魔法少女リリカルなのは DOUBLE STANDARD 作:トータス
何となく、こうなったかなぁ・・・と。
開墾?
作業用車両、作業用機械の扱いは慣れている。
実家(アジト)でも、手伝う代わりに扱わせて貰っていた。
だから、トラクターなんかも見よう見まね。
それと、実験用に作っていたらしい、魔法組み込み作物の苗や種。
魔法力によって育つらしい・・・
勝手に持ち出したから詳細は解らないが、一応? 安全? 食用・・・の筈?
何か有ったとしても、ココにはそれをも上回る戦力が有る!
だから・・・大丈夫?
何でも、元は地球の植物を興味本位で魔法を組み込んだらしい。趣味の範疇?
高位の魔法力が密集した状況で無いと、容易には育たないとか・・・
戦艦に使う様な魔力エンジンでは、芽が出る位・・・
高位魔力保持者が傍に居て、何とか育つか・・・だそうだ。
余り上手く行かなかったのと、実証する手間が半端無いとか・・・
それで放置されていた・・・
それをバラ蒔いて、植えて見た。
・・・ ・・・
ドヤ! =苦瓜に魔法を掛けて見たモノ
ヒマ・de・ワリィ? =向日葵に・・・
アサ・ガオー! =アサガオに・・・
ス・イカ! =スイカに・・・
ハック・サイ! =白菜に・・・
ヨー・ナシ? =洋梨に・・・
洋灯・南瓜 =水カボチャに・・・
ダイ・コーン! =大根に・・・
ニー・ジン =人参に・・・
超戦人参 =朝鮮人参に・・・
アップル・ジャック =リンゴに・・・
オニ・オン? =玉ねぎに・・・
バレッショ! =ジャガイモに・・・
ガン・ショイモ =サツマイモに・・・
エッグ・ブラスト =ナスに・・・
ガブ! =蕪に・・・
一合 二合 BⅢ =苺に・・・
怒られた・・・
バレた経緯・・・
コッソリ特訓中のティアナが不審な明かり(洋灯・南瓜)を見付け、その明りの元で練習を開始。
・・・踏み荒らされる。
よくよく見ると、立て札と柵が壊された後が・・・
立て札には、「この先、危険な農園。用も無いのに近づくな!」そう書かれていた。
少し離れた所では、スバルとエリオが必死の形相で・・・野菜に襲われていた!
・・・野菜泥棒?
一応、食べられる事は確認済みで、ス・イカ!を味(毒)見(?)させたのが不味かった。
美味しかったから、夜食に一寸摘まもうと?
ス・イカ!の自爆の餌食?
ハック・サイ! に捕まり、雁字搦めな二人。
それを、ニー・ジンによって蹴られている。
ペチペチと・・・
呆気に取られるも、兎に角二人を助けようと・・・捕まった!
ハック・サイ!を引き剥がそうとして、他の野菜も引き抜いてしまった・・・
ガブリ? と・・・
ドカン! とイモが飛んで行く!
咄嗟に手を付き、何かを掴むと、種を噴き付けられた!
咄嗟に目を庇うも、その隙に雁字搦めに・・・
スバルもエリオも同じ様な経緯の元・・・
翌朝、ほうほうの体で抜け出した三人。
如何いった事なのかを問う為、部隊隊長に直談判!
事態を重く見たハヤテは、当事者から事情を聞こうと呼び出した。
【・・・あそこまで上手く育つとは思って無かった】
「ほほう。それで、アレは全部食えるんか?」
【・・・一応? 大丈夫なはず?】
「何やその?は・・・」
【だって、食べた事無い!
あんなん食べて見ようと思う?】
「・・・じゃあ、何で育てたん?」
【さぁー、何でって?
在ったから育てて見ようかと思った!】
怒られた!
・・・ ・・・
一応、収穫し検査機関へ・・・
一切問題は認められなかった・・・
見た目、あんなだが・・・
育て方が大変で、収穫期は戦争と化すが・・・
良い訓練? と言う名目の元、総出で収穫作業?
皆で食べたが、問題無し?
広まる事は・・・無かった?
何処へ持って行っても育たなかった?
六課名物?
超!?魔法的な野菜?
ドヤ!
