魔法少女リリカルなのは DOUBLE STANDARD   作:トータス

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前編です。


六課襲来! 《前》

進展

 

「えっと、デュオ兄宛に、小包が届いたって」

 

 そう言いながら、エリオ達が大荷物を届けに来てくれた。

 

「これは、何処におけば?」

 

 ・・・荷物が届いた。

これが届いたとなると、そろそろ始まると言う事か・・・

 

【ああ、その辺の空いてる所に置いといてくれ】

「判ったー」

 

 そう散らかってはいないスペースに持ってきたモノを置いて行く。

 

「・・・所で、何が届いたの?」

【・・・実家からだな。

そろそろ帰って来いって、催促だ。

あと、試供品かな?】

「へぇ・・・実家って、どこ?」

【ん? 一応ミッドだけど、ほぼ会社だな。

JS製薬はしってるか?】

「え? うん、今一番大きな会社だよね?」

【そこだ】

「ふうぅ、ん? えぇ!?」

【今は姉さんが会長代理をしてる】

「えっと、あの?」

【そう、近々売却するって方向で纏まって来たかな?】

「あんなに大きい会社なのに?」

【大きいから面倒だと。もう少し気楽にしたいってさ】

「そ、そうなの?」

【そう言うモノらしい】

 

 

   ・・・   ・・・

 

 

六課襲来!

 

 

 その知らせは、ロビーをざわめかせた。

 

「おい! 聞いたか?

地上本部が襲撃されたらしいぞ!?」

「何!?」

「それで、隊長達は!? 無事なのか?」

 

 

   ・・・   ・・・

 

 

 始まった。

 

 ギュウ! っと不安な様子で、こちらの手を握って来るヴィヴィオ。

 

【・・・大丈夫。必ず帰って来るよ】

「! ホント?」

【ああ、ヴィヴィオのママは、嘘吐かないだろ?】

「うん!」

【じゃあ、大丈夫。

怖いかもしれないけど、待って居ような】

「うん!」

 

 安心したその様子を確かめ、

 

【・・・アイナさん。一応、警戒すべきですから、コレを】

 

 そう言いながら、カード・キーを手渡す。

 

「えっと、これは?」

【隔離工房、オレの部屋のスペア・キーです。

もしもの時は、これで中へ。

一応、シェルターの代わり位には成る筈ですから】

「え? そんな・・・」

【お守りです。そうならない事に越した事は無いけど・・・

いざとなったら、ヴィヴィオ達を連れて、立て篭もって下さい】

「・・・判りました。では、預からせて下さい」

【・・・そうならない事を、願いたいんだけど・・・

取敢えず、ヴィヴィオ。

アイナさんと一緒に居てな?】

「・・・や! デュオ兄と一緒!」

 

 そう言いながら、手をシッカリと放さない。

 

「ほらほら、ヴィヴィオちゃん。お兄さんが困ってるわ」

【ヴィヴィオ、これから一寸行かないと駄目だから、直に戻って来るよ】

「・・・ホント?」

【ああ、約束するよ」

「じゃぁ、約束!」

 

 そう言いながら、小指を差し向けて来た。

 

【はい、指切り拳万、嘘吐いたら・・・】

「おやつ、ぜーんぶ頂戴!」

【・・・ハイハイ、オヤツね】

「約束だよ!」

 

 そう言って、別れた。

 

 

   ・・・   ・・・

 

 

機動六課・本部・正面入口

 

 来る事は、判っていた・・・

だけど、今はまだ、六課の人間だから・・・

 

 既に、幾らかの傷を負ってなお立ち塞がっている二人に対し、

 

【シャマル姉、ザフィーラ。

助太刀するよ】

 

 アーマード・デバイス・ブリアレオスを纏い、その両腕に持てる、取り扱える限りの武装でもって当たる事にした。

 

「助かるわ。でも、手強いから!」

「助勢はありがたいが、気を抜くな。

数で優位に立っても、相手は手強いぞ!」

【・・・判ってる】

 

 

   ・・・   ・・・

 

 

 向かい合い、お互いにしか伝わらない回線で話す。

 

【初めまして、かな?】

 

【・・・確かに、そうだな】

【それで間違いはないが、我々は既に出会っている。

言葉を交わすのは初めてだから、それでも間違いはないだろう】

 

【うん、オト姉、ディー姉。

このまま引き下がって貰えるって事は・・・無理だよね?】

 

【無理だな。お前が此方に帰って来るのであれば、考えなくもないが・・・】

【それで、簡単に考えを変える様な甥では無い筈だ】

 

【じゃぁ、仕方が無いよね?】

 

【ああ、手加減はしない】

【それで、私達が連れ帰る】

 

 

   ・・・   ・・

 

 

「レイ・ストーム」

「くっ、クラール・ヴィント! 防いで!」

 

 雨の如く、機動六課・宿舎へと降り注ぐ攻撃!

