理想主義の問題児が異世界から来るそうですよ?   作:ゆっくり祐一

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ハイどうも、皆さんお久しぶりです。

失踪したと思った? ねえねえ思った? 正直失踪してましたすみません。忙しくてこっちまで編集が行き届きませんでした。

これからも不定期投稿になってしまいますが、よろしくお願いします・・・

それでは本編をどうぞ!


第8話 吸血鬼とペルセウス

「祐介さん! 起きてください!」

 

目を覚ますと、すでにギフトゲームは終わっており、黒ウサギが慌てた様子で俺を起こしていた。

 

「お、終わったみたいだな」

「そんな悠長なこと言ってる場合じゃないんです! 耀さんが負傷したんですよ!!」

「・・・あれ、俺お守り渡さなかったっけ? もしかして効果なかった?」

「い、いえ。効果はありました。普通なら失血死しそうな怪我でしたが祐介さんのお陰でいくらかわ緩和されてます。ですが、それでも重傷には変わりありません! 私はこのままコミュニティまで戻って耀さんの治療をしてきます!」

「了解」

 

そう言い残すと、黒ウサギはものすごい速さでコミュニティまで戻っていった。もちろん耀を担いで。

 

「さて、十六夜たちは・・・」

 

起き上がりあたりを確認する。どうやら近くにはいないみたいだ。しばらくあたりを探していると、大勢の奴らに旗を返すジンと十六夜の姿が見えた。

 

「よっ、精が出ますな」

「祐介か。今いい感じに旗を返し終わって演説も始める所だ。お前もここに居ろ」

「はいはい」

 

暫くするとジンの演説も始まり、そこにいた奴らは歓声のようなものをあげていた。そして俺と十六夜の方を見て、何やら小さく声をあげていた。神格を倒したや白夜叉を倒したとか・・・てか、よくそんな情報が出回ってるもんだと内心驚いていた。

 

演説も終わり、一同はコミュニティに帰る支度をしていた。

 

「十六夜、ちょっといいか?」

「ん? なんだ」

 

俺は十六夜を呼び止めて話を始めた。

 

「ちょっと先にコミュニティに帰っててくれないか? ちょっとこれから行くところがあってな」

「なんだ? さっきからその辺に隠れてるやつに仕返しでもするつもりか?」

「んなことするか。面倒だ。ただ単に“サウザンドアイズ”に行って来るだけだ。個人的なお話さね」

「そうか、じゃあ俺らは先に帰ってるからな」

 

そういうと、十六夜はジンたちを引き連れてコミュニティに戻っていった。

 

「さて、俺もそろそろ向かいますか」

 

“サウザンドアイズ”のコミュニティに向かって歩を進めようとした時だった。

 

「っ!」

 

突如足元にランスが突き刺さった。俺は後ろを振り返る。そこには、

 

「・・・誰だお前は」

「誰でもいいだろう。白夜叉を倒したというお前の実力を見せてもらうぞ!」

「・・・はぁ」

 

そこには背中に翼の生えた金髪ロリが飛んでいた。恐らく、コイツが先ほどまであそこにいた奴なのだろう。てか、何でこいつが白夜叉を倒したことを知ってるんだよ。

 

「いくぞ!」

 

金髪ロリはそういってランスを投擲する。てか、攻撃方法それしかないのかよ。まるで馬鹿の一つ覚えなのか?

 

「あー、こんなの」

 

バキッ!!!

 

「なっ!?」

 

投擲されたランスの中間部分をつかみへし折ってやった。すると、大きな隙を見つけたので後ろに回り込んで首根っこをつかんだ。

 

「くっ! 放せ!」

「話してもいいが・・・もう攻撃はしないか? 正直面倒だから」

「わ、わかったから話せ!」

 

とりあえず攻撃しないことは了承してもらえたので、俺はすんなりと首根っこから手を放した。

 

「それで、お前はいったい何者だ? さっきのギフトゲームからずっと気配を感じていたが」

「・・・確か、あの時お前は寝ていたはずだが・・・?」

「寝てても何となく気配がわかるんだ。それで、お前はいったい何者だ? まさか、あいつらの手先じゃないだろうな?」

「まさか、わたしは逆にあいつに力を与えただけに過ぎない」

 

ふーん、こいつがガルドに力を与えた・・・単純に言えばこいつは敵なんだろうが、やけにおとなしいな。もう少し探るか。

 

