真に導く者   作:挫梛道

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メダリオ格闘トーナメント開幕!

「ふふ…何だか御都合主義みたいに、皆、上手い具合にバラバラになったわね。」

姫さん…それ、言っちゃいけないヤツな。

 

メダリオ格闘トーナメント。

正午過ぎから、特設コロシアムで催されるイベント、その出場枠である16の席を巡る予選が、王城の、普段は城兵達が模擬戦を行う場内広場で行われる。

俺、姫さん、ソロ、ついでにバルログは、その「15」の予選ブロックに、予選で潰し合う事無く、良い感じにバラける事が出来た。

 

「…にしても、あの『X(エックス)』って、何者なんですかね?」

「分からない…ただ、この大会のスポンサーに聞いt「バルログはトーナメントのスポンサーじゃないのか?」き、君は人が喋っている時に、口を挟むのは止めたまえ!

オホン…スポンサーに聞いてみたら、彼が出場の受付をした途端に、スタッフが その名を聞いて驚き大会責任者に報告、その後彼は その儘、予選無しで本戦出場が決まったそうだ。

つまりは余程 名の知れた、予選など無意味と言わしめる強者なのだろう。

それから、私はトーナメントのスポンサーには、自身も出る心算でいたから、なっていないよ。

もし なっていたら、それこそスポンサー権限乱用して、自らも予選無しで本戦出場を決めていたさ。」

 

X(エックス)…出場受付を済ませただけで、そのネームバリュー?から、予選免除で本戦出場を決めた謎の男。

このX(エックス)という名前も当然ながら本名でなく、参加者の戦意を喪くさない為の配慮だとか。

俺達トーナメント出場組は、予選が始まるまで まだ少し時間があったので、『謎の男』について駄弁っていた。

 

「エンドール覇者の姫さんですら、予選を受けるってのに、それ以上に知られてる奴なのか?」

「…うむ、そうなるね。」

「あたしは戦える回数が多くなるなら、寧ろ予選は歓迎なんだけどな?」

そういう考えが出来るのは、世界中探しても貴女だけです。

 

「バルログ、この中で武術系の世界で一番詳しいのは お前なんだけど、心当たりとかって無い訳?」

「すまない、私が知っている限りで、最強と思っている『ホウセン』でさえ予選からなんだ、見当もつかない…いいや、1人いたよ…。」

「へ~、誰よ?」

「フィーグも あの男の強さは、肌で感じた筈だよ?」

「…!!まさか…?」

「そう、デスピサロさ。」

「「「!!」」」

バルログの口から出た名前に、思わず表情を険しくする俺達3人。

確かに、あの男のエンドールでの無双ぶりなら、予選免除でも不思議はない。

しかしバルログの予想は無いと、俺は確信している。

ヤツが何故、エンドール武術大会に出た理由も はっきりしてないが、原作的には今頃は、地獄の帝王を迎える準備等で魔界の城か、デスパレスで部下の魔物に指示を出している筈。

今更こんな、ヤツからすれば お遊び同然なイベントに、顔を出す事は無いだろう。

 

結局X(エックス)については、「当たれば正体が判る」で落ち着き、俺達は予選の会場に向かった。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

予選は1ブロックに5~6人が振り分けられてのバトルロイヤル形式な訳だが…

 

「何だか皆さん、俺を親の敵みたいに見てるんですけど…」

俺と同様な槍使いが1人、剣を構えてるのが2人、戦斧を持ってるのが1人、素手の格闘系が1人…

その全てが、俺を睨んでいる。

一斉に俺に襲い掛かるのが見え見えだ。

 

「あの赤毛、間違いない…」

「昨日の奴だよな…」

「ちっくしょう…ホイミンちゃんと仲良くしやがって…」

「有罪(ギルティ)!万死!!」

「俺のロレンスを、よくも…」

 

……。

あ、そーゆー事か。

つまりはコイツ等、揃って愉快な勘違いをしてる訳ね。

約1名、恐ろしい勘違いをしてる奴もいる様だが…

確かに昨日はノリノリで、背中を合わせてリュート弾いたりとか、1つのマイク(みたいなマジックアイテム)で一緒に唄ってみたりとかしたけどさ…。

                  

