真に導く者   作:挫梛道

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キャラ設定も、新たに追加しました。
 



遅れてきた錬金術師

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「うわああああああああぁあぁぁっ!!?」

「きゃぁあっ!?」

うっわ!吃驚した吃驚した吃驚した!!

だって、クリフトが いきなり、大声で叫びだしたんだもの!

 

「ひ、ひひひ…姫様…?」

「おはよークリフト。

前に言ったわよね?2人っきりの時は、姫様呼びでなくて、きちんと名前を呼び捨てにしなさいって?」

全く…折角 気持ち良く寝ていたのに、お陰で目が覚めちゃったじゃないの。

 

「いやいやいやいや!そうでは なくて!

何故に姫さm…コホン、アリーナは、私のベッドの中に…と云うか、何時の間に?」

「ん~、添い寝?

あ、この部屋に入ったのは、深夜の~…」

「はぁ~…」

 

…そうなのだ。

昨夜(今夜?)の夜遅く、ふと目が覚めた私は その儘 枕と朝の着替えを持って、クリフトが現在 寝床に使っている城内教会の修道士用の宿室に行き、彼のベッドの中に入り込んだのだった。

…た、単なる添い寝だからね!!

別に良いでしょ?もう私とクリフトは、らぶらぶなんだから!

目が覚めた後、寝付けなくて寂しくなってきたとか、今の お城は私とクリフトとブライ以外は、数人の警備兵と使用人しかいないから、夜は静か過ぎて怖くなってきたとか、決して そーゆーのじゃないの!

確かに、クリフトが王族である、私の寝室のベッドに潜り込んできたのなら兎も角、私の方から私の意志で、クリフトの許へ行ったのなら、大した問題は無い…仮に この儘 一線を超えてしまっても、無問題だって、マーニャも言ってたし!

 

「お、大アリです!!」

ダダダダダダダッ!!…

 

「く、クリフト?!」

…そう言うとクリフトは、顔を真っ赤にしてベッドから飛び起きると、着替えを持って部屋から走り出て行ってしまった。

…って、ねぇ、おはよーの ちゅーは?

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「え~ぃ!煩悩退散煩悩退散煩悩退散!!」

ぶぅんぶん…

 

あわゎ…神に仕える身である私とした事が、あの様な夢を視てしまうとわ…

 

∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽

 

「く・り・ふ・と・…♪」

「はわゎわ…ひ、姫様ぁ?!」

いきなり私の目の前に、姫様が お生まれになった儘の御姿で現れました。

肝心な場所…いやいや、大事な部分は残念ながら…いやいやいやいや、幸いにも謎な白い光が差し込んだり、何やら羽が生えた{DxD}なる謎の文字(ロゴ)が、羽ばたき隠したりして見えたりは しませんが、

「クリフト…♪」

そんな姫様が両手を広げて、まるで私の全てを受け入れるとアピールするかの如く、近寄ってきます!

 

「ぃゃ…姫様?」

いやいやいやいやいやいや、これ、絶対に駄目なパターンでしょ?

物陰に隠れて、フィーグさんや吉良君やカルマさんや中村さんが、嗤いながらスマホ構えていませんか?

…って、自分で言っておいてアレなんですが、『すまほ』って何ですか?

吉良君カルマさん中村さんって、一体 誰ですか?!

 

「クリ…フト…」

ちょ…姫様、近い近い近い近い近いです!!

 

う、うわああああああぁあぁぁっ!!?

 

 

∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽

 

「え~ぃ!煩悩退散煩悩退散煩悩退散!!」

…あの様な夢を見てしまったのは、間違い無く姫様に原因が在ると思います。

しかし、原因や きっかけが どうであれ、私が あの様な夢を見てしまったのは、紛れもない事実。

神の道を歩む者として、修行不足です。

幸い、姫様には気付かれませんでしたが、私の…その、所謂下半身と下着が、最悪に大変な事態になっていたのです。

慌ててベッドの脇に置いていた、着替えと武器を持って部屋を飛び出し、外で着替えを済ませた後、パーティー解散時、フィーグさんから課せられていた鍛錬…剣の素振りに没頭する事で、未だ脳内に刻まれている邪念を振り払おうとしているのですが、あの夢の中の姫様の御姿が、どうやっても頭の中から消えてくれません。

つくづく、我が身の修行の至ら無さを痛感してしまいます。

嗚呼、こうやって目を閉じるだけで また、あの時の姫様の お美しい姿が…って、何を妄想しているのですか、私わ!!?

