「ん?空の黒いのはなんだ?…まさか魔物!?」
冬真は嫌な予感がした。
「水城!逃げろ!」
大声で叫び、全速力で水城の元へ走る。だが、魔物は空から一直線に水城めがけて落ちてくるため間に合わない
水城も、気付いたものの力が入らず立てずにいた
冬真は走りながら思った
平凡だろーが絶対にできないことなんてないんだ!
そう思いながら冬真は手を伸ばした
「この校舎でかすぎて、自分の場所すらわからねぇ!」
冬真は校門をくぐり校舎の中に入ったのだが、校長室への道どころか自分が今どこにいるのかすらわからずにいた
「1時間も早く来た意味なくなっちゃうじゃん!どーすればいいんだー!」
そう叫びながら頭を抱えながらキョロキョロしていた
もし人がいたならきっと不審者と言われてしまうだろう。
冬真がもうわからん!と諦めようとしていたら突然
「あれ?あなたさっき校門で道を塞いでた人?」
冬真は後ろを振り返ると、そこには校門のところで見た女の子が立っていた。
「もしかして新入生?制服着てないからてっきり中学生かと思ったよ」
「あ、はい!ぼ、僕はいきなり特待生として入学することになったので制服が間に合わなかったんです」
そう言うと女の子は納得したように頷いた
「もしかして、校長室に用があるけど場所がわからなくて困ってるとか?」
冬真はそうなんです。と少し恥ずかしそうに頭をかきながら答えた
「私も用があって今から向かうんだ。よかったら案内しようか?」
冬真は、断る理由もないので案内してもらうことにした
少し歩いていると大きな扉の前で案内が終わる
女の子は、扉にノックをして失礼します。といい扉を開けた。
その扉の先には椅子に座っている銀髪の女の子がいた
「待ってましたよ〜お二人とも〜」
とてもおっとりした声で話す女の子は、見た目では冬真たちと同い年ぐらいの身長で、顔は隣の女の子と変わらぬくらい美人だった。だが冬真は一つ疑問に思った
「あの〜、校長先生はいないのですか?」
その質問に、意味不明みたいな顔をした女の子が
「え?何言ってるの?この人が校長先生だよ?」
「そうですよ〜?私がこの魔法学校アスタルトの校長の、五十嵐ユリスですよ〜」
「え!?」
冬真はかなり驚いた顔をしていて、それを見た女の子は少しクスっと笑った
少し間が空き、冬真は深々と頭を下げ謝罪した
「いいですよ〜、若く見られるのは嬉しいですから〜」
本題からそれた話をしていたら、突然女の子が何かを思い出したかのようにポケットから紙を校長に渡した
「これで大丈夫ですか?」
「…はい、とてもいいと思いますよ〜」
女の子は校長から紙を返されそれをまたしまった
「私はこれで用事は終わったけど、君はまだでしょ?」
「あ!用事忘れてた!」
冬真はありがとうと女の子に伝えた、すると女の子はどういたしましてと笑顔で返した
「私はもう行くけど、何かあったら言ってね」
冬真は今一番知りたいことを聞くことにした。それは…
「えっと…君の名前が知りたい!僕は桐生冬真!」
そう言うと、そういえば名乗ってなかったねと行った後に
「私は君と同じ一年の水城凛だよ!よろしくね桐生くん」
そう言うと、またねと手を振りながら校長室をあとにした
「水城さんか〜…可愛いな…」
「心の声が漏れてますよ〜?」
校長の指摘ではっ!となる冬真はあわてて口を抑えた
「大丈夫ですよ〜?言わないですから〜どんどん言っていいですよ〜?」
「からかわないでください!」
そう言うと校長は少し笑った後に本題に入った
「冬真くん、君は今日から特待生としてこの学校に入ることになるのですがその前に君が選ばれた理由をせつめいしますね〜」
冬真はそれが1番気になっていた。校長はふふっと笑いながら理由を話し始めた
「そもそも、魔法学校に入れる生徒は少なからず魔法が使えないと入学できないのです〜。なので本当ならば冬真くんは入学できないのですが、今年から特待生制度というのが設立されたんですよ〜。それは普通の人間を特待生として学校に招き、魔法の勉強をさせて魔導士にするという制度なんですよ〜」
