GIRLS und PANZER〜少年は戦車道になにを望むか〜   作:紅葉久

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明けましておめでとうございます。
相変わらず遅い更新で申し訳ない限りです。


8.意味のない練習はない

 

 

 操縦手チームの運転は、とりあえず俺が見る限りなら“動かす”だけなら問題ないと実感できるようになった。

 

 それは俺がこの大洗の戦車道チームに入ってから、十日が経過してようやくと言ったところだ。

 

 基礎の中の基礎を一週間で無理矢理叩き込んで、次の応用を覚え始めた三日目辺りから最初の頃に比べれば“ある程度”見れる運転ができるようになっていると俺は実感している。

 

 この十日間で今だに誰一人欠けることがなく、ここまで俺の練習に食らいついてる彼女達の努力は、ちゃんと認めなければならないと思う。

 本当は全員に朝から夜まで一日中させたいところだが、俺の突発的にある早朝バイトや全員に学校があることから午前中の練習が基本的にできない。

 全国大会前になれば流石に朝練をしていく予定だが、今はまだその段階ではないから今現状の練習時間でやりくりしていくことにしている。

 

 このまま彼女達のモチベーションを維持していきたいところだが……正直なところ、彼女達が戦車道に対してどのような気持ちを持っているかはわからない。

 

 毎日ただ辛い練習をしているだけで、まだ彼女達は戦車道の“楽しさ”というモノを実感していない。

 

 今のメンバーのほとんどの理由は、ただ戦車道を受講すると色々な利点があるから受けているというのが主な理由だろう。

 

 前に秋山から聞いた話になるが……俺はもちろん出てなかったが、全校集会で戦車道受講者を募る話があったらしい。

 

 戦車道受講者で成績優秀者になった者には食堂の食券百枚、通常授業の三倍の単位、遅刻見逃し二百日などの特典を設けると言っていたらしい。

 生徒会か戦車道をする理由を知っている俺からすれば、そこまでの“エサ”を撒き散らして生徒を集めようとしていたことに呆れてしまう。

 

 と言ってもそれを聞いた以上、俺もそれを受け取る資格はある。

 そんな話を聞いていなかった俺は、すぐに角谷に確認しに行った。

 ここでは割愛するが、俺がその特典を受け取るか否かについて“一悶着あった”とだけ言っておく。

 

 しかしながら、それだけしても十九人しか集められなかったというのも、妙な悲しさがある。この学校の生徒は大きなエサで釣られるような人間はそんなにいなかった、ということなのだろう。

 

 

 

 そんな余談はさておき、話を戻そう。

 

 

 

 先程の話した戦車道受講者の特典目当てで現時点で戦車道をしている彼女達は、本当に戦車道を楽しいと思ってはいないだろう。

 

 今はただ辛い練習をしているだけだ。だから、まだ彼女達は知らない。

 

 戦車道が楽しいという気持ちを、やってて良かったと心から思える瞬間にまだ会えていない。

 どれだけ辛いと思われようとも、俺のことが見るのも嫌で嫌いになろうとも、その先の気持ちに出会えることを俺は切実に願っている。

 

 

 だからこそ、今はその為の準備期間。

 

 

 車長にはみほ主導のもと、乗員の指揮と索敵・警戒についての理解。更に座学で戦術と戦略についての理解を深めてもらっている。

 砲撃手には、精密射撃と行進間射撃の技術の向上。

 装填手は、ひたすら砲弾の装填練習。及び車長の補佐を兼ねる為に座学を少し。

 通信手では、各車両での通信連携の取り方などを座学と実践で練習。

 操縦手については俺が主導のもと、戦車を自分の手足を動かすように操縦できることを目標にして練習。

 

 これが、今の大洗の練習メニューの大まかな内容となる。

 

 これを午後からの選択科目の時間から下校時間まで平日を毎日、一部は土日休むことなく練習をさせている。

 本当のところこれだけで誰か一人でも欠けると思っていたが、思いのほか全員が参加している。全員の根気強いところには、俺も内心驚いているが内緒にしておく。知られてあのメンバーに調子に乗られても困る。