えぇい!煩悩退散煩悩退散煩悩退散!!

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

中庭から、何やら大きな声が聞こえてきたので、執務室の窓から外を覗いてみると…

ふむ…

クリフトの奴め、フィーグ殿の指示通り、剣術の鍛錬に勤しんでおるみたいじゃの。

いや、感心感心。

大声で叫ぶ事で、自らに気合いを入れているのじゃな。

如何に彼奴が直接戦闘の専門外だとしても、若人の男子ならば この先、旅を再開するにして、アリーナ様を護衛する意味でも、もう少し鍛えて貰わねばな。

…に、しても、何やら今日は彼奴、ヤケに鬼気迫る表情をしておるのう?

ふ~む…

パーティー解散して、今日で丁度1週間が経つが、どうやら彼奴も、もっと自身が あらゆる意味で強くならねばと云う、その自覚が漸く芽生えたか?

いやいや、感心感心。

 

コンコン…

ん?

「何じゃ?入って良いぞ?」

「失礼します。」

ノックして、執務室に入ってきたのは、1人の兵士。

 

「あの、ブライ殿…

マーニャ殿とミネア殿の知り合いを名乗る者が、城を訪ねて来たのですが…?」

何と?

ふ~む…

我がサントハイム城が、魔物共から解放されたのは、確かに世界時事通信でも大きく報じられはしたが、フィーグ殿に考え有って、我々の仲間内は、この国の王女である姫様以外は、取り立て紹介されない。

ブランカ兵のフィーグ殿然り、バトランド戦士のライアン殿然り…そして、天空の勇者である、ソロ殿然り…。

そんな中、この時期にマーニャ殿ミネア殿の知り合いを名乗る者が、城を訪ね現れると云う事は、サントハイム城解放の記事だけで、世間には報道されていない事実…即ち城を支配していたバルザック打倒に、あの御2方が関わっていると確信している人物なのだろう…

つまりは色々と、我々の事情を知っている人物…か…?

 

「ふむ、1F南側の客間に、丁重に お通ししろ。

あぁ、それから、姫様とクリフトも、一緒に呼んでくれ。」

「は!畏まりました!」

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「ん~、タイミングが悪かったわね…」

「はぁ…」

 

マーニャとミネアを訪ねてきたのは、2人の父親である、錬金術師エドガンの弟子であったオーリンを名乗るだった。

アッテムトで、フィーグの友達であるシンちゃんを介して、静寂の珠や誘惑の剣を渡してくれたり、バルザックの情報を教えてくれた人物。

前に話に聞いていた、大怪我とやらは どうやら完治しているみたい。

サントハイム城奪還の記事だけで、表沙汰にはしていなかったバルザックの事や、マーニャ達も関係していたのを見抜いたのは見事だけど、あの2人は既に、この国から発っているのよね。

 

「とりあえずは仲間の1人が、アッテムトに用事が有るからって、一緒に付いて行ったんだけど…」

「はぁ…そうですか…」

ぅゎぁ~…滅っ茶凹んでるわねぇ…。

 

「ま、まぁ、あの2人も、死んだと思っていた貴方が生きていたのを知った時は、泣いて喜んでいたから…」

「はあ…」

「…………………。」

厚手の服の上からでも判る、ライアンに勝るとも劣らない筋肉質の巨躯には似合わない様な、弱気な顔を見せるオーリン。

 

「…キングレオの圧政が廃除されたと聞いた時に、それは御嬢様達の御活躍に拠る物だと確信し、キングレオに赴けば、既に其の場には居らず…

メダリオのイベントの報に乗じて、マーニャ様に好い人が出来たと知り、メダリオに行っては擦れ違い…

そして今回のサントハイム城解放、あのバルザックを打ち斃したのは、間違い無く御嬢様方と思い、今度こそはと赴いてみれば、またしても…」

「お、オーリン様、そんなに落ち込まないで…」

その軌跡、見事に私達の後手後手に なってるわね…。

そして更に凹むオーリンに、彼と同行していた女性…多分、コミーズ村で話に上がった…その存在を聞き、ミネアの眼から光が消えた…その時から一緒だったと思われる女の人が、必死にフォローしてるけど、

「ん…。」

オーリンは力弱く頷くだけ。

…それで何となく、ミネアと声が そっくりな このリオスさんて云う女の人、あの時に聞いた話では『可愛らしい娘さん』だったけど、本当に凄く綺麗な女(ひと)!

