理想主義の問題児が異世界から来るそうですよ? 作:ゆっくり祐一
・黒ウサギ 1票
・春日部耀 1票
・レティシア 0票
・ペスト 1票
このような感じになっております。皆さん、どしどし投票してください(切実)
それと今回は少し長めです。
それでは本編スタートです!
~三人称視点~
「ジン坊っちゃーん、新しい方を連れてきましたよー!」
箱庭二一〇五三八〇外門、ペリベッド通り・噴水広場前。そこの外側の階段に座っている少年・・・ジン=ラッセルに向かって、黒ウサギは大きな声を張り上げてそのことを伝えた。
「お帰り、黒ウサギ。そちらの女性二人が?」
「YES! こちらの御四人様が・・・」
くるりと回転して四人を紹介しようとした瞬間、黒ウサギは固まってしまった。そこにいたのは、春日部耀と久遠飛鳥の二人しかいなかった。
「・・・・・・あれ? もう二人ほどいませんでしたっけ? ちょっと目つきが悪くて、かなり口も悪くて、全身から”俺問題児!”ってオーラを放っている殿方と、一見常識を持ち合わせていそうですけど、問題児の殿方が」
「ああ、十六夜君の事? 彼なら『ちょっと世界の果てを見てくるぜ!』って言って駆け出して行ったわ、祐介君を引き連れて。あっちの方に」
飛鳥はそういいながら断崖絶壁が見えた場所の方を指さした。
「な、何で止めてくれなかったんですか!」
「『止めてくれるなよ』と言われたもの」
「ならどうして黒ウサギに言ってくれなかったんですか!」
「『黒ウサギには言うなよ』といわれたから」
「嘘です! 絶対面倒だったからでしょう! 御二人様!」
「「うん」」
がっくりとうなだれる黒ウサギ。一方のジンは指をさした方を見て顔を真っ青にしながら、
「た、大変です! ”世界の果て”にはギフトゲームのため野放しにされている幻獣が」
「幻獣?」
「は、はい。ギフトを持った獣を指す言葉で、特に”世界の果て”付近には強力なギフトを持ったものがいます。出くわせば最後、とても人間では太刀打ちできません!」
「あら、それは残念。もう彼らはゲームオーバー?」
「ゲーム参加前にゲームオーバー?・・・斬新?」
「冗談を言っている場合じゃありません!」
うなだれていた黒ウサギは、即座に体を起こして、ジンにこういった。
「ジン坊っちゃん。申し訳ありませんが、お二人様の案内をお願いできますか?」
「わかった。黒ウサギはどうするの?」
「私は問題児を捕まえに参ります。この際、”箱庭の貴族”と謳われるウサギを馬鹿にしたことを公開させてあげます!」
そういうと、先ほどまでの髪の色とは違い、淡い緋色に染め上げた。
「一刻ほどで戻ります! 皆さんはゆっくりと箱庭ライフをお楽しみください!」
黒ウサギは飛鳥と耀にそう言い残すと、”世界の果て”に向かって全力で跳躍した。そして、あっという間に三人の前から姿を消した。
~三人称視点終了~
~祐介視点~
「それにしても、黒ウサギに言わなくてよかったのか?」
”世界の果て”を目指して移動している俺と十六夜。その移動のさなか、黒ウサギに言わなかったこといたいして多少の罪悪感を抱いていた。
「大丈夫だろ? ああいうタイプは弄ってなんぼみたいなものだし」
「・・・まあ、あながち間違いではないかもな」
そういって自分の心に大丈夫だと言い聞かせることにした。これから先、こういうことが絶対にあるだろうからな。今の内からこうしておかないと。
「そんな事より、お前よくついてこれるな」
「・・・ん? ああ、お前の移動速度にか?」
十六夜が俺の移動速度に関して驚いていた。まあ、これくらいはどうにでもなるしな。そもそも基本スペックが異常だからな俺・・・
「まあ、俺のスペックが異常だということにしといてくれ。正直俺も、いまだに自分の力を理解しきれてないから」
「・・・まあ、そういうことにしといてやるよ」
そう言ったが十六夜の目は笑っていなかった。まるでおれの心を見透かしているかのようだった。でも、俺の言ったことは半分事実である。正直まだわかっていないこともあるし。
「っと、そんな事よりついたみたいだぜ?」
そんなやり取りをしていると、落下中に見えた断崖絶壁の場所・・・”世界の果て”についていた。その光景を見た俺たちは素直に驚いていた。
「ヤハハ、本当にすげぇな」
「・・・ああ、けど。この光景よりも面白そうな奴がいるみたいだぜ?」
「そうみたいだな!」
すると、水面から勢いよく何かが出てきた。見た感じ巨大な大蛇・・・いやこの際水蛇か? そいつが俺たちを見下ろしていた。
