魔法少女リリカルなのは DOUBLE STANDARD 作:トータス
えー、こんな風なモノが出来あがりました。
番外 六課サイキョウ編・・・
朝・訓練終了時
「よーし、朝の訓練は終了!」
そう、ヴィータ姉が宣言し、訓練は終了した。
そのまま集合し、その時の反省点などを話し合って、その後の予定を決めている様子だった。
「今日は、第二段階の認定も兼ねての訓練でした、結果は?
フェイト隊長、ヴィータ副隊長」
そう、なのは姉が尋ねると、
「そうね、問題は無いと思う」
「まぁまぁ、だな」
「と言う事なので、合格!
午後の訓練はお休みとします」
何を言われたのか判らないで居る四人。
【お休みだってさ】
「え?」
「えっと・・・今、何て?」
【だから、お休みだって】
「ああ、デュオ。
お前は居残りな」
残酷な宣告をして来るヴィータ姉。
【・・・今、何て?】
「だから、居残りだ」
【皆は?】
「休みだ」
【・・・何で?】
「お前だけ、訓練時間が足りてない」
【他の仕事があるんだけど・・・】
「休め」
【じゃぁ!】
そう言いながら手を挙げ、その場を後にしようとしたが・・・
「いや、そっちの仕事を休め。
特訓だ!」
【・・・厭だ!】
ダッと逃げ出すが・・・
「逃がさん!」
ヴィータ姉が、即座に追い駆けて来た!
「ふふふ、逃がさないよ!」
なのは姉が! 追手が増えた!
「ふぅ、じゃぁ、皆は其々休む予定を考えておいてね。
私も、デュオを捕まえに行くから・・・」
そう言って、追跡に加わるフェイト姉・・・
「えっと、デュオ兄・・・」
「え・・・」
「な、何が・・・」
「何をやっているのか・・・」
呆気に取られつつ、見送るしかない四人。
「じゃぁ、四人は予定を大体で良いから提出して行ってね」
そう、シャーリーが締めくくり、訓練は終了した。
・・・ ・・・
隊舎・正面玄関
「良い? 車には気を付けて。危ない所には・・・」
そんな風に、エリオとキャロに注意すべき事を伝えているフェイト。
片や、バイクに跨り、颯爽と街へと繰り出して行く二人。
その様子を、隊舎の窓から伺っているデュオ。
あの後、結局捕まった・・・
三人がかりで追い掛けられたら、流石に・・・
一人二人なら、まだ何とか・・・
前は三人がかりでも逃げ切れたが・・・鈍ったかな?
【・・・あーあ、行っちゃった】
「デュオ、お前は訓練が残ってるんだから、さっさと来い!」
【・・・ハァイ!
・・・まぁ、仕方がないかな?】
そんな風に諦めたが、後々もっと足掻けば良かったと思う事が・・・
・・・ ・・・
エリオから、緊急通信が入った!
ヴィヴィオ姉が、見付かったようだ・・・
あの時は、ルー姉とお茶飲んで遊んでたんだった・・・
こうなるのが判ってたら、無理やりにでも逃げるんだったぁ!
こうなってしまっては、もう出来る事など少ないのだが・・・
「デュオ! お前も来い!」
【・・・ハイ!】
そのままヘリへと乗せられ、現場へ急行する事に・・・
ホント、どうすれば良いんだか・・・
あ、あの時は・・・
ヘリを攻撃してたっけ・・・思いっきり・・・
脳裏に浮かぶは、嘗ての自分が仕出かした事・・・
ミサイル撃ち込んで、ガトリングで撃ちっ放し!
グレネードを使っての囮作戦は・・・失敗したんだった・・・
敵だって事だけはハッキリしてたし・・・
あちこち壊しまくった挙句、捕まってたんだっけ?
ディエ姉の砲撃だったなぁ・・・如何しよう?
中止して貰う訳にも行かないし・・・多分、報告したらしたで、クー姉は容赦しないだろうし・・・
もっと酷くなるだろうなぁ・・・絶対に・・・
下手したら・・・総出で出張ってくるかも!?
