魔法少女リリカルなのは DOUBLE STANDARD   作:トータス

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食べ物で遊んでおります。


好き嫌いと戦う戦士?

 あの模擬戦の翌日、顔が腫れ上がった。

 

【シャママ、湿布くれ】

「あらあら、腫れたわねー」

【まぁ、仕方が無いんだけど。体も痛い】

「じゃぁ、そこに横になって。

簡単にだけど、検査するから」

【ハーイ】

 

 

   ・・・   ・・・

 

 

【って訳で、今日はドクター・ストップ】

 

 顔に包帯を巻き、体が痛いからデバイス・ステッキを突いて歩く。

本来の使用用途でもあり、上手く機能している。

 

「まぁ、アレだけすればなぁ・・・」

「じゃぁ、今日は見学だね」

 

 ヴィータ姉となのは姉は納得してくれた。

 

「あ、そうそう。マリーとギンガがウチの部隊に合流するんだけど・・・デュオ?」

 

 そうフェイトが告げるのだが、その名前を聞いて顔色が更に悪くなる。

 

【今、誰が来るって?】

「え? マリーとギンガだけど?

そう言えば、ギンガとデュオは一緒だったね」

「へぇー、どんな関係だったんだ?」

【バディを組んだ事もあったけど・・・敵だ】

「は? えっと、今何て?」

【アイツが来るのか・・・良し、今日は寝て治すから!】

 

 そう言って逃げようとしたのだが・・・

 

「駄目だよ、デュオ。

そんな理由なら、許可は出来ません」

【なのは姉はしらないから、ギンガの事を・・・】

「え? 礼儀正しかったと思ったけど?」

「そうだよ? 私も会ったけど礼儀正しいし、キチンとしてたと思ったけど・・・」

【それは猫を被っているんだよ。

本当の所は・・・】

「あ! デュオ! 久しぶり!」

 

 遠くから声を掛けられた。

 

【あ、ギンガ?】

「や、久しぶり」

【マー姉も?】

「えっと、この間の潜入捜査以来かな?」

【まぁ、そうだね】

 

 その様子を見て、スバルが口を挟む。

 

「アレ? ギン姉、デュオの事知ってるの?」

「え? スバル、知らなかったの?

一応、同窓よ?

それに、良く話したじゃない」

「え? ええっと・・・ギン姉が罠を仕掛けてくれとか頼んでたって相手?」

「・・・ギンガさん、デュオって前の時もあんな感じなんですか?」

 

 そうティアナが尋ねると、

 

「え? 違うの?」

「はい、結構下の子達の面倒見も良いし、料理も上手だし・・・」

「へぇ、良いな。

私にはそんな事してくれた事、なかったなぁ」

【そりゃ、手が足りないとか言って女子寮に連れて行かれたりしたらね】

「そ、それは・・・あんなに髪が長くて小柄で、料理も出来るなら・・・」

【だからって、間違われてたとは思いたくなかったよ】

「え、そうだったの!?」

 

 意外な関わりに驚くスバル。

 

「ま、まぁ」

「他にも、色々なデバイス作ったりしてたし・・・」

「そうそう、私もスクラップで良いから、パーツ廻してって頼まれたし」

「マリーさんも?」

「私は、新しいタイプのデバイスを作るからって、色々質問されたりしてたよ?

そう言えば、アーマード・デバイスは如何なったの?」

【・・・壊された】

「へ? 壊されたって、そう簡単に壊れない筈じゃぁ?」

 

 参考までに見て貰ったりもしていた為、どの程度の強度があるかは知っている。

 

【なのは姉の全力全壊には対応しきれなかった】

 

 その理由なら納得できるのか、当たり前に受け入れて貰えた。

 

「・・・そっか。で、その時のデータは?」

【ある。それは何とか死守出来た】

「よーし、それは上出来。

直に役に立たなくなるかもしれないけど、そのデータが有れば次は何とか出来る筈だよ」

【そうなれば良いんだけどね。

後で見て貰っても良い?】

「うん、良いよ。

後でと言わずに、今から行こうか!」

【ウン、一刻も早く!】

 

 そんなこんなで、逃げ出した。

 

 