『人間がこの地に何用だ?』
「・・・なあ十六夜、俺こいつの実力なんとなくわかったわ」
「・・・ああ、恐らく”俺ら”よりも弱いな」
『き、貴様ら・・・ま、まあいい。それよりも試練を選べ、小僧ども』
水蛇? の言葉に、十六夜は鼻で笑いながら
「随分と上から目線だなぁオイ。お前如きに俺を試せるのか?」
『ず、図に乗るな、小僧ぉぉぉぉ!!」
「・・・そんな迫力が感じられないな。さすがは水蛇(笑)」
「そうだなww」
『わ、我を愚弄するか・・・許さんぞ・・・許さんぞ! 小僧共ぉぉぉ!!!』
「祐介は手を出すなよ? こいつは俺がやるからな!」
「ああ、別にいいぜ」
そういうと、俺は近くの大きめの岩に寝転がる。そしてしばらくの間十六夜の戦いを観戦していると
「・・・ぐー」
いつの間にか眠ってしまっていたようだった。
『・・・ん! ・・て・・・さい!』
「・・・ん?」
「祐介さん! 起きてください!」
突如、頭に強い衝撃を受けた俺はそのまま目を覚ました。するとそこには、髪の色が変わった黒ウサギが心配そうな表情でこちらを見ていた。
「・・・何で髪の色違うの? あの短期間で染めたりでもした?」
「そんなわけなです! このお馬鹿様!」
スパァン!と勢いよくハリセンで叩かれる俺。解せぬ。
「そういえば、十六夜の戦いはどうなったんだ?」
「十六夜さんでしたら・・・あそこに」
黒ウサギが滝の方を指さした。そこにはいかにもこれが最後の一撃と言わんばかりの攻撃(竜巻のようなもの)を放った水蛇と、それを待ち構える十六夜の姿があった。
「十六夜さん!」
黒ウサギはそう叫ぶが、それに対して十六夜は笑っていた。
「――ハッ! しゃらくせぇ!!」
そういって、十六夜は竜巻に向かって殴りつけた。すると、
「『は?』」
黒ウサギと、その攻撃を放った水蛇は呆気にとられていた。一方のおれは、
「ちょっ!? 何でおれの方に攻撃が来るんだよ!」
「ヤハハ、悪いな。そっちは適当に任せたぜ!」
そういってこっちにガッツポーズを見せる十六夜。こいつ、絶対に確信犯だ・・・そんなことを考えている間にも、俺の目の前に近づいてくる竜巻。
「祐介さん! 逃げてください!」
「・・・ああもう! 面倒だ、これでも喰らってろ!」
俺は竜巻に向かって一蹴した。すると、その水蛇が放った攻撃が一瞬にして四散した。
「『はぁ!?』」
「・・・へぇ」
十六夜の時と同じように、二人は驚きを隠せないでいた。一方の十六夜は、面白いことになってきたみたいな表情を作っていた。
「さて、それじゃあそろそろ終わらせるか」
十六夜はそういうと、水蛇に向かって攻撃を繰り出す、その攻撃は水蛇をしっかりと捉え、水蛇はそのまま川の中へと倒れた。
(に、人間が・・・神格を倒した?! しかも素手で!?)
黒ウサギはしばしの間呆然としている。するとそこに十六夜が、
「おい、黒ウサギ。ぼーっとしてると胸とか脚とか揉むぞ?」
「・・・って、何してるんですかこのお馬鹿様!」
スパーン!と十六夜の頭をハリセンで叩く黒ウサギ。その顔は熟れたトマトのように赤かった。
「お、お馬鹿です!? 200年守ってきた黒ウサギの貞操に傷をつけるつもりですか!?」
「うわ。なにそれ、超傷つけたい」
「お馬鹿!? いいえお馬鹿です!」
確信を持ったかのように黒ウサギはそういった。そこに俺が、
「それよりも黒ウサギ、俺ら(というか十六夜の一人勝ちだけど)ギフトゲームに勝ったわけなんだから、なんか報酬貰えんじゃないの?」
「そ、そうでした!」
黒ウサギは思い出したかのようにそう声をあげる。そして恐る恐る十六夜に聞いてた。
「あ、あの・・・あの蛇神生きてますよね?」
「別に殺しまではしてないさ。殺すなんてつまんねぇからな」
「そ、そうですか・・・」
それだけを確認すると、黒ウサギはそのまま蛇神と呼ばれた奴のところに行って何やら色々とやっていた。そして少し時間がたつと、
「見てください! こんなに大きな水樹の苗を貰いましたよ! これがあれば、もう他所のコミュニティから水を買う必要がなくなります!」
きゃーきゃーと喜ぶ黒ウサギをしり目に、俺と十六夜はアイコンタクトをかわすと、十六夜が口を開いた。
「なあ、黒ウサギ。お前、何か俺たちに決定的なことを隠してないか?」
「(ギクッ)!?」
「驚いているところを見ると、どうやらビンゴみたいだな」
「ど、どうして・・・」
黒ウサギはどうしてわかったのかという表情でこちらを見てきていた。それに俺は口を開く。