 

 ここ最近だと、前に俺と冷泉で行った模擬戦が全員のモチベーションを上げているらしい。

 実際に戦っている姿を見ていた者には、自分も早く戦車で戦ってみたいという気持ちがあるみたいだ。何人かに自分達も模擬戦をしてみたいと俺に直談判してきたメンバーもいたくらいだ。

 勿論、俺は「俺が良いと思うくらいに操縦手が上手くなってからな」と一蹴した。

 

 

 そんななか意外な収穫があった。

 

 

 おりょうこと――野上武子が、前の模擬戦の時に俺のⅢ突の運転を見てから何か思うところがあったらしく、ひたむきに練習するようになった。

 特に俺に練習させてほしいと言っているのが、Ⅲ突の砲塔転回を出来るようになりたいらしい。

 

 エルヴィンやカエサルから聞いた話だが、授業中にすら俺が操縦手全員に渡している運転教本を読んでいる時があるらしい。

 

 ……なんで俺がおりょうの本名を知ってるかって?

 角谷に頼んで、学校の生徒名簿見ただけだ。

 突然、俺が本名で呼んだ時のアイツの顔は見ものだった。顔を真っ赤にして焦っていた時は、笑うのを我慢出来なかった。

 

 冷泉は、いつも通り俺に対して対抗心を燃やしている。本当に扱いやすい。特に俺との模擬戦から集中力が増して運転の精度が上がっている。

 俺を倒すことしか頭にない故か、俺がやっていることを無意識に覚えている節がある。

 手本で一度しか見せていないことなどを明らかに覚えているような操縦を見た時は、流石に俺も舌を巻いた。

 これならあの女に“アレ”を教えても良いかと思っているところだが……今はまだ様子を見ておくことにしよう。

 色んな意味で、今後の成長に期待している女だ。

 

 他の三人もそれそれ操縦の傾向と特徴が見えてきているので、それを踏まえて今後の成長に期待したい。

 

 そしてその成長する操縦手を更に活かすには、車長の成長も忘れてはいけない不可欠な要素だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 今日は私こと西住みほが担当している車長のチームの練習に、かずくんが来ました。

 ここ最近は各チームに練習内容だけを伝えて、操縦手チームに付きっきりだったかずくんは、今日は車長チームの練習に参加するようです。

 

 かずくんが私達の戦車道チーム参加してから、練習メニューはかずくんが決めるようになりました。

 それぞれ細かく指示を出していて、それを実際にやっていないと後々でわかるようにしているみたいなので、全員がサボることなく練習しています。

 昔に私のいた黒森峰みたいに失敗すると怒鳴られたりするような厳しい練習というわけではないのですが、確かに私の見る限り基礎をしっかりと学ばせている練習をしているとなんとなく実感しています。

 

 そんなかずくんがその日の練習内容を各チームに伝えて練習を始めたのですが、何故か車長チームだけ練習内容を伝えずに私達のところに来ると、肩に掛けていた大きな鞄からある物を私達に見せて「今日の車長チームはこれで練習する」と言ったのがはじまりでした。

 

 

「え……? かずくん? それって、まさか……?」

 

 

 かずくんの手にある片手で持てるくらいの薄い箱で『戦車道大作戦!』と書かれたモノを見て、私はそれがすぐに何かわかりました。

 昔、小学生の頃によくお姉ちゃんとお母さんで遊んでいた覚えがある子供も大人も楽しめるというテーマに作られたオモチャに、私は思わず首を傾げてしまいました。

 かずくんはそんな私に、楽しげな表情で答えました。

 

 

「ん? 勿論、みほは知ってるだろ? ボードゲームだ」

『……ボードゲーム?』

 

 

 車長チームの皆さんが声を揃えていました。

 そんな驚いている声に気にする様子もなく、かずくんは小さな笑みを浮かべて言いました。

 操縦手チームの大変な練習をよく見ていたので、どんな大変な練習をさせられると思っていましたが、それは気のせいだったみたいです。

 

 

