魔法少女リリカルなのは DOUBLE STANDARD 作:トータス
別段、戦闘に参加する訳でもなく。蒐集対象になる訳でも無く。
排除される要素も無く、秘密を持ったまま、あるがままになすがままに・・・辺り一帯を振り回します!
12月2日 夕方・図書館
今日は、すずか姉様が図書館まで付き添ってくれた!
最近、日が暮れるのが早いから、念の為だって!
児童書のコーナーへと向かうデュオ。
すずかはそれを見届け、自分は大人が読む様な本が並ぶ書架へと向かう。
そこで、車椅子の少女がギリギリ手が届くか届かないかといった所の本に、手を伸ばしていた。
「ん! ん! アカン、手ぇとどかへん。
こんな時こそ、魔法が使えたらえぇんに!」
すずかはその様子を見て、手助けをする事に決めた。
「えっと、この本で良いの?」
そう言って、手を貸す。
「! おおきに! ありがとうな!」
「うぅん、気にしないで。困っている時は、お互い様だから」
「イヤイヤ、それでも、助けてくれるんは嬉しいわ!
何時もは、一緒に来てくれた誰かに頼むんやけど、今ちょぉ席を外しとってな・・・
あ、そや。私は、八神 ハヤテ。
よろしゅうな!」
「あ、私は、月村 すずか。
よろしくね、ハヤテちゃん!」
「ハヤテちゃん! 大丈夫!?」
少し離れた所から、声が掛けられた。
「あ! シャマル! どないだった?」
「うぅん。丁度、借りられてるみたいで、今は無いみたい。
でも、今そこでデュオを見掛けたわ」
「ホンマ!? やぁ、こっちに来とったんやな」
「え? デュオ?」
「・・・デュオ、しっとるん?」
「え、ええ。私が今日、連れて来て上げたから・・・」
「と言う事は・・・猫屋敷のすずか姉様?」
「え!? それって!?」
「いやぁ、世間は広い様でいて、意外に狭いモンなんやなぁ!」
「ハヤテちゃん! その事は・・・」
「あ! ゴ、ゴメン! ちょぉ忘れて!
デュオとは友達でな、チョコチョコ話しするんよ。
だから、良ぉ話は聞いとるんよ」
「え、えっと、デュオ君は声が・・・」
「あ、それは・・・筆談なんよ! 手話も交えてチョコチョコやりおう取るんや!」
「エット、そうなんだ。
じゃあ、今度はちゃんとお話も出来る様になるんだね!」
【・・・ゴメン、デュオ! 手話と筆談、出来る様になっといてぇ!】
無意識に、全方位に向けて念話を送ると、即返信された。
【・・・無理!】
「なはは! まぁ、基本はゲーム友達みたいなもんや」
「そっかぁ、じゃあ、デュオ君の友達って、ハヤテちゃんだったんだね」
「まぁ、病院で知りおうて、チョコチョコ遊びに来て貰ったりしとる位なんやけどな」
「そっかぁ、今度ちゃんと紹介して貰わないとね。
あ! その時はアリサちゃんも一緒の方が良いかな?」
「お? アリサちゃん?」
「知ってるの?」
「まぁ、跨聞きなんやけど、デュオから聞ぃとって、知らん訳やないんや。
頑固だけど、優しくて頼りになる言うとったなぁ」
【ハヤテオ姉チャン!】
「お!? 聞こえてもうた?」
「ふぅん、そんな風に思われてるんだ。
これは教えてあげた方が・・・」
後ろから口をふさがれたすずか。
「ふぁ? あ、デュオ君?」
しきりと口元に手を当て、黙っていてと訴えるデュオ。
「どうしよっかなぁ? でも、そこまで言うのなら、黙っておいてあげるね」
コクコク!
問題は回避されたが、先送りにしかならなかった?
・・・ ・・・
夜のお散歩
偶に内緒で抜け出してみた!
♪~♪~♪
何となく、変な感じがしたから、曲がって見た。
目の前には、何かが立ち塞がる。
??? ・・・! 結界!
エット、結界が張られていたら、取敢えず何かが有る訳だから、ソット中を伺う!
だから、結界破り!
