Evolve!!   作:プラハ市民

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どうもプラハ市民です。
更新が遅れたのはWarframeをやってた所為です。
許してください!なんでもしますから!!










Evolve StageⅣ

 

 

 

 

 

 

ヒュン・・・ヒュン・・・・

 

 

真夏の太陽が大地を灼熱の地獄へと変えているさ中、途切れ途切れながらも猛烈な速度で進む巨体が風を切りながら前進する。

渓流から数十キロも離れたこの廃墟が立ち並ぶ荒れ地を、まるで草原を颯爽と駆け抜ける野生馬の如く直進する一匹の化け物(モンスター)

時々身体全体を発光させた後、瞬時に何メートルも離れた場所まで移動する様は忍者のようにも見える。

その巨体には、はっきりと確認することができないが肉食獣に捕食され骨だけとなった生物を連想させるような髑髏マークが背中を中心に入っており、髑髏マークの完成度はモンスターが刺青を入れたと思われる程の出来であった。

 

 

 

俺、上杉葵は太陽がギンギンに輝いてくそ暑い中、涼しく過ごし易い渓流から態々出てきて周りの地形を把握しているところである。

態々渓流からでた理由は追々話すとして、今はこの文化を持つ生物が生活していた痕跡を多く残す廃墟のある荒れ地を念入りに調査しなくてはならない。

渓流から出て数キロの地点には、特に目ぼしいものがなく更に生物らしき存在すら確認できないという絶望的な状況であったが、偶然砂の中から顔を出していた人工物が決め手となりこの世界には知的生命体がいることを確信できた。

しかし残念な事に、人工物の風化が想像以上にひどく、これではまるで核戦争後の荒廃した世界ではないかという考えも生まれたくらいだった。

結局は何故あの渓流が無事だったのかという疑問を解消できなかったので、核戦争後の世界という考えは破棄することになったが、意思疎通の可能な知的生命体の生活の痕跡が多くある廃墟だけでは未だに生き残っているかもわからない存在を見つけることは不可能に近いので、数十キロという空間を弄れば造作もない距離を唯々彷徨い無駄な体力を消耗することになった。

正直この体力の浪費は計算外で、今日の目安としては渓流外での昆虫以外の生命体の確認ができればよしだったが、食事云々については全く考えてなかったのでかなり焦っている。

最悪ここから急いで渓流に戻れば問題は解決されるのだが、やはり一日でも早く文化を有した生命体に会うことの方が俺としては重要なので探索等は継続したい。

 

 

「・・・・?」

 

 

ちょっと待てよ。

今微かだが、嗅覚という名のソナーに反応があった。

ピット器官は太陽の熱で完全にイカれていると思われるので、使用は不可だが凄まじい嗅覚だけは正常に機能しているので、反応が間違いであることはない。

それに今は腹が少し空いてるから、獲物に対してある程度以上は敏感になっているはずだ。

もし反応した存在が、一定以上の大きさを有しているなら好都合だ。

こんな荒廃した世界にいる生物なんぞ、やばそうな物を持ってそうだが背に腹は代えられない。

さっさと切り刻んで血肉を吸わせてもらおうか。

 

 

「・・・シュルルルㇽㇽㇽㇽㇽ」

 

 

嗅覚を最大限まで活用し、その場で獲物の位置の確認を急ぐ。

ここで逃げられては貴重な探索時間を浪費して終わってしまうので、出し惜しみはせずに一気に仕留める。

 

 

・・・・・・・・・。

 

 

・・・・・・・捉えた。

距離からして約200m付近の廃墟の裏に生命体を確認。

まず初手として亜空間を使用する。

体中を発光させ自身を強化するフィールドを作り出し、囮を併用して透明になりステルス化した状態で近くまで突っ走り衝撃波で強襲する。

 

 

「グチャグチャ・・・・ブチッ!!」

 

 

不気味で尚且つ気色悪い音を立てながら、自身の分身を瞬時に作り出す。

やはり人間の細胞よりも480倍速く分裂できるのは、大きな利点となる。

俺自身の身体は元の体皮の上に外皮と言う物があるようで、一定以上のダメージなら防いでくれるシールド的存在で、これの回復には細胞分裂で特殊な過程を経なければいけないので分裂の速度を空間を弄って早めれる事が好手となる。

 

 

シュッ・・・・シュッ・・・!