爺ちゃんなら、やりかねないし・・・
ウー姉に相談する暇は・・・無いな・・・
兎に角、如何にか出来る方法でも、考えておくしかないかな?
・・・ ・・・
市街地
シャマル姉から簡単な診察を受け、問題ないと判断されたヴィヴィオ。
その様子を覗き込んで見た。
【うわ・・・ちっさ!】
記憶にあるヴィヴィオ姉と比べると、自分が大きくなった事に気付かされた。
「デュオ? 不謹慎な事言わないの」
そう、なのは姉に窘められた。
「じゃぁ、一度隊舎に連れて帰るから。
皆は、残りのレリックの探索、お願いね!
デュオは、この子を連れてヘリへ戻って!」
【・・・了解!】
そのまま、小さなヴィヴィオ姉を抱き上げ、ヘリへと戻る事になった・・・
シャマル姉は、そのまま残って、索敵へ・・・
「デュオ兄!」
【何だ?】
「・・・何か、扱いに慣れてるみたいだけど・・・」
【ああ、ハラオウン家のチビ共でな・・・
おっかなびっくりだけど、大体覚えさせられた】
「そっか! じゃぁ、気を付けてね!」
【ああ、そっちこそな! ・・・見えない相手に気を付けろ】
「え!?」
既にヘリの方へ向って移動していた為、聞き返しそびれた。
「エリオ君、どうかしたの?」
「え、あ、うん。
デュオ兄が、見えない何かに気を付けろって・・・」
「エリオ! キャロ! 行くわよ!」
「「ハイ!」」
・・・ ・・・
市街地から、数キロ離れた廃ビル屋上
そこに、その姿は在った。
「ディエチちゃぁん、見えましたかぁー?」
「うん、ハッキリ見えるよ。ヘリも、デュオも・・・
本当に、良いの?」
「良いのよ、あーんな薄情者の甥っ子なんて・・・
【あっと言う間に育っちゃったんだから・・・】
良い? 取敢えず、速攻で仕留めて!」
「・・・本当に?」
「良いの良いの。
拿捕しさえすれば、後はこっちの言いなりなんだから・・・
【そうなったら、そうなったで考えてる事も有るし・・・】
ドクターが何と言おうと、早い方が良いに決まってるわ!」
「だけど、マテリアルは?」
「どーせ、デュオを捕まえれば、自動的にこっちのモノになるんだから・・・
それに、それで壊れる筈は無いし、デュオも庇う筈よ。
あら? 一寸待って。
・・・そうですか、ルーお嬢様。
では、目の前に居る赤い騎士に、こう、お伝え願えますか?
あなたは、また守れない、と。
そうお伝え願えれば、あとはセインちゃんが何とかしてくれますから。
あとの事はお任せ下さい。
・・・さて、遠慮は要らないわ! やって!」
巨大な大砲を構え、ヘリを狙うディエチ。
その足元には、幾何学模様の陣形が蠢く・・・
その様子を隈なく観察するクアットロ。
「・・・IS発動。
へヴィ・バレル、フル・ドライブ発射!」
・・・ ・・・
ブラッディー・エリオ?
一方その頃、エリオ達はと言うと・・・
「エリオ、無事?」
「だ、大丈夫かな?」
「エリオ君!」
「た、たひひょうふふぇふ!」=だ、大丈夫です!
一寸? イヤ、かなり幸せそうなエリオ・・・
自身の血に塗れているが・・・
・・・何があったのか?
地下・探索班
順調に地下道を攻略し、ギンガと合流後、レリックを回収したエリオ達・・・
「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
デュオ兄の言ってたのは、この事なのか!
「皆! 気を付けて!
目に見えない相手が居るみたい!」
「エ、エリオ君!?」
咄嗟に受け止めて、不意を突かれる事は無かったが、足元のぬめりで踏ん張りが利かず、吹き飛ばされ掛けた!
「! 判った! 一度集まって!
