魔法科高校の劣等生〜もう1人のイレギュラー〜   作:主任大好き

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9月、それは多くにとって突然に起こった。
正体不明の、複数の大学による学生への同時襲撃。
その殆どは成功し、学生は拠って立つ夏休みの生活リズムを大きく揺るがされた。
そして、大学の教授らの名で、ごく短い声明が学生に発信される。
To Nobles(学生諸君).Welcome to the University(ようこそ、久しぶりの学校へ).
それは全ての学生への明確な宣戦であった。
学生は怠惰な夏休みの生活リズムを放り出し、狂気の大学に対することを余儀なくされ、
学生らは覚束ない足元にはじめて気づいたかのように、それを恐怖するしかなかった。


入学編 IV

開始の合図が耳に入ったと同時に摩利はどこからか取り出した短めの木刀を手にし、自己加速術式を使用して十一へと掛けていく。

一方で十一の方はと言うと、組んでいた腕を解いて何かに備える。しかし、その時には既に目の前に摩利が木刀を振り下ろしていた。

そして、絵では振り切られる───

 

 

 

 

が、十一はその場におらず、もといた場所の後方に数m移動していた。

 

「えっ!?」

 

真由美が驚愕を露にする。達也以外の面々もそうだった。深雪に関しては、達也から話は聞いていたのか少し驚いてる程度で済んでいるが。

 

Shall we dance(ダンスを御希望かい)Come on(いいぜ、来いよ)!」

 

恭しく片手を前に頭を下げ、流れる様な動作で挑発する。あくまで自分が上であることを誇示するかのように、一度区切って向かわせるように大きく声を出す。その一連の動作が、外見と相まって違和感を感じないのだから達也は苦笑を浮かべていた。

その意味を十一が意図した通りに受け取った摩利は青筋を浮かべ空気弾も交えて攻撃を始める。

しかし、十一はそれを全て避ける。具体的には『ダッシュ』を展開していた。『ダッシュ』とは十一が使える魔法の一つで相手に攻撃され、当たる瞬間に使えば攻撃はすり抜けていく。言い換えれば、瞬間的な無敵状態へと持っていくことが出来る。

たまに、ダッシュを行いながら摩利へ突撃し、空中へ逃げる。それを撃ち落とすために空気弾を放つが十一は『スカイスター』を展開。これは空中版の『ダッシュ』と考えれば説明がつくだろう。

 

「くっ、何故当たらないんだ・・・・・・!」

 

「ハッハッハー!仕方ない、このままじゃ埒が明かないからな。俺に一撃食らわせたらそちらの勝ち、俺はあんたを床につけたら勝ちって事はどうだ?」

 

「くっ、後悔するなよ!」

 

開始から数分。今まで動き続けていた十一は急停止する。このまま行けば決定打がなかったからだ。しかし、地に伏せることは出来る。だからそれを選んだ。その為にはまず、自分に攻撃してもらわなければならないのだ。そのための挑発だったりもした。

今までよりも早く摩利は動く。自己加速術式を展開した時には既に十一の目の前だった。摩利は既にモーションに入っていてコンマ数秒で当たる。

しかし、十一の口は弧を描いてた。摩利がそれに気づいた時には既に遅し。摩利の攻撃が十一に当たると同時に、肩には十一の手が添えられ───

 

Blast(吹っ飛べ)!」

 

もといた場所へと返され、背中から地面に着いた。

強く押し出された訳では無いのだが、押し返された時にそれなりのダメージが入ったのか、起き上がるのに少々時間が掛かっている。

 

「ハッハッハー、Too easy(チョロイな)!」

 

「しょ、勝者、一十一・・・・・・」

 

十一の言葉を聞いて止まっていたそれぞれの時が動き出す。

 

「え、えっと・・・・・・今の、何?」

 

「最後の?最初のも途中のも最後のも内緒っす。そっちの方がおもしろいでしょ?」

 