それを辛うじて防ぎ切るシャマル!

 

 動きの止まったオットーに対し、攻撃を仕掛けるザフィーラ!

それに対し、ディードの双剣が翻る!

 

「ツイン・ブレイズ」

【ザフィーラ!】

 

 ガトリング・レフトで牽制するが、間にⅠ型・Ⅲ型が割り込み、防がれた!

地面に叩き付けられるザフィーラ!

 

「ザフィーラ! ・・・デュオ、お願い。

直に引き返して・・・ここは、私達が時間を稼ぐから・・・皆の避難誘導に!」

 

 魔力も底を突いている筈だが、それでもなお時間を稼ぐと・・・

 

【でも、シャマル姉とザフィーラが!】

「行って! これは、上官命令です!

・・・お願い。皆を、守って・・・」

 

 背中越しに、涙声で言われた。

 

【・・・判ったよ、シャママ。

だから、死なないでね】

 

 そう言いながら、持っていた玉をそっと足元に置いた。

 

【石竜・起動】

「え!? な、何が!?」

 

 シャマルとザフィーラを中心とした、竜と言うよりは八足の蜥蜴に近い、竜の如き防壁が張り巡らされる。

その硬質の体内に収まっている。

 

【ゴメン、暫くはそのままだから、今の内に回復して。

走れ!】

 

 そのまま、竜の中に収められたまま、その防壁ごと走り出した!

 

「ま、待って! まだ戦える! だから・・・」

 

 遠ざかる声。

それに対し、ガジェットもナンバーズも何もしない。

 

【・・・良いの? 逃がして貰って】

「・・・また戻ってくれば、そうする」

「それをさせない為に、お前が残ったんでしょう?」

【まぁ、ね!】

 

 迫るディードに対し、ガトリング・レフトで掃射しつつ牽制を入れるが、オットーのシールドによって防がれ、接近された。

 そのまま、アーマードの左腕を斬り飛ばされそうになるも、辛くもロッドでその手首を抑える事で防いだ!

 

「・・・流石。そのまま刃で光剣を抑えようなんて考えていたとしたら、そのまま斬り飛ばすつもりだった」

【怖い事言うね。

ディー姉のブレイズは、本当に厄介だからね】

「あら、そう?」

「だったら、こっちは如何?」

 

 そう言いながら、レイ・ストームの一点集中射撃が迫る!

流石に、片方を抑えつつ、もう片方を防ぐ事は出来ない。

だから、ロッドを絡め、ディードを撥ね上げつつ、左手でシールド。

 

「甘い」

 

 その声と共に、ディードにロッドを三分割され斬り飛ばされた。

 

【流石に、無理だね】

 

 即座に下がり、両手の指にワンドを挟み込む。

 

【これで少しは時間を稼げれば良いんだけど・・・

サンド・ストーム】

 

 二人の立つ地面から、竜巻の如く砂が舞い上がり、二人を襲う。

 

「「なっ!」」

 

 咄嗟に目を庇う二人。

流石に、目に関しては生体部品を多用している事を知っているから、そんな手が使えた。

 

 

 砂煙が治まると、そこには誰も居ない。

 

「・・・流石に逃げたね」

「ええ。でも、ガジェットを殆ど壊されたね」

 

 お互いに無傷なのを確認した二人。

辺りには、的確に射抜かれたガジェットの残骸が転がる。

 

「リモート・モードだったからかな?」

「ええ、スタンド・モードだったら、こんなに簡単にはいかなかったわ」

 

 指示待ちの状態だったのを見計らい、ワザと脅威の少ない魔法で目を眩ませ、その間隙を突き、ガジェットのみを狙った。

もし、自分達を狙ったとしても、ガジェットが盾となるべく動く事を見越しての行動だったのだろう。

 

「流石って、褒めて上げるべきかな?」

「そうね、称賛出来るわ」

 

 

   ・・・   ・・・

 

 

 何とか時間稼ぎと足留めに成功した。

燃え盛る宿舎の中、魔力反応を基に、逃げ遅れた、もしくは交戦中の職員を拾い上げるべく、移動する。

 

 ・・・居た!

 

【ヴァイス!】

 

 血溜まりの中、デバイスを手に倒れ伏している。

 

【ヴァイス?】

 

 返事は無いが、浅く呼吸している・・・

そっと、動かしつつ怪我の程度を確認した。

出血が酷い。あとは、骨が幾つか折れている・・・その骨があちこちに刺さっている?