=育ち、実がなると念話を飛ばし始めた・・・ドヤ!と・・・
ウチは旨いんやで! 栄養豊富なんやで! ドヤ! もいでかんか? などと・・・
ヒマ・de・ワリィ?
=花が咲き始める頃から、同じく・・・
ヒマや、ヒマで死にそうや。
ヒマで文句垂れて、ワリィか?
何かヤレや、こちとらヒマでショウガナインやから。
愚痴・悪態を吐き始める・・・
アサ・ガオー!
=朝になると、ガオー! 昼になると、ギャオー! 夕方になると、グォォォオオン! と鳴き叫ぶ!
ス・イカ!
=食べ頃になると、蔦を下足の如く使い、逃げ出す!
捕まりそうになると、赤くて甘酸っぱい墨を・・・
捕まると自爆! 種を撒き散らし、敵襲を知らせ、無念を晴らしてくれる様、願う?
それを受け、他の野菜が仇討ち?
ハック・サイ!
=根っこで這いまわり、人に取り付く。
しがみ付いたら、中々離れない?
ヨー・ナシ?
=用も無いのに呼び止める。
洋灯・南瓜
=暗くなると宙に浮き、明るく周囲を照らす。
ダイ・コーン!
=見た目は大根、味はトウモロコシ。
兎に角、デカイ!
ニー・ジン
=二股で、近付く奴に脛(?)蹴りを仕掛けて来る。
超戦人参
=シュワッチ! と掛け声を掛けながら、引き抜いた相手と戦います。光線は撃てませんが、仲間を引き抜きミサイルに・・・
アップル・ジャック
=人型(男)の形をしたリンゴ。
ポージングしたマッチョなリンゴ?
オニ・オン?
=見た目玉ねぎ、抜くと真っ赤な鬼の顔(根?)が現れる?
頭の上に玉ねぎ?
バレッショ!
=食べると包み隠さず何でも白状したくなる?
副作用は・・・無い筈?
ガン・ショイモ
=抜かれると、飛び出す! 銃弾の如く!
掴まえないと、何処へと飛ぶのか・・・
エッグ・ブラスト
=触れるとその触れた相手に種を噴き付ける!
ガブ!
=引き抜くと、その抜いた相手に咬み付こうとする?
一合 二合 BⅢ《ベリー3(サン)》
=技の一号 力の二号 双方を兼ね備えた・・・
一合 迫り来る魔手を捌き続ける! 大きい! =一合升位
二合 力でねじ伏せんとする! 力強い味がする!
BⅢ 捌き、ねじ伏せ、竜巻を巻き起こす! トッテモ美味しい! らしい・・・上手く捌き、捻じ伏せられないと手に入らない? そう簡単には口に出来ない!
・・・ ・・・
・・・悪ふざけが過ぎましたが、思い浮かぶがままに、思い描けるがままに・・・
・・・ ・・・
帰省
機動六課・男性更衣室
エリオと二人、現地に紛れる為の服装に着替える。
と言っても、エリオは普段着に着替えるだけなのだが・・・
「・・・デュオ兄、如何したの? その格好」
【ん? ああ、帰る事になったから、一寸な】
その姿は、黒の燕尾服(別名・執事服)に包まれ、何時ものツナギではなかった。
そして、今は口を動かしながら話をしている。
念話は首元のチョーカーから音声に変換されていた。
「え? どうして?」
【エリオは、これから行く所は初めてだったな】
「う、うん。
ハヤテ部隊長と、なのは隊長の生まれ故郷なんだよね?」
【そう。それと、俺が育った所でもある。
今回お世話になる相手の所で過ごしていたんだ】
「へぇー。でも、何でそんな服装で、喋り方も変えてるの?」
何時もはもっと気軽な感じなのだが、今は硬く感じる。
【まぁ、コレでもそれなりに変わったって所を見せておこうかと思ってね。
実情は知られてるけど・・・】
そう言いながら、髪を掻き上げオール・バックにして、そのまま変換資質で固定化する。
今は、一寸だけ多く魔力を吸収し、肩の辺りまで長くしているその髪を軽く結えている。
【あと、向こうだと少し魔法が使い辛くなるからな】
「え? どうして?」
【土地柄も有るんだが。魔力組成が一寸だけ違ってそれに慣れるまでの間、魔法力の回復が遅くなる。
あと、魔法の事自体も秘密だ。
お世話になる相手は知っているが、余り大っぴらにするな】
「え? それなら、なのはさんたちは?」
【昔、色々有ってな・・・
その時の事が有ったから、俺もこうして居られるんだ。
その話は、また何時かな】
それだけ言うと、さっさと更衣室から出て行った。
・・・ ・・・
外では、普段着のまま待っていた三人から、
「わぁ! デュオお兄ちゃん! 如何したの?」
【これが向こうでの正装だ】
「って! そんなにカッチリした服装でないといけないの!?」
「え? そんな・・・在ったかな?」
大いに戸惑う三人。
ドレス・コードが必要な場所だったのかと・・・
「あ! デュオはそれで良いんだね?」
「うんうん! 似合うとる!