ふふん、と鼻を鳴らして胸を張る。しかし、胸を張ったことによって、室内にある時計が目に入った。

時刻は5時35分。そろそろ、約15分後には約束の時間となる。

 

「流石だな」

 

「お兄様から話は聞いていましたが、本当におもしろい魔法を使うんですね」

 

「ん?俺の魔法見るのは初めてだったか?まだまだ面白い魔法は沢山あるぜ?」

 

達也と深雪に声を掛けられる。十一はありがとう、と返して時計を示す。話を早く切り上げて帰ろうぜ、と言外にそう言う。

達也もそれに同調するかするかのように、退室する為に続こうとしたのだが、摩利や数人に声を掛けられる。

 

「十一くん、ホントに入る気はないか?私はますます君がうちに欲しくなったよ」

 

「そうね・・・・・・それにしても今年の1年生は面白い子が多いわね」

 

「入りませんよ。それにさっき言ったじゃないすか、『依頼なら受けます』って。そんなに来て欲しいなら、依頼として受けますよ?」

 

すると、摩利は十一の肩をかなり強い力で掴んできた。無言の圧力を受けて言葉を待つと、摩利は依頼内容を口にする。

 

「明日から1週間、協力してくれ」

 

「あ、それなら私からもお願いね。たまにでいいから生徒会の仕事をお手伝いして欲しいのよ」

 

その言葉に、内心満面の笑みで「毎度ありー!」なんて、言葉を思っていたのだが、顔にするのは呆れた感じで、「分かりましたよ」と返答。

結局、十一と達也は明日からの説明を受けるために風紀委員室へと赴いた。

 

「えっ?」

 

そこで聞いた話は意外なことで、先日のなんたらこうたらという一科生の人が教職員枠で入ることになったのだ。

そのことに、掃除していた達也はCADを落としそうになり慌てて持ち直す。十一も掃除はしていたのだが、そのなんたらこうたらという人物のことを知らなかった為、右から左へと流していた。

 

「はぁ・・・・・・どちらも入れないというのはどうでしょうか?」

 

ため息混じりにそう呟くと、摩利からストレートな質問を受ける。顔も笑っておらず、正直に話せと言っているようだ。

 

「・・・・・・正気なところ、面倒だ、と思っていますが、今更引き下がれないとも思っていますよ」

 

「屈折しているな、君も」

 

そんな会話をしている2人を他所に十一は掃除が終わって暇だったのか、1人で椅子に座り、舟を漕いでいた。

その後、数人の風紀委員と顔を合わせたところで今日は解散となった。

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

「ん?ほぉ・・・・・・なるほどねぇ。じゃあ、裏の方は俺が調べておこうか?」

 

『そう言うのは儂らに任せんか。丁度これが儂らの最後の仕事だ』

 

『あぁ、貴殿はまだ若いし学生ときた。逆に今までが働きすぎなのだ。それに、幼い頃から長として働いておられる』

 

『そうね。次回からは娘たちが当主になるのだからその時は先輩としてお願いね』

 

帰ってきた言葉はしゃがれた男性特有の声と比較的若い男性の声。さらに、同じように比較的若い女性の声が端末から流れる。

 

「えーっと、どこで顔合わせって決めてた?」

 

『まだだな。済まないが、私の家はどうだろうか。広いし、そこそこ充実していると思うが?』

 

少しきつく感じるが、どこか楽しそうにはなすその言葉をきっかけに、肯定の意が返ってくる。誰も反対する気など無いかのように穏やかに物事が決まっていく。

 

「ま、こっちは任せろ、夏頃までにはそれぞれ情報を集めておいてくれ。頼んだぞ」

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

「と言うことでさ、俺が創る部活入ってくんね?」

 

「あぁ、えっと・・・・・・悪ぃな。もう入る部活決めちまっててよ」

 

「わ、私も見て回って決めようかなぁって思ってて」

 