「まあ、最初はどうして俺たちを召喚する必要があったのかとか思ったな。大抵こういう場合って、弱小コミュニティが俺たちに協力を要請するためとかが普通かと思った。まあそれ以外にもあったんだが、今のセリフを聞いて確信した」
「な、何をでしょう・・・?」
「黒ウサギ、お前のコミュニティは何らかの理由で衰退したコミュニティなんじゃないのか?」
「っ!?」
黒ウサギの表情は驚きへと変わっていた。
「まあ、沈黙は是として受け取るぜ。理由を話さないんだったら俺と祐介は他所のコミュニティに行くぜ」
「そ、それだけは! ・・・わかりました。黒ウサギもお腹を括って、精々オモシロオカシク説明することにします」
「ああ、早くしてくれ」
十六夜は早くしてくれとせかしている。まあ、俺もコミュニティの現状をしっかりと知っておきたいしな。なるべく早く聞きたいな。
それから俺たちは黒ウサギからコミュニティの現状を聞かされた。黒ウサギの説明をざっくりとまとめると、黒ウサギのコミュニティには”名前”がなく、その他大勢扱いの”ノーネーム”と呼ばれているらしい。そしてコミュニティの誇りである”旗印”がなく、かつての仲間も一人もいないらしい。
「もう崖っぷちだな!」
「ホントですねー!」
半ば自棄気味に黒ウサギはそういって、そのままその場に膝をついていたのは記憶に新しいな。
話を戻すが、黒ウサギのコミュニティは箱庭の天災と呼ばれる”魔王”によって、何もかもを奪われてしまったらしい。現在コミュニティに残っているのは、ギフトを持っていない子供たちだけとのこと。魔王と言う単語を聞いた十六夜は目を輝かせていたのは言うまでもない。もちろん俺も目を輝かせてしまったのだが・・・。そしてその魔王は、”主催者権限”と呼ばれるものを持ち、そいつらにギフトゲームを挑まれると断れないらしい。そして黒ウサギたちは、かつての仲間と誇りを取り戻すために、改名をせずに頑張っているとのこと。話を聞くと、なんか壮大だな・・・。
「お願いします! どうかその強大な力を、我々のコミュニティに貸していただけないでしょうか!」
目じりに涙を浮かべながら黒ウサギは俺たちに頭を下げた。
(ここで断られたら、私たちにコミュニティはもう・・・)
「・・・いいな、それ」
「・・・・・・は?」
「HA? じゃねえよ。協力するって言ったんだよ。もう少し喜べよ。それで、お前はどうするんだ?」
「・・・そうだな。そんな話をされたら断るなんてできないし。何よりそっちの方が面白そうだからな。俺も協力するぜ!」
「あ、ありがとう・・・ありがとうございます!」
黒ウサギは笑顔になって一礼をする。しかし、魔王ね・・・これは、本当に面白くなってきたな。そんな風に思っていると、
「さて、それじゃあそろそろ帰るか」
「そ、そうですね。早く皆さん合流しないといけないですし」
黒ウサギはウキウキしながら帰路に就こうとした。しかし、
「おい、黒ウサギ。お前これいらないのか?」
そういって十六夜が黒ウサギに水樹の苗を投げる。それを見た黒ウサギは赤面して足早にその場を後にするのだった。
「忘れ物をしたのがそんなに恥ずかしいのかね?」
「さあな。コミュニティに新戦力が来たから浮足立ってんだろ」
「一理あるな」
俺と十六夜は小さく笑いあっていると、
「御二人様! 早くしないと置いていきますよ!」
黒ウサギがせかしてくる。それを見た十六夜は意地の悪い笑みを浮かべると、
「じゃあ俺たちはしばらくこの辺を探索してるぜ」
「何言ってるんですかこのお馬鹿様!」
スパァン!と勢いよく十六夜の頭をハリセンで叩く黒ウサギ。十六夜との距離はかなりあったはずなんだが・・・
「ツッコミの才能があるみたいだな」
「そんな才能いりません!」
何故か俺も叩かれた。解せぬ。
こうして俺たちは、飛鳥達と合流するために移動をはじめる。その際何度かハリセンの餌食にされたのだった。俺は何も癪に障ることしてないのに・・・
はい、今回はここまでです。ぶっちゃけると、黒ウサギの話がそこそこ長かったので、大雑把にしてみました。それと少し独自解釈と独自設定を組み込んでみました。次回はさらに独自設定が追加される予定です。あと、ガルドとの会話シーンは全カットですw理由を言うとするなら・・・正直、あのキャラは嫌いです(特に顔とか顔とか)
あと、投票はまだ受け付けてますので、活動報告の方でどうぞ!
次回「サウザンドアイズにて」
誤字脱字等があれば報告お願いします。
次回もゆっくりしていってね!