それで、もう少しカッチリしていると、もっとええなぁー」
「あら、久しぶりね。
お正月以来だったっけ?」
見慣れていると言うか、知っている三人は当り前に受け止めた。
【はい、お姉様方。
お久しぶりにございます。
では、ご案内させて頂きます】
慇懃に応えて見せた。
「お、お兄ちゃん?」
【何かな? キャロお嬢様】
「え!? えっと、デュオお兄ちゃんだよね?」
【はい、お嬢様にそう呼んで貰えるとは、恐悦至極に存じます】
「え!? ど、どうしましょうティアナさん! スバルさん! 如何したら・・・」
「さ、さぁ・・・
ス、スバルは、如何?」
「エッ!? ど、どうって言われても・・・」
【おや、少々ご無礼を・・・】
そう言って、キャロの肩口の辺りに手を持って行き、何かを摘まむ。
【この様なモノが付いておりました】
摘まんで見せたのは、コサージュ。
青い花の造花を、ブローチに仕立てたモノが現れた。
一寸硬質な感じがするそれを、キャロの手に載せた。
「え? 貰っても良いの?」
「え? どうやったの?」
「わぁ! スゴイスゴイ! 手品見たい!」
戸惑うキャロとティアナ、素直に感心するスバル。
【ハイ。お嬢様にお喜び頂けるのであれば、どうぞお使いください】
「うわぁ! 綺麗!」
「凄い! こんなの初めて見る!」
「ありがとー!」 クキュー!
そう言って抱き付いて来る!
軽く受け止め、そっと放す。
その様子を見ていた隊長達。
「まぁ、慣れたもんやね」
「そうだね、アレを見るのも大分久しぶりだけど・・・」
「結構上達してるね」
実際には、魔法を固めて作りだし、あたかも手品の如く取り出した風を装っている事を知っている三人。
【フム、コレではお嬢様には少々不似合いですね、少しお待ちを・・・
ヴィータ姉様、少々魔力をお分け頂けますか?】
辺りを見回し、近くに居たヴィータに声を掛ける。
偶々こちらを見ていなかったのか、そっぽを向いている。
だから、一寸イタズラ心が頭をもたげた。
「ん? ああ、構わないけど?」
【では、お手を拝借いたします】
「オウ」
快諾されたので、そのまま徐に手を取ると、その手を口元へと持って行くデュオ。
「・・・って! 何してやがる!」
戸惑い、赤くなるヴィータを後目に、手の甲に接吻をするかの如く恭しく口を近づけ、何かを吸い込む。
頬を脹らませたまま、それをそっと花へと吹き付ける。
「わ! わぁ!」
「へぇー!」
「わぁ!」
「あら?」
「おぉ!」
「うわぁ!」
「な、何が!?」
すると、花の色が徐々に変化して行き、薄紫の菫色へと変わる。
【こちらの色の方がお似合いでしょうか?