円陣を組むわよ!」
そう合図を出すティアナ。
「! 了解!」
「は、はい!」
「! キャロ!」
「え!? キャァ!」
不意に、襟首を掴まれ、後ろへと引き戻されるキャロ!
「キャロを、放せ!」
相手が居るであろう場所目掛け、ストラーダを繰り出す!
ガッキ!
何か、硬いモノに阻まれ、それ以上、どちらにも動かない!
「え!?」
そのまま、ストラーダごと振り回され、こちらへ向っていたスバル目掛けて投げつけられた!
「エリオ!」
「うわー!」
「エリオ君!」
「よっと! 怪我は無い?」
スバルに受け止めて貰い、何とか成った!
「は、はい!」
「きゃぁああ!」
「! キャロ!」
キャロは振り回され、レリックのケースを放してしまった!
「あ!」
飛んで行くケース!
ケースはそのまま、地面を滑りながら少女の足元で止まった。
「あ! き、君! そのケースは危険なモノだから!
近付かないで!」
「・・・」
少女はそのまま拾い上げ、立ち去ろうとする。
「はい、そこまで。
それは危ないモノだから、こっちに寄越して貰うわね」
ティアナによる牽制で足止めされ、拘束された。
・・・ ・・・
「・・・たく! ルールーも勝手に危ない事に顔を突っ込んで・・・」
アギトは、外装用デバイスを纏い、少し離れた場所でルーテシアが捕まった様子をハッキリ捉えていた。
「ルールーから、離れろ! 管理局!」
そのまま、即座に形成した火球を、相手の足元目掛けて投げつけた!
「え!? わ!」
「ガリュー」
ルーテシアはガリューの腕の中に収まり、そのまま離脱しようとするが、
「待ちなさい!」
ティアナの射撃がケースに当たり、ケースが弾かれてしまう!
「あ・・・」
「ルールー! 今はあんなの後廻しに! 捕まったらもう探せない!」
「・・・ん、判った。
ガリュー、お願い」
コク!
・・・ ・・・
火球による水蒸気爆発により、周囲に水蒸気が大量に発生している中・・・
「な、何が?」
「えっと、スゴイ胸の女の人が飛び込んで来て!」
「スバル! 何言ってるの!」
「う、嘘じゃないよ!」
「ハ、ハイ! 見ました!」
シッカリと凝視したエリオ! 一寸興奮気味? 【何処を?】
「エリオ? で、ケースは!?」
「はい! ココにあります!
鍵は、開いちゃったみたいですけど・・・」
そこには、開き切ったケースと、中に鎮座しているレリックが見えた。
「そう、それは仕方がないわね」
「おぉーい! 新人共! 無事か!?」
「ヴィータ副隊長! 不意は突かれましたが、全員無事です!」
「・・・なら良し! ・・・!? 何だ!?」
異様な震動と共に、周囲のトンネルに罅が入り始めた!
「・・・やばいな、全員退避! 殿《しんがり》はアタシが務める!
ギンガ、スバルは先行して道を確保!」
「「了解!」」
「あ、キャロ、移動する前にレリックの封印をお願い。
それで、一寸お願いがあるんだけど・・・」
「? ・・・判りました! やってみます!」
「おい! 急げ!」
「「はい!」」
・・・ ・・・
再開発市街・高架道路上
「ルールー! それはやり過ぎだって!
幾ら管理局の奴らでも、死んじゃうって!」
地雷王による地盤沈下を試みるルーテシアと、それを思い留まらせようとするアギト。
「・・・でも、アレが11番だったら・・・」
「埋もれちゃったら、捜すのが大変だよ!」
「・・・大丈夫。ドクターに回収の手伝い、頼むから・・・」
「兎に角! Dからも、あんまり表立って協力できないけど確認や、もし見つかったら奪取出来る様に手筈を整えてくれるんだから!
そこまでしなくても!」
「D・・・最近、忙しそうだし・・・食事も・・・」
「へ? あれ? 楽しみにしてたの?」
コク
「あちゃー。じゃぁ、この件が終わったら、直に連絡を取って見るから、それまでは・・・」
「もう遅い」
ゴガシャ!