「今日はこれで五戦を一セットとして、結果が勝率八割になるまで下校時間まで帰れないからな」

『えぇぇぇぇぇ⁉︎』

 

 

 前言撤回です。相変わらず……スパルタなかずくんでした。

 驚く私達を見て、楽しそうな笑顔を見せるかずくんはやっぱり皆さんが言うように“鬼”というのが、なんとなくわかる気がする私でした。

 

 

「文句を言うくらいなら、手を動かして頭を動かせ。車長の仕事だ」

 

 

 さて、このゲームのルールは至って簡単です。

 一対一の二人で行う戦車道をモチーフにした対戦ゲームです。

 車両は五から十五両まで使えて、それぞれの戦車の特性を活かしてターン制で各プレイヤーが自分のターンで行える行動回数を使ってマップ内で戦車を動かし、相手の戦車を倒していく内容です。

 使う車両は互いに同じ数しか使えないので、使う車両の総数で難易度が変わってきます。かずくん曰く、ここで子供から大人まで遊べるようにしているのが“売り”らしいです。

 ルールもフラッグ戦と殲滅戦の二つと本格的に選べて、誰でも戦車道を簡単に楽しめるオモチャなわけです。

 かずくんが今回指定した車両数は十両のフラッグ戦。使う国の車両は試合前にクジで決めて、国で固定するということらしいです。ドイツ、イギリス、フランス、日本、アメリカの中で決められた五つの国で使える戦車を使って、合計五戦で勝率が八割――つまり四回勝つまで、下校時間まで帰れないというのが今日の練習とのこと。

 今回の参加メンバーは、私達車長チームとかずくんの計六人です。

 

 そんな説明を受けて、早速ルールを教わった皆さんで始まったボードゲーム大会が始まりました。

 

 

「だぁぁぁぁ! 勝てないっ!」

 

 

 そうして私の前で、磯辺さんが頭を抱えていました。

 アメリカのM26パージングの駒を握りしめて、膝から崩れ落ちた磯辺さんを見て私は苦笑いをするしかありませんでした。

 

 

「西住ちゃん、強いねぇ〜」

 

 

 私と磯辺さんの試合を見ていた会長さんが干し芋を食べて楽しそうにしています。

 私は「いえ……そんな」と苦笑いしてしまいました。

 

 本当に言いにくいのですが、磯辺さんが弱過ぎました。

 

 私がドイツを引いてしまったので電撃戦で戦ったのですが、磯辺さんがそれに対処出来ずに全滅してしまったわけです。

 アメリカの戦車なら戦い方は沢山あったのですが、戦車の特性を活かして戦えなかったのが敗因でした。

 

 もっと磯辺さんが“アメリカの戦車の特性”を知っていれば、戦い方も違ったと思うのですが……

 

 ……あれ? もしかしてかずくんのこの練習の目的って、まさか……?

 

 

「先輩方、あっちの方が凄いですよ……見てください、あの盤面」

 

 

 私がかずくんの考えがなんとなくわかった時、私と磯辺さんの試合を見ていた澤さんが私達にそう言って指を向けていました。

 私が澤さんが指差す方を見ると、そこで対戦している盤面を見て少し引いてしまいました。

 

 

「うわ……かずくん。相手フラッグ車を一両だけ残して包囲網構築してる」

 

 

 そこにはイギリスを使うかずくんとイタリアを使っていたエルヴィンさんが戦っていました。

 かずくんは森林マップでエルヴィンさんのフラッグ車を八両の戦車で包囲していました。

 一切手加減していない盤面に、かずくんはエルヴィンさんを無慈悲に見つめていました。

 

 

「どうした? 降参するか?」

 

 

 かずくんは明らかに勝敗が決まってある盤面なのに、エルヴィンさんに降参させようとしていました。

 エルヴィンさんは盤面を強く睨みつけながら、なんとか打破する方法を考えているようでした。

 でもエルヴィンさん……流石に八両相手に一両で勝つ方法はないですよ。戦車道の本当の試合ならまだしも、ゲームだと数が圧倒的に勝ち目がないです。

 

 

