真に導く者   作:挫梛道

67 / 101
キャラ(設定)紹介も、追加しました。
 



新しい街

「本当に久し振りですね、ホフマンさん。

お変わり有りませんか?」

「パトリシアも、元気してた?」

「ヒヒーン!」

 

サントハイム南部砂漠のオアシスで出会ったのは、嘗て一緒に旅をしていた…

その道中、ミントスに訪れた時に、その街に住む、商人の神様と云われる老人、ヒルタン老師に弟子入りする為に別れる事になった青年、ホフマンだった。

 

ミントスでクリフトが病で倒れていた時も、その時の宿のスタッフとして看病していたりと、ライアン以外は少なからず、縁がある人物だ。

 

「あ、そー言えばフィーグさん、時事通読みましたよ。

何時の間に、マーニャさんと くっついたんですかぁ?」

「…色々と、あったんだよ。」

またかよ…。

まあ、知っている人間からすりゃ、やっぱり真っ先に聞いてくる事柄なのかな?

 

「ラキスケの度に、グーパンチと簀巻きだったのに…世の中、分かりませんね。」

喧しいわ!!

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

「卒業試験ですか…」

「はい。しかし、商人として、結果と実績を示せという、漠然とした お題ですから、何をしたら良いのか、分からなかったのですが…」

「…過去形って事は、もう答えを見つけたんだよな?」

「はい!」

 

ヒルタン老師から提示された、卒業の証明の為の お題…『結果と実績を示せ』。

そのアバウト過ぎると言っても良い、無茶振りにも、ホフマンは答えを出し、後は実行に移すだけと、自信に満ちた、良い表情で応える。

原作知識で、何をしようとしてるかは判ってはいるが、一応、聞いてみると、

「僕も、ヒルタン老師に倣い、新しい街を0(ゼロ)から作ろうと思うんです!」

思った通りの答えが返ってきた。

 

「そんな訳で、パトリシアと色々な場所を廻ってきたのですが、なかなか、コレと往った土地に巡り会えなかったのですが…」

此処で、何か天啓でも下ったかの様な、冴えた顔を見せ、

「ん。この地で皆さんと再会出来たのに、運命的な何かを感じます。

此処で新しい街を開拓してみるのも良いかも知れませんね。」

言い切った。

 

「大丈夫なの?こんな砂漠で?」

「僕は元々、砂漠の玄関口の街、ノースサンドラの宿屋の息子ですよ?

別に砂漠に、マイナス要素を感じたりはしません。

寧ろ、この水源豊かなオアシスは、大きなアドバンテージですよ!!」

言い切った!

 

「…と、なると、後は この砂漠に新たに街を開拓する許可を得るだけですが…」

 

じーーーーーーーーーーーーーーー…

 

此処でホフマン君、サントハイム王女である姫さんに対して、何かを訴えかける様にガン見。

           

「はぁ…」

呆れた様に、尚且つ笑顔で溜め息を吐いた姫さんが、ホフマンの前に出る。

 

「ホフマン・ディアラックよ…

このサントハイム第1王女、アリーナ・ウィンティ・ジ・アレナア・サントハイムの名に置いて、この地に新たな街を築く事を許可します。

サントハイム発展の為、立派な街を作り上げる事を期待します。

…これで良いかしら?」

「ナイスだ、姫さん。」

姫さんにサムズアップ。

「あ、ありがとうございます!

必ずや、立派な街を築いてみせます!!」

 

 

ん、そうだ。

現時点で、サントハイム唯一の王族である姫さんの許可が降りたなら、これでホフマンも遠慮無く、開拓作業に移行出来るだろう。

俺達も、可能な限りの協力はしてやるよ。

 

「とりあえずは時事通信の記者を呼んだりして、世界中にアピールせねばいけませぬな。」

意外にも?ブライ爺さんが、「また勝手な事を…」みたいな顔をするかと思えば、逆に、かなり乗り気な発言。

祖国の現状を考えてみると、新しい都市が出来るのは、プラスになると判断したのだろう。

 

「私独断では決められませんが、姉妹店…2号店の出店を、妻や店のスタッフと話し合いしてみましょう。」

「各都市の酒場なんかには、今の暮らしには満足出来ず、新しい生活…新天地を求めてボヤいてる人とか、結構居ますよね。」

「それなら、姉さんが酒場の主にONEGAIする事で、店に移民求募のポスターでも貼らせて貰いましょう。」

「ちょ…何だか、字が違うくない?

でも、任せなさい!」

皆も、建設的意見を出していく。

 

「皆さん、ありがとうございます!

よろしくお願いします!!」

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

「…では、行きますよ、フィーグさん!」

「応よ!!」

 

街作りの話が一通り終わった後、オアシスの畔で、ホフマンと俺は互いに得物(やり)を構えて対峙する。

行商の勉強ばかりで、槍(せんとう)の腕が鈍ってないかどうかの確認だ。

一応は俺も、多少は戦い方をアドバイスしたりした、ある意味、師匠ポジだからね。

 

「でぃや!見様見真似・覇極流千峰塵!!」

本来は騎士等が、片手で装備する事で、盾と併用する前提な造りのホーリーランス。

それをカスタマイズして、両手持ちも可能とした聖槍で繰り出すのは、高速の連続突き。

以前、俺達と同行していた時の魔物との戦闘で、俺が放っていたのをしっかりと視る事で身に付けた、コピー技。

俺達と別れた後も、きっちりとヒルタン老師の師事の合間に鍛錬していたのだろう、そして卒業試験の名目の旅の途中でも、魔物と戦う際に多用したのであろう、俺が最後に見た時よりも、更に精度を増した その技は、既に見様見真似の域を超えていた。

しかし、あれから、魔物との戦いで技を使用する事で、更に精度を上げていたのは、俺も同じ事。

ホフマンの連続突きに対し、まるで鏡写しの様に、同じ軌道、同じ速度、同じ力加減で、撃ってくる槍の先端に方天画戟の穂先をぶつけ、相殺する。

「うわっ!」

そして、最後の一撃に対してのみ、僅かに速く、僅かに重い一戟で跳ね返して突進、そこから放つのは、

「無双三段!!」

ズバキャアッ!!

