真に導く者   作:挫梛道

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いきなり【R15】です?
 



パーティー解散!

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

ん…んん…

夜中、不意に目が覚めた。

 

クぉ~…

ベッドの上、隣には、フィーグが静かに寝息を発てている。

…あの後、フィーグだけ特別に、簀巻きから解放してやったのだ。

ソロとクリフトが泣きながら、「うわぁーん!贔屓だー!!」って叫んでたけど、そんなのスルーよ!

 

因みに今、私とフィーグは、生まれた儘の姿になっていてる。

つまり…そーゆー事よ!

言わなくても解るわよね!!

 

そして今、私達の体を覆っているシーツ、

 

むっくぅ…

 

「何だか、山が出来てるんですけど…」

そう、何やら丁度、フィーグの下半身辺りの所が膨れ上がっており、

カバっ…

「ぅっ☆…ゎわあぁ~っおぉぉう…!☆」

そのシーツを捲ると、其処には この男の愛槍・方天画戟を彷彿させる黒鋼の豪槍が、正に天を貫かんとするが如く、聳え"起"っていた。

 

じぃ~…

改めて其れをガン見。

男の人のアレを見るのって、フィーグと父さんのを除けば(まだ小さな子供の頃、一緒に お風呂に入ってた時よ!)、この前のオークとの戦闘時に、ソロとライアンのを、ちょっと見ただけだけど…

 

ライアン≧フィーグ>父さん>>(中略)>>ソロ

 

…な感じだったし、ソロも あの時、フィーグやライアンの事を、『鬼』だとか『修羅』だとか、凹みながらブツブツとボヤいてたし、やっぱし大っきい部類になるんでしょうね?コレ?

ソロ、強く生きて!w

あ、そうそう、ライアンとソロのを見てしまったのは、あくまでも事故よ!不可抗力よ!らきすけよ!!…って、あら?

 

 

「…zzzz…」

……………。

ん。また寝る前に ついでだから少しだけ、フィーグニウム(生)を補充しておこう♪

いや、これは、私は悪くはないわ。

こんなんなってる、フィーグが悪いの。

いや寧ろ、こんな状態のフィーグに対して、何もしないなんて、逆に失礼だよね?

 

 

『…だから、私は悪くない。』

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

うぅ…何だか体が怠い。

昨夜はマーニャさんに簀巻きから解放された後、既に時間が時間だったから、それ程 致した訳でも無いのだが?

ん~、確か、5Rくらい?

 

「~~~~♪♪」

 

傍らには、マーニャさんが凄く幸せそう、且つ艶やかな顔で、静かに寝息を立てている。

 

「…もう少し、寝かせといてやるか…。」

そう言いながら、枕元に置いていた懐中時計に手を伸ばし、今 何時だべ?…と時刻を確認してみると、既にAM8:37…!?

 

「おぃ、マーニャさん起きろ!

昨日、言ってたろ?今日は9時から、今後の対策を話し合うって!」

 

ゆっさゆっさゆっさゆっさ…

マーニャさんの『肩』を持って体を揺さぶりながら、マーニャさんの『肩』を持って体を揺さぶりながら…

何だか きちんと『肩』ってのを強調しないと、勘違いする諸子が続出する気がしたので念を押す意味で2回言ってみたが、兎に角それで、この熟睡している お姉さんを起こそうとするが…

 

「ん~、…後、10時間ん~…zzz…」

貴女は何時間、寝る気ですか?!

 

「もぉ~、仕方無いわねぇ~…それなら、ちゅーしてくれたら、起きる~…ん~♪」

どっちが仕方無い!?

あ~、全く!世話の焼ける お姉さんだぜ!

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

はぁ…時間ギリギリになって、漸くバカップルが、この会議室に やって来ました。

「………………………♪」

「……………。」

…艶っ々な顔と窶れ果てた顔で。

不潔です!

「うぅ…朝ご飯…」

知りません!

 

「昨日の続きだが、さしあたっての次に やるべき事は、魔族よりも先に、黄金の腕輪を見つけ出す事だ。

…俺の憶測に過ぎないが、件の誘拐犯は まだ、サントハイム嶺の何処かに潜んでいると思う。

それも街中なんかでなく、洞窟等に…

姫さん達…特に爺さんは、国内でその手の輩が隠れ忍びそうな場所の心当たりって、無いのかな?」

「ふむ…」「う~ん…」「ん……。」

そして今日は とりあえず、フィーグさんが進行して話す中、アリーナさん達に賊が潜みそうな場所について尋ねましたが、有力な手掛かりは得られず。

 

「時事通に、釣り記事載せて貰うかな?

