理想主義の問題児が異世界から来るそうですよ? 作:ゆっくり祐一
それでは本編スタートです!
拠点に入ってすぐ、黒ウサギたちと遭遇した。話によると、これから女性陣は一番風呂に入るそうだったので、そのままソニアを預けて俺は自分が寝泊まりする部屋を決めに歩き出した。
「・・・まあ、ここらへんでいいかな」
そこそこ日差しが当たるところで、かつ湿気があまりなさそうな場所選んだ俺は、女性陣がお風呂から上がるまでの間適当にぶらつくことにした。すると、
『どういうつもりですか!?』
「・・・ん?」
貴賓室近くを通り過ぎようとしたらそんな声が響いた。この声はこのコミュニティのリーダーのジンか。何やら面白そうな匂いがしたので貴賓室の扉を開けた。
「どうしたんだ? っと、十六夜がいたのか」
「俺じゃなかったら誰がいるんだよ?」
「いや、ジンがだれに怒ってるのか気になってな」
とりあえず、現状把握のために十六夜から事の発端を聞くことにした。俺が部屋選びをしている最中、ガルドのコミュニティから刺客が来て、そいつらに魔王打倒のコミュニティとしてジンの名前を出したらしい。それにジンは怒りを覚えているんだとか。
「十六夜さん、魔王の力はコミュニティの入り口で理解できたでしょう!?」
「勿論、あんな面白そうな力を持った奴とゲームで戦えるなんて面白そうじゃないか」
「十六夜に同意」
「お・・・面白そう? では、お二人は自分の趣味の為にコミュニティを滅亡に追いやるつもりですか?」
ジンは俺たち二人の言葉を聞き捨てられないといった口調で俺たちに聞いてくる。こいつはわかってないな。これは十六夜の作戦だということに。
「いいや。これはコミュニティ発展に必要不可欠な作戦だ」
「作戦? ・・・・・・どういうことですか?」
「じゃあ聞くけど、ジンは俺たちを呼び出して、どうやって魔王戦うつもりだったんだ?」
「まず・・・水源を確保するつもりでした。新しい人材と的確に作戦を組めば、水神クラスとまではいかなくとも水を確保する方法はありましたから。けど、それに関してはお二人が想像以上の成果を上げてくれたので素直に感謝しています」
「俺は何もやってない、感謝なら十六夜にするんだな。」
「おう、感謝し尽くせ」
ケラケラ笑う十六夜を無視してジンは説明を続ける。
「ギフトゲームを堅実にクリアしていけば、コミュニティは確実に強くなります。たとえ力のない同士が呼び出されても、力を合わせればコミュニティは大きくなります。ましてや、これだけ才能のある方々そろえば・・・どんなギフトゲームにも対抗できたはず」
「期待一杯、胸一杯だったわけか」
「それなのに・・・それなのに、お二人は自分の娯楽の為だけにコミュニティを危機にさらし陥れるようなことをした! 魔王を倒すためのコミュニティなんて馬鹿げた宣言が流布されたら最後、魔王とのギフトゲームは不可避になるんですよ!?そのことをあなたたちはわかっているんですか!?」
そういいながら壁を叩きつけるジン。十六夜が言った言葉によっぽど腹が立っていたのだろう。しかし、
「呆れた。そんな机上の空論でああだこうだ言ってたのかよ。失望したぜ、ジン=ラッセル」
「な、」
俺の言葉に驚きを隠せない表情をするジン。そんなジンに構わず言葉を発する。
「ギフトゲームに参加して力をつけるなんて言うのは当たり前のことだ。俺と十六夜が言いたいのは、魔王との戦いをどうやって勝つかって聞いてるんだ」
「だ、だからギフトゲームに参加して力をつけて」
「・・・じゃあ、前のコミュニティはギフトゲームに参加して力をつけていなかったのか? いや、そんなことはないはずだ」
「そ、それは・・・」
ジンは言葉に詰まっていた。その間俺は十六夜に対して、
「十六夜、悪いな。途中まで全部言っていいか?」
「ヤハハ、いいぜ。言いたいことは同じだしな。その後の説明はまかしとけ」
「サンキュー。さて、ジン。加えて聞くけど、前のコミュニティが大きくなったのhあギフトゲームだけだったのか?」
「・・・・・・。いえ」
「だろうな。確かにジンの言うことももっともなことだろう。だが、それ以外に強大なギフトと、それを保持した奴・・・つまりは人材だ。大抵の奴なら名の売れた場所に籍を入れたいのは当然。だが、今のおれたちには名もなければ旗もない」
「祐介の言う通りだ。俺たちにはコミュニティを象徴するものが何もない。これじゃあコミュニティの存在は口コミでも広がらない。だからこそ俺たちを呼んだんだろ?」
「・・・・・・・・・」
「”サウザンドアイズ”が”ノーネーム”を客として扱わなかったのは当然だ。”ノーネーム”は所詮名前がないその他大勢扱いだ。信用すると何をしでかすかわからないんだからな。そのハンデを背負いながら、お前は先代のコミュニティを超える必要があるんだぜ?」
「先代を・・・超える・・・!?」
「その様子じゃ、全然考えてなかったみたいだな。まあ、無理もないか」
「・・・・・・っ」
その言葉にジンは悔しそうな表情を浮かべている。そんなジンに十六夜は続ける
「名も旗もないとなると、――他には、もうリーダーの名前を売り込むしかないだろ?」
「・・・僕を担ぎ上げて、コミュニティの存在をアピールするということですか?」
「ああ、悪くない手だろう?」
十六夜はケラケラ笑いながらジンを見る。そのジンの視線は先ほどまでと違っていた。
「今のコミュニティに足りないのはまず人材だ。俺や祐介並みとは贅沢言わないが、せめて俺たち二人の足元並みは欲しいところだ。けど、伸るか反るかは御チビ次第。ほかにカッコイイ作戦があるなら協力は惜しまんぜ?」
「一つだけ条件があります。今度開かれる”サウザンドアイズ”のギフトゲームに、お二人で参加してもらってもいいですか?