 

【ヴァイス、これから応急処置をする。

その後に、安全な所に運ぶから】

 

 意識の有無は別として、そう伝えながら折れた骨を継ぎ、その周囲を石化。

出血を止める為にも部分的に石化を施す。

最終的に、全身を覆う様にフィールド魔法で包み込み、石化。

 

 そのまま抱えながら瓦礫を除け、更に奥へ・・・

 

 

   ・・・   ・・・

 

 

機動六課・宿舎裏手・隔離工房

 

 一般職員や、非戦闘員はココに隠れていた。

 

「・・・怖いよ」

 

 か細く弱々しい声と、小さな手がそこに在った。

それに対し、力強く握り返す事しか出来ない。

 

「大丈夫だよ、きっと」

「ああ! きっと何とか成る!」

「そうさ! 不屈のエースが居るんだからな!」

「何、心配はいらないさ!」

 

 空元気で、何とか己を奮い立たせ様とする大人達。

 

「・・・うん! 大丈夫だよね! 皆!」

 

 そんな風に、お互いを励ましていたのだが、唐突にそれは崩れ去った・・・

 

 建物を揺るがす震動が、ここにも・・・

 

「皆! 武器を取れ!」

「バリケードを!」

「もっと固めるんだ!」

「抑えろ!」

 

 入口へと殺到し、在るモノを手当たり次第に積み上げる!

 

【・・・皆、無事?】

 

 その声は後ろから来た。

壁だった所が開き、そこに黝い甲冑が立っていた。

 

「デュオ兄?」

【ヴィヴィオ、怪我は?】

 

 その声を聞き、それに跳び付くヴィヴィオ!

 

「デュオ兄! ウウン、無い!」

 

 跳び付いて来たその小さな体を抱き止め、その背に背負ったモノをそっと降ろす。

 

【途中でヴァイスが倒れていたから拾って来た。

怪我が酷いから応急処置は施して来たけど、直に医者に見せて!】

「わ、判りました!」

【もし、直に見せられなかったら、このままでも暫くは持つ。

安静にして置いてくれ!】

「オイ! 手伝ってくれ! そっちに運ぶぞ!」

「シーツを持ってきたから、それで担架を!」

 

 安静に出来る所まで運ばれて行くヴァイス。

それを見届け、そっとヴィヴィオと視線を合わせ、言った。

 

【ヴィヴィオ。一つ、お願いがあるんだけど・・・良いかな?】

「何?」

【外の奴の狙いは・・・ヴィヴィオ。

お前なんだ】

「え?」

「デュオさん! 何て事を!」

 

 動揺を隠せないヴィヴィオ。

傍で聞いていたアイナさんも、動揺しつつ、その事を非難する。

 

【ヴィヴィオ、良く聞いて。

ここに隠れていれば、なのは姉達が帰って来るまで、ココは耐えられない】

「・・・駄目?」

【そうだ。もし、ココに隠れて居たいなら、俺が全力で守る。それだと、絶対に間に合わなくなる。

アイナさん達も怪我をする事になる。だから、時間を稼ぎたい】

「・・・如何すれば、良いの?」

【ヴィヴィオ、一緒に来てくれ】

「・・・うん!」

【もしかしたら、痛い目に遭うかもしれない。捕まるかも知れない。

それでも、良いかい?】

「守って、くれるんでしょ?」

「ヴィヴィオちゃん! ヴィヴィオちゃんがそんな事しなくても・・・」

「そ、そうだ! 俺たちで守れば!」

「時間稼ぎ位なら!」

 

 その決断を聞き、反対する大人達。

 

【ここで全員が全滅するのと、次の手を打てる様にして時間を稼ぐのと、どっちが大事?

せめて、奪われたなら奪い返す位の事をして!

相手の狙いはヴィヴィオだから、せめてその時間を引き延ばす!

取り返すまでの時間を短くする!

なら、せめて、助けに来られる様に、足掻いて見るよ。

それしか、今は出来ないからね】

「デュオ兄、私を連れて行って!」

【・・・ヴィヴィオ、ゴメンな。こんな事しか、頼めない・・・】

「うん、でも、守ってくれるんだよね?」

【全力で守るよ】

 

 そう言いながら、抱き上げ外へと向かう。

 

「待って! じゃぁ、私達は・・・」

【ココに在るモノを使って、皆を助けて。

もしかしたら、ヴィヴィオがココに居ると思って、攻めて来るかもしれない。

その時は、時間を稼いで】

「・・・判ったわ。私達も、囮になれば良いのね」

「・・・そうだな」

「二手に分かれれば、その分負担も減るしな」

「良し! 任せろ!」

「泥船だが、せめて時間稼ぎ位なら・・・」

「行ってくれ! それしか出来ないなら、俺達は囮になる!」

 

 

   ・・・   ・・・

 

 

 外に出て早々に、補足された!