トンネルが崩落し、地盤が沈下した。
「あ、ああ! あれじゃ、不味いよ!」
「? あの位なら、まだまだだってDは・・・」
「D・・・流石に、そんな事は・・・ ! なっ!」
「! これは!」
イキナリ拘束された!
ルーテシアは、肩と腕を拘束され、身動きが取れなくなった!
アギトも同じく拘束されたが・・・
何故か、必然的に胸を強調される事に・・・
「な! 畜生! 放しやがれ!」
「・・・アギト、ズルイ!」
「ル、ルールー。それどころじゃないって!」
「あ・・・」
エリオの視線がアギトの胸に釘付けに・・・
「な、何見てやがる!」
「アギトのおっきな胸・・・」
咄嗟に、その視線をかわそうと身を捩るアギト。
その振りで、たわわに揺れる!
「ち、違う!
・・・えっと、市街地における危険魔法の行使と、公務執行妨害の容疑で拘束させて貰います!」
「・・・何見てんだよ!」
「う!」
目を泳がせるが、どうしてもある所に・・・
「エリオ! そのままシッカリ見張って!」
「は、はい!」
地下から出て来たティアナとキャロ。
キャロは・・・険しい顔に?
「畜生! 放せ! 放しやがれ!」
「大人しくして!」
「ハ・ナ・セ! ・・・え?」
バランスを崩し、倒れ掛るアギト。
それを支えようとその前へと出たエリオ。
「わ! わわうぇあ!」
そのまま、支え切る事が出来ず・・・バタン! むにゅうううぅぅ!
「!? !!」
「いちちち! 顎打った・・・ あれ? アイツは?」
視界から、エリオの姿が消えていた・・・
「アギト、下」
「へ? 下?」
胸の間に、赤い髪の気がちょこっと見えている・・・
「あ・・・」
動こうにも、拘束されたままであり、上手く動けないアギト。
何とか身を捩るが、動けない。
「だ、大丈夫? エリオ?」
そうスバルが声を掛けるが・・・
「ムゴー! フゴー!」
そんな声しか聞こえて来ない。
腕をバタバタ動かしている事から、無事では有る様だ。
「と、兎に角、退かさないと!」
そう言いながら、アギトを抱き起こすスバル。
ちゃっかりしっかり揉んで見たり?
「エリオ?」
そこには、顔を真っ赤に血で染め上げたエリオが居た。
「あ・・・」
・・・一寸名残惜しそう?
「エリオ?」
「ふ、はひ! た、たひひょうふふぇふ!」=は、はい! だ、大丈夫です!
「ちょ! キャロ! エリオの血を止めてあげて!」
「は、はい!」
「ふぇ? ふひはへど?」=平気だけど?
「血が凄いから!
頭を打った時に、何処か切れたのかもしれないから、見て貰って!」
結局、圧迫と興奮が原因・・・お察し下さい・・・
・・・ ・・・
拘束されたルーテシア達に対し、尋問するヴィータ
「テメェらの目的は、何だ?
それに、他に仲間が居る見てぇな事を言っていたな?
それも話して貰おうか!」
「・・・話す事は無い。
それより・・・アナタは、また大切なモノを、守れないかもね」
「! どういう事だ! 話せ! 話しやがれ!」
詰め寄るヴィータ!
そのまま流すルーテシア。
「! ヴィータ副隊長!」
「何だ!」
「あ、あの、ヘリが、攻撃された様です!」
「! で、あいつ等は!?」
「・・・無事だと、連絡が入りました!」
「そ、そうか・・・なら、! キャロ!」
不穏な気配がして、目を向けると、地面から手が伸びていた!
「え? きゃ!」
咄嗟にエリオがキャロを庇い、その場を離脱した!
その隙に、セインによるディープダイバーでルーテシアは助け出された!
