「全っっっく、姉さんったら!
勇者様との初顔合わせなのにカジノで遊んでるなんて!」
「うぅ…悪かったわよぉ…」
未だに激(怒)ぷんぷん丸なミネアさん。
「まあまあ、もういいでしょ?
マーニャさんだって反省してますよ?」
「フィ~グ~、あんた、善い男だよ~!
さっきはケチ男とか言ってゴメンよ~!」
泣きながら抱きついてくるマーニャさん。
嗚呼、腕がマーニャさんの御胸様の谷間に食い込み沈んでいく…
出来る事なら、このまま腕になりたい…
「…オホン!」
ジト目で咳払いするミネアさん。
分かった、分かりましたよ、もう少し堪能したかったが仕方ない。
因みにソロ君は顔を真っ赤にして下を向いています。
ふっ…まだ若いな…
「と、兎に角、今日は解散しましょう。
明日の朝、そうですね、9:00頃に教会の前で集合で、どうですか?」
「今夜はどーすんの?」
「それぞれの宿屋で…
あ、ソロは俺と同じ部屋でいいか?」
「それなんですが…
あの…誠に言いにくいのですが…」
ま、まさか…?
「実は姉が、今夜の宿代に使う筈だったお金もスってしまっていて…」
おいおいおい、「養う」って、マジにそのレベルからかい?
「はぁー…分かりましたよ。
とりあえず宿に帰りましょう。」
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「さてと、流石に今の部屋に4人も入る訳にはいかないから、もう一部屋取りましょうか。」
「じゃ、あたしとフィーグ、ミネアとソロが同じ部屋でいいわね?」
「ちょ…ちょっと待ってよ姉さん?!」
「あ、フィーグと同室のが良かった?」
「だ・か・ら!なんで、そーなるのよ?
だだだ男女が同じ部屋で寝泊まりなんて、ははは破廉恥だわ!」
「そうだよ、マーニャさん、勝手に決めるのは良くないよ。」
「フィーグさん…」
なにやら安心なミネアさん。
「で、ソロ?お前、マーニャさんとミネアさん、どっちが良い?」
「フィーグさん!!」
なにやら急に怒り出すミネアさん。
あ、ソロ君、また顔を真っ赤にしてるよ。
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「さて、明日は早く出るらしいから、さっさと寝るぜ。」
結局は…というか当然というか、男女別々での部屋分けになった。
ちなみにスケジュール管理はミネアさんにお願いした。
「…………………………………………」
「…………………………………………」
「…………………………フィーグさん?」
「ん?」
「フィーグさんは識者と名乗ってるらしいですね?」
「ああ。ある人から貰った二つ名だよ。」
「フィーグさんは…僕の村に起きた事も知っている…いえ、識っていたのですか?」
「さあな…仮に知っていたとして、それなら何故、それを回避する様に動かなかったかとでも聞くつもりか?」
「…………………………………………」
「識っていると動けるは違うんだよ。
識っているからと言って、全てを教えられる訳でもないんだ。
そして、この先、俺の発言有る無しに関係なく、先頭に立って動くのは俺じゃない、お前だ。」
「僕が…」
「今までの出来事、これから先の出来事が仮に1つの物語なのだとしたら、その物語の主役はソロ、お前だ。
俺やミネアさんマーニャさん、そして未来に出会うだろう仲間達も、お前の脇を固める存在に過ぎないんだ。」
「僕が主役…」
「1人で全てを背負う必要はない。
その為に俺達がいる。」
「…はい。」
「なあ…ソロ…」
「はい?」
「……お前、マーニャさんとミネアさん、どっちと同じ部屋が良かったんだ?」
「!! おおお、お休みなさい!」
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「おはようございます。」
「おはよっす。」
「…おはようございます。」
「ん~、おふぁお~…」
「……………………。
さて、約1名ほど、まだ半分寝てる人もいますが、これからの予定を決めようと思います。」
ミネア議長の下、軽くミーティング。
「ソロ?」
「はい…。フィーグさんとも昨夜に少し話してから考えたのですが、エンドール港からは暫くの間、船は出ないそうなので、とりあえずは東ブランカ地方からの砂漠地帯を越えて、コナンベリーを目指そうかと思います。」
「そこから船…か。」
「となると、商人ギルドのキャラバン隊に同行するのですね?」
「はい、そのつもりです。」
「…………………………………。」
「フィーグさん?」
「いや、何でもないよ。」
近い内に、馬車が手に入いる事は、まだ敢えて黙っておく。
「ん~、それで良いんじゃない?」
「私はソロさんの考えを尊重しますわ。」
「決定だな。」
「皆さん…ありがとうございます。
改めて、よろしくお願いします!」
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「いらっしゃいませ~…って、あら、フィーグさん!」
今後の方針を決めた俺達はネネさんの店にやってきた。
一番の目的は勇者・ソロの現時点の貧弱ぅ、
貧弱ぅっ…な装備を一新する為だ。
「や、ネネさん、前に預けた武具一式、引き取りに来たよ。」
「全部じゃないよね?」
「ん~、とりあえず…」
「分かったわ。
ルナちゃーん、フィーグさんの品、このメモの分だけ持って来てー。」
「はーい!」
ルナと呼ばれた店員が倉庫から今までに預けた武具一式を台車に載せて持って来た。
「とりあえずソロ、お前はコレを装備な。
後はマーニャさんとミネアさんに…」
†††††††††††††††††††
ソロ・レベル?