放課後、ちょっとした時間に達也以外のいつものメンバーに声を掛ける。レオと美月は乗り気ではなかったみたいだが、部活が休みの時とかだったらやってみたいと言ったのでその時は来てもらうことになったのだ。

しかし、以外だったのがエリカだった。以前のように「パース」と言って難しいかと思ってら思いの外「面白そう!やってみたい」とのこと。

 

「じゃあ、来週から私と十一くんが部員?ちなみにどんな活動内容なの?」

 

「名前の通り、生徒たちから依頼を受けてそれを遂行。その生徒の名前とこっちで控えを取ることで、こっちの仕事のために依頼してきた人を使ったり?」

 

「なるほど、だから相互(・・)扶助、なのね。あ、お菓子とか持っていっていい?」

 

「おう。当たり前だ。ある程度のものは備えるつもりだぜ」

 

その後、達也に呼ばれて生徒会室を介して風紀委員室に近道をする。

 

「あいつらの反応はどうだった?」

 

「レオと美月は他の部活をしながらじゃねーか?見て回りたいって言ってたし。ただ、以外だっのがエリカなんだよな。なんと『面白そう!』って言って来週から部員ですぜ」

 

「・・・・・・ホントに以外だな。ただ、放課後の暇つぶしだと思うが」

 

「多分そうだろうな。つっても部員なんだから仕事はしてもらうぜ?」

 

風紀委員室に着くとまだ誰もいなかったため軽口を叩きながら話していると、ぞろぞろと入室してくる。

2人は立ち上がり最低限の挨拶を済まし席に座る。そんな様子を摩利は満足気に見ている。

最後にやって来たのは、昨日の話題に出ていた人物である、なんたらこうたらという1科生の生徒が入室早々、十一と達也を見て声を荒らげる。

 

「何故お前らがいる!」

 

そんな質問を十一は右から左へと聞き流し、達也は達也でため息を吐きながら呆れた声でそれを咎める。もちろん、摩利にも「騒がしい!」と一喝。居心地が悪くなったようだ。

 

「全員揃ったな?」

 

その質問に1年生の3人以外は首肯する。

 

「そのままでいい。さて、今年もまた、あのバカ騒ぎの1週間がやって来た。風紀委員にとっては新年度最初の山場だ」

 

バカ騒ぎ、新年度最初の山場、などと風紀委員の間で揶揄されているモノ。それは部活勧誘だ。普通科高校と違い、九校戦のためにも入試の優秀成績者を引き込みたいと意気込む部活ばかりなのだ。

 

「いいか、くれぐれも風紀委員が率先して騒ぎを起こすような真似はするなよ?いいな?今年は大人しく、それでいてきっちり仕事をこなしてくれ」

 

同じ言葉ではなかったが、何度も強調するところを見ると去年までは風紀委員も騒ぎを起こしていたのだろう。

達也はチラリと隣を見る。もちろん、十一だ。その目は『頼むぞ』と強く念押ししているようにも見えるが、十一はニヤリと笑うだけ。

 

「(多分こいつは『俺は風紀委員じゃないですからね』とでも言うんだろうなぁ)」

 

などと、遠い目をしながら思考に耽る。

 

「まあ、今年は幸いなことに卒業生分の補充が2人間に合った。あとのもう1人は振興部活動『相互扶助部』の部長だ」

 

その言葉ともに、緊張で肩に力が入りガチガチな状態のなんたらこうたらと正反対に、ポケットに手を突っ込み欠伸をしている十一。2人のちょうど真ん中あたりの達也が立ち上がる。

 

「1-Aの森崎駿と1-Eの司波達也と一十一だ。前の2人は風紀委員だが、一は1週間だけの風紀委員だ」

 

少しのざわめきとともに質問した者がいた。

 

「誰と組ませるんですか?」

 

「前回も説明した通り、部員争奪週間は各自単独で巡回する。これは新入りであっても例外じゃない」

 

「役に立つんですか?」

 