それとも、別の色の方が宜しいですか?】
「あ! う、ううん! これが良い!」
【そうですか。お気に入り頂けた様で、なによりです】
その様子を見ていたハヤテ、
「・・・なぁ、ウチ等には、呉れへんの?」
【お姉さま方には、無用なモノかと思われますが・・・
そこにいらっしゃるだけで、私の花など霞んでしまいます】
「そ、そんな事言っても、誤魔化されへん。
ウチも欲しいんやけど・・・呉れん?」
「うん、私も欲しいかな」
「私も、欲しいなぁ」
便乗する二人。
「ティアは、どうする?」
「え? ・・・一寸、欲しいかな?」
「だよね! ねぇねぇ! 私達の分もお願い出来るかな?」
「ちょ! スバル! 厚かましいわよ!」
【それほどお気に召しましたなら、お応えいたしましょう】
そう言うと、其々の手を取り、魔力を吸いながら先ほどの花より小ぶりなモノを、其々の魔力に合わせたモノを次々と作り上げた。
「えっと、如何したの?」
着替えが終わり、出て来たエリオには事態が呑み込めなかった。
【エリオ、一寸魔力を貰うぞ】
「え? ウ、ウン」
事態は呑み込めないが、魔力を分けろと言うからには、何がしかの意味が有ると考え、快諾するエリオ。
魔力を少し多めに貰い受け、同じモノを三つほど作り上げる。
「わぁ! コレ、デュオ兄が?」
【ああ、一つ持ってろ】
「ありがとう!」
そう言って、その内の一つを渡し、残りの二つを筒状の容器に入れる。
その容器は、そのまま簡易包装され、秘密裏にモンディアル家へと配送された・・・
・・・ ・・・
第98管理外世界・地球・日本 湖近辺の私有地
普段は人影が少ないそこに、多数の人影が現れた。
「んー! 着いたみたいやな!」
「うん! でも、まだ来ていないみたいだけど・・・」
「あ! 見えて来た!」
遠くからこちらへと向かって来る一台の乗用車。
「皆! 久しぶり!」
窓から身を乗り出し、手を振るすずか姉様。
その横では、ハンドルを握り運転するアリサお嬢様。
「久しぶり! 元気だった?」
【・・・アリサお嬢様、ご無沙汰しております】
「デュオも、元気でやってるみたいね」
【はい、すずか姉様もお変わりなく】
「で、今度は何をやらかしたの?」
「あはは! 色々とやらかしてくれたよ?」
「え? 何々? どんな事をしたの!?」
そんな話に興味深々な二人。
その話で盛り上がっている。
暫くは、終わらない?
【・・・エリオ。一寸暇になった、釣りでもしていてくれ。
お前の釣果が夕飯に反映される。
ぼうずだと、判るな?】
コクコク! と、勢い良く振られる頭。
【キャロは、薪を拾って来てくれるか?
フリードはこの辺りだと目立つけど、辺りに気を付けて飛んでいても良い。
二人は、中を掃除をしていてくれ。
俺は一寸仕事を片付けるから】
そう言うと、ログハウスの鍵を開ける。
「え? でも、何で鍵を持ってるの?」
当然の疑問を投げかけるスバル。
【それは、ココの管理者だから】
「へ? 管理者って? ここ一帯?」
【そう。色々有って、ここの管理を任されてる。
ああ、エリオ。
全く取れ無さそうなら、結界を張ってから魔法を放っても良いぞ。
それなら問題無く取れる筈だ】
「え? それって?」
【ああ、前にフェイト姉が釣れないからって、雷落とした。
それで、主まで浮いて来たっけ・・・
他にも、なのは姉が撃ち込んだり、ハヤテ姉がワカサギ釣りするって、ノリノリで凍らせたりしてたっけ・・・
ヴィータ姉は、ガチンコ漁をするって、大岩を叩いて砕いてたな・・・】
ガチンコ漁
川で魚が隠れていそうな岩場に石をぶつけ、その振動によって魚を気絶させる。
類似で、ダイナマイト漁や、ビリと言うモノもある。
簡単に思い浮かべる事が出来てしまった様だ・・・
凄い畏敬の目で四人を見ている・・・
冗談なのに、大嘘なのに・・・
流石にそこまではしなかったが、釣れなかったらそうしようかとは言っていた・・・
その後、物凄い釣れていたから、そう言った事は無かったが・・・
根こそぎになったかも?
もしかしたら、地形が変わっていたのかも?
大自然は、脅迫に負けた?
ちなみに、その時は素潜りで魚を獲っていたデュオ。
普通に食べる分は確保出来ていた。
獲れ過ぎた分(三人)は、保存が利く様に燻製にしたり・・・
人手や知識は、理解ある大人から教わった。
急遽呼んで、助けを請うた!
