の淡い赤色のクッションだ。
ペットの犬がどんな犬かはわからん。とはいえ、何を渡したらいいのかわからない状態ところに、雪ノ下からのヒントが犬だったからなぁ。とりあえず、小さければ全身が乗れるくらいで、大きければ枕みたいに使えるもの。それが俺が出した答えだ。
なんだかんだでうれしそうにしてもらえたからよかった。もしこれで難癖でもつけられたら引きこもりに……、いや、そうなったら無理やり連れだされる未来が見えた。うん、いい奴らに巡り合えたもんだ。
「すごい盛り上がったね~。結衣ちゃん、やっぱり人気なんだね」
三木姉弟と別れた後、折本を家まで送る道すがら、今日の振り返りが始まる。
「みたいだな。普通、あんなに人が集まるもんじゃないだろ」
終始圧倒されてたからな。うぇいうぇいの声が響きすぎて誰が何の話してるのかすら分からなかった。
そしてその中ではしゃいでいた三木。会った時から思ってたけど、あいつの場に馴染む能力は異常すぎる。同性のヤツからの告白の時もさらっとあっちの取り巻きに紛れ込んでたし。
「そだ、次の比企谷の誕生日もあれくらいの規模にしよう!」
「やめろ」
「ガチのイヤな時の声じゃん! ウケる!」
ホントにやめよう。いや、それ以前に俺の誕生日でそんなに来るわけないか。なら安心だ、なんて安心したらイケナイ。コイツだけじゃなく、三木とかが協力プレイしてきたらいくらでも人が来る。
だから、ここは確実に企画させないようにしっかり拒否をしないといけない。そう、絶対だ。
「それにしても比企谷。ちゃんと人が喜びそうなプレゼント買えたじゃん。偉い偉い」
「褒められ方が小学生感があってホントに褒められてんのか怪しいところがあるんだが」
「気のせい気のせい。いや~、よかった」
ニコニコと子供の成長に喜ぶ母親の表情を見せてるけど、貴女のせいでかなり大変だったんだからな? 何時間あのクソでかショッピングモールを彷徨ったと思いで?
「そういや、なんで今回は一緒に選んでくれなかったんだ? 仲町さんどころか、三木達まで巻き込んで」
正直三木が何も手伝ってくれないとは思ってなかった。刻や仲町さんもお願いすれば付き合ってくれるはずなのに、早々に逃げられたし。
「んー、まぁ、これに関しては私たちのせいなのも大いにあるから、治ったら教えるね」
「治るってなんだ。俺、いつの間にか変な病気にでもなってんの?」
「病気、ってわけじゃないんだけどね! そのうち困ったことになったらかわいそうだし、今のうちに矯正しよってみんなで決めたんだー」
はて、コイツは何を言ってるんだろうか。何もわからん。
今の俺に何か良くないことがあるのは確かなんだが……いかんせん、それがわからない。わからないものに対してどうすればいいのかわからないため、どうしたらいいのかがわからない。
なら、今のうちは放置してもいいか。
折本もちゃんと教えてくれるわけじゃなさそうだし、俺も何がいけないのかわからない。
他の人に迷惑をかけるような事だったら治さなくちゃいけないかもしれないが、そうじゃないみたいだし、一先ずそれでいいだろう。
「じゃ、比企谷。送ってくれてありがと」
「おう、また帰ったら連絡する」
「おっ、彼氏みたいなムーブじゃんウケる! んじゃね!」
そう言って家の中に消えてく折本の背中を見送って、俺も帰宅する。
いつもの帰り道、いつもの風景。
変わらないいつもの日常が、少し心地よかった帰り道だった。
久しぶりです。私です。
リアルで何があったのか、簡単に説明すると、こんな感じになります。
・別垢で配信者として活動する。
・そのために家を購入。
・いろいろと安定したタイミングで本業の昇進。
・慣れるまで二年かかった。
・配信者としてやるようにTRPGのシナリオの作成等。
・昇格試験二回あった。
睡眠ってやっぱり大事なんだなって思える日々を送ってました。
時間も多少確保できるようになり、執筆時間も短くすることができるようになったので、ボチボチ復活します。むん。
まだまだ投稿頻度は低いかもしれませんが、これからも首をキリンにして待っててください……。