『黄金の腕輪、高値で買い取ります』みたいな。」

「それ、魔族も一緒釣られそうですね…」

「そもそも、仮に誘拐犯が洞窟なんかに潜んでいるとしたら、情報紙なんかを読んでいるとは思えませんが…」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「ロザリーヒル…ですか…」

「聞いた事、無いですな。」

 

結局、黄金の腕輪については行き詰まり、話し合いは次の御題に。

次に目指す場所として、俺がロザリーヒルを挙げたのだが、意外や意外、誰も その場所は勿論、名前を知らないと云う。

世界地図を開き、丁度サントハイムの真西の場所を指差したが、確かに地図にも表記されていない。

…考えてみたら、確かにエルフやホビットの集落が、人間界の公の地図なんかに載ってる筈も無いか。

 

「申し訳無いですが、流石に存在が はっきりしていない集落を目指して、船を出す訳にも行きませんねぇ。」

「ですよねー。」

ん。旦那、正論。

しかし これで、完全に行き詰まったな。

 

「来月、エンドールで行われるサミット。

それに訪れる各国の代表者の方々ならば、何かしら情報を持っている御人も居るやも知れませぬな。」

…確かに。

原作(ゲーム)でも、ロザリーヒルの情報を話していたのは、ガーデンブルグの女王だったし、他の国の御歴々も、何かを知っている可能性は十分に有る。

 

そんな訳で…

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「それじゃあ、来月にエンドールで。」

「えぇ!」

「い~ぃ、アリーナ?

次に逢う時迄には、クリフトと、しっかりキメときなさいよ!!」

「ま、マーニャ、何言ってるのよ?!」

 

俺達のパーティーは、サミットが始まる迄、一時的に解散。

姫さん達サントハイム組は、この儘 城に残り、王族、城属の者として、さしあたっての事後処理をする事に。

残るメンバーは、一足先に、船でエンドールへ。

その後、ライアンはキメラの翼を使って、バトランドへ やはり一時帰還。

バトランド王に、現状の報告をするとか。

旦那は当然、エンドールの自宅に。

ネネさんに任せっきりだった、店の業務に勤しむと言っている。

 

そして、残る俺達は…

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「……………………………。」

目が覚めたら、知らない天井…いえ、見覚えが有る天井でした。

変ですね。

エンドールに到着した後、僕達はトルネコさんの家族や店のスタッフの皆さんと食事した後、宿屋に泊まった筈でしたが。

目に入ったのは、宿の部屋の天井では無いです。

てゆーか、この天井、そして この部屋は…

……………………………………………。

いやいやいや、有り得ません!

そうです!これは夢に決まっています!!

もう一度寝て、次に目を覚ました時は、エンドールの宿のベッドの上に居る筈です!

 

カチャ…

「おぅ、起きたみたいだな、小僧。」

「ぜっ、ぜぜぜ…ゼヴィウスさん?!」

そうこう考えている中、いきなり扉が開き、部屋に入ってきたのは、世界最強と云われている傭兵団『フランベルジュ』の団長であり、フィーグさんの父親でもある、最恐傭兵・ゼヴィウスさんでした。

 

「いきなり昨夜、バカ息子が眠っている お前さんを荷物と一緒に連れて来てな。

サミットが始まる迄の間、此処で鍛えてくれって言われたのだ。」

「はぃい?聞いてないんですけどぉ?!」

「うむ。何でも、これは『さぷらいず』だからとか言っていたが?」

そんな さぷらいず、要らないです!

 

「そ、それで、フィーグさんは?」

「お前さんを預けると、直ぐにルーラで何処かへ飛んで行ったわい。」

非道ぃ!非道過ぎる!!

 

「何、心配せずとも、次にバカ息子に逢う時には、彼奴に余裕で勝てる位に仕上げてやるわい!♪」

い、いやああぁあああぁぁっ!!(」゚O゚L)

やっぱりと言うべきか、どうやら僕は、寝ている間に、フランベルジュの拠点(ホーム)に放り込まれていたみたいです。 orz

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「…それで、フィーグさん?

ソロさんは ゼヴィウスさんに預けたとして、私達は、今から…?」

「ん。ロザリーヒルが見つかる前に、少し片付けておきたい事が有ってね…。

とりあえずはアッテムトだ。」

「「アッテムト?」」

 

 




‡‡‡‡【 次回予告(予定)!! 】‡‡‡‡
 
「…気持ちは解らんでもないが、それでも時には、非情な覚悟も必要なんだぜ?」
 
次回『決断(仮)』
乞う御期待!!
 

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