「う、わあぁあっ!!」

千峰塵を完璧に習得したGOHOUBIとばかりに、新たに得た新技で応えてやった。

 

するとホフマンは、斬る、突く、払うの三連撃をまとも喰いながらも臆する事無く、しっかりと技を『視』ていたよ。

いずれ、この無双三段も『見様見真似』で習得するんだろうな。

 

「立てるか?」

「は、はい、何とか…」

 

大の字にダウンしたホフマンに手を差し伸べて起こした後、「もう、千峰塵を撃つ際は『見様見真似』を附けなくても良いよ。」って言ったら、

「あ、ありがとうございますうぅっ!!」

…って、涙流して感動してたよ。        

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「「「おえっぷ…」」」

ホフマンと別れた後、少し東に戻って、旅の扉を通ってエンドールへ。

その際、俺とソロとライアンが、ゲート酔い。

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

エンドール城下町、旦那の店にて、纏い手が居なくなったプラチナメイルを売り物ではなく、店頭展示品としてカウンター脇に飾る。

因みに破邪の剣は、一応、予備の武器として、馬車に置いておく事に。

そしてバルログが店に預けてくれていた、新しい【真夜の仮面】を受け取り、装備。

 

その日は その儘、城下町に宿泊。

俺はポポロに引き止められていたけど、ネネさんに にこやかな顔で、「げらあぅと!!」…と、ばかりに殺気を放たれてられましたので、当然、気を利かせて…

どうせ、いくらなんでも全員は泊まれないからね、旦那以外は宿屋にチェックイン。

 

 

その後は、マーニャさんが持病の『カジノ行きたい病』が再発したのを何とか宥め、久し振りに、以前は よく利用していた店、『華の郷』に皆で食事に。

店には先客にロレンスとスコット(久し振り!)が居て、思いっきり「爆裂しろ!」と絡んでくるわ、更には店のバニーちゃんも、エンドールを発つ前の、俺の店内での話(バニーちゃんを口説いていた等々)を容赦なく話してくれて、ミネアさんに「不潔です。」とディスられるわ、マーニャさんを軽く修羅場らせるわ、楽しくも散々な席だったぜ。

そして それを見ていた、ソロが大笑い。

テメー、覚えてろ、後で〆る。

 

勿論、ホフマンの街の、移民募集の貼り紙をお願いするのも忘れない。

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

翌日、旦那を迎えに行ってみると、旦那は御約束の如く思いっきり窶れ果ており、やはり御約束の如く、思いっきり艶っつやなネネさんが、「皆さんで食べて下さいね」と、全員分の お弁当を渡してくれた。

 

わーい!ネネさんの手料理だー!♪

これで昨夜、マーニャさんに絞り摂られ喪った精気を回復してやるぜ。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

馬車は現在、嘗て旦那が私財を擲って完成させたと云う、エンドール⇔ブランカトンネルを通過中。

その目的は、傭兵団『フランベルジュ』の拠点(ホーム)だ。

 

先日の古代遺跡で、辛うじて勝てはしたが、トラウマの代名詞である、キラーマジンガ様にフルボッコにされ、力不足を実感した俺達…特にソロと姫さんが、今以上の強さを求め、格闘トーナメントの際に、親父がソロに向けて言った台詞…

 

「今度、あの お姫様とブランカの拠点(ホーム)に来い!

父殿と一緒に、改めて鍛えてやるわい!!」

…あの言葉を頼りに、親父を訪ねる事にしたのだ。

勿論、親父だけでなく、ブランカ城の訓練場で、祖父(じ)っちゃんにも稽古を付けてもらう予定だ。

 

100の鍛錬より、1の実戦。

よく聞く言葉だが、フランベルジュの訓練は、別枠だ。

経験者が言うのだから、間違いない。

 

 

「…あの人達の出鱈目っぶりは、既によく知っているつもりですから。

地獄の特訓が待ってるのは、十分に覚悟していますよ。」

「強くなるには、厳し過ぎる位が丁度良いのよ!そうでなきゃ、意味が無いわ!」

 

ほぅ…2人共、言うねぇ。

特にソロは、ジジイにも親父にも、訓練やらトーナメントやらで襤褸雑巾にされてるから、それなりに耐性を持っている心算なのだろうが… 

「2人共、『地獄のトレーニング』とやらを想像してみ?」

「「……………………………………。」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…そんなモノは、\(^∀^)/天国だ!!」

「「(」゚O゚L)ノオッォオオォオォォォォォオオォォオォオォォ~ッ!!」」

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

トンネルを抜けた後、襲ってきた魔物はパインウインド無双。

勇者一行を乗せた馬車は、ブランカ城下町に到着した。

 

 




コメントよろしくです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。