   ・・・   ・・・

 

 

 一応、アーマードの方は一段落し、復旧の目処が付いた。

その後は、マリーも午後は用事があるとかでお昼に・・・

 

「うう、ピーマン。キライ」

「駄目だよ、ヴィヴィオ。

好き嫌いは良くないよ」

「そうね、ママみたいな美人になれへんよ」

「うう、でも、苦い」

 

 それを見ていて思い付いた。

 

【ヴィヴィオは、ピーマン嫌いか?】

「うん、キラーイ!」

【・・・そっか、それじゃあ、今日はモッタイナイお化けが出るぞ】

「モッタイナイお化け?」

【ああ、食べ物を粗末にするとな、出るんだ】

「・・・どんなお化け?」

【ん? んー、そうだなぁ。一寸待ってろよ】

 

 そう言って、厨房の方へ向う。

 

「さ、ヴィヴィオはこのピーマンを食べようね」

「えぇー、イーヤー!」

「ヴィヴィオ、好き嫌いは良くないよ。ピーマンはとっても栄養価が高いんだよ?」

 

 なだめすかし、何とか食べさせようとしていると、ピーマンに手足が生えたニ等身の侍の如きモノが、トテトテと自分で皿を運び、運んできた皿に自分から乗った。

 

【拙者、ピーマン侍デアル!】

 

 頭部と胴体がピーマン、大根のかつら剥きの白装束、昆布な黒帯を締めて、手足は人参のグラッセであった。

 

【ヴィヴィオ殿ニソコマデ嫌ワレルトハ・・・

拙者、コノママデハ、作ッテ頂イタ方ニ顔向ケガ出来ヌノデアル。

ナノデ、ココデ朽チ果テルマデ!

ドナタカ! 我ニ介錯ヲ!】

 

 誰もが何事かと目を見張る中、ピーマン侍は、はたと側に居る相手に目を止めた!

 

【・・・オオ! ソコニオワスハ、白キ悪魔ト呼バレルえーす!

ゴ無礼ト存ジマスガ、ココハ介錯ヲオ願イイタス所存!

ナニトゾ、ナニトゾ、介錯ノ程ヲ!】

「え、ええ!? 私!?」

「な、なのはに!?」

「ふぇ?」

 

 徐に、側に在ったフォークを手に取り、自分の腹(?)に突き当て、

 

【サァ! 介錯ノゴ準備ヲ!】

「ま、待って待って! 何でそんな事に!?」

【拙者、人様ニ食ベテ頂ク為ニ生レテ来タ所存。

ソレヲ嫌ワレタトアラバ。セメテ、コノ意気込ミヲヴぃヴぃお殿ニ知ッテ頂キタク、イザ!】

 

 ブッスリと刺さるフォーク!

溢れ出る赤い粘性の液体(ケチャップ)が、皿を赤く染め上げる!

 

【サ、サア! カ、介錯ヲォォ!】

「・・・わ、判りました!」

 

 その勢いに押され、エイッとばかりに真っ二つに切り割るなのは。

その皿の上で、湯気を立てながら転がるピーマンの肉詰め。

 

【サ、サスガ・・・ガクッ!】

「え、えっと・・・」

 

 ザワつく食堂。

 

「オ、オイ、見たか?」

「ああ、躊躇なく叩き切ったぞ!」

「さすが、管理局の白き悪魔」

「不屈の精神」

「エース・オブ・エース」

「な、なのはちゃん?」

「・・・なのは」

 

 そんな声が囁かれる中。

意を決し、それ《肉詰め》に手を付けるヴィヴィオ。

 

「・・・エイ!」

 

 フォークの刺さったそれを、思いきって一口!

 

「・・・美味しい」

【そーだろ、好き嫌いは良くないぞ】

「あ! デュオ兄!

今のが勿体無いお化け?」

【そう、目的を果たせなかったら、あんな風になってしまったりするんだよ。

だから、お残しはしない様にね。

キャロも、食べれたよなー。

勿体無いお化け、人参の騎士がそっちへ向う必要があるかな?】

 

 ギクッとばかりに、エリオの皿に人参を移動させようとしていたキャロの動きが、止まった。

そこには、フライドポテト《馬鈴薯》で出来た馬と、人参のグラッセの騎士が、ステーキな舞台の上で待ち構えていた・・・

 

【拙者、人参ノ騎士、カロッテ・グラッセ!