そっと、その薄膜に似た物に触れ、自分の魔力を込める。
触れている辺りから、段々に硬化して行く。
ある程度硬くなったら、指先を鋭くし、通り抜けられそうな大きさにくり抜き、開けて行く。
そっと中へ入り、元へと戻して様子を伺う。
何だか見覚えが有る。
あ、なのは姉様?
アレ? ビータお姉ちゃん?
何してるんだろ?
激しくぶつかり合い、せめぎ合っている。
ビータお姉ちゃんの方が、一寸押してる?
あ、なのは姉様、落ちた!
でも、ユー兄とフェイトお姉ちゃんが拾ってる。
えっと、こういう時は、遠くから様子を伺って、下手な事はしない方が良い?
両方知ってるし、喧嘩は一方に手を出したら良くないし・・・こじれるから。
管理局だったら、構わないかな? ・・・邪魔だし。
傍観する事数分
あ、なのは姉様の胸から手が生えた!
!? 引込んだ? ・・・また生えた!
何か、掴んでる!?
あ、握り込んだ!
でも、なのは姉様も、撃った!
えっと、悪い奴(クロノ)も来た!
・・・見付かると、煩いよね?
逃げちゃおっと・・・
お? お? おお?
進もうとするけど、足が宙を掻く。
何かに抱き上げられた。
「デュオ、何でこんな所に・・・
兎に角、ここでは不味いな、一緒に来てくれ!」
その声は、シグママ?
【シグママ? ドウシタノ?】
「話はあとだ、もう少しだけ我慢してくれ!」
【・・・了解(リョーカーイ)!】
・・・ ・・・
結界の外へと連れ出され、別の世界を経由した後、知っている所へと降ろされた。
「それで、どうしてあそこへ?」
【結界ガ有ッタカラ、入ッテ見タ!】
「危険だとは思わないのか?」
【・・・危ナイノ?】
「ああ、もしアレが他の誰かが張ったモノであったなら、危険だったかもしれないんだぞ!」
【・・・ワカッタ! 今度ハモット気ヲ付ケル!】
「それで良い」
【ナノハ姉様、大丈夫?】
「!? ・・・知り合い、だったのか!?」
【??? ソー! アリサオ嬢様ノオ友達! デ、魔王(マオー)!】
「そ、そうか。だが、我らの目的の為にも、止むを得ん」
【ソレデ、大丈夫?】
「ん? 心配か?」
コク
「そう心配するほどではない筈だ、根こそぎ奪った訳でもない。
十分に回復する見込みが有る相手から、奪う事にしている。
だから、暫くは動けないだろうが、大丈夫だ」
【・・・ワカッタ!】
・・・ ・・・
数日後
フェイト姉とアルフが来て、皆でお茶会。
アルフ《子犬モード》を抱き上げて訝るアリサお嬢様。
「ん? んん? アンタ、どっかで見た事が有る気が・・・」
ギクッ!
さ、さぁ、どうだったかなぁー。と言わんばかりに子犬のふりを貫き通そうとしているアルフ。
「まぁ、気のせいね」
もう一方では、
「わぁ、ユーノ君も久しぶり!」
きゅー!
反対側では、フェレットと化したユー兄がすずか姉様の首に巻き付いている。
極自然に接している事から、既に慣れているのだろうか?
二人が本当の事を知った時、どう反応するのだろうか?
そんな考えが頭をよぎる中、一番の疑問を解決すべく、なのは姉様の元へ!
ぺたぺた、ぺたぺたぺた・・・ ゴス!
頭が痛くなった!
直後ろに恭哉兄がお盆を持って立っていた!
それで叩かれた!
「な、何してるのかな?」
なのは姉は胸を抑え、呆気に取られている。
【痛イ!】
「え? えっと・・・」
全てを見ていたすずか姉様も、余りの事に驚いている。
「デュオ、何をしているの?」
「デュオ? なのはの胸に、何か付いてたの?」
そうアリサお嬢様とフェイト姉に問われ、伝言ボードに打ち込む!
【何モ無イノ!】
「な、何も無いって事は、無いんじゃないかな?」
ついそんな事を言ってしまうフェイト。
「フェイトちゃん、それはどういう?」
なのはは一寸? 気温が下がりそうな声で言った
その傍で、続けて別の文を打ち込んでいるデュオ。
【オ手々ガ生エテタノ!】
それを横から覗き込むアリサ。
「何々? ・・・胸から手が生えてた?」
コクコク!