「さて、じゃあ名を名乗ってもらおうか? ついでに所属を」

「・・・・・・レティシア=ドラクレアだ。元“ノーネーム”所属」

「・・・・・・ふーん、ってことは・・・ジンが言ってたお仲間か」

 

元“ノーネーム”所属、これは意外だったな。そうなると・・・今回のガルドの件での出来事は・・・

 

「つまり、現在の“ノーネーム”の実力を図るために・・・あのギフトゲームに関与したってところか」

「・・・なるほど、白夜叉の言った通りの人間だな」

「大方、打倒魔王を掲げたことに嘆いて、それで現“ノーネーム”の実力が知りたいとでも考えて、今回の騒動に便乗したってところか」

「な、なぜそうも的確に・・・」

 

レティシアが俺の回答に驚いているが、そんなことをお構いなしに俺は話を進めていく。

 

「それだったら、コミュニティに行ってきな。まあ、どうせそうするんだろうけどな」

「・・・私の素性を聞かないのか?」

 

確かに、そんないきなりあらわれてどうこう言ったらさすがに怪しむのが普通だろう。それに、こいつの今の所属を言ってない。しかし、これだけはわかる

 

「まあ、どうせすぐにわかることだしな。“サウザンドアイズ”に行く用事もあるから確認できるし」

「・・・そうか、恩に着る」

 

そういってレティシアは俺らのコミュニティがある場所に向かっていった。

 

「さて、俺もそろそろ行くか」

 

重い足を上げながら、俺は“サウザンドアイズ”へと向かうのだった。

 

 

「どうぞ入ってください」

「なんか変なものでも食った?」

 

“サウザンドアイズ”についた瞬間そういわれた。いや、だってさ・・・昨日はあんなかたくなに店に入れることを拒んだのにさ、何この掌返し。

 

「失礼ですね。私は正常です」

「いや、だって昨日の今日じゃ・・・ね?」

「と、とにかく。中にオーナーがいます」

「・・・了解」

 

これ以上言っても何もいいことはないだろうと考えた俺は、素直に聞いて店の中へと入っていった。

 

「ん? なんじゃ祐介か」

「うーっす。ちょっと聞きたいこと云々あってきた」

「そうか、まあ座れ」

 

白夜叉に促されて向かい合うように座る。そして一息ついてから、

 

「ついさっきまでガルドとのギフトゲームをしてきたんだが、その後にレティシアっつう奴に合ったんだが、あいつのこと教えてくんない?」

「・・・レティシアにあったのか」

「ああ」

「・・・わかった。話そう」

 

白夜叉は近くにあったお茶をすすって一息ついてから、れてぃしあのことを説明してくれた。三年前の魔法とのギフトゲームによって連れ去られ、今はペルセウスの所有物となっているそうだ。

 

「ペルセウスねぇ…めんどくさいことにならなければいいんだけどもね」

「おぬしがそれを言うか。お主の連中なら何食わぬ顔で連れ戻そうとするじゃろうが」

「まぁねぇ…俺は別にどっちでもいいんだけどね。面白そうだし、それに一回戦ってみたいんだよね…そういった連中に」

「まあ、おぬしらしいといえばお主らしいな…」

 

そういって適当に談笑しているときだった。

 

「失礼するよ」

 

ふすまの先で声が聞こえた。こっちの意見を聞かずにそのふすまは開かれた。そこにはいかにもうざそうな面構えの男が立っていた。

 

「・・・お主か、ルイオス・ペルセウス」

「・・・こいつが?」

 

俺には目の前にいるやつがそんなに強い奴には見えない。どうせ親の七光りだろ。

 

「おや、見慣れない顔がいるね。誰だ君は」

「人に名前を尋ねるのなら自分から名乗れよ七光り」

「・・・へぇ。口の利き方に注意しろよ。名無し」

 

どうやらこいつは俺の素性・・・新生ノーネームの事を知ってるみたいだな。なら話は早いだろう。

 

「それで、“名無し”は何でこの店にいるんだ? ここはノーネームはお断りだろ?」

「おれは“ノーネーム”としてここにきているわけではない。それにそれをお前から指図される必要性はないだろう? それに俺は、白夜叉と話をしに来ただけだ」

「こんなやつに負けるなんてねぇ。白夜叉様も弱くなったんじゃないですか?」

「・・・なんじゃと? 小童」

 

