魔法少女リリカルなのは DOUBLE STANDARD 作:トータス
ハヤテお姉ちゃんとこの秘密がバレタ!
でも、どうしようもない。
シグママは、取敢えず今日は帰ってくれって言ってたし、如何しよう・・・
病院の外。なのは姉様と、フェイトお姉ちゃんはまだ用が有るからって、別々になった。
「ほら、デュオ? どうかしたの?」
「寒いのかな? じゃあ、マフラー貸してあげようか?」
フルフル!
「んー、さっきから変ね。何か有ったの?」
「うん、病院を出る前ぐらいかな?」
・・・!!
「わ! ど、どうしたの!?」
急に手を持ったまま走り出され、それに追随する様に走る二人!
「ねぇ! 急に! 走ったりしたら危ないよ!」
そう言われるも、このままココに居る事が危ない!
段々と、周囲の色が替わって来る!
結界に閉じ込められた!?
如何しよう!?
なのは姉様とフェイトお姉ちゃんは、病院だった!
でも、病院の方から、結界が張られてる!
「な、何? 何なのよ!? ! デュオ! 大丈夫!?」
「だ、大丈夫、大丈夫だからね。お姉ちゃん達が、どうにかしてあげるから!」
周囲が一変した事に気が付いた二人。
混乱し、慌ててしまうが、自分が成すべき事を見極め様とする。
コク!
「と、兎に角、ここに居てもしょうがないわね。
何処か、大人が居る所に行くよ!」
「う、うん! さ、何処か、安全な所に行こうね!」
両手を引かれ、彼方此方を探し回るが、誰も居ない。
結界の端も、遠過ぎてしまう。
そうしている間に、病院の方から怪光線が飛び交い、怪獣が!
「な、何よ。あれ・・・」
「と、兎に角、逃げよう! 遠くへ!」
「わ、判った! 良い! 走り続けるわよ!
付いてらっしゃい!」
「走れなくなったなら、言ってね!
担いででも運んであげるから!」
コクコク!
・・・ ・・・
十数分後
ひたすら走り、遠く離れる事は出来た。
だが、それすらも猛威の前には些細な距離だった。
小さな足では何とか付いて行くのがやっと。
途中、アリサお嬢様がすずか姉様のカバンを持ち、すずか姉様の背に背負われた。
出来るだけ離れては見たものの、息切れしてしまい呼吸を整える為に立ち止まった。
その事に苛立ちながらも、
「くっ! このまま終わるわけないでしょ!」
「う、うん! せめて、デュオ君を!」
自分自身、不安を隠せないが、そんな姿を幼い弟分に見せたくは無い二人。
守るべき対象、誇られる対象で居たいとも、知らず知らずに思っていた。
その二人を頼もしく思いつつ、自分に何が出来るのかを考え続けるデュオ。
「あ! 危ない!」
上空から別の、知っている声が叫んだ!
背後から光球が迫るのに気が付いた!
「え!?」
「あ!?」
立ち止まった時に降ろされていた事も有り、ソレを目にするのも早かった。
だから、二人の間をすり抜け、光球の前へと出るデュオ。
「バ、馬鹿!」
「危ない!」
デュオは両腕を前に出し、着膨れた衣類の両肘の辺りから、その小さな手袋まで、内側から爆ぜる!
黝い硬質な籠手に包まれた巨大な手が、光球を受け止める!
「な、何? 何が・・・」
「え? デュオ君?」
そのまま暫く掴み続け、如何したものかと考えた末に、遠くへと放り投げた!
それはビルへと向かい、そのままビルを突き貫け、崩壊した。
「デュ、オ? 大丈夫なの!?」
「デュオ君! その手は!?」
「アリサちゃん? すずかちゃんも・・・」
「なのは? それに、フェイトも?」
え! なのはちゃん? フェイトちゃんも!?」
見慣れない二人の姿を目にして、固まってしまった。
「えっと、今はゴメン、詳しく話してはいられないの!」
そう言って、なのはは怪獣の方を向き、何やら大きな光の円陣を前に立っている。
「ゴメン、後でゆっくり話すから、ここで待ってて」
そう言うフェイトは傍に立ち、周囲を覆うドーム型の光を発生させた!
怪獣から発せられた光が、こちらへと向かって来る!
周囲を抉り、破壊しながら向かって来る光!
「キャア!」
「キャー!」
咄嗟に、二人でデュオを庇う!
自分が庇おうとしたが、体格差から庇われてしまうデュオ!
・・・光が治まり、辺りを見回すと、なのはが立っている辺りから、そこを避ける様に、破壊された痕跡が残っていた。
フェイトも、少し疲れている様子が有る。
辺りは瓦礫が降り注いだが、自分達のいる場所を綺麗に避けている。
「な、何なのよ!」
「な、何が!?」
呆気にとられる二人だが、今はそれ以上に心配な出来事が有った事を思い出した。
「あ! デュオ! 手は、大丈夫!?」
「そ、そうだ! その手、平気なの!?」
コクコク!