・・・ ・・・
その後、積もる話も済み、本題(ロストロギア)へと移るフォアード陣。
設営へと回る事で、それらを回避するデュオ。
一応、手は足りている事と、何か有ったら呼ぶ事で、暫くはお休み。
その後、応援も到着し、更に暇になったから、温泉へ・・・
・・・ ・・・
温泉スパ・フロント
言い合わせた訳ではないが、入り口で一緒になった。
「あら、デュオ? そっちは大丈夫?」
【はい、一寸休憩を頂きまして。温泉にでも浸かろうかと・・・】
「・・・そう、それにしても、相変わらずね」
アリサは、その立ち姿を見定めて言った。
燕尾服を着て、手には手拭いを持った何とも言い難い、ちぐはぐな格好だった。
「え? 何か違うんですか?」
その言葉に疑問を持ったキャロ。
「ああ、デュオはね。
温泉に行く時とかは、手拭いとかだけで、余計なモノは持たない事が多いの」
「ふぇ? 他に何も持たないんですか?」
そう言って良く見ると、手にしているのは薄い布一枚。
それ以外は、特に身に着けてはいない。
燕尾服に手拭い、如何にもしっくり来ないのだが、気にしている様子は無い。
【必要は無いからね。
手拭いが有れば、大概の事は事足りるし。
それにほぼ揃ってるし・・・】
「って、こう言うの」
そんなこんなで、二手に分かれ、温泉へ。
途中、一人女湯へと引き込まれそうになったが、しがみ付いて逃れた・・・
もう片方は、入る時に「あちらでは?」と、別の入り口を指し示された(髪が長かった為)。
・・・ ・・・
エリオと二人、ゆっくりと体を洗い、露天の方へ向っていた所。
唐突に外国語・念話が聞こえた。
『コ、ココは何処だ!?』
金髪で、ガッチリしたイタリア系と思われる男性が湯船から現れた。
「に、兄さん・・・この人」
【ああ、何だか判らんが・・・
次元漂流者らしいな】
直前に一寸した次元振動を感知。
『お、おい! ココはドコなんだ!?』
「え、えっと! 何て言ったらいいのか・・・」
【あー、日本だ】
唐突に理解出来る言葉(念話)が聞こえたからか、
『お、おお! 言葉が通じるのか!
良かった! これまでは如何にも言葉が通じず、難儀していたのだ。
ん? 君は、ゲルマン(エリオ)の民か・・・
そっちは・・・オスマン(デュオ)の民か!
ココは、平たい顔族の集落では無いのだな・・・』
一寸がっかりした様子。
何だか勝手に勘違いした様だが、こちらとしても暴れられるよりは良い。
【エリオ、一寸合わせておけ。
その方が、問題には成らなさそうだ】
「う、うん」
「あ! エリオ君、デュオお兄ちゃん! 見付けた!」
『む? この少女は・・・こんな色の髪は見た事が無い!
何処の地方の出身何だ!?』
【まぁ、そんな事より、私はデュオ。
貴方の名前は?】
珍しいモノに目を奪われるが、言葉が通じる事の方が重要だと受け止めたらしい。
『おお、申し訳ない。
私は、ルシウス。ルシウス・モデストゥス、浴場設計技師だ。
それで、相談何だが・・・
この施設について、色々尋ねたい』
【・・・私に説明できる範囲であれば、お応えしよう】
『おお! ありがたい! では!』
早々に矢継ぎ早に質問をぶつけられる!
その様子から、特に問題は無いと判断し、
【エリオ、キャロ。
この事を、なのは姉様達に・・・】
「う、うん! 行こうキャロ!」
「え? う、うん!」
こうして、エリオは女湯へと、自分から?行った?
・・・ ・・・
温泉スパ・医務室
「で? この人が?」
湯中りし、ぶっ倒れているルシウス。
それではいけないからと引き上げ、理由を付けて医務室に運んだ。
そこに、ハヤテが来てどうするかを話している。
【ああ、話からすると、大分文化が遅れてる所みたいだけど・・・
本人はローマ人だって・・・】
「・・・嘘やろ?」
【一応、簡単に見た所、変なスキルが有ってさ・・・】
「変て、どないな?」
【自己送還・帰還能力。
あんまり悩んだり、困った時に発動してるみたいで・・・
何処へ飛ばされるのかは解らない。
でも、ちゃんと帰っていたりしてるね】
念話で以て、相手の思考を読んで見た結果判った。
相手が開放的であった為、そこまで読み取れた。
「・・・どんな能力や!?」
【先ず、希少《レア》を通り越して、伝説《レジェンド》?