「ああ、心配するな。3人とも使えるやつだ。森崎のデバイス操作もなかなかのものだったし司波も一腕は実際にこの目で見たからな。心配なら誰かに付くか?ん?」

 

反論することもなく、やめておく、と一言拒否の言葉を口にする。

その後は簡単な確認を終え、各自部屋を出ていく。

 

「えーっと、3人にはこれを渡しておこう。レコーダーは胸ポケットに入れておけ。ちょうどレンズ部分が外に出る大きさになっている。スイッチは右側のボタンだ」

 

その他諸々の説明を受ける。達也が旧式のCADを使用したいという旨を伝えると、備品の旧式のCADを二基使用する許可を貰う。

室外へ出ると、十一と達也の背後から敵意を向けた声を掛けられる。

十一は達也に『行こうぜ』と言いたげに顎で進行方向を指す。達也は苦笑を浮かべ首を横に振り向き直る。

 

「はったりが得意なみたいだな。会長や委員長に取り入ったのもはったりを利かせたのか?」

 

「・・・・・・ブフッ!あ、ごめんってそんな、睨むなよ達也」

 

達也は今の十一の言動で若干青筋を立てが今更だと思い直し、小馬鹿にした感じで答える。

 

「羨ましいのか?」

 

「なっ・・・・・・ふんっ、今回はやりすぎたな。複数のCADを同時に使うなんて、お前ら二科生如きにできるはずが無い」

 

得意気に説教じみた言葉を発し続ける森崎という人物に十一はそろそろ動きたかったため、口を開く。

 

「あー、分かった。そんな風に知識自慢しなくてもいいからさ、仕事チャチャッと終わらせてぇんだわ。そんなご高説は他所でやってくれ」

 

「なっ・・・・・・この期に及んでお前っ・・・・・・」

 

背中にそんな言葉を掛けられるが、正直に言えば十一も達也も複数のCADを使用したまま魔法の行使が可能なのだ。今更そんなことを言われようと知ったことではない。

 

「これだから足下掬われるんだっつの」

 

「まあ、仕方の無いことだろう。俺たちの全てを知っているわけでもないからな・・・・・・それじゃあ、また後でだな」

 

「りょーかい」

 

2人はそれぞれ足が赴くままに校内探索とでもいうような雰囲気で歩き始めた。

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

「ハッハッハー!めちゃくちゃになってるのがちらほら見受けられるが・・・・・・なんか他に出店とか無いのかねぇ」

 

達也と別れた十一は何か面白いことは無いかと探していた。現在回ってるのは文化部のブースで料理部やら何やらを見て回って、食べて回って楽しんでいる。

 

「あ、これめっちゃうまい。すんません、これいくらっすか?え?500円割と安いな」

 

しかも値段、味ともに十一の納得いくところだったらしい。

十一は是非ともレシピが欲しいと思いながらも巡回という名の散歩を続けようと立ち上がると、後ろから肩に手を置かれた。

何となくだが誰か解ってしまいため息をついてしまう。

 

「おや、こんなところで何をしているのかな?君は」

 

「あいちゃー、楽しみすぎましたかね。ままま、一応働いてますよ?」

 

「どこがだ!お祭り気分で楽しんでいるじゃないか!それに、開き直るんじゃない!」

 

「そんな細かいことを気にしてたら禿げちまいますよ?」

 

そう言うとため息を吐かれいいから他の見回りをしろと言われる。それに対して、残念そうに返事をするとまたため息。

そのへんをブース付近ブラついていると以前の1科生と2科生のトラブルの時に知り合った2人が遠くの方でもみくちゃにされていた。

 

「ん?あれは・・・・・・確か雫とほのかじゃねーか?大変なことになってんな。んじゃ、行くとしやすか・・・・・・ってあら?拉致られたぞ」

 

十一は楽しそうにその光景を見ながら追いかける。彼の独自の魔法を使いながら追いかけるが、少しずつしか距離が縮まらない。

結局、最速の魔法を使って追いつくことに。何も無い空間から小さめの青い剣を出現させる。そして、それをスケボーに刺してマーキングを行う。十一がそれを確認したと同時に十一はその場から消えていた。

