可能な限りは原典に忠実に描くつもりですが…
第1章:識者
旅立ち
「てぃやぁ!」
「どっせぇい!」
ガキィッ!!
上から振り下ろされる剣と下から突き上げられる槍が交差したかと思えば、剣が持ち主の手から弾き飛ばされる。
カランカラン…
宙を舞った剣が床に落ち転げると同時に槍の穂先が その者の首筋の前でピタリと止まる。
「参った、降参だよ」
「ふぅ~、何とか旅立つ前に勝率五分に戻せたぜ!」
両手を挙げて降参の構えをとる黒髪短髪の青年と額の汗を腕で拭う、やや長髪の赤い髪の青年。
城内の鍛練場の一角を借りての模擬戦は槍使いに軍配が上がった。
「しかし、本当に旅に出るのかい?寂しくなるな…」
「ああ、「時」が来たからな」
「キミは前から「時」という言葉を使ってるよね…
僕には分からないけど、キミにとっては重要な何かがあるんだろうね」
「ああ、いつか話すy
「おぉ~、やっとるか、小僧共!!」
「「!!」」
そこに現れたのは一人の老人…というには逞し過ぎる身体を誇る白髪白髭の男…否、漢であった。
「グレイグさん…」
「祖父(じ)っちゃん…」
グレイグと、祖父と呼ばれた漢は豪快に笑いながら言い放つ。
「どら、貴様等がどれだけ成長したか、久しぶりに儂が直々に手合わせで確かめてやろう!」
「「え゙?」」
凄く良い笑顔をしている老人と口を引き吊らせてる若者二人。
「(ヒソヒソ…ど、どうしよう?)」
「(ヒソヒソ…バカヤロ、あのジジイの中にはオーガーが入ってるんだぞ、勝てる訳ないだろ!)」
「んん~、どうした?怖いんか?」
「いや~祖父っちゃん、今日はもう、真っ白に燃え尽きてるから、また今度…みたいな?」
「(なんなんだよ、その例え?)ぼ、僕も今日は疲れてますから…」
「ほう…?正規の兵士でもない貴様等小僧共が此処に出入りして鍛練出来てるのは誰のお陰かの?」
「あー、分かったよ!分かりましたよ!
全~部、兵士団長である御爺様のお陰でありますよ!
よーし、行ってこい!
少しでもジジイのHP(体力)削ってこい!
トドメは俺が刺す!」
「えぇ!?な、なんで僕が先に…?」
「ん?何を言っとるんじゃ貴様等は?
弱いんじゃから、遠慮せんと二人纏めて掛かって来んかい!
どうせ瞬殺じゃろうがな!」
「「…はぁ?!」」
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城下町の外壁、門の向こう側には広大なフィールドが広がっている。
そこに顔面フルボッコな男が二人。
「僕も此処で、もう少ししたら旅立つよ、フィーグ」
「ああ、いずれまた会おう、ハスター」
がっしりと握手する二人。
「ねぇフィーグ、キミの旅の目的って聞いてもいいのかな?」
「ん~、まだ詳しくは言えないが、世界の流れに介入する…かな?」
「???」
ブランカから一人の若者が旅立った。
この日発行された「世界時事通信」のトップ記事にはバトランド地方の児童連続失踪事件が報じられていた。
世界時事通信…この世界最大の情報誌。
本社は多分エンドール。
世界各地に支部があり、各地の派遣員はルーラやキメラの翼で本社に集まり記事を提出、其処で纏められた原版を各々の地で刷り上げて販売してる感じ?