真に導く者   作:挫梛道

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自身は観てないけど、『覇穹』って散々らしいね…
 



黄金の腕輪を追え!

「それじゃあ おばさん、またペスタをお願いします。」

「あぁ、任しときな!

マーニャちゃんもミネアちゃんも、まだ やらないと いけない事が有るんだろ?

さっさと終わらせて、帰って来な!」

 

コミーズ村にて、お姉さんズが父親の墓に、とりあえずの敵討ちの報告をした翌日、俺達は再び、旅の支度をしていた。

マーニャさんミネアさんからすれば、バルザックを斃した事で、旅の目的は達成したと言っても良く、この儘、コミーズ村に腰を置くかと思っていたら、

「「父さんが発見した、進化の秘法を悪用させる訳には いかないわ!」」

…らしい。

律儀と云うか、真面目な お姉さん達だ。

 

「う~っ…ガルガルガルガル…」

………………………。

…ところで、このワンコは何故に、俺に対して威嚇するが如く唸っている?

前に村に来た時は、凄く懐いていたじゃないの?

実は俺、何気に犬は大好きだから、地味に凹んでいるのですが?

 

「ペスタ、フィーグさんの事を、姉さんに纏わり憑く悪い虫とでも、思ってるんじゃないですか?(笑)」

………………………………………。orz

と、兎に角、ワンコの世話を、マーニャさん家の隣の おばちゃんに頼んだ後、俺達はルーラで、モンバーバラへと飛んだ。

因みに何故、魔法移動なのかと言えば、馬車(パインウインド)は現在、エンドール。

馬主である、旦那の家に居るのだ。

流石に旦那を差し置いて、俺達だけで、好き勝手に使う訳には往かないよね。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「船長、待たせたな。」

「ふむ。」

 

モンバーバラに到着すると、俺達は街の劇場へ。

未だ劇場の夜のステージのメインを張っている、現役にして伝説の二つ名を持つ お笑い芸人パノン。

そのパノン氏の息子にして、俺達の船、トリートーン号(正確には旦那所有の船、現在、エンドール江に停泊中)の船長である、カノンと合流する為だ。

 

「…黄金の腕輪については、父殿も、フレノール地方に封印された云われ程度しか、知らないらしい。」

芸人として、世界中をツアー廻りをしているパノン氏なら、黄金の腕輪の情報を何か知っているかも…

そう思い、サミット迄の一時的パーティー解散に伴い、少し暇になった船長に、予め何かしらの情報が有るか、父親を訪ねて聞いみて欲しいと頼んでいたのだが、結局は既に俺達が知っている事柄程度しか掴めなかった。

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

「何だ?もう出発するのか?

もう少し、ゆっくり していけば良いではないか?」

得る情報が無いならばと、早々に去ろうとする俺達を、劇場の団長が呼び止める。

 

「マーニャよ。折角だから、久し振りにステージに上がってみないか?

勿論、ギャラは払うぞ?」

…この日の夜、モンバーバラ劇場のセミのステージに、サプライズゲストとして登場した、マーニャさんの演舞に観客が湧きに湧いた。

お姉さん、最初は

「観客、全部かっ攫ってやる!」

…等と意気込んでいたけど、其処はプロ。

ステージに立つとスイッチが切り替わり、手を抜くとは別意味の、やや 控え目な踊りで、メインに繋ぐ姿勢は忘れない。

ついでに言えば、その前…セミセミのステージで、ツインネックリュートを奏でる謎の仮面の楽師(苦笑)が登場、客席を大いに盛り上げたりした。

…路銀は、有れば在った方が良いんだよ。

 

翌日、俺、お姉さんズ、カノン船長は改めて、フレノール地方へと飛んだ。

参考迄に宿の部屋割りは…流石にミネアさんと船長を同室にする訳には往かないので、今回は普通に男女分けだったよ。

 

「…チッ」

「当然です!!」

「…ボソッ…フィーグよ、私も どっちかと言えば、豊かな胸の女性のが好み…でわなくて、私にはカミさん居るからな…」

…あんた、妻帯者だったんか!?

それと、何だかミネアさんが貧しいみたいな言い方は、善くないと思うぞ?

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「此処でも、進展は無しかぁ~…」

「いやいやマーニャ嬢、私は そうは思えないぞ?」

「…………………。」

 

フレノールに到着、酒場等で色々と黄金の腕輪についての情報を集めてみようとしたが、やはり既に世に広まっている伝承程度の情報しか得られなかった。

…が、それとは別に、この街で起きた、サントハイムの姫君(偽)の誘拐事件。

その事件については、未だ覚えている人は結構居て、犯人とされる3人の人物の人相書きを入手する事が出来たのだ。

尤も、腕輪自体の所在や件の誘拐犯の行方は、あれから分からないらしいが。

この結果に ぶーだれるマーニャさんを、「暇だから」と、殆ど無理矢理に一緒に着いて来たカノン船長が宥める。

それと黄金の腕輪とは、別の収穫は、有るには在った。

 

「…それにしても、オーリンが この街に、ねぇ?」

そうなのだ。

俺は原作知識で知っていたが、少し前迄この街には、オーリンが滞在していたのだ。

宿の女将さん曰わく、

「凄い美人さんと一緒だったわよ。

おっぱい どっどーん!!…な。」

…らしい。…って、み、ミネアさん?