 

 

亜空間で強化された分身が、加速を続けて一気に廃墟裏まで突進する。

ここで遅れるとプランAが失敗してしまうので、ステルス化している状態であるにも関わらず音を気にせず進む。

 

 

『シャアアアァァァ!!!』

 

 

トップスピードに達した分身が獲物の正面から突っ込み切りかかる。

対する獲物は、まさかいきなり強襲されるなんて予想だにしていなかったようで、驚き、死後硬直のようにぴたりと動きが固まる。

当然、弱肉強食の世界での硬直は死を意味していると言っていいくらいまずい事である。

加えてその硬直は、驚きという身体能力が著しく低下する状況を作り出してしまったことが生死を分けた。

獲物は生まれたての小鹿のように足を震わせながらそこから逃亡しようとするが、身体能力の低下というデバフが災いし、消える寸前の囮に一太刀入れられ左前脚を切り降ろされる。

 

 

「――――――――!?!!?」

 

 

凄まじい痛みに見舞われ、絶対的な捕食者に襲われたという恐怖も相まってその場で身体を痙攣させながら獲物は倒れこむ。

俺は、可能性としては低くとも有り得た囮による攻撃のヒットが起こったことで、大変満足した感じに包まれながら痙攣する獲物に止めを刺す。

横向きに倒れた獲物の頭を鋭利な爪が生えている下腕で、頭をガッチリと地面に固定し動かなくした後に上腕の鎌で気管を突き刺す。

大抵の生物はこれが決定打となって死にゆくのだが、どうやらこの獲物は並外れた生命力があるのかまだ身体を動かそうとしたので、恐らく心臓があると思える部分にもう一本の鎌を突き刺して、今度こそ引導を渡す。

数秒後には獲物の生命活動が停止したと判断し、四本の腕を使って自分でもありえないほどの慣れた手つきで全身の皮を剥いでいく。

獲物の皮を剥ぎ終わった後は恒例のお食事タイムに入る。

上腕の鎌を地面に突き立てて、超能力である空間を弄る力で血肉をストローでジュースを飲むように啜る。

 

 

ジュルルルッ・・・・ジュルルルルッ・・・・

 

 

気色悪い音を立てながら、全身の皮が剥げた獲物だったものを吸い上げ吸収していく。

この身体は超能力辺りを使用している時は、頭部の一部で発光現象が起こる。

何故かは分からないが、俺は蛍の発光のように体内の酵素が超能力である異次元を操ることによって化学反応を起こし、それによって生み出されたエネルギーを源として光っていると思っている。

まあ本当の意味で調べようと思ったら、こんな超常現象並みの能力を人間の知識で理解することは不可能だろう。

少なくとも人間性を捧げなければいけないと言う事であるのは、身体が変わってからというもの幾度となく考えてきたのだが、如何せんまだ完全に人間性を放棄したくない所もある。

 

 

さーて難しい話は後にして、探索再開といこうか!

 

 

早速空間を弄って・・・・・・・・・・。

 

 

 

・・・・・・・・・・。

 

 

 

あれっ?なんでこんなに視界がぼやけていってるんだ・・・?

 

 

まるでこれじゃあ俺が風邪引いてぶっ倒れたときのような感じn

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドスンッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

 

・・・・・・・・・・・・・。

 

 

・・・・・・・・・。

 

 

・・・・・・。

 

 

・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ムクリ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャアァァァァァ・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時この世で一匹の化け物が(モンスター)目覚めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どもども、今回はいつも通り変なごり押しで終わりました。

一体主人公の身に何があったのか!? ←大したことない次回への繋がり


次回「化け物のprelude(嘘)」

人類に電撃奔る。







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