「えっと、怖い夢でも見たのかな?」
「さぁ、そんな怖い思いをした事はなかったと思うけど・・・」
すずかはそう言いつつ、アリサに確かめた。
それを、すずかの肩から見ていたユーノから、なのはへ念話が向けられる。
【なのは。デュオは、あの事を言ってるんじゃないかな?】
【でも、あの時のあの場所には、他に誰も・・・】
【あ、でも、私はデュオの匂いが有ったのは、覚えてるよ?】
【え? アルフ、それって・・・】
【確か、あの子。結界とかバインド系に関しては凄かったよ。
結界に穴を開けたり、塞いだり。バインドは緩めたり、解いたり】
【エット、それって、何時?】
【んー? フェイトとミッドに連れて行かれる前だったかな?
アースラに忍び込んで、何か連絡してたし。
あ、そう言えば・・・と、これは秘密だったっけ】
「それって、どういう・・・」
「? どうかしたの、なのは?」
「あ、ううん。何でもないなの。きっとどこかで、怖い何かを見たんじゃないかな?」
「・・・まぁ、そうなのかもね。
向こうも大変そう見たいだし・・・」
アリサは、遠い目をして何かを思い出す様に呟いた。
すずかは、それを見て気になったのか、
「・・・どうかしたの? アリサちゃん?」
「あ、うん。一寸、思い出しちゃって。
デュオの実家が、今一寸、大変そうでね。
この間も、産業スパイ(=管理局)に襲撃されたとか・・・」
「ふぅん、そっか、大変だね」
フルフル
頭を横に振りつつ、何事か打ち込み、示す。
【寂シクナイカラ、大丈夫?】
「・・・そう。でも、寂しかったら言ってね。
何か出来る事が有ったら、力になれると思うからね」
「そうよ、ココに居る間は一人じゃないんだから、頼りなさい!」
すずか姉様とアリサお嬢様はそう言ってくれた。
「そうだよ。頼ってなの!」
ジトーっと、最後の発言をした者《なのは》を見据える二人。
「な、何(なに)なの?」
「なのは。アンタにこそ、その言葉を贈ろうか」
「そうだよね。なのはちゃんは無理し過ぎるから。
・・・逆に言って貰いたいかも」
【・・・(アリサお嬢様とすずか姉様は)頼リナイノ?】
何もしていないが、ボードの文字が切り替わっている。
誰も気付いてはいないが・・・
「あー、一寸違うかな?
・・・もっと、私達を頼りなさいって、言いたいの」
「そうだよね。もう少し信用してくれると、嬉しいかなぁ」
「う・・・うう!」
「なのは・・・大丈夫?」
そんな一コマ
・・・ ・・・
平穏な日々?
鍋パーティにお呼ばれした!
でも、アリサお嬢様、都合が付かないって・・・
仕方が無いから、すずか姉様と一緒!
帰りは送ってくれるって!
誰も帰って来ない・・・忙しい?
・・・ ・・・
【フェイト姉、携帯買ウノ?】
「うん! これからは、必要になるだろうから、頼んで見たの!」
【メール、ヤリ取リ出来ル?】
「え? そうだね。アドレス、交換しよっか!
あ、でも・・・」
そう言って、となりを伺う。
「うん、大丈夫。マリエルに頼めば、ミッドのモノでも交換できる様にしてくれるから」
隣のリンディ提督は快諾してくれた。
【ダッテ! 交換! 爺チャン、念話変換デキルカラ、ソレデモットスムース?ッテ!】
「ふうん、お爺さん、凄いんだね!
今度、紹介して貰える?」
それだけの技術者を野放しにはできないと思い、繋ぎを付けようとする提督。
【・・・紹介、スルノ?】
「ええ、一度ご挨拶して置こうかと思って、大丈夫?」
【エット、今ハ難シイ?
危ナイ奴ガ、ワンサワンサ?
ダカラ、帰ッタラダメ?】
「えっと・・・競争相手が多い研究をしてるから、滅多に会えないのかな?」
【ソー見タイ!