「くぅぅぅ……! これはまさしく背水の陣!」

「……背水もなにも、もう詰みだ。もう少し考えて戦え」

 

 

 エルヴィンさんが肩を落としました。負けを認めたようです。

 かずくんはそんな姿に溜息を吐くと、目の前の盤面のエルヴィンさんの使っていた駒を指差しました。

 

 

「もうお前の負けで良いよな? 駒をさっきの盤面に戻すぞ? この時のこの盤面だ。お前、P40をなんでここに動かした?」

「百式のチャーチルを側面から狙おうとして……」

「それならP40を先に出すべきじゃない。せっかくCV33がいるんだ。陽動に使え、どうせCV33じゃ撃破は無理なんだ。俺のチャーチルとマチルダを誘い出す手を考えていれば話は変わってきた。例えばここでお前のコイツが――」

 

 

 かずくんが駒をひとつひとつ動かしながら、ゆっくりと話していきます。

 確かに基本の考え方でした。私がエルヴィンさんの立場なら、同じことを考えていたと思います。

 と言っても、相手がかずくんならそれを読まれるのを考えて別の動かし方もすると思いますが、それはまた別の話になると思うのでエルヴィンさんには言わないでおこうと思います。

 

 

「なら、ここでこうしたら?」

「それなら俺は多分こう動かしたろう。それならお前はコイツを動かせば有効打を打ち込めるチャンスがある」

「なるほど……流石は伊達政宗、深い読みだ」

「……人を勝手に伊達政宗にするな」

 

 

 一通り説明を終えたかずくんが、苦笑いしてエルヴィンさんに呆れていました。

 とりあえずはまだエルヴィンさんの勝率八割は無理そうな感じでした。

 

 

「そういえば百式ちゃん。今日は操縦手の方に行かなくて良いの?」

 

 

 そんな時、会長さんがかずくんにそう訊いていました。

 私も気になっていたので、後で聞こうと思っていた話でした。

 かずくんは使っていた駒を片付けながら、思い出したように答えました。

 

 

「あぁ、アイツらは今出掛けてる。それに俺もいつまでも操縦手だけ見てるわけにもいかないからな」

 

 

 かずくんが続けて「そろそろ他のチームも見ていかないと意味がない」と妙に意味深なことを言いました。

 なんとなくかずくんの考えがわかる気がするのですが、確信が持てないので練習が終わった時にでもこっそり訊いてみようと思います。

 多分ですが、かずくんはメンバー全員に自分がしている練習の目的を明確に言うことをあえて控えてる気がします。

 自発的に目的に気づくことを大切にしているところがよく見えます。

 このボードゲームの目的も、かずくんは目的をちゃんと一言も話していないからです。

 私が練習を見ている限り、会長さんとエルヴィンさん辺りは気づいている感じです。澤さんはなんとなく察している感じで、磯辺さんは……言わないでおきます。

 

 

「なるほどねぇ……それで今日は操縦手チームはどんな練習をさせてるわけ?」

 

 

 干し芋を食べながら会長さんがかずくんに続けて質問します。

 かずくんは少しだけ考えるような顔をすると、渋々と言いたげに答えました。

 

 

「……アンタが知ってるか分からないが、艦内にあるせんしゃ倶楽部って店に置いてあるアーケードゲームを難易度ノーマル以上でクリアして来いって言ってる。クリアしたらゲームリザルト画面と自分の姿の写真を撮って戻ってくるようにってな」

 

 

 かずくんの答えに、私は思わず声を出していました。

 

 

「えっ? それってあの戦車を操縦して戦うゲーム?」

 

 

 確か前に優花里さん達と行ったお店だったはずです。

 そこで優花里さんが遊んでいたゲームが一台あったような気がします。

 

 

「そう、それだ」

 

 

 かずくんが頷いているので、気のせいではないみたいでした。

 お店のゲームってあまり遊んだことがないのですが、お金を使うはずです。

 

 

「かずくん、アレってお金使うんだよね? お金はどうしたの?」

「全員に五百円渡してる。それ以上は自腹でやれって」

「一回いくら使うの?」

「百円。だから十分な額を渡した」

 

 

 五百円って……つまり五回しか出来ないってこと?

