ハイスクールD×Dにシグルイを混ぜてみた


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思いついたから『ぬふぅ』と書いてしまった。


ハイスクール×シグルイ

終わらない日常が其処に在った。

優しい空気が其処に在った。

何も変わらず穏やかで、不変に続くと信じて疑わなかった。

 

『――――死んでくれる?』

 

初めての想い人に生命を絶たれた瞬間に兵藤一誠の日常も、また死に絶えてしまった。

だからこそだろうか?

信じて疑わなかったモノに裏切られた『消失』が、兵藤一誠と言う心の『器』に深く鋭い傷を刻み込んだのは

 

 

 

 

 

 

かつての兵藤一誠という男がどんな男なのか?

クラスメイトに聞けば、十人の人間は同様の解を持ってこう答えるだろう

 

曰く『助平な男』

 

曰く『本能のままに動く男』

 

曰く『女性の胸部にしか眼中に無い男』

 

明るく快活、頭のネジが1つ飛んだような日常を謳歌する騒がしい男

それでも兵藤一誠は決して嫌われ者では無かった。

助平であろうとも、女性の胸部を愛して堪らぬ男だとしても、彼には筋が通っていたのだ。

決めたことを最後まで貫き通す

それが周囲からの兵藤一誠に対する一番の評価であり、兵藤一誠が自らに課した唯一無二の理だった。

故に、クラスメイトは恐怖する

『兵藤一誠の変貌』に

今の兵藤一誠は

 

曰く『枯れ木』

 

曰く『無表情』

 

曰く『不気味』

 

そして、クラスメイトはさらに口を揃えてこう言うのだ。

 

――――不幸な事故の結果

 

そう言うのだ。

 

 

 

 

 

 

リアス・グレモリーにとって、まさに僥倖とも言える収穫だった。

成り行きで眷族にした同校の学生が、まさか神殺し(ロンギヌス)持ちだとは

しかし、右腕にそれが宿っていたのは正しく幸運と言えただろう

いや…そもそもこうなる事は当人にとって不幸であろうか

 

『う、腕が…俺の…腕が…?!』

 

兵藤一誠の左腕は堕天使により切断された。

蘇生が遅かったのが原因か、はたまた別の要因か

いずれにせよ、リアス・グレモリーの知らぬ何かが働き、兵藤一誠は隻腕と化した。

 

『…グレモリーさん』

 

光が喪われた瞳

その瞳に光が戻る事は――――

 

 

 

 

 

 

殺意の灯火が、呆然とただ生存した男に灯った。

ただ殺めよと、ただ復讐しろと

今は亡き日常に殺意を振り撒きつつ、五臓の六腑を血反吐と共に吐き出すかの如き日々へと飛び込んだ。

左腕の幻肢痛に、眠れぬ夜は始まった。

 

 

 

 

 

 

『…そうか…貴様は…レイナーレと…言うのか…』

 

向かい合った堕天使と転生悪魔

女の堕天使と隻腕の転生悪魔

嘗ての恋人

男と女

男は狂い悶える程に恋焦がれた。

この瞬間に、復讐を果たすこの瞬間に

レイナーレの背筋に『ぞくり』とした怖気がは知った。

鞘を肩に挟んだ男が、右腕のみで器用に太刀を引き抜いた。

隻腕の男の狂おしきまでの妄執と、濁りに染まった殺意の色がレイナーレへと向けられた。

 

『死ね』

 

短い、酷く短い言葉を放って

兵藤一誠は、鬼神が如き一閃を放った。

 

 

 

 

 

隻腕の剣士の刃は骨を断つことができるのか?

 

宙を駆る堕天使へと、その対手から触れることはできるのか?

 

 

 

出来る 出来るのだ。

 

 

 

 

 

 

 

失うことから全ては始まる

 

正気にては大業ならず

 

 

 

 

 

 

悪魔とは死狂いなり

 




リアス『い、いっせぇ…』

木場『り、リアス殿!一誠殿では御座いません!一誠殿では!』


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