偶ニ、連絡来ルグライ?】
「そっか、じゃあ、伝えるだけ伝えて見てね」
【・・・ワカッタ!】
「えっと、アドレスがこうで、なのはとアリサと・・・すずか。
デュオのアドレスはっと・・・
デュオのアドレス、教えてくれる?」
【エット・・・】
・・・ ・・・
お見舞い?
翌日
【フェイト姉、ポンポン《=お腹》痛イ?】
ベッドで寝ているフェイトに対し、そんな問い掛けがされた。
ふと、横を見てみると、
「あ、デュオ。
お見舞い、来てくれたんだ」
「あ! こら! まーた入り込んで!」
【キャー! マタネー!】
「全く、何処から入って来たのか・・・」
そう言いながら、看護師の方が来た。
「え? えっと・・・」
「ああ、気にしないでね。
前にも、あっちこっち入ってくる子だから・・・」
「あ、あの、私・・・」
「大丈夫、リンカーコアが弱っているだけで、体には異常は無いから。
ただ、一寸慣れないと思うから、一応面会謝絶にさせて貰ってるの」
「そうだったんですか」
「それなのに、あの子。
何処にでも入り込んで・・・
一応、結界も張ってるんだけどねぇ」
「あはは・・・」
空笑いするしかなかった。
一方・・・
【ナノハ姉様! フェイトオ姉チャンニ会ッテ来タヨ?】
「それで、具合は?」
【ン! 大丈夫ソウ!】
「そ、そっか、良かっ「あ! 居たぞ! 捕まえろ!」え?」
【キャー! ミッカッタ! 逃ゲロー!】
看護師の集団が走ってこちらへと向かって来た!
それを見付けて、即座に逃げ出すデュオ!
「あ! 大丈夫? あの子、どっからか入り込んでて、未登録だったの!」
「え!? えっと、それは・・・」
「あ! そっちに逃げたぞ!」
「待ちなさぁーい!」
【待タナァーイ!】
そんな声を残して、遠ざかって行く。
「え、えっと。・・・取敢えず、リンディさんに話さないと・・・」
なのはにしてみれば、普通に居たから、まさか密航していたとは思いもしなかった。
その後、確認が取れた事から、お小言だけで、済まされたのかな?
・・・ ・・・
お見舞い2?
【ハヤテオ姉チャン、大丈夫?】
防寒着を分厚く纏い、これでもかと着膨れしている!
「あ、デュオ、来てくれたんか。
ゴメンな、せっかく来てくれたんに、何のお構いも出来んで」
寝たまま、起きる事すら億劫な様子でハヤテは応えた。
【ウウン! 早ク元気ニナッテネ!】
ガサガサと、枕元の果物に手を伸ばすデュオ。
「って、待ちぃ!
何当たり前にお見舞いの品食べてるんや!」
つい、元気に突っ込むハヤテ。
【オオ! 元気! ダッタラ、要ラナイ?】
「あー、まぁ、いっか。
でも、お見舞いなら、花とか持って来んとな」
【ハイ、オ花!】
すかさず紙に包まれた小さな花を手渡した。
「ん、ありがと・・・って! 何や! この花は!」
何気なく受け取った花。
透明度の高い、ガラスでできた様な花。
多少、歪では有るが、花の形をしている。
予想していた路傍の花とは違い、硬質の花。
「これ、貰ってもええん?」
【ン! 作ッタ! 魔法!】
「そか、ありがとう!」
・・・ ・・・
バニングス家
「あら? これは?」
見慣れない花を見付け、疑問を持つアリサ。
「ああ、それはデュオが作って見たとか・・・
何でも、お友達のお見舞いに何を送れば良いのか悩んでいて、それで試しに創って見たとか・・・」
「そう、こんなモノも作れるのね」
「はい、来た時は、本当にお小さかったのに、あっと言う間に・・・」
そこには小さな一輪差しに、硬質な花が一輪、活けられていた。
お陰で、空腹の余り、見舞いの品に手を出したが・・・
・・・ ・・・
思い浮かぶがままに、思い描けるがままに・・・
えー、次回 クリスマス決戦!
一気に結末へ・・・飛ばします。
近日中に挙げます。忙しくなければ・・・忘れなければ・・・