「なら! こっちは!?」
そこには、拘束されたままの人形が・・・
「な、何が?」
「ど、どうなって?」
どう見ても、デッサン用の木人を等身大にしたモノだった・・・
「・・・どうやら、逃げられた見てぇだな。
・・・! 離れろ!」
その木人は、ブスブスと煙を上げ始め・・・焼失した。
「クソ! 証拠は残さねえってか!」
実質的には、戦闘の負荷に耐えきれず、焼失・・・
・・・ ・・・
思い浮かぶがままに、思い描けるがままに・・・
・・・ ・・・
廃棄市街・上空
小さなヴィヴィオ姉の様子を見ていると、窓から見覚えのある色が・・・
あれは・・・流石にヤバイかな?
【! 来る!? ヴァイス! 攻撃が来た! 飛び降りる!】
「な! 何!?」
両手を石化し、片手でヴィヴィオ姉を抱え、もう片方でヴァイスが座っているシートを掴み、捻る!
バキバリッ! ゴキッ!
「あ! ああ! ストームレイダー!」
ヴァイスは、ストームレイダーを手放す事になってしまった!
【悪い!】
ストームレイダーからは、【Good ruck!】の一言・・・
そのまま外へと飛び出し、飛び降りた!
その反対側からは、光芒がヘリへと突き刺さらんとしていた・・・
間髪で、ヘリへの攻撃は遮られた!
「ま、間に合った!」
「へ? え!? なのはさん!?」
【あ・・・なのは姉・・・】
「え!? 何でデュオとヴァイス君が!?」
【悪い・・・飛び降りたから! 下で待ってる!】
それだけ伝え、下へ下へと落ちて行く!
手から腕へ、腕から胴へ。
足から脚へ、脚から腰へ。
一体化させ、外殻を形成・・・
【ヴァイス! 衝撃に備えて!】
「!」
それだけで伝わった!
シートに括られたまま、手足を縮め首を守っている!
ヴィヴィオ姉の方は、一時的に石化で覆い、衝撃が伝わらない様にした!
あとは、苦手な飛行魔法を! ドバンッ!
ほんの少しだけ、浮遊感があり。
衝撃を弱める事は出来た。
「・・・ツゥッ!」
【・・・怪我は?】
「あ、ああ・・・今の所は、何とか・・・」
【・・・ヘリは、無事だったみたいだな】
上を見上げると、無事な様子のヘリが目に映った。
ヘリはそのままホバリングを続け、安全な着地点を求め、ゆっくりと移動を続けている。
「な、何!? だったら、こんな真似しなくても・・・
イヤ、間に合ったから良かっただけか・・・
ありがとうな、デュオ!」
【あ、そんな事は・・・ヘリを壊しちゃったけど・・・】
「・・・まぁ、仕方がないさ。
咄嗟であれだけの事があった訳だしな!
また直せばいいさ!」
・・・ ・・・
「あらー? 如何なってるのかしら?」
「・・・防がれた。それに、デュオは直前に飛び下りてた」
「ちっ! 勘の良い子ね!」
そう言いながら背を向け、帰り支度を始めるクアットロ。
「クアットロ、それは本気?」
「まぁ、ね。兎に角、とっとと引き上げましょ。
こんな所には長居は無用よ」
「・・・判った」
・・・ ・・・
廃棄市街・上空
「・・・居た!
こちらフェイト、犯人を補足したわ!」
【了解! こちらも、ヘリと乗員の無事は確認出来ました!
ただ、損害は出た模様です!】
「・・・誰か、怪我人が?」
【いえ、緊急脱出の際、ヘリのコクピット・シートが壊された様です。
あとは、ヴァイス陸曹が、軽度のムチウチかもしれないとの連絡がありました!」
「そう。では、こちらは犯人を確保します!」
【了解!】
「待ちなさい! あなた達には、市街地における大規模破壊魔法の行使、及び公務執行妨害の疑いが掛けられています!
ただちに武装を解除し、大人しくこちらの指示に従いなさい!」
廃ビル屋上に立つ二人に対し、フェイトは警告するが、
「はぁ? 待てと言われて待つ相手はいないわ!」
「同感。さっさと逃げよう」
「IS発動、シルバー・カーテン!」
その言葉と共に、姿が見えなくなった!