「そ、そう。でも、調べて貰わないと!」
「そ、そうだよ。今は大丈夫でも、解らないから!」
「アリサ、すずか、ごめん! 巻き込んで!」
そんな二人に、フェイトは謝るが、
「そ、それより! デュオが!」
「そ、そうだよ! デュオ君が!」
そちらの方が心配でならない!
「えっと、後で説明するから、三人は避難してて!」
「「え?」」
なのはからそう声を掛けられ、その足元が光り、円陣が描かれる。
呆気にとられる二人とは裏腹に。一人、円から踏み出す。
「あ! 待ちなさ・・・」
「ま、待って・・・」
「あ!」
「な、何で!?」
二人は転送され、一人、残ってしまった。
「え、えっと、如何しよう!?」
「フェイトちゃん、もう一度転送して貰えば!」
「そ、そうだった! もしもし! ・・・駄目、繋がらない!」
【手伝ウ! ハヤテオ姉チャン! 助ケル!】
一人やる気はあるが、このままにも出来ないで居る二人・・・
「と、兎に角、安全な所に居て貰おう!」
「う、うん! そうだね!」
両手を掴まれ、そのまま離れたビルに居る、ユーノの所まで運ばれた・・・・
「一寸、待っててね。直に終わらせて来るから、大人しくしててねなの」
【ヤッ! 手伝ウノ!】
「・・・困ったな。でも、デュオは遠距離を攻撃する事、出来なかったよね?」
【・・・出来ルモン!】
「え? どうやって?」
【ンート・・・】
そう言って、辺りにある瓦礫を、その大きな手で掴み上げ、投げた!
「え!?」
ゴス! ・・・届いた。
『ウワァ!』
優に500m程離れていたが・・・届いた。
クロノに当たりかけた?
「えっと、でも駄目! それはこっちも危ないから!」
【ブー!
ナラ、コレナラ?】
そう言って、左腕が変化して行く、手首の辺りが下にスライドし、多数の筒が現れた。
それを回転させながら、相手へと向けると・・・
ヴォォォォオオオォォン! ヴォォォォオオオオォォオオオォォォン!
無数の魔力弾が噴き出した!
但し、勢いに負けたのか、徐々に反り返り、大半が空へと消えて行ったが・・・
「うぉぉぉおおお! 何だ!? 今のは!」
敵と重なる機動で飛んで居たクロノ、あわや撃ち落とされそうになっていた!?
「チィ! 外れたか!」
「エ、エット、敵を狙ったんだよね?」
「ク、クロノ君、大丈夫なの?」
「な、何だったんだ!? 今のは!」
【ハズシタ! 次コソハ!】
今度こそと、狙いはクロノの方を向いている!?
「ちょ! 駄目なの!」
「だ、駄目だよ!」
「・・・イイゾ! イケ!」
最後の一つは、小声で有った・・・
【エ? チャウノ?】
「違うよ! クロノ君は悪い人かもしれないけど、撃っちゃ駄目!」(悪人と認識?)
「そ、そうだよ! 悪い人だけど、味方だから!」(混乱している)
【・・・ジャア、アレ?】
大暴れしている怪獣じみたモノ。
「う、うん! そうなの!」
「そう! アレなら狙っても良いから!」
【・・・ワカッタ! アッチ先、アレハ最後!】
左腕の手首を元に戻し、右腕を変化させる。
手首が下へとスライドし、手首だった所から筒が伸びる!
そこへ、魔力が集まり、砲撃!
怯ませるには至らないが、一寸だけ動きが鈍る。
当たった表面の色が変化し、バラバラと崩れ去る。
「やった! 当たったよ!」
「スゴイスゴイ! 今度こそ当たった!」
「・・・誤射と言う事で、もう一度行かないかな?」
【アタッタ!】
「君達、喜ぶのは良いが、味方にまで当てないでくれ・・・」
【エ? 的《テキ》ジャナイノ?】
「違う! 敵はあっちだ!
それと、その装備に関して、後で話を聞かせて貰おうか・・・」
【ヤッパテキダ! 撃ツ!】
「そうだ! 撃て!」
「ユーノ君!」
「デュオ! それは駄目!」
そんな風に暫し揉めていた・・・
アルフが声を掛けるまで・・・
「一寸! 何内輪で揉めてんのさ!
こっちはどうなるの!?」
【アウフ!】
「あ! そうだった!」
「ゴ、ゴメン! アルフ! 直行くね!」
「ちぃっ! ゴメン! 直戻る!」
「・・・後で話を聞かせて貰うからな!」
クロノはそう言いつつも、後ろから狙われないかを気にして居たりする。
撃てる間隔は長いが、的確な砲撃を繰り返すデュオ。
一寸づつ、その間隔が伸びる。
その事に気が付いてはいるが、今はそれも当てに、頼りにしなければならない。
その事が、仇となってしまった・・・
「あ!」
「逃げて!」
「危ない!」
少しだけ動いたと思ったら、一気にデュオが居る所へと、距離を詰める闇の書の闇!