銅の剣→鋼の剣
皮の鎧→鉄の鎧
皮の盾→鉄の盾
皮の帽子→木の帽子
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「フィーグさん…良いんですか?これ…」
「気にするな。」
「いや、普通はしますよ?
私達にだって…」
ミネアさん達には星降る腕輪を渡した。
先日のカジノで大当たりした時にコインと交換した景品だ。
「ねぇ、フィーグぅ~、確かカジノには、スパンコールドレスってのも有ったと思うのよね~?」
「いや、それは交換してないよ。」
「ちなみにコインの残りは?」
「全部、他の景品(消耗品)に使ったよ。」
「がっくし…」
気にしない処か遠慮なく、更におねだりする人もいる様で…
「それにしても…」
「え?」
いや、似合わないなあ…
いくら勇者と言っても、駆け出し冒険者には過ぎた装備だったかもな。
着こなせていないというか、鎧に着せられてる感がハンパない。
「(ねえ、フィーグさん?)」
ネネさんが小声で囁く。
「(あの子が、もしかして?)」
「(いぐざくとりー。)」
ネネさんの質問に答えると…
「ちょっと待ってて。」
こと…
カウンターの上に置かれたのは、柄には立派な装飾が施され、十字架を思わせる形状の刃の長剣。
「これは…」
「破邪の剣。
夫が旅立つ前に、いざという時の為に用意してくれていた逸品よ。
支払いは出世払いにしといてあげる。
そのボーヤに装備させると良いわ。」
「ありがとう…ネネさん!」
「気にする事はないわ。
ボーヤが強くなって都合が良いのは、こっちも同じだからね。」
「「「?」」」
†††††††††††††††††††
ソロ・レベル?
鋼の剣→破邪の剣
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「バギ!」
ギョエー!
真空刃がテベロを切り刻み、突如襲ってきた魔物の群を退けたが…
「正直な話、ソロがまだまだ実戦経験が足りないよな…」
「すいません…」
「いえ、ソロさん、謝る必要ないのよ…」
「戦い方から、基礎が出来てるのは分かるんだ、お前の師匠、大した人物だぜ。」
「あ、ありがとうございます!」
元気のいい返事だ。
やはり、自分の師匠を誉められるのは嬉しいみたいだ。
普段から、そのくらい明るけりゃ…
いや、あの明るさが本来なのだろう。
「どうせブランカに寄るし、鍛え直して貰うかな…」
「フィーグさんの御師匠様ですか?」
「俺の親父とジジイ。」
ソロに死亡フラグ?
いや~、まっ、死にはしないだろ…
※※※※※※※次回予告!※※※※※※※
「あの、フィーグさんのお祖父様って、どんな人ですか?」
「例えるなら、風〇寺隼人と東方〇敗を足して、更にラ〇ウを掛けた感じ?」
「誰一人、知らない名前ですが、何だか嫌な予感しかしないのですけど…」
「ソロ…その直感は大切にしろよ…」
次回、真に導く者:勇者魔改造計画②
乞う御期待!