「・・・光学迷彩? そちらでは、補足してる?」
【やってみます! ・・・大体の方向は掴めましたが、暫く掛りそうです!】
「その方角を教えて!」
【えっと、フェイトさんから、進路北北西へと向かっている模様です!】
「了解!」
・・・ ・・・
目を開けると、知らない厳つい仮面であった・・・
「う・・・うあああぁぁぁぁ!」
【大丈夫。怖くない怖くない】
「うぅ?」
【ヴィヴィオ姉、大丈夫だよ】
「え? うん・・・」
自然と、安心出来た・・・
知らない筈なのに、何故か、分かってくれる・・・
「・・・ココは?」
【あー、何処だろうね?】
辺りは廃ビルの屋上。
高い建物しか見えない。
その閉塞感が、怖くなった・・・
「う、ヒグッ、マァマァー!」
【あー、ヴァイス! 助けて!】
「え!? 俺!? ヨーシヨシ、怖くない怖くなーい」
「・・・ヴァアァァァァァ!」
酷くなっただけだった・・・
「う、スマン! 駄目だった!」
・・・ ・・・
仕方なく、ヴァイスに周囲の警戒を頼み、ビルの中へ入り、外殻を解除した。
両手はそのままにして、抱き上げた。
「うあ? わぁああ!」
急に視点が高くなった事と、怖い顔から人の顔になった事で安心した様だ。
目をキラキラさせ、こちらに触れて来る。
暫くはそのままにし、落ち着いた頃。
【・・・お名前は?】
「・・・ヴィヴィオ」
【そっか、ヴィヴィオか。
他に、何か覚えてる?】
「・・・分かんない」
【そっか・・・じゃあ、何か思い出せたら、教えて貰っても良いかな?】
「・・・ウン!」
【ヴィヴィオは、良い子だね】
そう言いながら、くしゃくしゃと頭を撫でた。
「・・・くすぐったい!」
そう言ってはいるが、嫌がっては居ない様子で、されるがままだった・・・
「おーい! そろそろ良いか?」
顔を覗かせ、こちらを伺っているヴァイス。
【ヴィヴィオ、あのお兄さんは、ヴァイスで、デュオ。
言ってごらん?】
ヴァイスを指さし、こちらも指さしながら言った。
「バイス? デオ?」
【・・・万力だね】
「そっちこそ、デオだとさ・・・」
【仕方がないよね】
「まぁ、な」
【子供の言う事だもんね・・・】
一寸緊張が解れたのか、そのまま暫くしたら、眠ってしまった・・・
コクピット・シートを持ち込み、それを伸ばして寝かせる事にした。
・・・ ・・・
思い浮かぶがままに、思い描けるがままに・・・
・・・ ・・・
再開発地区・ビル内
戦闘による破壊音が聞こえなくなり、暫く経った。
「・・・そろそろ、出ても良い頃かな?」
【多分、戦闘は終わってると思う】
「なら、様子を見ながら外へ確認しに行きますか」
【・・・だね。そろそろ捜しに来る頃だろうし】
【ヴァイス! デュオ! 何処に居る?】
「っと、噂をすればなんとやら。
こちらヴァイス。戦闘は終了しましたか?】
【・・・ヴァイス陸曹を確認! 今、どちらに?】
「えっと・・・ここは・・・」
【高層ビル内に居ます。
外に出るので確認を】
【了解!】
「じゃ、行きますか」
ヴァイスには、ヴィヴィオ姉を背負って貰い。
自分はシートを手に持ち、警戒しながら外へと・・・
・・・ ・・・
外へと出ると、エリオ達が迎えに来た。
「デュオ兄! 無事だったんだ!」
【・・・そっちは?】
「あ、うん! こっちも特に怪我はないよ!
