「へ~、姫様もあのキャラバンに同行するんですか~?」
「ええ。これでやっと、あの砂漠を超える事が出来るわ!」
まさか、ここでアリーナと会うとは思わなかった。
聞くところ、サントハイムを出た後、ずっと砂漠に足止めされていたらしい。
「それにしても今の技、凄く強力そうね!
どう?あたしと模擬戦やってみない?」
はいキター!
強そうな相手なら誰此れ構わずバトル吹っかける、アリーナクオリティー、キター!
「いや、遠慮しときますよ…
今の技も、はっきり言って未完成だし…」
「え~、残念だなぁ~」
…と言いながら、鉄の爪を装備したりするのは止めてください。
結局、バトルは回避。
「あたしも何か、強力な必殺技が欲しいんだけど…」
「ん~、こういうのは…」
修業方法や技等について少し語り合う。
「それじゃ、あたし、もう宿に戻るわ。
いい加減に帰らないと、煩いのが煩いし、心配性なのが心配するでしょうから。」
煩いのと心配性ね…
「ちょっとちょっと、お仲間に対して、その言い方はどうかと思いますよ?」
「信用信頼はしてるから大丈夫よ!
本当に頼れる仲間なんだから!」
あ、それなら大丈夫…でいいのだろうか?
「じゃあねフィーグ、今夜は色々と良い話が出来て楽しかったわ!
また会えるといいね!」
「縁在れば会えますよ。」
そう、縁在れば、ね…
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
次の日の朝、トルネコはキャラバン隊メンバーとしてブランカを出発。
アリーナは既に別のメンバーと出発したらしく、会う事はなかった。
ついでに言えば、親父にも会わなかった。
トルネコを見送り、エンドールに戻った俺は、ネネさんにその事を報告しに行ったのだが…
「あ、フィーグさん、いらっしゃい…」
トルネコ分が切れたのか、少し元気のないネネさん、よ~く見ると目の回りが赤く腫れています。
「(あ、ネネさん、泣いてた?
やっぱり無理してたんだよね。)」
もっとも、それを聞くほど、デリカシーに欠けているつもりはない。
…つもりはなかったのだが、もしかして無自覚に顔をガン見してたのかもしれない。
察したかの様に
「な、泣いてなんかいませんからね!
ぷんっ!ぷんっ!」
顔全体を真っ赤にし、頬を膨らませ口を尖らせ、オーバーアクションで首を左右に振るネネさん。
マジに「ぷんぷん」とか声に出して言う人、初めて見たよ。
子持ちな人妻が、そんなん言うなと思ったりもするのだが、悔しいが、認めたくはないが、やっぱ可愛いわ、この人妻。
トルネコの旦那、俺に人妻属性がなくて、本当に良かったな(笑)。
ま、それは置いといて、トルネコがブランカを出発したのを報告する。
「それでフィーグさんは、これからどうなさるおつもりなの?」
「踊り子姉妹がこの街に来たら、その時に勇者と一緒に合流するつもりですよ。
それから本格的にスタートですね。」
そう、最初からそのつもりでエンドールに長く居たのだ。
例えばブランカで勇者を待ち伏せしたとして、「やあ、君は勇者君だね?俺が仲間になってやるよ!」とか、いきなり言っても怪しまれる事受け合いだぜ。
少なくとも俺なら100パー警戒する。
でも、それをやる奴がいるんだよな…
誰とは言わないが、僧侶、商人、バニーちゃんを引き連れた戦士が…
既に4人パーティーで定員オーバーという理由で結局は無しになるんだろうけど。
ゲームじゃないから定員という概念が、どこまで影響してるかは疑問だが…
「だからトルネコの旦那と次に会うのは、コナンベリーの大灯台かな?」
「それでは、その時からは主人をお願いしますね、識者フィーグさん♪」
「へ?識者?!」
「導かれし者達には、皆さんに戦士とか姫とか、肩書きがありますよね?」
はいはい。
「でも、今のフィーグさんに、そーゆーのって、ありますか?」
「いや、ないっす…」
ん~、今まで気にした事なかったけど、確かにないよな~。
「でっしょ~?
それでフィーグさんにも理(原作知識)を知る者という意味で、考えて名付けてみたんだけど、お気に召さなかったかしら?
原作知識をフル活用して話を進めるって言っていたあなたには、ピッタリだと思ったんだけどな~?」
ネネさん…俺の為ってか、自分が楽しんでいるだけですよね?
だが…
「識る者…識者…ですか…。
いや、いい!凄くいい!それがいい!
ネネさん、それ、いただきです!」
俺が普通に気に入った(笑)。
今後、自身を識者(自称)フィーグと名乗るのが決定した瞬間だった?
うむ、本来なら感嘆符で締めるトコだが、少し自信がないから疑問符にしておく。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
それから1ヶ月後、世界時事通信より、キングレオ国王暗殺未遂事件と、それに伴いハバリア港の封鎖が報じられた。
いよいよ「時」が本格的に動き出す…
※※※※※※※次回予告!※※※※※※※
ついに運命に繋がれた光達が集いだす…
次回・真に導く者:『お前、なんだか』
『タロットカードとか武器にして戦いそうな顔してるな(笑)』乞う御期待!