そして…本当に大っきいわね!!?

マーニャと良い勝負じゃないのよ!!(ネネさんには及ばない)

うぅ~…フィーグにしろ このオーリンにしろ、男の人って、本当に胸が大きな女性に惹かれるのかしら?

…とゆー事は、やっぱりクリフトも?

 

「姫様?」

「あ…な、何でもないから!」

「????」

う~、ついつい、クリフトの方を見ていたみたい。

 

「今頃マーニャ殿達はコミーズ村に帰り、御父上に報告をしている頃…かも、知れないですな。」

「た、確かに、そうかも知れません!

ふ、不覚!あの御家族想いの御嬢様方が、エドガン様に敵討ちが終わった報告をしない筈が無い!

私とした事が、その可能性を忘れていたとわっ…?!!」

ブライの この一言でオーリンは、最高に沈みきっていた表情に活気を宿して立ち上がると、

「こうしては居られません!

アリーナ姫様、急に訪ねて来た身で申し訳有りませんが、これにて失礼させて頂きます!」

いきなり懐から、キメラの翼を取り出して、この場を去ろうとした。

 

「ま、待ちなさいよ!

あくまでも可能性の話であって、確かにマーニャ達がコミーズ村に足を運ぶのは間違い無いと思うけど、また行き違いになるかもよ?」

「うぅ…」

それを、慌てて止める私。

 

「それに今迄も、其方のリオスさん…そんな身にも拘わらず、散々と引っ張りまわしたんでしょ?

いい加減に、何処かに落ち着くべきよ!」

「うぅっ!!」           

そうなのだ。

このリオスさん、胸も大きいけど、お腹も少し、大きくなっているのだ。

つまりは…キャーっ!?

 

「今度、エンドールで開かれるサミットで、皆と会う事になっているから、その時に貴方も連れて行ってあげるから…ね?」

「は…はぁ…

それでは、御言葉に甘えまして…宜しく お願いします。」

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

この後、ついでに聞いてみると、ずっと旅を続けている2人は共に、特に帰る場所は無いと言うので、ファトゥラエンを永住地として勧めてみたら、揃って…特に、本格的に何処かに腰を落ち着かせたかったのが本音だったのだろう、リオスさんが積極的話に乗り出してくれた。

オーリンも その反応で察したのか、ホフマンの街に行くのを決意したみたい。

早速ホフマン宛てに、私が紹介状を書き、それからサランからの定期馬車で、2人はサントハイム南方の砂漠の街へ向かって行った。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「オーリン様…我が儘を言ってしまい、ごめんなさい…」

「いや、これは別に、我が儘とは思ってないさ。

それに私こそ、今迄 気付けずに済まなかったな。」

「…今回も それ、渡し損ねましたね。

でも、アリーナ姫様に預けても良ろしかったのでは?」

「うむ…出来たらコレは、直接に御嬢様達に手渡したかったからな。

それに、マーニャ様が選んだと云うフィーグなる男…この者にも、直接に色々と話をしてみたい。

確実に逢える機会が有るならば、其の機会に身を委ねるのが吉であろう。

フィーグ・ガンリュージマ…。

マーニャ様に相応しい男か否か、エドガン様に代わり、この私が見極めてやろう。」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「ぶぇっくし!」

「あら?風邪ですか?」

「無い無い。おバカは風邪引かない。」

「喧しぃわっ!!」

 

アッテムトでシンちゃんを移住説得した後、俺と お姉さんズは彼女達の故郷、コミーズ村に来ていた。

一番の目的は当然、マーニャさん達が、自分達の父親の墓の下で、敵は討ったと報告をする為だ。

俺も、一緒になって手を合わせていた時に、少しばかり、寒気を感じた。

隣に立っている お姉さんが、凄く失礼な発言をしてくれているが、確かに風邪では無い様だ。

ん。誰か、俺の噂を…さてはソロが、俺の悪口言ってるな?

宜しい、今度、パーティー合流した時にアイツは〆てやる。

 

 




 
リオスのイメージは、リアス・グレモリー(ハイスクールDxD)で お願いします。
 
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