故有ッテ、ココニ参上!

イザ、尋常ニ、勝負!】

 

「うわぁ! ・・・どうする?」

「わぁー! どうする? 私が食べても良いけど?」

 

 エリオは気を利かせ、自分は構わないと意思表示するが、ステーキな舞台の方がお気に召しそうだ。

スバルも舞台の方がお気に召した様子。

 

「・・・うぅ、はぁい」

 

 キャロは思い切って、自分の口へと運んだ。

 

「・・・デュオ」

【何、なのは姉?】

「今のって」

【ああ、一寸したゴーレム?

挽き肉に魔力を込めて、一寸だけ動かせるようにして見た。

あとは・・・腹話術みたいに?】

「じゃぁ、デュオには梅干しさんが来るんだね?」

【え、ないよ? 厨房には】

「・・・ハヤテちゃん! ココのメニューに梅干しを!」

「よっしゃ!」

【む! 用心棒の納豆先生、出番だ!】

「な、何!?」

 

 何気なく、厨房の方へと目を向けるハヤテの視界には・・・

藁人形(?)が此方を伺っていた。 

 

「ゴメン、なのはちゃん!

私には無理やった!」

 

 速攻で敗れた? 敗因は、呪われそうであった為?

 

 

   ・・・   ・・・

 

 

思い浮かぶがままに、思い描けるがままに・・・

 

 

   ・・・   ・・・

 

 

 苦手なモノを食べ終わったのを確認すると、

 

【ホイ】

 

 ヴィヴィオとキャロの前にイチゴウの載ったショートケーキ。

 

「え? ええ!?」

「わぁ!」

【戦いに討ち勝った勇者にはご褒美を出さないとね】

「あー、良いなぁー。私には?」

 

 そんな事を言って来るスバル。

 

【戦った勇者にだけだよ】

「じゃあ! 戦ったら良いの?」

【・・・良いよ。その代り、無事に勝てたらね】

「判った! じゃあ、何と戦えば良い?」

【厨房の裏手にあるのと戦って勝ち獲って来れたら】

「デュオ兄! 僕も良い?」

 

 エリオが参戦を希望しています。参加させますか?

 

【良いよ。戦って勝ち獲ってこれたらね】

 

 それを聞くなり飛び出していった二人。

 

「ちょ、一寸! 待ちなさいよ!」

 

 そう言いながら気になるのかティアナも後を付いて行った。

 

「おいおい、良いのか?」

【・・・何が? ヴィータ姉】

「アレって、アレだろ?」

 

 ショートケーキの上に載っているソレを見て聞いて来た。

 

【うん。さっき一度に二回連続で獲ったからニゴウをすっ飛ばして進化してたよ】

「それで?」

【今、B3=ベリーサンになってるからそう簡単には勝てないね】

 

 そんな事を言っていたら、

 

「「うわー!」」

 

 遠ざかる悲鳴!

 

「スバル! エリオ!」

 

 それを心配するティアナの声が聞こえて来た。

窓の外では、竜巻に巻き上げられたらしい二人の姿があった。

 

【それに、簡単な方をって思ったら・・・】

 

 裏手の方から爆発音が連続して聞こえて来た。

 

「な、何が!?」

【ああ、ニセ・イチゴウニゴウの方に手を出したんだ】

「何があった!?」

【あっちは似てるけど、爆発するんだ】

「無事か!?」

【平気平気。イチゴ塗れになるだけだから、赤く染まってると思う】

「う、うう、何? アレは」

 

 赤く染まったギンガが入って来た。

 

【ギンガ、イチゴに手を出した?】

「え? ええっと、美味しそうだったから一寸・・・」

 

 そう言っていると、一抱えは有りそうな塊を持ったシグナムが入って来た。

 

「何か分からないが、イチゴが手に入ったが・・・」

【あ、シグ姉が勝ったんだ。じゃあ、切り分けるから】

 

 そう言って、切り分けたそれは隊長陣の口へと消えた。

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