フェイトは、デュオを拾い上げようとするが、そのまま諸共に呑み込まれた!
「・・・あ、ああ!」
「な、何で?」
「駄目だ! そんな、そんな事は!」
・・・ ・・・
【アレ? ココハ?】
「デュオ、お帰り」
後ろからそっと、抱き締められた。
「もう、放さないわ」
【ドゥーエ・ママ!】
「あ! お帰り!」
「お帰り! どうだった?」
別の二人の女性が現れた。
【・・・誰?】
「え? どうかしたのかな?」
「疲れてるのかな?」
「たっだいまぁー! あ! デュオ! 今日は早かったね!」
【・・・誰? ・・・ビビオ姉?】
「そうだよ? どうかしたの?
また熱でも出たの?」
【エット、コノ人達、誰?】
「? なのはママとフェイトママだよ?
忘れちゃったの?
それより、デュオが一緒に居る人は誰なの?」
【エ? ドゥーエ・ママダヨ?
ネ! ・・・エ?】
後ろに居た筈の人は、消えていた。
「それより! 今日は一緒に遊ぶ約束でしょ!
さ! 行くよ!」
そう言って連れ出された。行く先々で目にするのは、姉達で有ったり、見知らぬ誰かで有ったり・・・
ただ、知っている筈の誰とも違っていた・・・
いつの間にか、逸れていた。
ただ、無機質な通路を進んでいた。
「おや? 今日は随分としおらしいな。
どうした? 怒られでもしたのか?」
良く知る声がする。
顔を挙げると、爺ちゃんがそこに居た。
「おやおや、べそをかいて。何が有ったのか言って見なさい。
どうなる訳でもないが、話ぐらいは聞いてやれるから」
【爺チャン!】
声も無く、その胸の内で泣き続けた。
暫くして、
「そろそろ、訳を話して貰っても良いかな?」
【ン、知ラナイ人達ガ、ママダッテ・・・デモ、ソウナノ。
知ラナイノニ、ビビオ姉ッテ、解ッテ・・・
ビビオ姉? 知ッテル?】
「ほう、それで?」
【ドゥーエ・ママガ居タ筈ナノニ、居ナイノ】
「・・・それは、また記憶障害なのか?
それにしては・・・
デュオ、最近、何が有った?
思いだせるだけで良いから、言って見なさい」
【ウン】
それから、あの出来事の後、地球の海鳴市で拾われた事。
一度ミッドに帰り、それから何か嫌な事を言われてまた戻って、今度は闇の書とやらに呑み込まれた事を話した。
「成程。
・・・デュオ、心して聞きなさい。
ドゥーエはもう、こっちには居ない。
お前を庇い、逝ってしまった。
その事は、もう戻らない。
だが、お前は過去へと飛ばされた様だな。
何が有ったのかは判らないが、そちらならそう有った事を変えられるのかもしれない。
その事を、覚えていなさい。
こっちでのお前の母親は、高町なのはと、フェイト・T・ハラオウンだ。ヴィヴィオ陛下が、お前の姉で今の家族だ。
他にも、母親を任じている相手もいるな。
我々も、もちろん、お前の家族だ。
私が知る限りの過去を教える事も出来るが、それを教えて何が変わるかは、判らない。
だから、今はそれだけを、覚えていなさい。
取敢えず、一度眠り。目覚めなさい」
そう言うと、そっと背に背負い、ゆっくりと歩き始めた。
そのさほど広くは無いが、温かい背中に揺られ、段々と眠くなるのに身を任せ、眠りに着いた。
「・・・眠ったか、取敢えずは、このままと言う訳にも行かないな。
そこに居るんだろう、出てきたらどうだ?」
そう声を掛けられ、フェイトは柱の陰から出て来た。
「・・・デュオに何が起こったのか、説明して貰える?」
「なに、一時的な記憶の混濁だな、自分が過去へと飛ばされた夢を見ているのだろう。
そう言った、有り得ない記憶の経験は無いか?」
「・・・ずっと以前、闇の書の闇に呑み込まれて・・・」
「ああ、それと同じ事が、過去へと飛ばされたデュオに起り、その自分とこちらのデュオがシンクロしてしまったのかもしれないな」
「そ、そんな!」
フェイトは、その事に驚きを隠せない。
だが、スカリエッティは更に続けた。
「・・・非科学的か?
だが、未だ説明が付かん事は山ほどある。
その一角にしか過ぎん。
一応、眠らせたが、目覚めて見ない事には、何とも言えんな」
「・・・どうなるの?」
「さぁ、どうとでも。成る様にしかならんと言う事だ」
そんな話を耳にしつつ、意識は離れて行く・・・
・・・ ・・・
思い浮かぶがままに、思い描けるがままに・・・