おいコイツ、なんか矛先を白夜叉に変えたぞ。そして白夜叉から発せられる殺気がやばい件について。まあでも、俺は別に問題はないんだが・・・

 

「おっと、こわいこわい。さすがに“白き夜の魔王”と謂われているあなたに挑んでも勝ち目がないかもしれないね。でも、僕が死んでもこの店を粉々にすることぐらいはできるよ? 貴方の可愛い部下がみんな粉々になっちゃうよ? それに、同士殺しは重罪ですよ?」

「・・・くっ!」

 

ルイオスの放った言葉に、歯を食いしばる白夜叉。よほど部下が大事なんだろう。仕方ない。ここは俺が出る所だろう。

 

「ああ七光り。一ついっておくぞ。お前のやった仕掛け? あれ全部ぶっ壊しておいたぞ?」

「・・・・は?」

「いやだから。お前がやってたであろう細工。俺が全部ぶっ壊した。ついでに同士殺し?って奴? 別に白夜叉が手を下さなくても・・・俺が手を下せば別に問題ないんじゃね?」ゴオッ!!

「「っ!?」」

 

俺から発せられるオーラに驚く白夜叉と七光り。ていうか白夜叉。お前俺と戦ってるときあっただろ。なんでここで驚くんだよ。

 

「ば、バカな!? なんだこの殺気は!? 何でこんなやつが“ノーネーム”にいるんだよ!」

「おいどうした? 何ビビってんだよ。ほら、お前がバカにする“ノーネーム”だぞ? 倒してみろよ。それとな、別に俺が何を言われようが別にいい。だがなぁ・・・知り合いを馬鹿にして、挙句に人質をとろうなんざ俺は許せねぇな。男なら正々堂々やってみろよクズが」

 

俺の怒気が上がっていくにつれてだんだんと追い込まれていく七光り。そんな時だった。

 

「まっ、脅しはこんなもんでいいか」

「「・・・は?」」

「いや、さすがに冗談だから。さすがに白夜叉のいる目の前で殺すなんてしたら何されるか...。まあ闇討ちくらいはするだろうけどさ」

『冗談に聞こえなかったぞ...。それに、コイツなら本当にやりかねないから怖いんじゃが...』

 

白夜叉がそんなことを考えていることなんざ梅雨知らず、俺は適当に七光りを煽っていた。

 

「・・・っと、どうやら来たみたいだな。白夜叉、お前にお客さんだ」

「っ! ・・・そのようじゃの。双方、この件はいったん保留ということにさせてもらうぞ」

「・・・わかりましたよ」

 

向けられた矛先に驚きながらも白夜叉はそういった。そして俺は“サウザンドアイズ“の入口へと向かった。そこには、

 

「よっ、やっと来たか」

「ああ、来てやったぜ」

 

逆廻十六夜を筆頭とする問題児一行と、どこか怒りを隠している黒ウサギが店の前で立っていた。

 

「さて、はじめようかね。“ペルセウス”と“ノーネーム”の第一ラウンドを」

 

そういうと、俺は三日月のような笑みを浮かべるのだった。

 

 

 

~三人称視点~

 

自室で”ノーネーム”の一行を待っている間。ルイオスの事を無視しながら、白夜叉は考えにふけっていた。

 

『それにしても、あの時のアヤツの目・・・まるで感情の無い人形のようなまなざしじゃった』

 

彼・・・工藤祐介があの時放った言葉。その時の彼の表情に視線を奪われていた。その時の彼の目は、光を一切通さない濁ったまなざしだった。

 

『アヤツのあれは一体・・・これは少し本人に問いただす必要があるかもしれんの』

 

よほどのことがない限り、あんな目にはならないはず。そう彼女は結論付け、そこで視線を戻し、湯吞みに手をかけるのだった。

 

しかし、白夜叉は知らなかった。彼・・・工藤祐介が抱えているものが彼女の想像しているものよりも暗く深いことを。そして、近々それを思い知らされることになることを。

 




今回はほぼオリジナル。十六夜たちがレティシアと遭遇中に単身で”サウザンドアイズ”に乗り込んで色々やっていくというお話でした。次回はO☆HA☆NA☆SHI!の回です。

次回「七光りとの話し合い」

誤字脱字等があれば報告お願いします!

次回もゆっくりしていってね!

※ご指摘を受けまして、少し(後半部分を)改変しました。
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