そんな風に思っている中、

「始め!」

審判の声と同時に

「「「「「うおおおぉお~っ!!」」」」」

目の前の5人が、本当に同時に襲い掛かってきたので、

「覇極流千峰塵!!」

「「「「「うっぎゃあぁ~っ!!」」」」」

纏めて返り討ちさ。

「其処まで!予選E組は、フィーグ選手の勝ち抜けとする!」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「流石はフィーグだ。

良いか、君を倒すのは私なのだ。

私と当たるまで、誰であろうと敗けるのは許さん。

それでは、本戦で会おう!!」

いち早く予選突破し、俺の様子を窺っていた仮面の男は、一方的に話し終えると、去っていった。

そして、

「鴎返し!」

「ソロ選手、予選突破!」

 

「雷光明王流転拳!!」

「其処まで!アリーナ選手、予選突破!」

ソロと姫さんも、難なく予選を突破し、トーナメント本戦16人の出場枠が埋まった。

 

メダリオ格闘トーナメント本戦出場選手

 

X(エックス)

バルログ

モビリオ

ノーナム

エルギストラ

フィーグ

パルマー

ソロ

コカブリエル

オーゼ

ベロリンマン

ホウセン

ソノタ

アリーナ

レオパルド

キャロット

 

※X(エックス)より下は予選ブロック順

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「ほう?皆さん、予選は通過ですか。

おめでとうございます。」

朝一番でネネさんとポポロをエンドールまで送ってきた旦那。

ネネさんも ついでだから、トーナメントも観て行けばと思ったりもするが、やはり自分の店を3日も空けられないのだろう。

 

本戦の始まる時刻まで、まだ少し時間があったから、少し早い軽めの昼食を皆で取る事にした。

バルログの奢りで。

                  

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

そして正午過ぎ、超満員なコロシアムにて、メダリオ3連祭の〆である、格闘トーナメントが開催された。

 

 

「順当に勝てば、2回戦で姫さんと当たるのか…。」

「私は準決勝で、ソロ君と激突だね。

フィーグとは決勝か…」

「残念、フィーグに勝って、決勝に進むのは、あたしよ。」

「僕も、負ける気はないですから!」

選手控え室、発表されたトーナメント表を見ながら、話し込む。

 

オープニングマッチと言って良い第一戦は、優勝候補の1人である、ホウセンの槍の強烈な一撃がモビリオを瞬殺(殺ってません)。

                  

「凄いな…」

「バルログさんが最強と言ってた理由が解った様な気がします。」

控え室では、闘技場の様子を映し出す、水晶玉型のマジックアイテムを殆どの参加者達が観ていた。

確かに、このホウセンと云う男、凄まじいレベルだ。

その強さに皆が感嘆の声を上げるが、誰一人として退く様な発言をしない辺りは、流石は本戦出場の強者達と云った処か。

只1人…鉄仮面の男が、他者の試合に興味無しとばかりに、控え室の角で壁に背を預けて佇んでいるのが気になる。

どうやら あれがX(エックス)らしいが あの男、偶にチラチラと、俺達を見ている。

恐らくは、初戦でぶつかるバルログを見ているのだろうが…。

 

そして、

「…選手、アリーナ選手、出場の準備、お願いします。」

姫さんの出番となった。

 

「よし、行ってくるね!!」

 

 




  † 格闘トーナメント基本ルール †

※対戦相手を殺した場合は失格とする。
但し、試合中の死亡は自己責任とする。
※魔法、マジックアイテムの使用禁止。
武具に付随されている、魔法的効果も不認とする。
※魔力(MP)を消費しない、技には基本的に無制限とする。
但し、場合によっては、試合中、或いは以後の試合での使用禁止を宣告する場合も有り得る。
※薬草等の回復系アイテムの使用禁止。
毒消し草は、此に当たらずとする。
※武器防具等の装備は無制限とする。
※戦いに基本、禁じ手は敢えて設けない。
自身のプライドに一任する。
但し、観客に被害が及ぶ類の技の使用は禁止とする。
※試合決着は気絶、降参、レフェリーストップ、反則等とする。
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