冬真は理解できた範囲で聞いてみた
「普通の人間が対象なら別に俺じゃなくてもいいんじゃ」
「選ばれた理由はわかってるんじゃないですか〜?」
冬真はなんとなく理由はわかっていた
「やっぱり…<平凡>だからですか?」
冬真にとってそれは悩みであり、嬉しいことではない理由だった
「でもそれだけじゃないですよ〜?」
「え?」
「魔法とは、強い信念や思いによってどんどん強くなっていくんですよ〜?なので、平凡人間と呼ばれるのが嫌だと思う冬真くんはその思いの強さですごい魔導士になれると思うんです」
冬真は言われてる意味がいまいち分からずにいたところ、校長ははなしすぎたと話題をかえた
「では次に本校の制服と教室の場所の地図をお渡しします〜。これを着てから教室に向かってください。」
「ありがとうございます!じゃあ俺も行きますね」
冬真が部屋を出ようとすると校長は
「最後にもう一つ、これからの生活は冬真くんにとってけしていい生活とは言えないでしょうが頑張って下さいね〜」
冬真はそれを聞き変に思ったが何も言わずに部屋をあとにする
「…さて、どこで着替えようかな」
トイレで着替え終わった冬真は、ひとまず自分の教室へと地図を見ながら向かった。到着して上を見るとAー1と書かれた教室までたどり着いた
「あと入学式まで30分しかないからみんな来てるよなー…仲良くなれる人いるかな〜」
不安になる気持ちを抑えてドアを開けるとそこにはなんと…
「て、誰もいねーじゃねーか!」
教室には誰もおらず静まり返っていた
「俺場所間違えた?使われてない教室に来ちゃったのかな?」
冬真は訳が分からず困っていると
「桐生くん?また迷子?」
と聞き覚えのある声で呼ばれたことに気付く冬真
「水城さん!?どうしてここに?」
「どうしてもなにも、ここが私の今日室だからだよ?」
「え!?同じクラス!?」
そう言うと水城は、自分の名前のシールが貼ってある机に向かって指差した
冬真は安心して自分の机を探すことにした。しかも、嬉しいことに机は水城の隣だった。
ラッキーと心でガッツポーズをとりながら話題を探して話し出した
「そういえば、みんな大丈夫なのか?このままじゃ入学式遅れちゃうのにねー」
と言うと、水城はキョトンとしながら
「え、まだあと1時間以上もあるけど…」
冬真は気付いた。自分が2時間も早くに家を出ていたことに…
冬真は恥ずかしくなり顔を見られないように隠したところ
「桐生くんっておもしろいね」
と言われ、余計に顔が赤くなる。でも仲が縮まった気がして少し嬉しくも感じた。その時、学校のブザーが鳴り出し放送から状況が伝わる
「魔物の群れが本校に向けて接近中、北から100、南から200です。直ちに戦闘体制に入りこれを撃退してください。繰り返します…」
冬真は突然のことで驚き固まってしまう。すると校長が教室に入ってきた
「冬真くんと水城さ〜ん、突然で申し訳ないですけど〜北の100お願いできますか?私は南に行くので」
「はい!任せてください!」
「え!ちょ、ちょっと待ってください!僕魔法なんて使えませんよ!?」
「そんなこともあろうかと、剣を持ってきました〜。」
そう言うと校長は剣を冬真に渡すが、もちろん冬真は魔法どころか剣術すら知らない人間である
「役に立てませんってば!」
「大丈夫ですよ〜?水城さんはかなりの実力者ですから見てるだけになるかもですよ〜?では、私はそろそろ行ってきますね〜」
そう言い残すと校長は姿を消した。冬真は不安ながらも水城について行くことにした
向かっている途中水城は冬真に
「大丈夫!私が絶対に守るから」
と言った。冬真はまさか女の子から守ると言われてなかったためにすこし複雑だった。外に出てみると、そこには100体の魔物がいた
あまりの迫力にあとずさる冬真の腕を掴んで敵のまえまでいっきに向かった。魔物も気付き襲いかかってくる
「桐生くんはここにいて?私がやるから」