そういってジンが条件を提示してきた。十六夜は実力を見せろってことか?とジンに聞いている。と言うか、
「え、俺も出るの? 正直十六夜オンリーでも大丈夫じゃね?」
「確かに十六夜さん一人でも問題はないかもしれません。でも、念には念を入れたほうがいいですから」
「ヤハハ! 別におれ一人でもいいんだけどな! それよりもそのゲームに何かあるのか?」
「・・・ええ、ひとつは御二人の実力を見せてもらいたいっていうことと、あと一つはこのゲームに僕たちが取り戻さないといけない大事なものが出品されるんです」
「名と旗の次に大事なもの・・・昔の仲間とか?」
「はい、しかもただの仲間ではありません。元・魔王だった仲間です」
なるほど、確かにそれだったら戦力としては十分だな。そこから十六夜たちが何やら話をしていたが、
「二人とも、俺そろそろ部屋に戻るわ。これからやることがあるから」
「・・・そうですか。わかりました」
「了解、俺と御チビはもう少しここで話をしてるぜ。ああ、それと御チビ。明日のギフトゲーム負けたら、俺たち二人はこのコミュニティ抜けるからな?」
「はい・・・・・・え? えええええええええええええ!?」
歩き出した背後からジンのそんな驚きが聞こえてきたが無視して部屋の中に入った。
翌日
ギフトゲームが行われる場所についた俺たち。そこは一面ジャングルだった。これに関して黒ウサギとジンが何かを言っていたが正直どうでもよかったので聞き流していた。そして契約書類を一通り目を通すと、ガルドを指定武具で討伐するという内容だった。まあ、飛鳥と耀なら何とかなるだろう。
「三人とも」
ギフトゲームが始まる直前、俺は三人を呼び止めた。三人は首をかしげて俺を見る。
「何かあるといけないから、これを渡しておくぜ」
そういうと、俺は三人に小さなお守りを渡した。まあ、念には念を入れてってやつだ。
「そのお守りにはちょっとした効果が付与されてるよ。俺の拒絶者としてのギフトでいくらか恩恵が入ってるから、気休め程度に持ってて」
「・・・ありがたく貰っておくわ」
「ありがとう」
「ありがとうございます」
三人はそれを受け取るとギフトゲームを開始した。そして俺たちは入り口でゲームが終わるのを待っていた。
「それにしても、あれには何の効果があるんだ?」
そう十六夜が切り出したので俺は、
「ああ、あれには簡単な防御系の効果が入ってるんだよ。どんなに強力な攻撃でもかなり軽減してくれるものさ」
「完全に無力化できるものは作れなかったのか?」
「徹夜で3つ作るにはあれが限界だ」
そういいながら目をこする。実際徹夜で作業していたのでめっちゃ眠い。
「黒ウサギー。俺ねるから終わったら起こしてくれ」
「えっ!? こんなところで寝るんですか!?」
「・・・・・ぐー」
「寝るの早くないですか!?」
黒ウサギのそんな声を聴くことなく、俺は眠ってしまった。
今回はあとがきコーナーはお休みです。
こう考えると祐介君はチートですなww
一応予定としてはペルセウス戦中から複線バンバン出していこうかと思います。と言っても恋愛描写書いたことがないので駄文になること確定ですが、温かい目で見てくれるとありがたいです。
次回「吸血鬼とペルセウス」
誤字脱字等がありましたら報告お願いします。
次回もゆっくりしていってね!