あと、念話なら問題なく会話が出来る】
「それは、僥倖やけど・・・」
【まぁ、未だに発動してるみたいだし、何だか繋がったままだし】
デュオの目には、何やら細い綱の様なモノが、何処かに繋がっている様に見える。
【適当な頃には帰れると思うよ?
何処に繋がってるのかまでは、特定できないけどね。
そんな事しか言えない・・・】
「・・・まぁ、このオッサンをこのままにしておく訳にもいかんし。
ちょお連れて行って見よか?」
そんな会話を枕元でしていると、件の男性が目を覚ましたようだ。
『う、ココは?』
【ああ、ルーさん。
大丈夫か? 湯中りして倒れたんだ】
『それは、かたじけない。
所で、こちらの女性は?』
【ああ、ウチの上司。
取敢えず、体が元に戻るまで、ゆっくりすると良い】
「初めまして、ウチはハヤテ言います」
『な、何だ? 何と言っているんだ?』
【こちらはハヤテ。俺の知り合い。
で、ルーさん。
ウチ等、これから宴会するんだけど、一緒にどう?】
『ム? 邪魔になってはしまわないか?』
【ああ、大丈夫、大丈夫。
ルーさん位の大人なら問題ない。
酒は、飲める?】
『ああ、葡萄酒が好きだが・・・』
【なら問題ない】
・・・ ・・・
キチンと話を通した上で、大人な二人(デビッド・士朗)を呼んで見た。
言葉は微妙なのだが、意気投合している模様。
訛りはキツイが、如何にか通じている?
お互いに差しつ差されつ、結構な量を呑んでいる。
「もー! お父さん達、呑み過ぎ!」
「良いじゃないか、無礼講だ!」
「パパも、一寸控えないと・・・」
「なに、これ位は呑んだ中には入らないぞ?」
そう酔っ払いは言うが、足元に転がる空き瓶、空き缶はかなり有る。
「まったく」
なのははそう言いつつ、空き缶・空き瓶を片付けて行く。
それを見て、アリサの方も思い付いた事を告げる。
「・・・そうね、デュオ!
この大人達に一寸作ってあげて!」
【・・・薄め?】
「ええ、一寸位なら、誤魔化せるかな?」
【・・・いっそ濃くして潰したら?】
「駄目よ。それだと余計に際限がなくなるから。
混ぜこぜも駄目だからね!」
【了解】
そう言って、ビールとジンジャー・エールを半々で割り、シャンデー・ガフをジョッキに作り、それを持って行く。
「おお! 待ってました!」
「これが無いとな!」
『ム? これは、旨いな!』
他にも、レッド・アイ、スプリッツァー、シャーリー・テンプルなど、有るモノで作り上げる。
一寸づつ薄くし、違和感無くノン・アルコールへと・・・
【なのは姉達も、要る?】
「え!?」
「そうね、貰うわ」
「私も貰おうかな?」
「アリサ、すずかまで・・・」
「ど、どないしたん!?」
なのは達が戸惑う中、平然としている二人。
「ああ、知らなかったっけ?」
「デュオ君、カクテルを作れるんだよ?
本式のバーテンダーとまで行かないけど、割と作れたはずだよ?」
「そうなの、パパが仕込んで見て、筋が良いって・・・
私とママは反対してるんだけどね。
絶対に呑ませないけど、作り方は教わってるし、好みは知ってるから任せてるみたいね」
「へ、へぇ」
そうこう言っている内に、黄色いカクテル・グラスが人数分目の前に現れた。
それを見て、アリサから手に取り、問う。
「で、これは?」
【シンデレラ、ノン・アルコール・カクテル】
「んー。パインにレモン、オレンジかな?」
すずか姉は嗅ぎ分け、中身を当てて見せた。
【当たり】
「へ、へぇー」
「ふぅん・・・あ、美味しい」
「これが・・・旨いなぁ」
「じゃあ、次もお願い」
今度は赤いカクテルが注がれる。
「これは・・・トマトね」
「一寸、タバスコの匂いがするかな?」
「ソースの匂いも・・・」
「・・・胡椒?」
「潮の香りもするかな?」
それぞれが思い思いの材料を上げ、飲み干す。
【これは、バージン・メアリー。
ブラッディー・マリーのアルコール抜き】
返事が返って来るのが一寸遅かった・・・
「「「「「・・・へぇ」」」」」
【・・・何か、変だった?】
「う、ううん!」
「そ、そや! 美味しいで!」
「あ、美味しい」
「ちょ、一寸辛いね」
「これは・・・」
【あ、でも、姉様達は・・・】
「「「「「な・に・か・な?」」」」」
【血塗れな気が・・・】
言うだけ言って、即座に逃げる!