ただ、レリックのケースは盗られちゃったけど、中身はちゃんと確保出来た!」
【そっか、頑張ったな】
エリオの頭をクシャクシャに掻き回す。
「わっわっ!」
そうされても何だか嬉しい様で、されるがままのエリオ。
その様子を見て、一寸羨ましそうなキャロ。
「あ! でも、一番活躍したのはキャロなんだよ!」
そうされながらも、エリオはキャロが如何に活躍したのかを説明しようとする。
【ふうん? どんな風に?】
「えっと、レリックを封印して、そのまま帽子の中に隠してたんだ」
【ほぅほぅ。キャロ、おいで】
「え、う、うん! きゃ!」
そのまま抱え上げ、肩に座らせる感じに担ぐ。
【・・・頑張ったな】
「うん!」
その肩の上で、満面の笑みを浮かべている・・・
・・・ ・・・
アジト内・通路
アジトに戻り、一息付く三人。
「二人ともお疲れー!」
「お疲れ様」
先に戻っていた、セインとルーテシアから労いの声が掛けられた。
「まったく! 折角のチャンスだったのに!」
そう憤慨しているクアットロ。
「・・・どったの?」
「ん? 知らん」
「デュオの乗ったヘリを撃ち落としそこねた」
セインの問い掛けに対し、返事を返すトーレとディエチ。
「へぇー、って! 何それ! 聞いてない!」
「あんな薄情な甥っ子には、キッツイお仕置きが必要なのよ!」
「でも、気付かれた時点で外へと飛び出してたし。そのまま落とせたとしても逃げ切られたと思う」
「ふむ、相変わらず、逃げ足と勘の良さは健在か・・・」
何気なく物騒な事を聞き咎めるセイン。
未だ収まりがつかないクアットロ。
別の点で関心を示すディエチとトーレ。
それでも気が治まらないのか、
「そう言えば、セイン。レリックは?」
「あ! そうそう! 中身の確認がまだだった!」
手近な所にケースを置き、指先を透過させ、開錠した。
「どれどれ? ・・・あれ?」
「ん? 如何した?」
「あ・・・」
中には、赤いビロードが敷かれ、金色のナンバー・プレートはあるが・・・
目的とされるレリックは収まってはいなかった・・・
「どっかで落っことして来たとか?」
「・・・違う」
番号を確認し、目的のモノでは無い事を確認したルーテシアは、そのままその場を離れて行った・・・
「はぁー、骨折り損だったわね」
そう言いながら、自室へと戻ろうとするクアットロ。
「あっちゃー、向こうが一枚上手だったか・・・」
「その様だな」
「仕方が無いね」
・・・ ・・・
なのは達を残し、帰還するヘリの中・・・
取敢えず、ヘリのシートは元には戻らないが、魔力変換で固定してそのまま帰還する事になった。
そんな中、何気に疑問を持ったキャロ。
「あ、そう言えば、デュオお兄ちゃん」
【ん? 何だ、キャロ?】
「特訓って、どんな事をしていたの?」
【・・・上空3000m位の所から突き落とされた】
「「「「え?」」」」
【・・・空戦スキルを身に付けろってさ。適性無かったんだけどね・・・】
「えっと、それで・・・」
【・・・何とか着地位ならね】
「それで助かったんだから、良いって事じゃないか?」
話しにヴァイスが口を挟んで来た。
【だけど・・・どうやったのか、聞いてからにして貰いたいね】
「な、何が有ったの?」
【フェイト姉に、一気に上空まで連れて行かれて・・・】
「ウンウン」
【そのまま紐ナシバンジー・・・】
「へぇ・・・え?」
【途中、なのは姉かヴィータ姉が待ち構えてて、そのまま攻撃して来たり・・・】
「え、ええ!?」
【攻撃を食らったり、着地出来無さそうだとやり直し。
ギリギリの所で、設置されてるバインドで絡め取られたりするね】
「えっと・・・それで?」
【まぁ、元々飛行って言っても、一気に上に飛ぶようなのしか使えなくってね。
噴射機《バーニア》みたいに短時間飛ぶのがせいぜいだから。それを使って速度調整しながら、何とか軟着陸するまでには成ったよ。
パラシュート降下しながら戦闘する感じだから、今一だけどね】
その時、その場に居た全員が思った。
なのはさん達からは、空戦スキルを教わらない様にしようと・・・
せめて、ある程度は自力で習得してからでないと・・・
スパルタでトンデモナイ事に・・・
・・・ ・・・
思い浮かぶがままに、思い描けるがままに・・・
・・・ ・・・
六課サイキョウは、誰!?
