初ハジメモノ物ガタリ語   作:北松文庫

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第3話

 「ところでこよみ。これまでのお話で、最初からあなたの名字が誤字で進行しているの。気付いてる?」

 「・・・ばかな。本当だ! 老倉。いくら僕のことを嫌いだった? 嫌いだとしても名字を間違えて提供するとは、物語シリーズを知らない人が読んだらそう思っちゃうだろうが。語り部の特権利用して・・・」

 急に攻められて、対人コミュニケーションの整っていない私は、慌ててしまった。

 不覚。

 しかし、それも戦場ヶ原さんが拾い上げる。

 さながら名野手が、ゴロを拾うかのように。最も、いつもこんな会話をしている二人からすれば、普通のことなのかも知れないけれど。

 「嘘つきね。いや、優しいと言うべきかしら? 阿良々木暦くん。本当は作者の間違いなんでしょ? 庇わなくていいわ。分かってる。私は知ってるんだから」

 「あわよくばと、話に刷り込んで来たわ、下劣ね」

 「おい、それ以上言ってると、消されかねないぞ。僕はどっちを庇えばいいんだ?」

 「私は大丈夫。わたしを消すと、物語に支障をきたすことも。私は知ってるんだから」

 「そのさっきから誰かのセリフを奪うような行為を止めろ」

 「その誰か様がいない間、私がこのセリフを受け継ぐわ」

 ・・・さっきから私を無視していつまで語ろうとしているのかな。

 私が語り部のはずの物語。

 軌道修正をしなくちゃ。

 「戦場ヶ原さん。作者は最悪私のせいにしようとしてたらしいわ」

 折角なので、私も少しだけ続けようと思う。

 語り部だから。

 「はあ、作者にはがっかりね。しかしまあこのネタ、投稿形式だからこそよね。小説も進化したわ。心が進化しちゃう」

 「おい、さっきから世界観が破壊されているけど、大丈夫なのか?」

 「大丈夫よ、誰も見てなんかいないわ」

 「読者の嬉しい感想で誤字に気付いたんじゃないか!」

 なんか適当ね。でも、どういう風に進行していくべきか、参考には、ならないか。

 愚物語で、一度したことあるし。

 買ってね!

 「二人とも。少し無駄話が長すぎるんじゃない? どこぞの誰かさんみたいに本編の半分を雑談で潰したくはないのよ。私は」

 「それはやめろ」

 ともあれ、私はその後、二人と別れた。

 正直、今まで恨んでいた相手と仲良くするだなんて、恥ずかしく。気持ち悪くて。頭が痛いけど、もう私は。

 終わらせたんだ。

 今日、何か本題についてはなにもい言えてないけど、まあそれはいい。

 後日戦場ヶ原さんのいない時にすればいい。私は一人住むマンションに帰った。

 酔っぱらった勢いに任せて、私を住まわしてくれていたおじさんおばさんの家に来たお父さん。

 そんな私を捨てた男がせめてもの罪滅ぼしと仕送りを始めた。

 お父さんの仕送りで借りているマンション。一緒に暮らすことは断った。でも文句はない。

 そういう父親を持って生まれたのは私だ。

 私が生まれたいと願い、生まれてきたのだ。文句なんてない。

 文句なんて阿良々木にしかない。

 帰って昼食を食べて、私は明日のテストに備えるように机についた。

   

  

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