言わなかったら言わなかったで、問い詰められるに違いない事は目に見えていたから!
だから、戦略的撤退!
・・・吊るされた!
ルシウスは、酔い潰れた時点で消えた。
無事に帰れたのであれば良いが・・・
・・・ ・・・
翌朝、やっと解放された。
そのまま朝早く、ある場所へと向かう三人。
【うぅ! 思った事を口にしただけなのに・・・】
「それが不味かったと思うよ?
所で、僕とキャロに用って、何?」
【ああ、会って話をして貰いたい相手が居てな】
「え? どんな話をすればいいの?」
【まぁ、フェイト姉の事とかを話して貰えればいいかな?
フェイト姉の縁戚でな、疎遠になってるんだが、向こうの方は気にしててな・・・
見えて来た】
そこは、泊ったログハウスと同じモノがあった・・・
【アリア姉! 来たよ!】
「はぁい! 一寸待っててね!
ほら! ママ! もう来たって!」
「え!? ど、どうしましょう! このままじゃおかしいかしら?」
「もー! そんな事気にしてられないよ! ほらほら!」
家の中から、聞き覚えのある感じの声がする。
そのまま押し出される様に現れたのは、白髪を緩く後ろに纏めた、一寸やつれた感じの大人な女性。
と、慨視感のある若い短髪の女性。
【紹介しておく。
こっちがエリオ。こっちがキャロ。
で、ウチの爺さんと一緒になった・・・】
「・・・プリシラ。プリシラ・S・テトラロッソよ・・・宜しくね」
「私はデュオの義理のお姉さんで、プリシラママの娘のアリア! 二人ともよろしくね!」
「は、はい! エリオ・モンディアルです!」
「わ、私は、キャロ・ル・ルシエです! デュオお兄ちゃんにはお世話になっています!」
「えっと、デュオ兄のお爺さんと一緒に・・・」
「えっと。エリオ君、だよね?
そ・れ・い・じょ・う・は、言わないでいてくれると、お姉ちゃん。嬉しいなぁ」
「は、はひ!」
「???」
一寸ビビったエリオ。
意味が掴めなかったキャロ。
【まぁ、フェイト姉について思った事を話して貰えると良いのかな?
あ、あと、フェイト姉には、縁戚だって事は秘密な。
向こうの事情を壊したくないし・・・】
それである程度は察する事が出来た二人。
「・・・う、うん!」
「・・・判りました!」
そんなこんなで、四方山話が繰り広げられた。
そっとその場を後にし、元来た道を戻るデュオ。
「デュオ!」
途中、耳慣れた声が聞こえ、離れた所から此方へと走って来る姿が見えた。
【あ、フェイト姉】
「何、用事って?」
【ああ、一寸ね。
アリア姉がこっちに来てるから、会えそうかと思ってね】
「でも、何でエリオとキャロが?」
【まぁ、二人とは反対の大人の視点を知る事も大切かなって・・・
フェイト姉も会ってあげて・・・もう、あんまり長くないんだって・・・】
「え?」
【・・・本当は、言うか迷ってるんだけど・・・
プリシラママ、自分の子供を手放したって・・・
その子供の名前が、フェイト姉と一緒なんだ】
「・・・そう、でも・・・」
【会って、話を聞くだけでも良いから・・・お願い!】
「・・・判った。会って話を聞く事しか出来ないかもしれないけど、それでも構わない?」
【ありがとう】
・・・ ・・・
「・・・」
「・・・」
お互いに、言葉が出ない。
「えっと、紹介するね。
こっちが私のママ。
で、私が良く話してたフェイト」
「・・・初めまして、フェイト。私は・・・プリシラ」
「? 初めまして、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンです」
何となく慨視感と違和感が有るが、デュオから聞いた事を思い出す。
唐突に、涙を零すプリシラ。
フェイトは、如何して良いのか分からずうろたえ、心配そうに見つめる事しか出来なかった。
「え!? だ、大丈夫ですか!?」
「ゴ、ゴメンなさい! 娘の事を・・・」