フォワードとメカニック陣に混じって仕事をしていたデュオ。
何の話だったのかは忘れたが、六課で最も強いのは誰かと言う話になった。
なのは姉が!
シグ姉が!
ハヤテ姉が!
フェイト姉が!
ヴィータ姉が!
諸説様々な意見が挙げられた。
思い当たる節も有り、取り敢えずは静かに聞いていた。
意外とシャマル姉とザフィーラの名前は挙がらない。
「ところで、デュオ兄は?
誰が一番だと思う?」
【・・・シャマル姉】
「「「「「「え!?」」」」」」×?
意外な答えに全員が振り返った!
【・・・そんなに不思議か?】
「う、うん!」
「そ、そうよ!」
「な、何でか、聞いても良い?」
「ど、如何して!?」
「お、おう!」
「ど、どの辺りが!?」
「うーん、そうは見えないけど・・・」
「そうだよねー」
皆は知らない、あのシャマル姉の恐ろしさは・・・
それは、10年ほど前の、ある夏の日・・・
何時もの様に、八神家へ遊びに行った日の出来事だった・・・
目当ては、ハヤテ姉の魔法の練習で作られた副産物(氷塊)を片付けると言う名目の、かき氷パーティー!
偶に、カチ割になる事も・・・
飽きたからって・・・刃が駄目になったからって・・・
レヴァンティンを借りて斬ろうとするも・・・そんな事に使われたくないのか・・・抵抗・・・
氷が溶けた・・・炎熱で・・・
・・・連日開催される。 ・・・寒くなるまでは・・・
それを食べて居た時にそれは起った・・・急な歯痛。
ほっぺたを抑え、蹲る自分に、シャマル姉は・・・
クラール・ヴィントで拘束し、即座に原因を調べると・・・
その時の、クラール・ヴィントの動き・・・
何故か先端だけ、謎の高速回転!
そして、何時ものシャマル姉のウッカリ癖を良く知る者にとって、それは途轍もない恐怖でしか無い!
「な、成程・・・」
「わ、判るかも・・・」
「そ、それは・・・恐怖ね」
「う、うう! こ、怖いよ!」
「そ、それは・・・」
「怖いわね」
「ど、如何しよう! 最近、甘い物を食べ過ぎている気が!」
チッチッチッ!
【それだけで済めば、まだ良い】
「な、何!?」
「まだ続きが!?」
「お、おい! 誰か、止めてくれ!」
「イ、イヤよ! ココで止めたら、気になってしょうがないじゃない!」
「う、うん!」
「そ、それで!?」
キャー!(フリード?)
ああ、あの事を思い出すとは・・・
その時は、冷たい物の食べ過ぎであり、特に問題は無かった・・・
だが、本当に痛がった人(ヴィータ)は、逃げ出した・・・
「つ、続きは!?」
「ど、如何なるの!?」
「う、うう!」
クラール・ヴィントの拘束から逃れ、逃げ切ったと思われた人は・・・
歯を、失った。
遠隔召喚により、歯だけを呼び出し、一本一本調べ挙げられた・・・
謎の震動と共に・・・
「「「「ぎゃああぁぁぁぁあ!」」」」×5?
全員が思い浮かべる事が出来た様だ・・・
口が開いていないのに、歯には謎の震動と共に、歯垢が削られるという恐怖が・・・
その後、暫くの間、シャマル先生の前では最敬礼をする隊員が続出した!
脂汗を流しながら・・・
次回 確認
私としてはこうなるのではないかと・・・
最強は最恐へと化しました。