 

───────────────────────

 

 

 

「あら、以外ね。摩利が追いかけてくると思ったのに」

 

「ん?あいつ笑っていやがるな。どうしたんだ?それに、さっきの向こうにいたはずの二科の男子はどこに行ったんだ?」

 

「いない・・・・・・わね」

 

え?二科の男子?達也さん?それとも十一さん?西条くんは・・・・・・無さそう。というか、ほのか大丈夫かな?目がものすご回って輪廻眼みたいにくるくる回ってる。

 

「まあ、今のうちに戻るか」

 

「「そうだな、急いで戻るとするか。でも、ちゃーんと、前は向いといた方がいいぜ?事故なんて起こったら大惨事だからな」」

 

「なっ・・・・・・!?」

 

「っ!?」

 

「えっ?」

 

いきなり前の方から声が二重に聞こえたために前方へ目を向けると、そこには2()()の十一さんがいた。

・・・・・・え?どういうこと?何を言ってるか解らないと思うけど私も解らない。なんで、十一さんが2人も?

そのまま、2人の十一さんはぶつかる直前にガード(・・・)して、車とほとんど同じ速度だった私たちを止める。それなりに大きいはずの運動エネルギー体を1ミリも動かさないで止めるのは流石にどうかと思うけど。

 

「雫とほのかは大丈夫か?」

 

片方の十一さんは、私たちに声を掛けてくる。心配してくれているようだ。もう1人の十一さんは向こうで2人の先輩を逮捕。誰かと端末で話をしてこちらに来るように要請してる。

 

「えっ!?あれ?い、いいいいつの間に十一さんが2人!?」

 

「ん?ああ、そうだったな。こっちに来てくれ」

 

そう声を掛けると、もう1人の十一さんもこっちに来て十一さんの隣に十一さんが並ぶ。

・・・・・・何言ってるんだろう。

 

「えっと、そ、そそそそちらの方は!?」

 

「ふふん。本当はネタばらしは好きじゃないんだけどなぁ・・・・・・まあ、いいか。『ドッペルゲンガー』、戻れ」

 

「「え?」」

 

そう言うと、ドッペルゲンガーと言われた方は急に黒く塗りつぶされた影のようになり、十一さんの体の中へと戻っていく。

 

「えっと、ドッペルゲンガーって?」

 

私がそう聞くと、十一さんは悪戯が成功した時のように楽しそうにニヤリと笑って答える。

って、そうだった。こういうの聞くのはあまり良くなかった。

 

「俺が使える魔法、『召喚』のうちの1つ。基本的に、俺が使うのはこの魔法だな。他にも色々あるけどな」

 

そう言って私たち2人にキザに笑ってみせる。顔がかっこいいからか様になっている。ほのかが顔を赤くして手で覆っているんだけど・・・・・・それが揶揄われる原因となっていることに気づいてない。

 

「あのね、十一さん。お願いがあるんだけど・・・・・・」

 

「ああ、俺も聞きたいことがあるんだがそっちを先に」

 

「え?あ、うん。その、さっきの部活に行ってみたいなって・・・・・・」

 

「ええ!?ほ、ホントに!?」

 

「ハッハッハー!かわいらしい顔に似合わずなかなか剛毅だな。じゃあ、こっちの方にあるから向かうか」

 

「そう言えば、十一さんの聞きたい事って言うのは?」

 

「あー、そのなんだ?新しい部活を創ったからメンバー集めようと思ってな」

 

新しい部活か・・・・・・ちょっと気になるけど・・・・・・あれ?じゃあ、なんで風紀委員をしてるんだろう。

 

「あ、あの!何で十一さんは風紀委員になったんですか?風紀委員になったらそんな暇なくなると思うんですけど」

 

「新しい部室とか色々の準備に1週間掛かるのと、早速依頼を受けて風紀委員の手伝いって感じか」

 