そう言うと水城は、剣をさやから抜き魔物に切りかかっていき次々と倒していく。動きはとても早く目で追うのが大変なくらいだった
「さすがに多い、仕方ない」
水城は一度距離をおき、魔法を使った
「水神の敷地<ウォーターガーデン>」
そう唱えた途端、足元から水がでてきてそのままあたり一面を湖にしてしまった。
「水よ、魔物に聖なる裁きを!」
次の瞬間、水城の周りの魔物たちが次々と水の針に串刺しにされていく
「す、すげぇ…」
冬真はあまりの光景に驚きを隠せなかった。一瞬にして魔物たちが倒されていくからだ
だが、それでも魔物はまだ20体ぐらい残っていた。さすがの水城も疲れが見えてきた
きっとかなり魔力を使うのだろうと冬真は思った
「そろそろまずい…しょうがない」
水城は地面に手をつけ叫ぶ
「お願い!ウンディーネ!」
すると湖から水の精霊が現れた。ウンディーネと呼ばれる精霊は、湖の水を使い水でできた刀をいくつも生産し魔物にとばした
それをくらった魔物たちは次々と水圧で切り刻まれていく少し経つと、地上の魔物は全滅していた。魔力がきれたのか周りの湖や水の精霊は姿を消した
そして水城はその場に倒れこんだ。
冬真は急いで水城にかけるよと水城は
「あはは…少し魔力使いすぎたかも。ごめん、少しこのまま休ませて」
と言われた。
冬真は自分が何もできなかったのでせめて飲み物でもと思い少し離れた販売機まで足を運び飲み物を買っていた。そのとき冬真はあることに気づいた
「あれはなんだ?…もしかして魔物!?」
冬真は嫌な予感がした。
「水城!逃げろ!」
冬真は全速力で水城の元に戻ろうとした。だが、魔物は水城めがけて落ちてきているため到底間に合いそうにない
水城も気付いたようだが魔力切れの疲労のせいか立つことだできずにいた。
冬真は思った
僕が平凡だから水城を守れないのか?平凡だから…
「また諦めるの?いいの?そのままで」
ふと昔の記憶が頭をよぎった。前もそうだった、あの時も平凡だからと諦めてしまった。そのせいで…僕は…
嫌だ…水城ともっと話したい…もう誰も失いたくない…
…もう…絶対に諦めたくない!もう平凡人間という理由で逃げたくない!
そう強く思った。その時
「え?」
冬真は驚いた、届くはずのない手が水城を抱えていたからである。水城も驚いた表情をしていた。
「やった。守れた!」
その時冬真は、力がどんどん湧いてくるのを感じた。水城を地面におろすと校長からもらった剣を持ち魔物向かって宣言する
「俺が相手だ!絶対勝つ!」
魔物は遠慮なく冬真に襲いかかる、普通の人間ならすぐにでもやられてしまう攻撃だった。だが驚くことに冬真は魔物の攻撃を全てかわしていた。そして一気に間合いを詰めて冬真は魔物に剣を向ける
「これで終わりだ!」
そう言うと、魔物を一刀両断にした
弱い魔物とはいえ、初めて剣を使うにんげんが魔物を討伐したというのはあまり聞かないことだった。それに何より、魔物の攻撃は全てかわしたのはすごいことだった
「すごい…」
水城もとても驚いていた
「やった…やったよ水城さん!おれ初めての実戦で魔物を倒したよ!」
嬉しくて、すぐに水城の元に向かおうとした冬真だが
「…あれ?おかしい…な…体が…うご…か」
バタンっとその場に倒れこむ冬真
「桐生くん?桐生くん!」
やっと立てるようになった水城は急いで冬真の元へと駆け寄った
「ふふふ、やはり冬真くんはすごいですね〜。まさかあれを使えるとは…これからが楽しみですよ〜」
校舎の屋根から校長はこちらを見ながら笑みを浮かべていた。
どうも皆さん、東雲 颯です。
今度も平凡魔術士の下剋上を読んでいただきありがとうございます!
今回は前回と比べてかなり長くしました。そのせいか途中で変な感じになっていますが、どうか温かい目で見てくれると助かります!
今回はバトルを入れてみました。と言ってもかなり簡単なバトル内容にしてあります!バトルがメインの話はもう少し待っててください!
次の話も読んでもらえるとありがたいです!では