仮面ライダー&プリキュア・オールスターズ~奇跡の出会い、運命の共闘~   作:風森斗真

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「邂逅」

―久留間市運転免許センター 10:28 p.m―

 杉田と実加に連れられ、雄介は運転免許センター内にある「特殊状況下事件捜査課」と記された部屋を訪れた。

 免許センターにこんな場所があったのか、と、好奇心で目を輝かせながら杉田の後を付いていく雄介の耳に、聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 「ですから、未確認(マルエム)である可能性を考慮して、仮面ライダーである泊巡査の力をお借りしたいんです!」

 「いやぁ、だからってねぇ……そもそも、仮面ライダーは機械生命体(ロイミュード)に対抗する手段であって、未確認(マルエム)に対抗する手段じゃないんですよ」

 聞き覚えのある声の主にしては珍しく、感情を暴露している声に、まるでそれを諭すかのように落ち着いた声が部屋から聞こえてきていた。

 その様子に、ただならぬものを感じた雄介だったが、そんなものはお構いなしといった様子で、杉田は扉を開けた。

 「失礼します。警視庁の杉田です」

 「あ、あぁ、あぁ、ちょうどよかった!もう、どうにかしてくださいよこの人!さっきから説明してるのにまったく理解してくれなくて!!」

 頭髪がやや寂しくなってきている小柄な男性が、精悍な顔つきの男性の背中を押し、半ば無理やり杉田の前に連れていきながら、そう愚痴をこぼした。

 杉田も実加も、そして雄介も、この人物なら確かにそうだ、と苦笑を浮かべた。

 そこにいるのは、未確認生命体関連事件で杉田とともに最前線で活躍した、一条薫警部補だった。

 だが、杉田と実加の姿を一条は、なおも冷静さを取り戻すことはなく、再び小柄な男性の方に向き直り、抗議を続けた。

 「止めないでください、杉田さん。これ以上、五代や夏目くんに負担を強いるようなやり方を、私は認めるわけには……」

 「俺なら、ここにいますよ?」

 杉田の影に隠れて見えなかったのか、それとも、杉田と実加のほうに意識が行っていたのか、雄介の存在を声を聞いてようやく認識した一条の思考はフリーズしてしまい、何も言えなくなってしまっていた。

 そんな一条に、雄介は笑顔を向けながら、いつも言われる言葉を一条に伝えた。

 「遅いぞ、五代!……ですよね?一条さん」

 「……お前というやつは!人がどれだけ心配したと」

 ちゃかされたような気分になり、一条は雄介に怒号を向けようとしたが、深くため息をついて、それ以上、何も言わなかった。

 ただ、頭を二、三度、軽く左右に振り、気分を落ち着かせて、再び雄介に顔を合わせると。

 「よく戻ったな、五代」

 そういいながら、雄介にサムズアップを向けた。

 「……ただいま、帰りました」

 雄介もサムズアップを向け、一条の言葉に答えた。

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―海藤グループホテル 10:30 p.m―

 そのころ、海藤グループが経営するホテルの一室に集まったはるかたちプリンセス・プリキュアのメンバーは、先ほどの出来事について話し合っていた。

 だが、わからないことが多すぎるという理由で、重い沈黙だけが部屋を支配していた。

 「……あぁ、もうっ!!こんなんじゃ、安心してショーに臨めないじゃんっ!!つか、そもそもなんで三年前に全滅したはずの未確認生命体が行動してんの?!」

 「気持ちはわかるけれど、落ち着いて、きらら……まさかと思うけれど、ディスダークやほかの敵も復活している、なんて事態になっていないかしら……?」

 「ちょっ!みなみさん、余計に不安になるようなことを……」

 「……いえ、みなみの言う通りですわ。ずっと、疑問に思っていたことがございますの」

 はるかの言葉を遮るように、トワが自身が気になっていることを話し始めた。

 「奇妙だとは思っていたのです。ホープキングダムとこの世界が、なぜ突然つながったのか」

 本来であれば、異なる二つの世界。

 それらはつながるはずがないものだ。

 だが、一度、いや、これまでに何度か、そのつながらないはずの世界がつながったことがある。

 それらの要因はすべて、この世界に何らかの危機が訪れたことだった。

 そして、今回の未確認生命体の一件。

 これは、この世界に何らかの危機が訪れているという予兆なのではないか。

 トワはそう感じざるを得なかった。

 「……なぁるほど、たしかに、トワっちの言う通りかも」

 ベッドに横になりながら、真剣なまなざしをトワにむけながら、きららはかすかにため息をついた。

 本来、このファッションショーが終了すれば、一週間ほどの休暇が許されていたので、久方ぶりにはるかたちとゆっくり過ごそうかと思っていたのだが、どうやら、そうもいかなくなってしまったらしい。

