今回は第壱話!女郎蜘蛛のいる日常です。あ、あとついでに仮面ね。
そういえば女郎蜘蛛ってどんなんだろ。まぁいいや。
とりま、第壱話始まります。
季節は夏、蝉が合唱のように鳴き、風鈴はチリチリと鳴り、太陽はジリジリと地面を焼いている季節。
住宅街に建ち並んだ道から少し外れ、森の入り口から少し離れ、自然が多くなった場所に座する大きな二階建の和風の家。大きな庭と、守るような大木。まるで、ここだけタイムスリップしたような感覚に陥る程綺麗な家。
その中、リビングで一人の男が居間に寝転がって、テレビを見ていた。
薄鈍色のセミロングの髪、180はある高身長のスタイルの良い男だ。しかし、その顔には何故か殆ど
テレビの隣に置かれたデジタル時計を見ると、午後の6時。意外と時が経つのは早く、昼間にやっていたバラエティ番組は影を潜め、まるで人形のように無表情な男性アナウンサーが事件を取りあげていた。
アナウンサーが「続いてのニュースです」と言い終えた時、インターホンが鳴った。押している間長くなる種類なので、友人であれば「ピーーーーンポーーーーン」と楽しむように一回一回長くするのだが、今回はピンポンと早くなった。
誰だろうと立ち上がり、少しふらつく足で歩き、カメラ付きのインターホンに向かい、カメラ機能をオンにした。
「んあ?」
だって、そこに映っているのは見覚えのない二人なのだから。
片方はストレートに伸びた黒髪と、黒いОLらしい服、真っ黒なサングラス。いかにもな営業マンである。いや、女だから営業ウーマンなのか。
もう片方は、紫色に様々な赤色の花と蜘蛛の巣、そして捕まった蝶の書かれた大きな振袖の付いている、胸の真ん中辺りまでしかない妖艶な和服を着こんだ小さな少女。青みの強い紫色の短い髪にはピンク色のバラの髪飾りと赤いリボンが飾られている。しかし、その妖艶な服とは別に彼女の背中部分に目線がそそがれた。関節らしき部分に黄色の球体がある六本の黒い蜘蛛の足、直線ではなく、少しうねうねした黒色と黄色が交互に配色されたこれまた蜘蛛の腹。本来の目の部分とその上の6つの真っ赤な目。少しピンク色の肌をした、所謂他種族というものだ。
「はい」
疑問に思いながらも、マイク機能をオンにする。
『他種族コーディネーター墨須です』
営業ウーマンが自己紹介をする。
他種族コーディネーターという職業は知っていた。
2年前に施行された新法案、他種族間交流法。今まで政府に秘匿されてきた人類以外の種族、彼らとの交流を行う為に制定されたこの新法案を守る仕事らしい。あまり詳しいことは分からないが、大体こんなところだろう。
「・・・?えっと、お話は家に上がってからでいいですか?」
そんな職業の営業ウーマンに見覚えなんてなく、帰らせるのもなんなので家に上がらせる。
『はい』
向こうから返事が聞こえる。
確認してから、扉の方へ向かう。
「緊張してる?」
インターホン越しの会話を終えた時、隣にいる他種族、女郎蜘蛛種の<
「正直言うとしていんす」
言いながら、少し苦笑する。
「深呼吸よ」
墨須が緊張が解ける方法を教えると、曲輪は大きく息を吸い込み、ゆっくりと全部吐き出していった。
「少し解けた気がしんす」
「そう。それはよかったわ」
とは言うが、正直墨須も結構緊張していた。ここの住民は意外と変わり者らしく、周りはもう慣れたそうだが、子供には嫌われるのだとか。
他種族間交流ホストファミリー権に貼られた顔写真を見て溜息をつく。
その時、ガチャリと扉が開いた。
そこから除く白い顔、いや違う、仮面だ。顔の凹凸が少なく、少し微笑んだ口と、それとは真逆に細長い目が彫られた真っ白い面だ。
そして、これが先程溜息をついた理由。
