真に導く者   作:挫梛道

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呪われた戦士!

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「すいません、一度 自宅(みせ)に戻って、装備を整えたいのですが?」

「はぁ?何言ってんだ、アンタわ?!

駄目に決まってるだろうが!」

…ですよねー。

現状解説させて戴きます。

マーニャさん達と一緒に城内の一般開放エリアで 寛いでいると、何だか慌ただしい雰囲気となり、警備兵の人達が、いそいそとサミット会場へと走って行きます。

何でも、会場に賊が現れたらしく(マーニャさんが「乱れた魔力の波動を感じる」と言ってますから、恐らくは魔族でしょう)、私達"一般人"は強制退城、若しくは城の一室へと避難です。

私達は その時、比較的 城の奥側に居たので避難組。

そんな中、マーニャさん達は避難誘導している警備兵の隙を突いて、サミット会場へと走って行きました。

え?私ですか?

いや、こんな展開は予想の外でしたから、十露盤(ぶき)は持っていませんし、服装も旅仕様の防具で無く、本当に普通の普段着(ふく)です。

そんな魔法も使えない私が駆け付けた処で、足手纏いの役立たず。

要らない子ですよ。はい。

そういう訳で、一度 戻りたいと言ってみたら、知り合いであり、今回のサミット、アルバイトで お城の警備をしていた街のフリー傭兵、スコットさんに思いっきり突っ込まれ、拒否されました。

まぁ、彼の仕事からしたら、当然ですか。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「退かぬ!」「退かぬ!」「退かぬ!」

「「「「「うぉーーーーーっ!!」」」」」

ブランカ兵団長とバトランド事実上2トップを基に、サミットに際し、王の護衛…同行を許された、各国の精鋭達が、アークデーモンに挑み掛かる。

 

「「「「「おぉぉーーーーっ!!」」」」」

…まぁ、あっちは祖父っちゃんに任せておけば、大丈夫か。

お姉さんズその他が相手してるのも、雑魚ばっかみたいだから問題無い。

ソロは…カロンが相手か…

あの魔族は、雑魚を喚んだり、それを合体させたりしか見てないから、純粋な戦闘力は未知数だが…あ、メラ系使ってたかな?

まぁ、それでもソロも、簡単に倒されたりは、しないだろう。

 

『アカ・ガ・ミイィイイィィッ!』

ガィンッ!

「ぬぉ!? さっきから赤髪赤髪って、だから、誰だよ?お前?!」

一番心配なのは、この"呪いシリーズ"相手にしてる、俺だよね?

 

「あ゙~、うざい!

ジゴフラァーーーーッシュ!!」

カッアァッ!!

『ヌグゴォォッ!?』

見たか!俺の新魔法!!

親父と戦った時の【照光(レミーラ)】は、ぶっちゃけ使い方違ってましたけど、こっちは正真正銘・正統派な目眩まし系魔法だぜ!!

…か~ら~の!

「覇極流千峰塵!!」

ガンッ…

「…な!?」

硬っ?! 鎧、硬っ!!

どんな素材をどんな打ち方して作ったんだよ?その鎧??!

恐らくはモンスターの皮や骨、そして鱗を素材とした外観な、明ら様に"呪い仕様"な鎧。

不気味なデザインのフルフェイスの兜や、やはり魔物の骨から作った様な剣も同様だろう。

 

『…ア・カ・ガ・ミ・イ・ィィ!…オマエヲコロシテ…ツギワ!アノ、ノロマダァアッ!』

………!!

今、何て言った?

俺の次は、"あの のろま"?

もしかしてライアンの事か?(失礼)

…思い出した。

俺やライアンに怨みを持っていそうで、且つ、ライアンをのろま呼ばわりするヤツ。

以前、バトランドで俺がフルボッコにした、

………………………………………………

ごめん、名前、覚えてない!(≧▽≦)ゝ

 

『グルァァァアアアッ!!』

と、兎に角この、逆怨み男が獣みたいに叫びながら突進して来たので、

「牙突!ジョルトカウンター!!」

ガィン!

『グボォッ!?』

カウンターの一撃。

ちぃ、額を貫く心算で放ったのに、やっぱり兜も硬過ぎるので、更に!

「雷光流転槍ォーーーーーっ!!」

神速の5連戟だ!!

 

『グルガヮァアアァア…カ・ガミィィ!』

しかし、それも決定打には至らず。

何だか既に、人間を辞めている様な唸り声を上げ、俺を睨んでいる、バトランドの元・王宮戦士。

ベタな推測だが、王宮をクビになり、ヤさぐれている処を、魔族に拾われたってオチだろうが、怨みの優先度は、ライアンよりも俺が上かよ!?

 

『ゴラ゙ァア゙アアッ!』

ブォン!