無表情になって、瞳から光を消したりしないで?! マジに怖いから!(」゚O゚L)

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「牙突!」「ベギラマ!」

「いやいや、フィーグはん、相変わらずの、技の冴えですな~!」

 

あれから私達は、今度はフレノールからホフマンさんの街へ、また一気にルーラで飛ぼうとしました。

…ですが その時に、ファトゥラウェンに物資を持ち帰ると言う商人さんの部隊に呼び止められ…その部隊のリーダーの人が、私は覚えていなかったのですが、以前、ソレッタの洞窟で一時的パーティーを組んだゼニーさんと云う方らしく(フィーグさんは覚えていた様です)、最終的には彼等の護衛を兼ねて、同行する事に。

そして現在、砂漠で魔物の群れと交戦中。

フィーグさんの槍に、姉さんの魔法が炸裂しています。

 

「…ふっ、見るが良い!銀河が砕け散る、その様を!!」

そしてカノン船長も、魔力を集中させながら、両腕を頭上でクロスさせて叫びます。

 

「喰らえっ!ギャラクシアン・エクスプロージョン!!(イオラ!)」

ドッゴォオーーーーーン!!

すると、大爆発が起きて、魔物の群れを、一瞬にして消し飛ばしてしまいました!

 

「やっぱ、爆裂(イオ)系は派手ねぇ~!」

その見た目と破壊力に、姉さんも感嘆。

 

「流石は黒サガ!」

「だ・か・ら!違うと言っている!!」

「「「???」」」

そしてフィーグさんと船長さんは、本人同士にしか通じないのでしょう、私達からすれば、何やら意味不明なボケと突っ込みを交わしています。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「「「……………… orz」」」

 

サントハイム砂漠のオアシスの畔に開拓中の街、ファトゥラウェン。

この開拓の指導者なる人物が、以前、フィーグ達と共に旅をしていたと云う、ホフマンなる若者らしい。

いきなり訪ねて来た我々に、笑顔で迎えてくれた彼に対し、早速マーニャ嬢とミネア嬢が、黄金の腕輪の話を振ってみると、

「あぁ、つい先日、私の処に それっぽいのを売りに来た人達が来られましたね。

でも、この街は まだ、お宝なんか買う余裕は無いですし、何と言うか…何となく怪しかったので、お断りしたんです。」

それを聞いて、フィーグが件の人相書きを見せると、

「あ、はい。この人達です。」

見事な入れ違い。これを聞き、フィーグと双子の姉妹は、ガックリと両の掌と膝を地に着け、頭垂れていた。

 

「ま、まぁ、俺の読み通り、奴等は まだ、サントハイム領に居る事が分かっただけでも…」

「「う~ん…」」

それでも必死に、そして無理矢理に、ポジティブに務めようとするフィーグ。

 

「…この街まで来たのなら、もしかして、砂漠手前の旅の扉から、エンドールに渡っているかも…」

「いやいや、それは無いよ。

エンドールはサミット前で、関所関係は皆、厳戒体制が敷かれてるからね。

怪しい輩は、通して貰えないさ。」

「うむ。しかしフィーグよ、一応はコイツ達が、エンドールに行こうとしたのを確認してみては どうだ?」

「…価値は有るね。」

どうやら とりあえずの行き先は、決まったみたいだな。

 

「ぶっちゃけ言うとさ、このバカ達が城奪還の祝いとか言って、アリーナ達の処に売りつけに来てくれたりしてたら、一番楽なんだけどね~?」

「問答無用で お縄にして、熱した銅柱に抱きつかせたり、大量の毒蛇や蠍を詰め込んだ深い縦穴に放りこみますね。」

「「「怖いわ!!」」」

…ぉぃ、フィーグよ?

もしかしてミネア嬢って、結構ブラック? 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

本当に忙しい人達ですね。

あの後フィーグさん達は、黄金の腕輪とやらの情報を求め、早々に街を発ちました。

いや、事前に教えていてくれたら、その時に買い取っていたのに。

少し前から、キングレオに在る炭坑町から、あの人の紹介だと、沢山の人が この街に来てくれて、このファトゥラウェンも、私の頭の中で描く完全図に、かなり近付いています。

本当に あの人達には、感謝の言葉しか浮かびません。

 

コンコン…

「あの…ホフマン?」

…って、考えていたら、シエスタさんが…あ、私の彼女のシスターさんです。

え?聖職者が恋愛しても、大丈夫かと?

それは問題有りません。

曰わく、彼女の宗派の恋愛観は、『其処に愛が在れば犯罪で無い限り、年齢・性別・職業・種族問わず(但し、悪魔とアンデッドは除く)何でもアリ!』…らしいですから。

閑話休題。

 

…そのシエスタさんが、

「、移民希望の方が やって来ました。

アリーナ姫の紹介状を、お持ちです。」

「はい、分かりました。」

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

ペコリ…

私に小さく頭を下げたのは、如何にも力自慢な風貌の男の人と、お嫁さんですかね?

お腹が少し、幸せそうに大きくなっている女性でした。

アリーナ様からの紹介状に目を通してみたら、ふむ、成る程成る程…。

 

「ああ、貴方がオーリンさんですか~。

貴方の事は、マーニャさん達から聞いた事が ありますよ?

ようこそ!ファトゥラウェンへ!」

「「よ…宜しくお願いします…。」」

街を訪ねて来たのは、フィーグさん達と旅をしていた頃、マーニャさん達から何度か話を聞いていた、彼女達の父君の お弟子さんである、オーリンさんでした。

 

「実はマーニャさん達、つい さっきまで、此処に居たんですがね~。

また何処かに、飛んで行きましたよ~。」

「………………!!?(ガクッ)…orz」

…って、オーリンさん?

 

「ま…また、入れ違いか…」

 

 




 
カノン船長については、キャラ設定⑤を参照して下さい。
 
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