 しょうがない、とつぶやきながら、きららは携帯を手に取った。

 「きららちゃん、どうしたの?」

 「ちょーっと先輩たちに連絡入れて、一応、用心しておくよう伝えておこうかなって思って」

 先輩たちというのは、今回、ファッションショーに参加する予定だった知人、蒼乃美樹、花咲つぼみ、来海えりか、明堂院いつき、白雪ひめの五人のことだ。

 五人とも、はるかたちよりも前に活躍していたプリキュアで、夏休みなどの長期休暇の時期には、他のメンバーと集まって遊びに出かけているほど仲がいい。

 なお、はるか、みなみ、きららの三人は、昨年の春、ハルモニアという国に招待された折に、先輩のプリキュアたちとすでに顔見知りとなっていた。

 この中で、自分たちのほかにプリキュアが存在しているということを知らないのは、トワだけだ。

 そんな中、携帯をいじりながら、きららは顔を暗くし、ぽつりとつぶやいていた。

 「……本当は、はるはるたちだけじゃなくて、先輩たちにも目いっぱい楽しんでもらいたかったんだけど……」

 それは、なにもきららだけでの願いではなかった。

 美樹にしてもえりかにしても、そして、ひめにしても、今回のファッションショーは大いに楽しみにしていたし、仲間のプリキュアたちも応援に駆けつけてくれることになっていた。

 だからこそ、その応援に報いたいと思っているし、報わなければ意味がないときらら自身は思っていた。

 「……まさかと思うけど、あたしたちのショーを邪魔するようなことになったら、このあたしが許さないんだから……」

 今回の一件に何が関与しているのかはわからない。わからないが、間違いなく関与しているであろう存在に、怒りを込めてつぶやきながら、きららはメッセージを送信した。

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―地下バー 11:38 p.m―

 東京都内の某所にある、地下バー。

 すでに閉鎖されて久しいそのバーに、数名の人影があった。

 そのうちの一人は、白いドレスをまとい、額に薔薇の形をした白いタトゥーをしていた。

 女性の名は、ラ・バルバ・デ。警察からは"薔薇のタトゥーの女"あるいは"未確認生命体B-1号"と呼ばれている、グロンギたちの殺戮ゲーム(ゲゲル)進行役の一人だ。

 彼女は、十五年前に一条と遭遇して以降、消息を絶ち、三年前に一度だけ、姿を現してそれきりになっていた。

 だが、彼女はいまもこうして生きている。

 そして、彼女の前には、今回、その半数以上が五代雄介(クウガ)によって敗北した同胞をよみがえらせたと思われる存在がいた。

 「……改めて聞かせてもらおう。なぜ、我々をよみがえらせた?」

 「ほぉ?グロンギというのは現代の言語を理解できないほど知能指数が低いと思っていたが、存外、そういうわけでもないようだねぇ」

 痩身の、バルバよりも派手な衣装をまとっている老婆がにやりと笑いながらそういうと、バルバは殺気を込めた視線を老婆に向けた。

 「勘違いするな(バンチガビ・グスバ)貴様らが(ビガラサグ・)リントの言葉で話しているから(ボドダン・リント・ゼザバギ・デギス・バサ)合わせているだけだ(ガバゼデ・ギスザベ・ザ)我らは(グロンギバ)我らの文化を(ヅンバン・グロンギゾ・)侮辱する(ヅジョブ・グス)ことを(ボドゾ・)許さない(ジュスガバギ)

 バルバは蜘蛛怪人が話した言葉、グロンギの言語で老婆にそう告げ、なおも殺気を込めた視線を送り続けていた。

 その視線を飄々と受け流しながら、気味の悪い薄ら笑いを浮かべていた。

 「ひっひっひ、なにも貴様らの文化を侮辱したわけではなさいさ。あたしゃ知性の欠片もない連中が好かないだけでね」

 「くだらんな……まぁ、いい……それで?我が同胞をよみがえらせたのはなぜだ?」

 バルバは目の前にいる老女が自分の同胞をよみがえらせたと考えているらしく、そう問いかけたが、老婆の方は眉をひそめていた。

 「何を言っている?貴様らが私をよみがえらせたのではないのか?」

 「……なに?どういうことだ?」

 どうやら、この老婆もまた、何者かの手によってよみがえったらしい。

 互いに、どういうことなのか、疑問を投げかけるが、どれも結論を出すには決定打に欠けるものばかりであり、そもそも目の前にいるこの存在をよみがえらせることに、何の利益も存在しないことに気づいた。

 となれば、自分たちをよみがえらせた存在というものは、別に存在することになる。

 果たして、その存在は何者なのか。

 その疑問が二人の頭をよぎったとき、不気味な声が響いてきた。

 『貴様とグロンギをよみがえらせたのはこの私だ!』

 「この声は……貴様は何者だ?!」

 「……また貴様か、死神博士。いや、ショッカー、と呼んだ方がいいか?」

 バルバは声の主の名を告げながら、闇の方へと視線を向けた。

 すると、闇の中から、身の丈以上ある黒いマントを見にまとった老紳士と、数名の黒いタイツに身を包んだ集団が姿を現した。

 彼らこそ、六十年以上前から世界征服をたくらみ、人々に危害を加えてきた秘密結社「ショッカー」だった。

 「……ふふふふ……はっははははははっ!!いかにも!我こそはショッカー大幹部の一人、死神博士なり!!」

 死神博士が高笑いをしながら二人にそう名乗ると、黒タイツの集団は甲高い声で、イーッ!、と叫びながら右手を高く上げ、敬礼していた。

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