……………………………………………。

ぶっちゃけ、コイツの攻撃は、大した脅威では無い。

バトランドでの模擬戦の時から、動きは最初から見切っていた。

呪いの装備に人としての精神を蝕まれているのか、その攻撃パターンは、あの時以上に散漫で読み易い。

 

ドッゴォオオオォン!!!

『ウゥガ…!?』

「分かってんだよ!

お前が卑怯者って事はな!!」

バキッ!

『クギャン?!』

そう、不意打ちで爆裂系のマジックアイテムを持ち出す事も、相手がコイツならば、それは容易に想定出来る事。

完全防御は無理だとしても、予めガードの構えから、ダメージを抑えてからの反撃は出来るのだ。

 

『グロロロロ…』

しかし、あの呪いシリーズの装備は厄介だ。

当たれば…当たればの話だが、大ダメージ必至な あの大剣を叩き落とそうと、槍での結構マジな小手打ちを放っても、手に馴染んでいる…でなくて、呪いの効果なのか、本当に手から離れない様だ。

日常生活、不便過ぎるだろ?

鎧も同様なんだろ?

風呂とか どうしてる訳?

まさか…ずっと入ってないのか?

マジに呪いだな!?…って、呪い?

 

『ルガァアアアアアアァッ!!』

俺には通用しないが、耐性が無い者ならば、所謂『1回休み』的な効果を持つであろう雄叫びを上げながら、呪われた大剣の大振りを繰り出すを最小限の横移動で躱すと、魔力を練り上げ、

「解呪(シャナク)!」

"呪われた装備"を解除する呪文を、この男に ぶちかましてやった。

 

ドサァッ!

『グギャァアアアァァアアアアッ!??』

ぅゎ…………………………………………。

呪文は、確かに効いた。

呪われた装備は、確かに男の身から離れ、床に落ちた。

しかし、その鎧や兜は、既に この男の身体に馴染み、同体化していたのか、此等の呪い装備が剥げ落ちた時、その内側の人の皮や肉の一部も一緒に削げ落ち、現れたのは全身が血塗れ、筋肉繊維が…一部は臓器や骨が剥き出しとなった、嘗ての王宮戦士の成れの果て。

 

『グルヮァアア!アカガミィ!!』

それでも俺に、襲い掛かる男。

既に勝敗は決したも同然。

出血も夥しく、致命傷な身体であり、この儘 放っていても、この儘 攻撃を躱し続けるだけで、直に その生命は尽きるだろう。

既に人間としての理性は無く、俺やライアンに対する歪んだ怨みだけで、その身を動かしているのだろう。

 

「…ブラッディ・スクライドォーーッ!!」

ズザァッ!!

『グガギャァアァァァァ?ア・カ・ガ……』

…しかし、俺は そんな様を、楽しみ観覧する様な趣味は持っていない。

かと言って、一思いに、苦しみから解放してやるとかな、優しさも持っている心算は微塵も無い。

今、俺はサミットが行われていた この会場に、陛下を護衛するブランカ兵として入っていた。

それ故に単に、兵として敵を討った…それだけな話だ。

 

「…さて、次は…」

とりあえず目の前の敵を倒し、周りに目を向けてみると、

 

ドサァッ…

「ふぅ…なかなかな強敵じゃったわい!」

「…ですな。」「ふむ。」

「「「「「「おおぉーーー!!」」」」」」

どうやら殆ど同じタイミングで、祖父っちゃん達も、あのアークデーモンを斃した様だな。

更には…

 

「きっつ~~~~~~…」

「ハァ…ハァ…漸く一段落…ですか?」

「「「「「「うぉぉーーっ!!」」」」」」

お姉さんズと その他モブ兵士の皆さんも、雑魚を一蹴したみたいだ。

…と、なると、残るは…

 

「やぁああっ!!」

カィィン!

『小僧が!調子に乗るでないわ!!』

バチィッ!

「うわぁっ!?」

…残るは今、ソロとバトってる、カロンだけか!

 

「フィーグよ!貴様、何をぼぉ~っと見ておるか!?

小僧の助太刀に入るぞ!!」

「…了~解!」

…って、いやいや…祖父っちゃん?

祖父っちゃんがバトル参戦するなら、それだけで充分でしょ?

オーバーキルでしょ?

俺、要らない子でしょ?

あ~ぁ、あの魔族、死んだな…

(注:ジジィが居る この場に乱入した時点で、既に死亡フラグは立っている)

 

 




 
何時のタイミングで書くかや、敵の設定は さて置き、今回のバトル展開…敵の呪い装備をシャナクで…な構想自体は、(実質)11話の時点で、出来上がっていたりしてました。
この為に、早い段階でフィーグに【解呪(シャナク)】覚えさせた様な物。
 
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