「依頼?何かの手伝いをする部活、ですか?」

 

「ま、簡単に言ったらそうだな。相互扶助部の活動は依頼を受けて仕事をこなす。ただ、相互という部分がついているからこっちの仕事にもあとから付き合ってもらうことになるけどな」

 

むぅ・・・・・・これは困った。以外に面白そうな部活動。兼部はできないのかな・・・・・・ってレオくんたちに聞いてると思うけどメンバーが気になる。

 

「・・・・・・悩む。正直に言うと面白そう。そう言えばエリカたちは?」

 

「レオと美月が兼部が可能ならやりたいって言ってエリカはなんと入部決定」

 

「・・・・・・以外ですね」

 

ほのかの感想通り、私もそう思う。十一さんも苦笑を浮かべているあたり、放課後遊んで帰りたいのが見え見えだったのかもしれない。

 

「まぁ、さっきの部活のブースのところに行ってから兼部が可能か聞いてみりゃあいいじゃねーか」

 

「うん」

 

「あ、私もそうしますね」

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

「SSボード・バイアスロン部?」

 

「そうなの。春夏秋はスケートボード、冬はスノーボードを使って移動しながらコースに設置された的を魔法で撃ち抜く競技なの」

 

「魔法で撃ち抜く(・・・・)、ですか?」

 

現在、3人は先ほどの部活のブースに来ており、競技の説明を受けていた。

説明を聞いていると、ほのかの興味を引いたのか、引っかかる部分を聞き返すと部長の五十嵐が目を輝かせる。

競技の説明を詳しく纏めると、次のようになる。

 

『200mごとに10mずつ設置された射撃ゾーンで、自分の色の的だけを破壊しながら、コースを走破する競技。破壊した的の数とゴールまでのタイムを競い、ペナルティとして自分の色以外の的を破壊すると減点』

 

とのことだ。

これは俺向きの競技ではなかろうか、そう考えていたが今は取り敢えず、雫とほのかのために来ているため余計なことを口にしないようにしている。

 

「ほのか・・・・・・私これやってみたい」

 

雫は普段とは違い、目が輝いている。本当に意外だ。それだけ肝が座っているのだろうが、驚く事である。

ほのかもそんな雫が珍しいのか、結局折れることになる。

 

「あの、すいません。入部すると言った手前、失礼ですけど兼部って可能ですか?」

 

「大丈夫だけど、どうして?」

 

「あぁ、その話は俺からするが構わないか?」

 

「えっと・・・・・・うん。お願いしていいかな?」

 

部活の説明を受ける前に、ここに来るまでの話を説明したところ、苦笑いを浮かべながら謝罪を受けた。今までに何度か、問題を起こしていたのかもしれない。

 

「実は俺、新しい部活を創部したんだ。名前は相互扶助部ってので、誘ってみて興味を持たれたけど、取り敢えず見てみたいってことで、お守りも兼ねてここに来たんだ」

 

この先輩は珍しく、2科生だからなどと差別的思考は持っていないらしい。

 

「なるほどね。うん、大丈夫だよ。流石に人の考えることを変えるなんて事は無理だからね。あ、そうだ。なら君もやってみない?お試しということで」

 

「すんませんね、今日から1週間は風紀委員長から依頼が来てるんでそっちを優先させてるんだ。そのお誘いには今度乗ってみる。先輩が以来に来た時には1回分オマケっすね」

 

そう言って十一は五十嵐に向かってウインクをする。顔と雰囲気とマッチするところが、イケメンとしての特権なのだろう。

一部の人間からはとてつもなく恨まれそうではあるが、逆に他の一部の人間にはかなりウケる。確かに、世の中は非常である。




ISを見てくれている人には大変申し訳ありませんが、現在スランプに陥っています。それでも、質を今以上に落とさないように頑張るだけで一生懸命ですが、気長に待っていただけたらなと思っております。この度は、誠にすいません。
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