「あ、えっと・・・」
「・・・抱き締めさせて貰う訳には、いかないわね・・・」
「えっと・・・じゃあ、私が抱きしめる分には、構いませんよね」
そう言って、フェイトはプリシラをそっと抱き締める。
「・・・ゴメンなさい・・・ゴメンなさい。
貴女に、辛く当ってしまって・・・」
そう、そっと呟き、その胸の中で泣き続ける。
その様子を見て、そっと他の皆でその場を後にする。
暫くは、二人だけにしてあげた方が良さそうだと言う判断の元、退室する。
・・・ ・・・
エリオは部屋から出て、気になった事を尋ねてみる事にした。
「えっと、アリアさん」
「ん? 何かな?」
「・・・アリアさんて、フェイトさんの・・・」
「お姉ちゃんだよ」
「!!!」
「じゃ、じゃあ!」
「そう、あそこに居るのは、フェイトのママでもあるの・・・」
【エリオ、キャロ、黙って居てな。
せめて、もう暫くの間は・・・】
「う、うん!」
「は、はい!」
「ゴメンね、こんなウソを吐かせちゃって・・・
本当は、もっと早くにこうするべきだったんだけど・・・
気持ちの整理が付かなかったの」
【隠すつもりはない。ただ、知っておいて欲しいかなって、勝手に思っただけなんだ。
本音を言えるかは、まだ判らないけど、知らないままには出来なくてな・・・】
押し黙る二人だが、答えを出す事にした。
「僕は、黙っています」
「わ、私も!」
【ゴメンな、二人とも。
今なら、一寸だけ誤魔化せるから、コレを見てくれ】
「! デュオ!」
何をするつもりなのか、アリアは判った!
それを止めようとするが、末に遅かった。
眼帯に隠された目を見せ、今あった事を簡易的にだが、封印した。
「あ、れ?」
「え、っと?」
【如何した?】
「あ、何か大事な事を・・・何だったっけ?」
「そう、何だっけ?」
以前使った事のある、記憶を曖昧にする装置と同じ事を、魔法で行った。
ほんの十数秒の記憶を曖昧にした。
聞きたい事を聞いた認識はあるが、それが何だったのかを思い出せない。
だが、納得している自分(エリオ・キャロ)も、存在していた。
険しい顔でデュオを見るアリシア。
その意味が判るだけ、文句を言う事も出来ない。
だから目で抗議をする。
隠し事をするのは構わない。
隠している事を辛いと思わせない為に、一時的に封じる事にした。
ある一定の間、そのままであれば、自然と思い出せる位のモノでしか無い。
・・・ ・・・
帰路へと向けて歩き出す二人。
エリオとキャロは、訓練を開始すると連絡が有り、先に走って向かって行った。
フェイト姉が先を進み、その後を付いて行く様にデュオが続く。
「・・・デュオ。ありがとう」
【お礼を言われる様な事はしてないよ、フェイト姉】
「でも、言わせて。
あの人は・・・」
【・・・フェイト姉の思ってる通りだよ。
前に会った時の事、覚えてる?】
「?・・・何?」
【初めて、アリア姉に・・・イヤ、アリシア姉に会った時・・・】
「ストップ!」
後ろを振り返り、人差し指を立ててその先を止めた。
「それ以上は、言わないでいてね。
そうでないと・・・」
【・・・判った】
それを知ってしまえば、自分は執務官としての義務を行使しなければならない。
その言葉の意味が判るから、黙っている事にした。
その後は、お互いに黙ったまま歩き続けた。
別荘に着いた頃には、フェイト姉は晴れやかな顔で、訓練へと参加していた。
その後、訓練用に結界が張られ、なのは姉からフェイト姉の涙の痕の事で、全壊まで問い詰められた!
O・HA・NA・SHIしか選択肢が無かった!
だが、話す訳にもいかなかった・・・
黙秘権を求めたら、止めとばかりに更に・・・全壊した。
・・・ ・・・
アーマード・デバイス・プロジェクトは、フェイ倒産によりなの破綻の憂き目に・・・
思い浮かぶがままに、思い描けるがままに・・・
次こそは、ホテル・アグスタ編です。