どういう経緯や理由があるかは知らないが、顔写真にも、これと全く一緒の仮面を被った優紀の写真が貼られているのだ。
「お待たせしました。どうぞ」
仮面のせいで少し籠った低い声を発しながら、扉を開けたまま家に戻って行く。
数秒遅れて唖然としていた曲輪が我に帰り、ブンブンと横に首を振る。
「あ、あんな人だから」
「変わった主でありんすね」
受け止めてくれて墨須も一安心。
「はい、お茶です」
和風の居間の中、丁度真ん中辺りに設置させられた低いテーブルの庭側に座った二人の前に、綺麗な鶯茶の色をした茶の入った草の書かれた透明のガラスのコップをコースターに乗せ、丁寧に置いた。二人の正面に座布団を持っていき、正座をする。
「すいません。私まで」
お茶を啜ってから、墨須が言う。
「いえいえ。すっかり忘れてましたよ免許持ってたの」
優紀が少し籠った声でふふと笑う。
1年前、元から家が広かったのと、後は面白そうという理由で取った他種族間交流ホストファミリー権。しかし、丁度その一週間後に大学の卒業式があったので、すっかり忘れていた。
「忘れないでくださいよ。一応大事なんですから」
「これからは気を付けます」
「つかぬことを伺いますが、その仮面は?」
再びお茶を少し飲んでから、墨須が言う。
「これですか?1年前大火傷で皮膚がただれたので、治るまで見せないようにしてるんですよ。包帯が少し苦手で」
理由を聞くと、あぁと二人が納得した。
「変な主でごめんなさい」
これからホームステイするらしい他種族の曲輪にぺこりと頭を下げる。
「いえ、面白いでありんす」
廓詞、花魁詞を使いながらクスッと微笑んだ。
「ありがとうございます」
顔を上げ、少し低い声で言う。
「では、曲輪ちゃんをお願いしますね」
数瞬の後、墨須が立ち上がる。
「荷物は後日、お届けしますので」
「分かりました」
一泊置いて答える。
玄関まで行くと、最後に頭を深く下げた。それに倣うように優紀も頭を下げる。隣にいる曲輪は、少しお辞儀してから、手を振っていた。
「ぬし様」
扉が閉じた後、曲輪がぬし様、優紀の呼び名のようなものだろう、そう呼ぶ。
「ん?」
居間に行く足を止めず、そっちを見やる。
「本当にいいでありんすか?わっちみたいな人外を住まわせて」
仮面を被った優紀の顔を悲しそうな六つの目で見やる。
「いいですよ。個性豊かでいいじゃないですか。それに、人外とか、あまりそういうの気にしてませんよ。そういうのどうでもよくて」
ははと笑いながら、ボリボリと後頭部辺りを掻く。
「ゴ○ラとかダダとかバ○タン星人でも迎え入れますよ。いや、身長的に無理か?」
仮面の顎部分に当て、首を傾げる。
「とりあえず、そういうの気にしてませんから。それに、これからは家族みたいなものですから、あまり気にしないで下さい」
言いながら、ふふふと笑う。
「よかったでありんす。これからは色々頑張るでありんすよ!」
居間に入るなり、ふんと腕を組み、その幼い体型についた二つの豊かな胸を突き出した。
「広いですから大変ですよぉ?」
面白さ混じりにニヒヒと笑う。
「任せておくんなんし!」
ありがとござました~。
今回は曲輪ちゃん!私の大好きな子です。っていうか、意外と人気な方なんじゃないかな?あの花魁詞と容姿、一目惚れっす。それに、親密度100%にした最初の子だから色々と思い入れがあるんだよな~。今も第二軍で頑張ってくれてるよん。
そういえば、モン娘オンラインなんだけど、私無課金勢だから、SRは最初のミーアちゃん以外ないし、HRも数人しかいない。
次回はまだ決まってません。まぁ、お出かけとか、色々かな?
ちょっと後々に響くことを思い出し、「優紀」の読み仮名を「ゆき」から「ゆうき」に変えました。
感想お待ちしておりま~す。