 ゲームって簡単にクリアできるモノじゃない気がするんだけど……

 

 

「百式ちゃん、相変わらず鬼だねぇ」

 

 

 会長さんが面白そうに笑っていました。

 かずくんは会長の態度に「うるさい」と眉を曲げていました。

 

 

「俺だって自腹切ってるんだ。それ以上は出す気はない。人の金だと真剣味がないだろうし、予算超えると自腹っていうのが更に真剣にやるだろうさ」

 

 

 やればやるほど自分のお金が減っていく、ということらしいです。

 私は操縦はあまり得意じゃないので、自分でなくて良かったと正直に思いました。

 

 

「それに今回の練習の本質に気づけばすぐにわかるはずだ。俺はアイツらにはただ“クリアしろ”としか言ってない」

「……その言い方だと、始める前に攻略法を探しても良いってことか?」

 

 

 エルヴィンさんがかずくんの言い方に気がついたみたいです。

 かずくんはエルヴィンさんの質問に頷くと、

 

 

「そういうことだ。多分、アイツらは最初は普通にやるはずだが、基礎しか出来てない状態だけだと、まず勝てない。だから弱点とか動きのパターンを調べてやれば良いんだよ。戦車道の試合にも通じることだ」

 

 

 なるほど……?

 結構強引な気がしますが、大体合っているので否定も出来ませんでした。

 勝つためには、相手の情報も大切です。試合に出てくる戦車を知られたり、作戦を知られたらそれに対する作戦を立てるだけです。

 

 

「あのゲームは俺もやってみたが意外とよく出来てて、シミュレーターとしては十分に使える。今回のアイツらの基礎応用編の練習目的は、車長以外でも自発的な敵の情報収集をしないといけないってことを理解させることだからな」

 

 

 かずくん、それはかずくんだけだと思う。

 そこまでは流石にどこの学校もしてないと思う。

 かずくんレベルになると話は違うかもしれないけど……大体は車長と隊長が受け持つところだよ?

 

 

「なるほど……ちなみに百式はクリアにいくら掛かったんだ?」

 

 

 エルヴィンさん……その質問は駄目だと思います。

 多分、私の予想通りの答えが返ってくると思います。

 

 

「百円」

「……だと思った」

 

 

 エルヴィンさんが苦笑いしていました。

 そういう練習をさせるってことは、かずくんのことだから実際に自分でもやってみたのでしょう。

 それで成果があると思ったから、そんな練習をさせているに決まっています。

 

 

「それ、みんな気づかなかったらどうするつもりなの?」

 

 

 私が一番気になるところをかずくんに確認します。

 みんながそんな察しが良いわけありません。もしかしたら気づかない、なんてこともあり得ます。

 

 

「あいつらが無駄に金を使い続けるだけだ。多分、冷泉辺りならすぐに終わらせてくるだろう。アイツは楽したがるからな。俺がクリアしろとしか言ってないことに気づいて攻略法を調べるか、それか予算の範囲で模索するだろうさ」

「かずくん。それ、結構無茶ぶりだと思うよ?」

 

 

 かずくんに、私が思ったことをそのまま伝えます。

 操縦手チームの皆さん、大丈夫かなぁ……

 

 かずくんは私の言葉に目を大きくすると、少しだけ不思議そうな表情を作っていました。

 

 

「……そうか? 俺はいつもこんな感じで母さんに教わってたぞ?」

「百式ちゃんのお母さんがどんな人か知りたいねぇ……」

 

 

 会長さんがけらけらと笑っていましたが、私達はそんなかずくんの練習をさせられている操縦手チームに思わず苦笑いをしていました。

 

 




読了、ありがとうございます。

今回はかずくんの練習について、そんな話です。
映画が始まりましたが、紅葉はまだ行けてません。
BC学園の話はものすごく気になりますね。
みなさんは行ったのでしょうか?私はそのうち、ひょっこりといきたいと思います。

感想、評価、批評はお気軽に。
頂けると、作者はモチベが上がります_φ(・_・

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