 

【・・・もう、見つかったんだ】

「ここはもう掌握済みだからね」

「さぁ、聖王陛下を渡して貰おうか」

「・・・デュオ兄」

 

 不安げな声を挙げるヴィヴィオ。シーツを使い、即席のおぶい紐で括り付けたヴィヴィオに対し、

 

【ヴィヴィオ、シッカリと掴まって居てな】

「何をしても無駄だよ」

「私達から、また逃げられると思っているの?」

【流石に、また逃げられるとは思って無いよ。

だから、突破させて貰う!】

 

 その言葉が終わる前に、前方に突っ込む!

 

 咄嗟に避ける二人。

避け様に、光が翻る!

 

 それを両手で防ぎながら、更に跳ぶ!

 

 アーマードの両腕が両断され、転がる。その分、更に高く遠くへと跳び上がった!

 

「デュオ兄! 手が!」

【大丈夫! それより、今は喋らない! 舌を噛むぞ!】

 

 行く手を阻むガジェットを踏み台に、更に遠くへ飛ぶ!

腕のパーツを完全に切り離し(パージ)して石化した腕を生やす!

その手にワンドを持ち、後方へ向かって投げつける!

跡を追うガジェットに向かって飛ぶそれは、投げ槍と化し、刺さる!

それでも、こちらの手数が減るだけであり、得策とは言えない。

 

 ・・・何とか、距離を取る事は出来た。

 

 離脱し、スタッフとステッキを手に、ヴィヴィオを背負い直し、隠れ進む。

 

「デュオ兄?」

【何だ?】

「デュオ兄は、怖くないの?」

【・・・怖いよ。怖いから、逃げてるんだ】

「でも、逃げられるの?」

【・・・判らない。だけど、逃げられないまま諦めるよりは、出来る事をしたいんだ。

もしかしたら、変えられるかもしれないからね】

「・・・変える?」

【ヴィヴィオ、これは内緒の話だから、なのは姉達には言わない約束、出来る?】

「うん、出来る!」

【・・・オレの本当の名前は、デュオ・ジェイル・スカリエッティ】

「え!?」

【あの高笑いしてたのが、ウチの爺さん】

「ええ!?」

 

 それを聞き、驚きを隠せないヴィヴィオ。

 

【家族の喧嘩、と言うか・・・爺さんの陰謀を邪魔して、無かった事にするつもりだったんだけどね。

そうも行かなくなっちゃって・・・

ココを何とか出来たなら、この先を、未来を変えられるかもしれないって思ってた。

でも、それは難しいね】

「そうだな、そろそろ帰って来て貰おうか、デュオ」

 

 後ろから、唐突に声が掛けられた。

即座に振り替えると、トーレが立っていた。

 

【トー姉、来てたんだ】

「何、お嬢様にお願いして呼んで貰ったんだ。

お前と陛下がまだ逃げていると聞いてな」

【ははは! 流石、トー姉。

じゃぁ、勝負してよ。もし、この場を如何にか出来たなら、ヴィヴィオを見逃がして】

「それは聞きかねる。

だが、如何にかしてみせろ。出来たなら、考えなくも無いぞ」

【・・・約束だよ?】

「ああ、如何にか出来たならな」

 

 そう言いながら、その腕は硬質な音を立てながら、胸を貫いた。

防ぐ様にステッキで遮られてはいたが、それを砕き、外殻に達していた。

そのまま、外殻がトーレを抱き締める様に動く。

 

「ふむ、相変わらずだな」

 

 その目に映るは、ヴィヴィオを抱き上げ、スタッフを手にしたデュオ。

未だ動く外殻を押しやり、そちらへと向き直った。

 

 話しながら、後ろへと抜け出た。

その直後に、アーマード・デバイスを貫く攻撃が仕掛けられた。

 

【これ位が得手で取り柄だからね】

「デュオ兄!?」

【海へ、逃げるぞ。喋るなよ】

「う、うん!」

 

 そのまま、海へと跳び、沖へと向かって走り出した!

 

 

   ・・・   ・・・

 

 

思い浮かぶがままに、思い描けるがままに・・・




試供品=某科学者愛用・調合ドリンク剤!

 その名も、スカリET!

効能
・一本で三徹までなら大丈夫! 余裕で楽勝!
・死者も蘇るレリック成分配合!(実証済み)
・成長著しくなる!?(実証済み)

副作用として
・高笑いが止まらなくなる!
・感情の起伏が薄くなる事も!
・不老になる恐れも?

・その様な症例が出た場合は、ただちに服用をやめ、最寄りの管理局・研究機関へと掛け込みください!
・原因究明は致しませんが、ただちに処置(SLBex-fb)いたします?
・なお、処置による副作用(チュドぽ!)が有っても一切補償はございません。

では来襲!
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